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第一世界 1章 奈落編
7,特異種戦開始
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さてと、始めるとは言ったもののなんの情報も無ければ有効な手段が取れないからね。まずは解析で見てみようか。圧倒的格上だろうから見れるかどうか疑問だけど。
name:無し
種族:ミノタウロス特異種
種族Lv:38
体力 B
魔力 C
筋力 A
知力 F
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『炎魔法 Lv4』『暗黒魔法 Lv4』『狂戦士化 Lv3』
『上級斧術 Lv5』『体術 Lv6』『闘気 Lv5』
『魔力活性 Lv3』『火耐性 Lv4』『闇耐性 Lv4』
・エクストラスキル
『魔装:黒鬼』
───────────────────────
称号─────────────────────
『狂える牛鬼』『特異種』『鬼を宿す者』
『獄炎鬼』
───────────────────────
へぇ、結構見れるもんだね。でも正直これは無理じゃない?勝てるビジョンが見えないんだけど。
今更だけど特異種の見た目は黒い体に赤黒い紋様が入っていて頭には角が4本、腕も4本生えていて巨大な戦斧を2本持っている。さらに体から禍々しいオーラみたいなのが出てる。
「グォルアァァァァ!!」
「うぉぉぉ!!付与炎!光!光炎双刃閃!!」
「「流水弾!」」
「「激流閃!!」」
「「ライトボール!」」
「「ライトランス!!」」
「ホーリーブラスト!」
「フレイムバレット!」
「「アクアスプレッド!」」
「みんな下がって!はぁっ!!大瀑布!!!」
マーリン団長が唱えた魔法で空中に大質量の水球が現れそれが特異種の頭上で破裂し滝のような水が特異種に降り注いだ。
「よっしゃ、やったか?」
あっ……ムード団長……
「あっ、それフラグ……」
「グオアァァァァァ!!!グラァァ!」
「回避!回避ィ!!」
「「「うわぁぁぁ!!」」」
「皆さんっ!俺が使える最大火力のスキルならやつに致命傷を与えられるかも知れません!全員で時間を稼いでください!!」
神城?一体どうするつもりだ?可能性があるならとにかく時間を稼がなきゃね。
「「ウォーターバインド!」」
「「「ライトバインド!」」」
「「流水縛鎖!!」」
「大海圧!」
「フレイムバインド!!」
「風縛!」
「影縫いの矢!」
「結界・縛!!」
「四元結界!!」
「ホーリーバインド!!」
バインド系魔法や捕縛スキルなんかが乱れ飛ぶが1発じゃほとんど動きを止めることが出来ないため必然的に拘束時間が短くなってしまう。
「準備完了です!みんな離れて!!」
「クラウソラス!最大解放!!はぁっ!!神罰の光よ、ジャッジメントレイ!」
どうかな?直撃して煙が出てるから姿を確認できないけど
煙が晴れてきた、そしてそこには斧をクロスして防ごうとしたのか腕を交差した状態で立っているミノタウロスがいた。
2本あった斧の片方とその斧を持っていた腕は半ばから消し飛んでいるがもう片方の斧と残り3本の腕は健在でさらに肉体には致命傷と言えるような傷もない。
「なっ、嘘だ……」
「あぁ、勇者様でも無理なんじゃないか……こんな化け物にこれ以上挑むなんて自殺行為だ、俺はもう逃げさせてもらう!!」
「なっ、おい待て!」
「ヴェァァァ!!」
ミノタウロスが斧の石突を地面に突き立てると逃げようとした騎士の足元から黒い腕のようなものが生えた。そして
「うわぁぁぁ、嫌だ!嫌だァァァ!!」
それを最期の言葉に無数の黒腕に圧殺された。
「っあのバカ野郎……今からここの天井を崩落させる!その隙に逃げるんだ!」
「並列起動、多重展開。爆炎、発動遅延。今は遅延させているけどそれもそんなに長くはできない。早く全員ここから出てくれ!」
その言葉で騎士団、宮廷魔導師団、勇者入り乱れて皆我先にとこの層の入口に向かった。しかしそれだけの人が無秩序に動けば事故は起こるもので
「あっ……ひっ、嫌、来ないでぇぇぇ!」
「静!!っ話してくださいムード団長!
