十魔王

nionea

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荒野の王

6.

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「ひぁ、はぁ、はぁ、んぅっ…あ、あぁ」
 どうしてこうなった、と自分に訴える冷静な自分が心の片隅に居る。だが、大凡の自分はまるでエロ動画のように喘ぎ声を上げて、冷静さなど微塵も無い興奮に身を任せていた。
 今、うつ伏せた状態の孝太のアヌスには青年が出入りしている。
「んぁ、っは、はぁっ、あんっ」
 薬の作用を終わりにしたいと青年に泣きついた結果。
 青年こそが、この城の主であり、荒野の王と呼ばれる存在だと知った。そして、その力を以てすればすぐにでも今自分の体から毒を排出しこの状態を終わらせられると聞いて、彼は望んだのだ。自分から、そうして欲しいと。
 ただし、その方法が体内に王の精子を取り込む事だと知ったのは、
「何でも、いいからどうにかしてくれ!」
と、叫んだ後だった。
 昨日浅いの湯船の時のように、仰臥位でまず確かめるように指で触れられる。
「っ!」
 恥ずかしさで枕に顔を埋めながらも、この状況が終わるならと孝太は耐えた。
「そう、力むな。ゆっくりと呼吸を続けろ」
 言葉にも従って、呼吸をしながら体から力を抜こうと頑張る。幸いと言っていいのか、薬の作用で体内から漏れ出る粘液の助けを借りていて、王の指が痛みを与える事はなかった。そのため、呼吸に意識を向ければ、何とか力を抜く事には成功する。
「上手だ」
 こんな事を褒められても、と思うが、今はされる事に身を任せる方が重要だと、呼吸を続ける。力を抜く事に意識を持って行かれつつも、丁寧に触る指が増え、次第に広げるようにされる内、本当にこれが早道なのだろうかと疑い始めた。だが、その疑問を口にするよりも先に王の声が聞こえる。
「大丈夫そうだな」
 じゃあ、もう終わりだろうか、そう思った次の瞬間。自分の中を押し広げるものに、孝太は意識の全てを持って行かれた。
「え…」
 力が抜けていて、更にはドロドロに濡れていたそこに押し入って来た指とは明らかに違うものを、身を捩って確認してしまう。
「…なんで」
「心配するな。そう時間はかからん」
「はい…?」
 痛みはない。だが、圧迫感と違和感ばかりはどうにもならない。孝太は膝を動かしてベッドの上へと逃れるように移動しようとした。
「こら。逃げるな。抜けてしまうだろうが」
 抜きたいんだよ、と叫ぶ事はできなかった。
「っ!」
 腰を押さえつけるようにされた挙句、ぐっと押し入れられ、息が詰まったためだ。
「なんっ…なに」
「心配するな。俺の精を注げば毒などすぐに浄化される」
「………………へ?」
 この時になってようやく孝太は己の愚行に気付いたが、もはやどうにもならない。
 男なのに処女消失ってなんでだ、と嘆く気持ちは王の腰が動き始めた途端に霧散した。
「まっ…ひっ、うぁ…」
 昨日の時点で自分がアヌスで快楽を得られる事は十分に解ってしまっている。だが、普通こんなに簡単にはいかない事を知識では知っている孝太はやや恐怖感が湧いた。毒とやらに体が反応していた昨日とは違い、今日はただ薬で物理的にどろどろになっているだけだ。今も、驚きと怖気で、勃っていたものがやや萎えている。
(待ってくれよ…)
 怯えて逃げようとうつ伏せになった孝太に、王は覆いかぶさるように体勢を変え、頭を撫で宥めるように声をかける。
「ほら、力を抜いて身を任せておけ。すぐに終わる」
「って…そんなん言われてもぉ………ふぁ…っん」
 言っている事は解るし、もう入ってしまったのならどうせ後戻りできないし、当初の目的通り全て終わりにしたい、でも怖い。混乱する頭で必死に状況を考えていたが、孝太は王の手が体の前に潜り込んで萎えかけたペニスに触れると、割とすぐにどうでもよくなってしまった。
 まだ解毒途中の催淫効果も手伝っていたのかもしれない。
「ひぅ…」
 前が反応を始めると、後も動き出す。
「うわっ、ちょいまって…どっちもされたら」
 癖になる。
 言葉にしかけて、ありえないと飲み込んで、それでもまだ鮮烈な記憶である昨日の事が思い起こされ、孝太は昨日のように自然と腰が揺れ始めた。
「ひっ…あぁ、やぁ…あ、あ、あっ」
 気付けば前に回されていた手がなくなっていたが、もうその頃には後からの刺激だけで喘いでいた。
(俺、これ、間違ってないか? 垂れ流してた方が、マシだったんじゃ…もう後戻りできなくなったらどうしよう?!)
 昨日よりも更に後からの刺激が気持ち良い様な気がして、孝太は怯える。もっとも、先ほどの怯えとは違い、体には何の影響も出ていないが。
「ひぁ、はぁ、はぁ、んぅっ…あ、あぁ」
 ドライオーガズムを覚えたらもう普通のセックスでは満足できなくなる。そんなネット上の煽り文句が頭を過っていった。
「ムリッ、だめだってぇ、はっあっ…まって…あっあっあぁ!」
 ベッドに押し付けたものから精を吐き出した事を理解するが、快楽は終わっていない。
「出るぞ」
「うぁ…?」
 半分溶けたような頭に、王の言葉が届き、腹の中から温かなものが広がっていく。
「…きもちぃ、かも」
 温泉に浸かって全身が温まっていく状態が、体の内側から起こっているようだった。全身を心地の良い温かさが包み、性的な気持ち良さとは異なる快さに、体から、くったりと力が抜ける。
「だめ…」
 その気持ちの良さは、王が出て行く事に思わず不満の声を上げるほど、孝太を骨抜きにした。
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