14 / 58
(13)花という女 ①
しおりを挟む
◇
五年前と聞くと、チクリと胸に刺さるものがある。
重蔵には今も忘れられぬ女がいて、名前を《お花》といった。
ちょうど五年前の春、重蔵はお花への恋に敗れた。
◇
過失によって盗賊を死なせてからというもの、重蔵は家の外に出られなくなった。外へ出るたびに、眩暈と耳鳴りに襲われるためだ。
しかし、屋敷に籠って一年以上が過ぎた夏、重蔵は仕事と風呂以外の外出を余儀なくされた。
長らく刀を研がなかったせいで、刀身はいまにも折れそうな有様になっていたのである。
重蔵はようやく重い腰を上げて、亡き父の代から縁のある研ぎ師に修復を任せた。
父の刀は、すでに父本人の意思によって鋳潰すと決まっていたため、それも研ぎ師に依頼した。重蔵の手元に返るのは、自身の刀と、父の形見であるのはずだった。
ところが、包まれて返されたのは重蔵の刀だけで、父のはない。
「こっちよ」
刀を届けにきた研ぎ師の娘・お花が鍔を持っていた。
「返してくれ」
「じゃあ、追いかけていらっしゃいよ」
お花は優雅に身を翻し、鍔を持ち去ってしまった。
父の形見を奪われて泣き寝入りするわけにはいかず、重蔵はやむなく、お花を追うために屋敷を出た。
ふだんは酔っ払いしか歩いていない夏の夜道に、やたらと人が湧いているので、重蔵の眩暈はますます酷くなったものだ。
眩暈でふらつく重蔵を気遣ってか、お花は時折足を止めてくれる。その後ろをよたよたと追いかけるうちに、屋台と人でごった返す両国橋へと行きついた。
ようやくお花を捕まえて、この無礼な女をいざ叱ってやろうと肩をそびやかした刹那、
「ほら見て、もうすぐよ」
お花の笑う後ろで、両国の夜空に閃光が弾けた。
花火の音に驚いたせいか、その後の祭りに連れ回されたせいか、帰るころには鍔のことなど忘れていて、ついに重蔵は父の形見を取り返せなかった。
それからというもの、お花はを餌にして重蔵を誘うようになった。お花に悪意がないのを分かっていただけに、重蔵は怒ることもできずに振り回されていた。
「なぜ、いつも私に悪戯をするのだ」
ある真夏日、日本橋へ連れ出されていた重蔵が呆れて尋ねると、
「だってあなた、いじめたくなるのよ」
と、お花は愉快げに答えた。
「それに、重さんのことは、父からもよく訊いているの。子供時分は賑やかなところが大好きで、いつも浅草や神田へ連れて行ってもらったとか」
お花の父である研ぎ師は、重蔵の父の代からの馴染みだった。重蔵の子供時分の話は、きっと父が話していたに違いない。
「……子供時分のことだ」
蝉の声と交わる耳鳴りに耳孔を痛めながらも、重蔵は言った。
確かに、幼い時分の重蔵には、本所から見える都心の景色が別世界のように見えた。
大川の向こう岸からは楽しそうな人々の声がして、夜でも煌々と空が明るくて、毎日祭りが開かれているのではないかと勘違いしたほどだ。
「そこまで知っているのなら、私の手が汚れているのを、お父上から聞いているのではないのか」
重蔵がこわごわと訊いてみる。
両親が天寿を全うしたのは、重蔵が人を殺めるより以前のことなので、父の口から研ぎ師に伝わるのはあり得ない。
ただ、お花が何もかも知っていそうな気がして、重蔵には底恐ろしかったのである。
すると、お花はその一瞬だけ真摯な面差しになった。
「汚れてる?」
お花は重蔵の手を取った。
「あたしから見て、汚れてなければいいのよ。あなたの手、白くてなめらかで、あたしは好きね」
「そなたが良ければいいだなんて、そんな勝手な言い方……」
言いかけて、言葉を失った。
怖いほどに、お花の言葉が胸に滲んでくる。