静が死んじゃうじゃないですか!」
「やめろアキ!お前まで死ぬことになるぞ!」
「だからって静を見殺しにしろと?そんなこと出来るわけないじゃないですか!!」
ムードさんと秋が良い争いをしてる間にも着々とミノタウロスの歩は森宮さんに近づいていく。
森宮さんを犠牲にするかほんの少しでも2人共助かる可能性がある選択肢を選ぶか……
まぁわざわざこんなこと考えなくても選択は決まってるんだけど。
さっきまで魔法を撃ち込んだりしていたことで発生した小石をひとつ掴んで森宮さんの近くに投擲
「チェンジ!!」
「森宮さん、どこでもいいから僕の体のどこかに触れてくれる?出来るだけ早く」
「えっ、真緒くん?!なんで!?」
さて、これで発動条件は満たした。
「チェンジ!!」
そして森宮さんを秋の近くに飛ばすことが出来た。
「なっ、静!?さっきまでここには真緒が……」
「真緒くんなら……あそこに……」
「なっ……」
「クジョウ!戻れ!」
ムード団長がなにか叫んでるけどあいにく近距離でこいつの叫び声が聞こえるせいで何言ってるのか分からないな。
「こいよ、ウスノロ。武器なんて捨ててかかってこい。」
「オアァァァァ!!」
鍛冶屋で買った投げナイフ、太ももにベルトをつけて持ってきて良かった。
投擲ッ
「チェンジ!」
「グォア!?」
ドンッ!
「ははは!どうした蚊でももっとマシな攻撃するぞ!」
「グルゥオアァァァァ!!!」
はは怒ってるな。怒りは判断力を鈍らせる、パパママから習わなかったか!
やっぱり煽りムーブは役に立つ!異世界でも使えるなんて流石だなー。
「チェンジ!!」
「さらにチェンジ!!」
「もういっちょオマケにチェンジだァ!!」
当たらんなァ!そんな攻撃!
その代わりこっちも有効打ないけどな!!無理やりテンション上げてアドレナリン出せばパフォーマンスが上がるって本当だったんだな!おかげで魔剤でテンションキマってるやつみたいになってるけどな!
さぁてほんとにどうしようか。まともにダメージ与える手段がないんだよなぁ!確かこの世界には神が実在するんだったっけ?それじゃあその神に全力で祈ってみようか!
もしこの状況を見てる神が誰かいるならその力貸しやがれください。
「真緒くん!!私の武器も使って!」
おぉ、森宮さん!貴女が女神か!これで二刀流、攻撃2倍!これで勝てる!
ん?なんかノイズが聞こえるな。戦闘中なんだから集中が途切れるようなのはやめて欲しいんだけど。
《ふはは、そこまで本音で祈りを捧げる者は珍しい。我らも久しく暇を持て余していたからな。貴様を見て暇を潰しているのよ。良かろう貴様にこの魔賢神オーディンが力を貸し与える。見事我が力を使いこなしこの局面を乗り越えて見せよ。》
《槍嵐神オーディンよりギフトが授けられました。擬似的に神気の使用が可能になります。》
……まじ?本物の神様出てきたんだけど。てかあんなテンションキマってるお祈りでお願い聞いてくれるのか。相当暇してたんだろうな。
神気ってどう使えばいいんだ?神気放出……うっ……キッツ。頭の中に魔法陣が浮かんでくる……
これなら行けるか?精霊使役、四元魔法起動。……並列展開……
火、水、風、土の魔法陣を左腕を起点に円状に展開、さらにそれぞれに精霊を補助につける。神気の効果で4魔法陣の効果を高める。
「『我原初の四王に連なるもの。大いなる四元、交わり万象解く光となれ』」
魔力消費おっもこれ普通の魔導師は使えない魔法でしょ。
ッ!?左腕を覆う規模の魔法陣?!これは僕の方もやばいんじゃないかなぁ?!
