佐藤くんは覗きたい

喜多朱里

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通学路を覗きたい(3)

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「ふぇっ……?」
「パンツを脱いでみてほしい」

 僕は無駄に決め顔で言った。
 今この瞬間は世界で一番しょうもない格好付けをした自信がある。
 回答までの沈黙に心臓の音がドクンドクンと喧しく騒ぎ立てる。
 有村さんは俯いて厳しい表情を浮かべる。やはり注文の変態度が高過ぎたかと後悔した時だった。

「スカートはそのままってことだね」
「理解度高くて変な気分」

 キリッとした顔で告げられて答えに膝が崩れ落ちそうになった。

「あはは、正解で嬉しいな」

 朗らかな笑顔で向けられた視線に促されて、掴んでいた腕から手を放す。
 スカートの中に伸ばされた指先がかすかに震えていた。

「……んっ!」

 有村さんは意を決して太腿に引っ掛かったパンツを両手で掴んだ。
 パンツがゆっくりと下ろされていく。
 足を閉じて膝を曲げる。前屈みの体勢になった時、膝の位置にパンツが見えた。身体を起こすと後は手を放して、交互に足踏みすれば自然と足首の位置まで落ちていった。

 脱ぎたてほやほやのパンツは捲れ上がって内側が表に見えていた。クロッチ部分にスリットのラインを描くように黄色い染みができていた。真新しい白色の布地のお陰で遠くからでも確認できた。
 特別棟三階トイレの一幕を思い出して逸物が硬くなる。

 有村さんは僕の視線に気付かないまま、右足を上げてパンツを抜き取った。
 左足の足首にパンツが引っ掛かった状態になった時、僕は本能に従って手の平を突き出した。

「ストップ!」
「うん?」
「下着は片足に残ったままがいいんだ」
「そういうものなんだ……色々とあるんだね……」

 頬を少し引きつらせていたような気がするけれど、きっと見間違いだ。そうに違いない。視力が良くなって錯覚からは逃れられない。うん、ごめん、自分を騙すのは至難の技だ。絶対にドン引きしてた。
 僕は頬をばしばしと叩いた。

「佐藤くん!?」
「ちょっと気合を入れ直した」
「そ、そうなんだ」

 路地裏で男女が二人っきり。この状況が完成した時点で、女性側が叫べば男性は社会的な死が確定する。ここまで来たら覗きソムリエとして全力で今の状況を楽しむしかないのだ。

「スカートを捲ればいいかな……?」
「もう少しそのままで」

 屈み込んで一気に覗こうとして踏み止まった。
 足首にパンツ。つまりスカートの向こう側は裸。その事実を意識するだけで、物凄いエロさが感じられる。
 あと少しでも頭を下げて見上げれば、有村さんのおま○ことご対面。見えないからこそエロい。見たくなるからこそエロい。

 パンツを穿かないで過ごす露出シチュエーションを紙面では何度か見てきたが、余りそそられなかった。しかし現実で目にした今の解像度ならば、その背徳と淫靡が理解できる。
 黙ってじっと見詰めていたので、有村さんがスカートから手を放して不安そうに手指を絡めた。

「佐藤くん……?」
 まるでその瞬間を見計らったかのように、路地裏を強風が駆け抜けた。
 ひらりと舞い上がるスカート。

「わわ、わーっ!」

 有村さんが反射的にスカートを押さえ込む。
 一瞬の光景だったが、網膜に焼き付いていた。

 隙間なく閉じられたピンクのスリットがくっきりと刻まれていた。具材がはみ出したりせず、周りの肌より僅かに色の濃い薄紅色の秘肉が緩やかな丸い谷間を形作っている。
 毎日綺麗に手入れをしているのがよく分かる。無駄毛や剃り残しはなく、陰毛は恥丘を逆三角形に薄く覆うように綺麗に整えられていた。

「変だね、見せようとしてるのに……見えちゃうと、隠そうとするなんて」
「ううん、見られて当然になったら、それはもう覗きじゃないから」
「確かにそうかも……脱衣所で服を脱いでもなんとも思わないもんね」
「そうだね、恥じらいは大事だよ」
「深いね、佐藤くん」
「限りなく浅いと思うよ、有村さん」
「梯子を外すのはよくないよ!?」

 有村さんが近付いてきて、ぽかぽかと肩を叩いてきた。

「そんなに動いたらまた見えちゃうけど」
「ひゃわっ!?」

 飛び退いたせいでスカートが揺れて、丸い肉付きの良いお尻が一瞬見えた。

「ずっと思ってたけど、驚いた時にすごい独特な声を上げるよね」
「びっくりしてるんだから仕方ないよー!」
「いや、可愛いと思って」
「……佐藤くん、そういうのさらりと言うの禁止」
「え、えぇぇ」

 有村さんは内股を擦り合わせてもじもじとする。
 また近付いて来たので肩でも叩くのかと思ったが、えいやと僕の右手を掴んで、スカートの中に引き寄せた。

「さっきみたく、触ってほしいな」

 外気の寒気に負けず有村さんの手は熱くなっていた。

「どこを触ってほしいの?」
「うぅぅ、いじわる」

 有村さんが僕の手を操って股の間に近付ける。
 少しずれて股下を潜り抜けた。引いて戻された際に手の甲が秘肉をくにゅりと擦れていった。

「あ、んっ!」

 甘く切ない声が漏れる。
 有村さんが器用に僕の手を微調整して、手の甲を秘部にあてがう。
「佐藤くんっ、手を逆にして」

 手の甲を捻って手の平側を上に向けた。

「……手を開いて」
「うん」
「ひゃんっ……佐藤くんの手が、わたしのにっ」
「それから?」
「そこをね、触って」
「どんなふうに?」
「むぅぅ……いじわるしないで」
「そんなつもりはないんだよ」

 僕だって一般童貞高校生。女の子を気持ちよくさせる方法なんてAVとかエロ漫画でしか知らない。創作物のプレイを現実に持ち込んでいいのか判断材料がなかった。

「わたしも、分かんないもん……佐藤くんの、好きに触ってほしいの……ねぇ、お願いっ」

 可愛らしい懇願に僕は男を見せねばと奮い立つ。
 立ち上がって体勢を整え直すと、見上げる濡れた瞳と目が合った。

「痛かったりしたら言ってね」
「うんっ」

 スカートの中を弄ると、有村さんがびくんと全身を震わせた。
 秘部全体を手の平で包み込み、波打つように押し込んでは引くを繰り返してみる。
「あ、あぅ、触られてるぅ、佐藤くんにっ」
 何度も繰り返しく内に熱く柔らかい肉の感触にぬちょぬちょと湿り気が加わった。
「ん、んっ、んんっ」
 有村さんが口を手を塞いで喘ぐのを堪え出した。
 切なそうに見詰めてくるので、僕は中指を秘肉の間欠泉に這わせた。
 じゅわりじゅわりと愛液を漏れ出すスリットを分け入るように、中指を折り畳んで奥へと沈めた。
 くちゅり。
「はぁうっ」
 腟内はぐちゅぐちゅに潤んでいた。
 濡れた溝を指でなぞり上げれば、それに合わせたように有村さんが腰を伸ばしてびくびくと震えた。
 真っ直ぐ立っていられないのか、僕にしがみついてくる。
 制服に押し込まれた巨乳が僕の胸板に押し潰される。悶えるたびに太腿が肉棒を擦ってくる。甘い匂いと柔らかな感触に包まれて、僕の腰も砕けそうになった。
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