罪悪感で満ちていた胸から、膿がすっと抜けていくような心地だった。
「……っ」
悲しかったわけでもなく、ただ涙が出た。
重蔵の罪は一生消えぬ。
忘れてはならぬ。
人から責められなくてはならぬ。
そう覚悟していた。
それなのに、お花に認められたことが、なによりも心を軽くした。
「かがんで。私が隠してあげる」
お花は袂から出した手拭いを重蔵へ寄越してやりながら、重蔵を胸へ抱き寄せた。
情けないと分かりながらも、壁とお花の間に挟まれる安心から、絶えず涙がこぼれた。
顔を両手で覆う重蔵を、お花は微笑みをもって見下ろしていた。
「落ち着いたら、甘いものでも食べに行きましょう。せっかくの出かけだもの。泣き顔で帰せないわ」
その言葉通り、お花はようやく息を整えた重蔵の手を引き、水売りから白玉の入ったものをふたつ買った。
「どうぞ」
白玉の入った椀を差し出されて、重蔵は素直に馳走になって良いかも分からず、困惑していた。
「女人から馳走になるのは、男としていかがなものかと」
「あら、お口に合わないかしら」
眉を上げて様子をうかがってくるお花から視線を落とし、椀を見た。
砂糖水のなかで白玉が涼しげに浮いている。
「甘いものは、好き、だが」
「うん」
「あまり食べすぎるなと、父上が」
「しっかりしたお父様なのね。でも、今日はいいのよ」
お花は箸で白玉をひとつ掴むと、重蔵の唇へ軽く押し当てた。
ひやりとした白玉の冷気が、妙な色気を帯びていた。
「あたしが許すわ」
お花が許せば良いものでもなかろうに、重蔵は言われるがままに白玉を咀嚼していた。
許されたことをするのは、楽な心地である。
それでいて、お花はこの心地良さを、つねに重蔵へ与えてくれた。
「本当のことを言うとね、あたし、あなたをいじめたくて、お父さまの鍔を持っていったんじゃないのよ」
肩身を狭めて白玉を啜る重蔵を、愛おしげに見つめてお花が言った。
「では、ほかに?」
「あなたをおでかけにお誘いする口実が欲しくて。一目見た時から、可愛いって思ってたのよ」
「……そういうことを言うと、勘違いする男がいるのでは」
現に、重蔵は勘違いを起こしかけている自覚がある。
(私を好き、ということで、良いのだろうか)
であれば、相愛である。
重蔵はお花と目を合わせられぬまま、火照った顔を犬のように椀へ沈めていると、
「ねえ、重さん」
ふと、お花が目の奥に鋭い光を宿し、身を乗り出すような姿勢で、重蔵へ肩を寄せた。
「今夜、あなたのところへ行ってもいいかしら」
◇
五年前と聞くと、チクリと胸に刺さるものがある。
重蔵には今も忘れられぬ女がいて、名前を《お花》といった。
ちょうど五年前の春、重蔵はお花への恋に敗れた。
◇
過失によって盗賊を死なせてからというもの、重蔵は家の外に出られなくなった。外へ出るたびに、眩暈と耳鳴りに襲われるためだ。
しかし、屋敷に籠って一年以上が過ぎた夏、重蔵は仕事と風呂以外の外出を余儀なくされた。
長らく刀を研がなかったせいで、刀身はいまにも折れそうな有様になっていたのである。
重蔵はようやく重い腰を上げて、亡き父の代から縁のある研ぎ師に修復を任せた。
父の刀は、すでに父本人の意思によって鋳潰すと決まっていたため、それも研ぎ師に依頼した。重蔵の手元に返るのは、自身の刀と、父の形見であるのはずだった。
ところが、包まれて返されたのは重蔵の刀だけで、父のはない。
「こっちよ」
刀を届けにきた研ぎ師の娘・お花が鍔を持っていた。
「返してくれ」
「じゃあ、追いかけていらっしゃいよ」
お花は優雅に身を翻し、鍔を持ち去ってしまった。
父の形見を奪われて泣き寝入りするわけにはいかず、重蔵はやむなく、お花を追うために屋敷を出た。
