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第一世界 神魔交錯戦域ヴェレツェルト 序章 勇者召喚世界
6,ダンジョン編開始
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さて、森宮さん用の短剣は……
アイテム
奪命の短剣 ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
触れた物の生命力を吸い取る性質のある魔物の素材を元に聖銀ミスリルを使って作られた短剣。傷をつけた相手から生命力を吸収しさらに傷の再生を阻害する効果がある。吸収した生命力は持ち主に還元される。
この武器は傷付いた場合持ち主の生命力を吸うことで修復される。吸収した生命力を守護の力に変換し防壁を貼ることも出来る。
装備効果
[生命吸収(中)][自動修復][再生阻害(小)][生命譲渡][生命増加(中)][破壊耐性(小)][生命変換(守護)][蓄命]
……やっぱりこっちもとんでもないやつだったかぁ……ん?まってこれお互いにめちゃくちゃ相性いいじゃん。
そしてこの内容を秋と森宮さん伝えたところ森宮さんもかなり驚いていた。まぁそりゃあ突然トップクラスの装備なんて見せられたらね。
「それじゃあ次は装備の方見ようか」
「うん、それじゃあそっちもお願い」
解析!
アイテム
浄魔のローブ ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
聖銀ミスリルを秘伝の技術によって細く加工した糸によって織られたローブ。ミスリルの聖属性効果で闇に属する攻撃に耐性がつく。さらに聖職者から浄化をかけられているため回復魔法に補正がつくと共に汚れに強くなる。そして高位金属であるミスリル特有の効果で物魔双方のダメージが減少する。
装備効果
[汚れ無効][回復魔法効果上昇(中)]
[闇属性ダメージ減少(小)][自動修復]
[物理ダメージ減少(微小)]
[魔法ダメージ減少(微小)]
聖銀って……地球人なら結構な割合で知ってる有名なファンタジー金属じゃん……それを糸に加工して作られたローブ……そして装備効果が防具として優秀すぎる……
案の定森宮さんはポカンとしてるけど秋はこれのやばさが分かったみたい。
ここまで凄いのばかりだと秋の武器はどんなのになるのか怖いような楽しみなような。
「真緒!俺の分も頼むわ!」
「はいよー、解析解析」
さて、それじゃあ次は秋の装備だ。こっちはどんなのだろうね。まずは剣から、
アイテム
蒼炎の輝剣 ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
教会で聖別を受けた聖水、オリハルコン、微量のアダマンタイン、聖火の分炎によって作られた剣。刀身は青白く炎のように揺らめく紋様が入っている。教会で聖別を受けているためアンデットに対する特攻を持つ。さらに素材にしたものの効果で持ち主の治癒力を高める効果がある。
装備効果
[自動修復][不浄なるもの特攻(中)]
[再生力上昇][浄化攻撃][蒼炎剣]
はぁっ!?これもかよ。なんかアンデット族絶対殺す剣みたいな性能だな。
さて、武器はかなり強いってわかったけど防具はどうだろう。
アイテム
蒼炎の聖鎧 ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
教会で聖別を受けた聖水、オリハルコン、微量のアダマンタイン、聖火の分炎によって作られた鎧。刀身と同じく青白く炎のように揺らめく紋様が入っている。教会で聖別を受けているためアンデットによる攻撃に強い耐性を持つ。さらに素材にしたものの効果で持ち主の治癒力を高める効果がある。
装備効果
[自動修復][不浄耐性(中)]
[再生力上昇][浄化][蒼炎装]
……あっ、なるほどセット装備かー……なんかこの鍛冶屋に来たことで他のクラスメイトととんでもない装備差が生まれた気がする。別に後悔はしてないけど。生存率を高めるために必要だからね。
「全て買いたいと思うのですが全部で幾らになりますか?」
「あー、料金は金貨10枚でいいぞ。その代わりといっちゃなんだが今後もうちの店を贔屓にしてくれるとありがてぇな。自動修復が付いてるとはいえずっと使ってなけりゃガタがくるからな」
ふむ、王国からの支給が1人金貨5枚、かなりの金額だね。それで3人分の装備で金貨10枚か。金貨1枚が地球で言う10万相当だから100万くらい、あのレベルの装備を3人分で100万ってかなり安いんじゃない?正直言われなくてもこの鍛冶屋さんは贔屓にするつもりだけど。