あぁ、こうしてる間に魔法構築完了。発動
「『ウニヴェルズム・ツザンメンブルッフ』」
「グ、グルァァァ……」
は!?ミノタウロスが消失してる??そしてミノタウロスがいた所に大穴が、
うっ……ん、なんだ?意識が朦朧として……
「なんだ……?今の?クジョウの腕から閃光が放たれたと思ったら特異種の体に風穴が空いた……だと……?そしてクジョウより前になんかおお穴が空いてないか?」
「はぇ?!あ、ちょっ真緒!!」
「真緒くん!!」
「あっ!誰か何でもいいから彼の動きを止めて!大穴に落ちそうになってる!」
「ウォーターバインド!」
「ライトバインド!」
「光縛!」
「水縛!」
「風縛!」
「あっ!」
「いやぁぁぁ!?」
うっ、うぅん。ここは……?あっ痛っ、は!?左腕が根元から無くなってる!?!もしかしてあの魔法使った時に左腕犠牲にして発動出来たってこと??
ていうか今更だけど今水に居るよね。湖?それとも池?とにかくこの水を解析してみようか
アイテム
高濃度純魔力水 ☆☆☆☆☆☆☆☆
レア度:伝説級
遥かな長い時をかけてダンジョンに湧いた水に大気中の魔力が溶け込んだもの。通常の魔力水と違いこの水を使う者が長い間いなかったため純正化しており本来より魔力濃度が高くなっている。その濃度は宮廷魔導師級の魔導師でもコップ1杯飲めば魔力が全回復するほどでありそれ以上体に取り込むと魔力中毒を起こし最悪の場合死に至る。
は!?やばいやばいやばい。早く出ないと。
はぁ、はぁ、はぁ、片腕で水の中移動できないからって自分にウインドぶつけるのは今後やめた方がいいな。かなり痛い。何気に根元から無くなってる左腕の断面が塞がっているってもしかしてあの魔力水のおかげ?死にかけの体に高濃度魔力が奇跡的にマッチしたとか。
ん?あれは……ミノタウロスの特異種の亡骸!?なんで……もしかして混合魔法で消滅したと思ってたけど消滅したのは地面だけで地面が消滅すると同時に下に落ちてた?
とりあえずこの辺りに魔物はいなさそうだしちょっと休憩したら先に進んでみようか。
いや待って無理無理無理無理無理。なにあの魔物達、パッと見ただのゴブリンとコボルトだと思ってレベル確認のために解析してみたらレベル30あるし種族がハイ・ゴブリンにハイ・コボルトなんて明らかに上位種な名前してるし。遠目から見たから多分気づかれてないと思うけど。
もしかしてここ……いわゆる裏ダンジョンってやつなのでは?奈落落ちで裏ダンジョン直行とか最近のラノベかよ……これは融合使わざるを得ないんじゃないか……説明に想像を絶する痛みとか人によっては発狂したり廃人になったりするとかあったから正直選択肢がそれ以外ないって時以外は使わないって思ってたけど今がその時だしなぁ……
はぁ、覚悟を決めるしかないか。
そして特異種の亡骸のある所まで戻ってきた。そして発動方法に記されていた通りに手で融合したい物、つまり素材になる物に触れる。
ふぅ、それじゃあやろうか。
「融合!!」
ァァァァァァ!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い熱い熱い熱い熱い熱い!!ウグゥァァァァァ!!?!!
あぁ、意識が固定された状態で体を無理やり引き裂かれてミキサーにかけられているみたいだ。本当だったら死んでるレベルの痛みを無理やり意識を固定したりすることで余すことなく本人に伝えている。
固定されてる意識じゃ気絶することも出来ない。これはもう無理、かな……
あれ、突然さっきまでの痛みが消えた。成功したのか?試しに左腕を動かそうとしてみる、さっきまでは付け根から消失していたため動かすことが出来なかったがどうだろう。
あぁ、動かせる。これで先に進むことが出来る!
さっきまではテンションが上がってたけどまず何よりすべきはステータスの確認だよね。あの特異種に止めをさしたことでどれだけレベルが上がっているか……
name:九條 真緒
種族:人族
mainjob:魔剣使い
subjob:四元魔導師
種族Lv:30
体力 D
魔力 S
筋力 C
知力 A
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『中級剣術 Lv11』『肉体強化 Lv7』
『解析鑑定 Lv1』『閃光魔法 Lv1』『魔力制御 Lv1』『魔力放出 Lv11』『精霊使役 Lv8』『短剣術 Lv6』
『狂気耐性 Lv4』『『痛覚耐性 Lv4』
『苦痛耐性 Lv4』 『恐怖耐性Lv4』『暗黒魔法 Lv4』『狂戦士化 Lv3』『上級斧術 Lv5』『体術 Lv6』
『闘気 Lv5』『魔力活性 Lv3』『火耐性 Lv4』
『闇耐性 Lv4』『光耐性 Lv2』『斬撃耐性 Lv2』
・マスタースキル
『四元魔法 Lv9』
・エクストラスキル
『魔剣召喚』『全言語理解EX』『融合』『交換』
『魔装:黒鬼』
───────────────────────
称号─────────────────────
『光の加護』『創造神の加護』『異世界人』
『魔剣の担い手』『精霊と絆を繋ぎし者』
『絶望に抗いし者』『槍嵐神の加護』
───────────────────────
……うん、まずいくつか言いたいことがあるんだ。レベル上がりすぎじゃない??これつまりほとんど僕が経験値総取りしたってこと?それともう1つ、融合したら素材にしたものが持ってるスキル全部継承されるんだ。これは使えるね。あといくつか耐性があるけどこれはつまりそういうことなんだろうね。
さて次はなんとか残ったあの斧を見てみようか。元々僕が装備してた武器防具は修復されるから新しい武器を探す必要はあんまりないんだけどさ。
name:無し
種族:ミノタウロス特異種
種族Lv:38
体力 B
魔力 C
筋力 A
知力 F
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『炎魔法 Lv4』『暗黒魔法 Lv4』『狂戦士化 Lv3』
『上級斧術 Lv5』『体術 Lv6』『闘気 Lv5』
『魔力活性 Lv3』『火耐性 Lv4』『闇耐性 Lv4』
・エクストラスキル
『魔装:黒鬼』
───────────────────────
称号─────────────────────
『狂える牛鬼』『特異種』『鬼を宿す者』
『獄炎鬼』
───────────────────────
へぇ、結構見れるもんだね。でも正直これは無理じゃない?勝てるビジョンが見えないんだけど。
今更だけど特異種の見た目は黒い体に赤黒い紋様が入っていて頭には角が4本、腕も4本生えていて巨大な戦斧を2本持っている。さらに体から禍々しいオーラみたいなのが出てる。
「グォルアァァァァ!!」
「うぉぉぉ!!付与炎!光!光炎双刃閃!!」
「「流水弾!」」
「「激流閃!!」」
「「ライトボール!」」
「「ライトランス!!」」
「ホーリーブラスト!」
「フレイムバレット!」
「「アクアスプレッド!」」
「みんな下がって!はぁっ!!大瀑布!!!」
マーリン団長が唱えた魔法で空中に大質量の水球が現れそれが特異種の頭上で破裂し滝のような水が特異種に降り注いだ。
「よっしゃ、やったか?」
あっ……ムード団長……
「あっ、それフラグ……」
「グオアァァァァァ!!!グラァァ!」
「回避!回避ィ!!」
「「「うわぁぁぁ!!」」」
「皆さんっ!俺が使える最大火力のスキルならやつに致命傷を与えられるかも知れません!全員で時間を稼いでください!!」