ふだんは酔っ払いしか歩いていない夏の夜道に、やたらと人が湧いているので、重蔵の眩暈はますます酷くなったものだ。
眩暈でふらつく重蔵を気遣ってか、お花は時折足を止めてくれる。その後ろをよたよたと追いかけるうちに、屋台と人でごった返す両国橋へと行きついた。
ようやくお花を捕まえて、この無礼な女をいざ叱ってやろうと肩をそびやかした刹那、
「ほら見て、もうすぐよ」
お花の笑う後ろで、両国の夜空に閃光が弾けた。
花火の音に驚いたせいか、その後の祭りに連れ回されたせいか、帰るころには鍔のことなど忘れていて、ついに重蔵は父の形見を取り返せなかった。
それからというもの、お花はを餌にして重蔵を誘うようになった。お花に悪意がないのを分かっていただけに、重蔵は怒ることもできずに振り回されていた。
「なぜ、いつも私に悪戯をするのだ」
ある真夏日、日本橋へ連れ出されていた重蔵が呆れて尋ねると、
「だってあなた、いじめたくなるのよ」
と、お花は愉快げに答えた。
「それに、重さんのことは、父からもよく訊いているの。子供時分は賑やかなところが大好きで、いつも浅草や神田へ連れて行ってもらったとか」
お花の父である研ぎ師は、重蔵の父の代からの馴染みだった。重蔵の子供時分の話は、きっと父が話していたに違いない。
「……子供時分のことだ」
蝉の声と交わる耳鳴りに耳孔を痛めながらも、重蔵は言った。
確かに、幼い時分の重蔵には、本所から見える都心の景色が別世界のように見えた。
大川の向こう岸からは楽しそうな人々の声がして、夜でも煌々と空が明るくて、毎日祭りが開かれているのではないかと勘違いしたほどだ。
「そこまで知っているのなら、私の手が汚れているのを、お父上から聞いているのではないのか」
重蔵がこわごわと訊いてみる。
両親が天寿を全うしたのは、重蔵が人を殺めるより以前のことなので、父の口から研ぎ師に伝わるのはあり得ない。
ただ、お花が何もかも知っていそうな気がして、重蔵には底恐ろしかったのである。
すると、お花はその一瞬だけ真摯な面差しになった。
「汚れてる?」
お花は重蔵の手を取った。
「あたしから見て、汚れてなければいいのよ。あなたの手、白くてなめらかで、あたしは好きね」
「そなたが良ければいいだなんて、そんな勝手な言い方……」
言いかけて、言葉を失った。
怖いほどに、お花の言葉が胸に滲んでくる。
罪悪感で満ちていた胸から、膿がすっと抜けていくような心地だった。
「……っ」
悲しかったわけでもなく、ただ涙が出た。
重蔵の罪は一生消えぬ。
忘れてはならぬ。
人から責められなくてはならぬ。
そう覚悟していた。
それなのに、お花に認められたことが、なによりも心を軽くした。
「かがんで。私が隠してあげる」
お花は袂から出した手拭いを重蔵へ寄越してやりながら、重蔵を胸へ抱き寄せた。
情けないと分かりながらも、壁とお花の間に挟まれる安心から、絶えず涙がこぼれた。
顔を両手で覆う重蔵を、お花は微笑みをもって見下ろしていた。
「落ち着いたら、甘いものでも食べに行きましょう。せっかくの出かけだもの。泣き顔で帰せないわ」
その言葉通り、お花はようやく息を整えた重蔵の手を引き、水売りから白玉の入ったものをふたつ買った。
「どうぞ」
白玉の入った椀を差し出されて、重蔵は素直に馳走になって良いかも分からず、困惑していた。
「女人から馳走になるのは、男としていかがなものかと」
「あら、お口に合わないかしら」
眉を上げて様子をうかがってくるお花から視線を落とし、椀を見た。
砂糖水のなかで白玉が涼しげに浮いている。
「甘いものは、好き、だが」
「うん」
「あまり食べすぎるなと、父上が」
