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妹弟の誓い
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「ジン!そろそろ時間だよ、行こう」
「うん!キリカお姉ちゃん」
私は弟のジンの部屋の扉をノックしながらジンに声を掛ける、これから毎日の日課であるお勉強会があるのでジンを誘いに来た。
ガイルお兄ちゃん、シエラお姉ちゃん、キースお兄ちゃん、アリスお姉ちゃんは其々討伐者になったり見習いの仕事をしているけど私とジンはまだ見習いになれる年ではない為お勉強をしているのだ。
先生はエルスさん、テレスさん、ポーラさん、そしてアリーヌさんだ。
「今日はアリーヌさんが先生なんだよね?楽しみだね!」
ジンは魔法を覚えるのがすごく楽しくてたまらないみたいでアリーヌさんの授業が一番好きみたいだ。
勿論私も好きだけどね!
「よろしくお願いしますマスター」
挨拶をしながら勉強会の為の部屋に入って行くとアリーヌさんが椅子に座って待っていた。
因みに何でアリーヌさんを『マスター』って言ってるかというと『先生』より『マスター』の方がいいと言い出したのでマスターと呼ぶことになった。
「来たわね二人共、お座りなさいな」
「「はい」」
向かい合う様に座りアリーヌさんを見る。
「始めるわよ?確か前の授業では魔力の運用についてやったわよね?自分で魔力を動かすことが出来るようになった?」
「「はい」」
アリーヌさんが『暇な時には自分の魔力を常に感じ動かししなさい』と言っていたので時間がある時はしっかりと言いつけを守りやっていた。
「そう、ならば一番簡単な魔法を教えてあげる、でもその前に一つ約束して、私が教える魔法で悪い事をしないで欲しいの」
「「はい!!」」
魔法という力を変な事に使ってはいけないという事はよく分かる。
「良かったわ、じゃあ【ウォーター】を教えてあげる」
アリーヌさんから【ウォーター】を教わったけどこの日は一度も成功しなかった。
翌日私とジンそれにニアとエルテルと遊んだ後、うちに帰る時、それは起こった。
「今日も楽しかったねお姉ちゃん」
「そうだね」
ニア達とはよく遊ぶ、だからご機嫌で家に帰っていたら聞き覚えがあるけど聞きたくない声が久しぶりに・・・・・本当に久しぶりに私とシンの名を呼んだ。
「てめえらはキリカとジンじゃねえか・・・・・何で此処に居やがる」
声を掛けて来たのは私達の父親・・・毎日のように私やジン、そしてお母さんに暴力を振るい続けた男だった。
その男が私とジンを睨むように見ていて、ジンは昔を思い出して震えながら私の手を握って来た。
「まあいいか、こっちにこい!そこいらの商会に行って働いて俺に金を入れろ」
いやだ!そんな事はしたく無いし行けばまた暴力を振るわれる毎日になる、そうすればまた毎日ジンが泣くことになる、だったら逃げなきゃ!!
「【ウォーター】!!」
「ぶはっ?」
お願いだから発動してと思いながら使った魔法が発動して大きな水の玉が顔に当たった瞬間ジンの手を引き走り出した。
「てめえ!待ちやがれ!」
一生懸命走ってるけど悲しい事に子供は大人に敵わない、家の近くまで逃げて来たけどだんだん近いてきて捕まる!と思った時お父さんが後ろに飛んでいった。
「てめえ・・・・うちの弟と妹に何しやがる」
「レンお姉ちゃん!!」
助けてくれたのはレンお姉ちゃん、思わずジンと一緒に抱き付き涙を流す。
「うん!キリカお姉ちゃん」
私は弟のジンの部屋の扉をノックしながらジンに声を掛ける、これから毎日の日課であるお勉強会があるのでジンを誘いに来た。
ガイルお兄ちゃん、シエラお姉ちゃん、キースお兄ちゃん、アリスお姉ちゃんは其々討伐者になったり見習いの仕事をしているけど私とジンはまだ見習いになれる年ではない為お勉強をしているのだ。
先生はエルスさん、テレスさん、ポーラさん、そしてアリーヌさんだ。
「今日はアリーヌさんが先生なんだよね?楽しみだね!」
ジンは魔法を覚えるのがすごく楽しくてたまらないみたいでアリーヌさんの授業が一番好きみたいだ。
勿論私も好きだけどね!
「よろしくお願いしますマスター」
挨拶をしながら勉強会の為の部屋に入って行くとアリーヌさんが椅子に座って待っていた。
因みに何でアリーヌさんを『マスター』って言ってるかというと『先生』より『マスター』の方がいいと言い出したのでマスターと呼ぶことになった。
「来たわね二人共、お座りなさいな」
「「はい」」
向かい合う様に座りアリーヌさんを見る。
「始めるわよ?確か前の授業では魔力の運用についてやったわよね?自分で魔力を動かすことが出来るようになった?」
「「はい」」
アリーヌさんが『暇な時には自分の魔力を常に感じ動かししなさい』と言っていたので時間がある時はしっかりと言いつけを守りやっていた。
「そう、ならば一番簡単な魔法を教えてあげる、でもその前に一つ約束して、私が教える魔法で悪い事をしないで欲しいの」
「「はい!!」」
魔法という力を変な事に使ってはいけないという事はよく分かる。
「良かったわ、じゃあ【ウォーター】を教えてあげる」
アリーヌさんから【ウォーター】を教わったけどこの日は一度も成功しなかった。
翌日私とジンそれにニアとエルテルと遊んだ後、うちに帰る時、それは起こった。
「今日も楽しかったねお姉ちゃん」
「そうだね」
ニア達とはよく遊ぶ、だからご機嫌で家に帰っていたら聞き覚えがあるけど聞きたくない声が久しぶりに・・・・・本当に久しぶりに私とシンの名を呼んだ。
「てめえらはキリカとジンじゃねえか・・・・・何で此処に居やがる」
声を掛けて来たのは私達の父親・・・毎日のように私やジン、そしてお母さんに暴力を振るい続けた男だった。
その男が私とジンを睨むように見ていて、ジンは昔を思い出して震えながら私の手を握って来た。
「まあいいか、こっちにこい!そこいらの商会に行って働いて俺に金を入れろ」
いやだ!そんな事はしたく無いし行けばまた暴力を振るわれる毎日になる、そうすればまた毎日ジンが泣くことになる、だったら逃げなきゃ!!
「【ウォーター】!!」
「ぶはっ?」
お願いだから発動してと思いながら使った魔法が発動して大きな水の玉が顔に当たった瞬間ジンの手を引き走り出した。
「てめえ!待ちやがれ!」
一生懸命走ってるけど悲しい事に子供は大人に敵わない、家の近くまで逃げて来たけどだんだん近いてきて捕まる!と思った時お父さんが後ろに飛んでいった。
「てめえ・・・・うちの弟と妹に何しやがる」
「レンお姉ちゃん!!」
助けてくれたのはレンお姉ちゃん、思わずジンと一緒に抱き付き涙を流す。
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