神城?一体どうするつもりだ?可能性があるならとにかく時間を稼がなきゃね。
「「ウォーターバインド!」」
「「「ライトバインド!」」」
「「流水縛鎖!!」」
「大海圧!」
「フレイムバインド!!」
「風縛!」
「影縫いの矢!」
「結界・縛!!」
「四元結界!!」
「ホーリーバインド!!」
バインド系魔法や捕縛スキルなんかが乱れ飛ぶが1発じゃほとんど動きを止めることが出来ないため必然的に拘束時間が短くなってしまう。
「準備完了です!みんな離れて!!」
「クラウソラス!最大解放!!はぁっ!!神罰の光よ、ジャッジメントレイ!」
どうかな?直撃して煙が出てるから姿を確認できないけど
煙が晴れてきた、そしてそこには斧をクロスして防ごうとしたのか腕を交差した状態で立っているミノタウロスがいた。
2本あった斧の片方とその斧を持っていた腕は半ばから消し飛んでいるがもう片方の斧と残り3本の腕は健在でさらに肉体には致命傷と言えるような傷もない。
「なっ、嘘だ……」
「あぁ、勇者様でも無理なんじゃないか……こんな化け物にこれ以上挑むなんて自殺行為だ、俺はもう逃げさせてもらう!!」
「なっ、おい待て!」
「ヴェァァァ!!」
ミノタウロスが斧の石突を地面に突き立てると逃げようとした騎士の足元から黒い腕のようなものが生えた。そして
「うわぁぁぁ、嫌だ!嫌だァァァ!!」
それを最期の言葉に無数の黒腕に圧殺された。
「っあのバカ野郎……今からここの天井を崩落させる!その隙に逃げるんだ!」
「並列起動、多重展開。爆炎、発動遅延。今は遅延させているけどそれもそんなに長くはできない。早く全員ここから出てくれ!」
その言葉で騎士団、宮廷魔導師団、勇者入り乱れて皆我先にとこの層の入口に向かった。しかしそれだけの人が無秩序に動けば事故は起こるもので
「あっ……ひっ、嫌、来ないでぇぇぇ!」
「静!!っ話してくださいムード団長!
静が死んじゃうじゃないですか!」
「やめろアキ!お前まで死ぬことになるぞ!」
「だからって静を見殺しにしろと?そんなこと出来るわけないじゃないですか!!」
ムードさんと秋が良い争いをしてる間にも着々とミノタウロスの歩は森宮さんに近づいていく。
森宮さんを犠牲にするかほんの少しでも2人共助かる可能性がある選択肢を選ぶか……
まぁわざわざこんなこと考えなくても選択は決まってるんだけど。
さっきまで魔法を撃ち込んだりしていたことで発生した小石をひとつ掴んで森宮さんの近くに投擲
「チェンジ!!」
「森宮さん、どこでもいいから僕の体のどこかに触れてくれる?出来るだけ早く」
「えっ、真緒くん?!なんで!?」
さて、これで発動条件は満たした。
「チェンジ!!」
そして森宮さんを秋の近くに飛ばすことが出来た。
「なっ、静!?さっきまでここには真緒が……」
「真緒くんなら……あそこに……」
「なっ……」
「クジョウ!戻れ!」
ムード団長がなにか叫んでるけどあいにく近距離でこいつの叫び声が聞こえるせいで何言ってるのか分からないな。
「こいよ、ウスノロ。武器なんて捨ててかかってこい。」
「オアァァァァ!!」
鍛冶屋で買った投げナイフ、太ももにベルトをつけて持ってきて良かった。
投擲ッ
「チェンジ!」
「グォア!?」
ドンッ!
「ははは!どうした蚊でももっとマシな攻撃するぞ!」
「グルゥオアァァァァ!!!」
はは怒ってるな。怒りは判断力を鈍らせる、パパママから習わなかったか!
やっぱり煽りムーブは役に立つ!異世界でも使えるなんて流石だなー。
「チェンジ!!」
「さらにチェンジ!!」
「もういっちょオマケにチェンジだァ!!」
当たらんなァ!そんな攻撃!