「しっかりしたお父様なのね。でも、今日はいいのよ」
お花は箸で白玉をひとつ掴むと、重蔵の唇へ軽く押し当てた。
ひやりとした白玉の冷気が、妙な色気を帯びていた。
「あたしが許すわ」
お花が許せば良いものでもなかろうに、重蔵は言われるがままに白玉を咀嚼していた。
許されたことをするのは、楽な心地である。
それでいて、お花はこの心地良さを、つねに重蔵へ与えてくれた。
「本当のことを言うとね、あたし、あなたをいじめたくて、お父さまの鍔を持っていったんじゃないのよ」
肩身を狭めて白玉を啜る重蔵を、愛おしげに見つめてお花が言った。
「では、ほかに?」
「あなたをおでかけにお誘いする口実が欲しくて。一目見た時から、可愛いって思ってたのよ」
「……そういうことを言うと、勘違いする男がいるのでは」
現に、重蔵は勘違いを起こしかけている自覚がある。
(私を好き、ということで、良いのだろうか)
であれば、相愛である。
重蔵はお花と目を合わせられぬまま、火照った顔を犬のように椀へ沈めていると、
「ねえ、重さん」
ふと、お花が目の奥に鋭い光を宿し、身を乗り出すような姿勢で、重蔵へ肩を寄せた。
「今夜、あなたのところへ行ってもいいかしら」
◇
11
あなたにおすすめの小説
剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末
松風勇水(松 勇)
歴史・時代
旧題:剣客居酒屋 草間の陰
第9回歴史・時代小説大賞「読めばお腹がすく江戸グルメ賞」受賞作。
本作は『剣客居酒屋 草間の陰』から『剣客居酒屋草間 江戸本所料理人始末』と改題いたしました。
2025年11月28書籍刊行。
なお、レンタル部分は修正した書籍と同様のものとなっておりますが、一部の描写が割愛されたため、後続の話とは繋がりが悪くなっております。ご了承ください。
酒と肴と剣と闇
江戸情緒を添えて
江戸は本所にある居酒屋『草間』。
美味い肴が食えるということで有名なこの店の主人は、絶世の色男にして、無双の剣客でもある。
自分のことをほとんど話さないこの男、冬吉には実は隠された壮絶な過去があった。
多くの江戸の人々と関わり、その舌を満足させながら、剣の腕でも人々を救う。
その慌し日々の中で、己の過去と江戸の闇に巣食う者たちとの浅からぬ因縁に気付いていく。
店の奉公人や常連客と共に江戸を救う、包丁人にして剣客、冬吉の物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
めぐみ
歴史・時代
お民は江戸は町外れ徳平店(とくべいだな)に夫源治と二人暮らし。
源治はお民より年下で、お民は再婚である。前の亭主との間には一人息子がいたが、川に落ちて夭折してしまった。その後、どれだけ望んでも、子どもは授からなかった。
長屋暮らしは慎ましいものだが、お民は夫に愛されて、女としても満ち足りた日々を過ごしている。
そんなある日、徳平店が近々、取り壊されるという話が持ちあがる。徳平店の土地をもっているのは大身旗本の石澤嘉門(いしざわかもん)だ。その嘉門、実はお民をふとしたことから見初め、お民を期間限定の側室として差し出すなら、長屋取り壊しの話も考え直しても良いという。
明らかにお民を手に入れんがための策略、しかし、お民は長屋に住む皆のことを考えて、殿様の取引に応じるのだった。
〝行くな!〟と懸命に止める夫に哀しく微笑み、〝約束の1年が過ぎたから、きっとお前さんの元に帰ってくるよ〟と残して―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる