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13.

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七星レイくん。私のクラスメイトだが、あまり会話したことがない男の子だ。まぁ、私が男の子と話そうとしたらシオンが殺そうとするから。……相手を。



「どうかしたの?」



「一人でいるから話しかけようと思って。いつもは邪魔がいるから。」



邪魔ってまさかシオンのこと?  強いひとだなあ、七星くんは。私だったらそんなこと怖くて言えないよ。



「私と話したかったの?  あ、ごめんね質問ばっかりで。」



「大丈夫。俺の事知って欲しいし。実は俺、君のことが好きなんだ。」



「へ……?」



思いもよらない言葉に変な声が出てしまった。すき……?  私のことを?  今まで話したことないのにどうして急に……。



「返事はいいよ。一応入江さんには婚約者がいるしね。じゃ、またね。これからは気にしないで話しかけるようにするよ。」



どうしよう……。断るしかないんだけど、それよりも……。



「さっきの何?」



「ひっ……」



断る方法よりもシオンに話す言い訳を考える方が断然難しい。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「へぇ。リオは七星くんを選ぶの?」



「そんなわけ……!  ……私が好きなのはシオンなのに。」



「ごめん、嫉妬しちゃった。だから、泣きそうな顔しないで?」



放課後私はシオンに生徒会室に連れていかれた。シオンに信じてもらえなくて泣きそうだったがシオンに抱きしめられて涙が引っ込んだ。シオンはずるいよ……。



「シオン、好き。」



「知ってるよ。でも、僕の方が好きの気持ちが大きいと思う。」



そんなことないよ、絶対私の方が大きいよ。私ってば授業中でもシオンのこと考えてる。それに、よくシオンの事見てるからぼーっとしてるって、注意されるんだよ。初めはシオンと距離を置いた方がいいとか考えたりもしたけど今はそんな未来考えられない。私にはシオンが必要なんだよ。



「シオン……」



私は上目遣いでシオンを見る。



「もう、可愛いなぁ。んっ」



私がこの顔をする時はシオンとキスをしたい時。シオンはそれをよく知っている。シオンは毎日、「可愛い」「好き」と伝えてくれる。心配することなんてひとつもないのにやっぱりヒロインの存在は無視できない。



「シオン、私、続き……してみたい。」



前シオンと少しだけえっちなことをした。初めはディープキス。苦しくて大変だったけど私頑張った、本当に。その後は胸を揉まれた。ママの遺伝かもうCカップもあるんだよね。前世では永遠のAカップだったのに。



「っ、ダメだよ。」



「ご、ごめんなさいっ! こんな変態な婚約者嫌だよね……。」



私ってばなんでこんなこと……。昔は小さい子に手を出すのは犯罪だって思ってたのに今ではすっかり精神年齢が小学生だ。えっちなことしたいって思ってる時点でませてるよね。



「違う。」



シオンはもう一度私をぎゅっと抱きしめる。



「ここでは出来ないってこと。僕の家行こっか?」



えっ……?


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「お、お邪魔します……。」



久しぶりのシオンの部屋だ。シオンは私の家によく来るけど私が行くことはほとんどない。



「今日は両親いないからね。兄さんも今日はリクくんと勉強するって図書館に行ったから。」



そういえばお兄ちゃん今日は帰るの遅くなるって言ってたかも。



……って私たち2人っきり!?



「今更警戒しても遅いよ……?」



シオンのベッドに腰掛けていると急にシオンに押し倒された。



「きゃ、」



シオンは私にキスをしたかと思うと口内に舌を入れてきた。



「んっ、ふぅっ……し、シオンっ!」



「ん?」



そんな色気のある顔で見ないで下さいっ!!



「私この後何するか知らないよ……?」



セックスとかえっちとか言葉は知っている。でも、私はやり方を知らない。もちろん保健の授業で学んだことは覚えているけど実践なんてないから知らないのだ。前世では経験もなかったし……。彼氏いない歴=年齢だし……。



「最後まではしないよ。リオのお父さんと約束したから。でも、触るのはいいよね?」



数分後、私は丸裸にされこんなことを言ったのは間違いだったかもしれないと後悔する。
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