その代わりこっちも有効打ないけどな!!無理やりテンション上げてアドレナリン出せばパフォーマンスが上がるって本当だったんだな!おかげで魔剤でテンションキマってるやつみたいになってるけどな!
さぁてほんとにどうしようか。まともにダメージ与える手段がないんだよなぁ!確かこの世界には神が実在するんだったっけ?それじゃあその神に全力で祈ってみようか!
もしこの状況を見てる神が誰かいるならその力貸しやがれください。
「真緒くん!!私の武器も使って!」
おぉ、森宮さん!貴女が女神か!これで二刀流、攻撃2倍!これで勝てる!
ん?なんかノイズが聞こえるな。戦闘中なんだから集中が途切れるようなのはやめて欲しいんだけど。
《ふはは、そこまで本音で祈りを捧げる者は珍しい。我らも久しく暇を持て余していたからな。貴様を見て暇を潰しているのよ。良かろう貴様にこの魔賢神オーディンが力を貸し与える。見事我が力を使いこなしこの局面を乗り越えて見せよ。》
《槍嵐神オーディンよりギフトが授けられました。擬似的に神気の使用が可能になります。》
……まじ?本物の神様出てきたんだけど。てかあんなテンションキマってるお祈りでお願い聞いてくれるのか。相当暇してたんだろうな。
神気ってどう使えばいいんだ?神気放出……うっ……キッツ。頭の中に魔法陣が浮かんでくる……
これなら行けるか?精霊使役、四元魔法起動。……並列展開……
火、水、風、土の魔法陣を左腕を起点に円状に展開、さらにそれぞれに精霊を補助につける。神気の効果で4魔法陣の効果を高める。
「『我原初の四王に連なるもの。大いなる四元、交わり万象解く光となれ』」
魔力消費おっもこれ普通の魔導師は使えない魔法でしょ。
ッ!?左腕を覆う規模の魔法陣?!これは僕の方もやばいんじゃないかなぁ?!
あぁ、こうしてる間に魔法構築完了。発動
「『ウニヴェルズム・ツザンメンブルッフ』」
「グ、グルァァァ……」
は!?ミノタウロスが消失してる??そしてミノタウロスがいた所に大穴が、
うっ……ん、なんだ?意識が朦朧として……
「なんだ……?今の?クジョウの腕から閃光が放たれたと思ったら特異種の体に風穴が空いた……だと……?そしてクジョウより前になんかおお穴が空いてないか?」
「はぇ?!あ、ちょっ真緒!!」
「真緒くん!!」
「あっ!誰か何でもいいから彼の動きを止めて!大穴に落ちそうになってる!」
「ウォーターバインド!」
「ライトバインド!」
「光縛!」
「水縛!」
「風縛!」
「あっ!」
「いやぁぁぁ!?」
うっ、うぅん。ここは……?あっ痛っ、は!?左腕が根元から無くなってる!?!もしかしてあの魔法使った時に左腕犠牲にして発動出来たってこと??
ていうか今更だけど今水に居るよね。湖?それとも池?とにかくこの水を解析してみようか
アイテム
高濃度純魔力水 ☆☆☆☆☆☆☆☆
レア度:伝説級
遥かな長い時をかけてダンジョンに湧いた水に大気中の魔力が溶け込んだもの。通常の魔力水と違いこの水を使う者が長い間いなかったため純正化しており本来より魔力濃度が高くなっている。その濃度は宮廷魔導師級の魔導師でもコップ1杯飲めば魔力が全回復するほどでありそれ以上体に取り込むと魔力中毒を起こし最悪の場合死に至る。
は!?やばいやばいやばい。早く出ないと。
はぁ、はぁ、はぁ、片腕で水の中移動できないからって自分にウインドぶつけるのは今後やめた方がいいな。かなり痛い。何気に根元から無くなってる左腕の断面が塞がっているってもしかしてあの魔力水のおかげ?死にかけの体に高濃度魔力が奇跡的にマッチしたとか。
ん?あれは……ミノタウロスの特異種の亡骸!?なんで……もしかして混合魔法で消滅したと思ってたけど消滅したのは地面だけで地面が消滅すると同時に下に落ちてた?
とりあえずこの辺りに魔物はいなさそうだしちょっと休憩したら先に進んでみようか。
いや待って無理無理無理無理無理。なにあの魔物達、パッと見ただのゴブリンとコボルトだと思ってレベル確認のために解析してみたらレベル30あるし種族がハイ・ゴブリンにハイ・コボルトなんて明らかに上位種な名前してるし。遠目から見たから多分気づかれてないと思うけど。
もしかしてここ……いわゆる裏ダンジョンってやつなのでは?奈落落ちで裏ダンジョン直行とか最近のラノベかよ……これは融合使わざるを得ないんじゃないか……説明に想像を絶する痛みとか人によっては発狂したり廃人になったりするとかあったから正直選択肢がそれ以外ないって時以外は使わないって思ってたけど今がその時だしなぁ……
はぁ、覚悟を決めるしかないか。
そして特異種の亡骸のある所まで戻ってきた。そして発動方法に記されていた通りに手で融合したい物、つまり素材になる物に触れる。
ふぅ、それじゃあやろうか。
「融合!!」
ァァァァァァ!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い熱い熱い熱い熱い熱い!!ウグゥァァァァァ!!?!!
あぁ、意識が固定された状態で体を無理やり引き裂かれてミキサーにかけられているみたいだ。本当だったら死んでるレベルの痛みを無理やり意識を固定したりすることで余すことなく本人に伝えている。
固定されてる意識じゃ気絶することも出来ない。これはもう無理、かな……
あれ、突然さっきまでの痛みが消えた。成功したのか?試しに左腕を動かそうとしてみる、さっきまでは付け根から消失していたため動かすことが出来なかったがどうだろう。
あぁ、動かせる。これで先に進むことが出来る!
さっきまではテンションが上がってたけどまず何よりすべきはステータスの確認だよね。あの特異種に止めをさしたことでどれだけレベルが上がっているか……
name:九條 真緒
種族:人族
mainjob:魔剣使い
subjob:四元魔導師
種族Lv:30
体力 D
魔力 S
筋力 C
知力 A
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『中級剣術 Lv11』『肉体強化 Lv7』
『解析鑑定 Lv1』『閃光魔法 Lv1』『魔力制御 Lv1』『魔力放出 Lv11』『精霊使役 Lv8』『短剣術 Lv6』
『狂気耐性 Lv4』『『痛覚耐性 Lv4』
『苦痛耐性 Lv4』 『恐怖耐性Lv4』『暗黒魔法 Lv4』『狂戦士化 Lv3』『上級斧術 Lv5』『体術 Lv6』
『闘気 Lv5』『魔力活性 Lv3』『火耐性 Lv4』
『闇耐性 Lv4』『光耐性 Lv2』『斬撃耐性 Lv2』
・マスタースキル
『四元魔法 Lv9』
・エクストラスキル
『魔剣召喚』『全言語理解EX』『融合』『交換』
『魔装:黒鬼』
───────────────────────
称号─────────────────────
『光の加護』『創造神の加護』『異世界人』
『魔剣の担い手』『精霊と絆を繋ぎし者』
『絶望に抗いし者』『槍嵐神の加護』
───────────────────────
……うん、まずいくつか言いたいことがあるんだ。レベル上がりすぎじゃない??これつまりほとんど僕が経験値総取りしたってこと?それともう1つ、融合したら素材にしたものが持ってるスキル全部継承されるんだ。これは使えるね。あといくつか耐性があるけどこれはつまりそういうことなんだろうね。
さて次はなんとか残ったあの斧を見てみようか。元々僕が装備してた武器防具は修復されるから新しい武器を探す必要はあんまりないんだけどさ。
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お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
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