「分かりました、10枚ですね。それと投げナイフと解体のためのナイフも欲しいのですがいくらくらいになります?」
「投げナイフが10本1セットで銀貨5枚、解体用ナイフは銀貨2枚だ」
「それじゃあ解体ナイフを2本、投げナイフを3セットお願いします」
合計金貨約2枚、これで僕の支度金はすっからかんになった。だけど投げナイフが想定より多く買えたから後悔はない。
「それじゃあ雑貨屋さんに行ってランタン買おっか」
「うん、僕お金無いから2人のうちどちらかが買ってくれない?」
「いーよー、私特にこれ以上買う予定ないからねー」
「森宮さんありがとう」
「どういたしましてー」
そして鍛冶屋を出て今度は雑貨屋さんへ。
「すいませーん!ランタンって売ってますかー?」
「んん?ランタンですか?それならこちらにありますよー。
お客様は冒険者の方ですか?もしダンジョンに行くならこちらの除魔の香もオススメしてます、こちらの香を炊くと一定時間魔物の接近を妨害することができます。まぁさすがにドラゴンなんかには聞きませんけどね」
除魔の香かー……響き的には有用そうだしちょっと相談しないと。
「どうする?あれば便利ではあるけど、ワンチャンほかのクラスメイトが買ってる可能性もない?」
「私なら買うよ、私残金残り金貨2枚あるしね」
「俺は金貨残り1枚だからなぁ……今度いくダンジョンって騎士団と合同だよな?それならそもそも魔物なんてあんまりよってこないんじゃね?」
「あー、それもそうか。それじゃあお香は無しでいいかな?」
「うん、私も今の意見に納得したから買わなくていいと思う」
「すいません、お香は買わないことに決めました。一緒に行くメンバーが多いので香が無くても魔物があまりよってこないのでは?って思ったので」
「そうですか……当店はお客様に商品を無理やり勧めることはしないのでそれなら仕方ないですね」
「こちらがランタンになります。明るさには自信がありますし焚火の火種にも使えるのでオススメです」
「ありがとうございます、金額はいくらでしょうか?」
「こちらは銅貨5枚になります」
銅貨5枚……5000円くらいか。そこそこ高いんだな。
何はともあれこれでダンジョンに行く準備は整ったな。それじゃあ城の方に戻ろうか。
その後は他よりはやめに戻ってきたということで姫様の家庭教師()もいつ通り行いいつもの精神統一もしてダンジョン遠征当日になった。
「よーっし今日はダンジョン遠征当日だ!全員昨日は準備をちゃんと済ませたな?緊張しすぎると普段通りの動きが出来なくなるからな、適度に気を抜くことも覚えろよ!」
「後衛の子達も後衛だから危険がないと思ってたら大間違いだからねー。万が一前衛が抜かれたりしたらもしもの事を考えてなかった後衛なんて相手からしたらいいカモだからね」
ありゃ、マーリン団長の言葉を聞いて同じ後衛の人達がザワザワしだしたけど……正直いって当たり前じゃない?
前衛が抜かれたら後衛に来る。それを考えてないでいると万が一そうなった時に何も出来ないまま死ぬ。うん、当然の事だと思うよ。
「よしっ!それじゃあ行くぞ!全員城の正門前に集合な!」
さて、集合場所に着くとそこには騎士団と宮廷魔導師団の紋章が着いた馬車が数台停まっていた。これでダンジョンに行くのか。王族専用車には劣るとしてもなかなか性能の良さそうな馬車だね。
「おぉ!これに乗るのか!俺馬車に乗るの初めてなんだよな!!」
うん、親友よ。地球に生きる人は大抵馬車なんて乗ったことないと思うぞ。
「よし、これにまず前衛後衛で別れたあとそれぞれパートナーで乗り込むんだ。1つの馬車に4組乗れるから5台に分けて乗ることになる、俺達騎士団と宮廷魔導師団は後ろから5台の馬車に乗ってついて行くから道中の魔物は無視してくれて構わないぞ。」
道中の魔物は全無視でいいんだ。ダンジョン前に疲れないのは楽だね。
ムード団長の言った通り道中に出た魔物は全部無視して進んだことでかなり早く目的のダンジョンに到達することが出来た。
それでは初ダンジョン突入!
「このダンジョンは現在全50層まで確認されている。今日は初回だし進みすぎて危険なものに遭遇した場合俺達だけでお前ら全員を無傷で地上まで送り届けるのは不可能だ。だから今日は最大でも25層まで進んだら途中で切り上げることにする。
最上部の層はほとんどがゴブリンやコボルトなどの特に特殊な能力も持たない下級魔物が相手だからこれまで実戦をしたことがなくても特に気負うことは無いぞ」
ほほぅ、最初はやっぱりゴブリンとかコボルトが相手なんだ。最初っから化け物みたいなやつが出てきても勝てるわけないからね。レベル上げも出来そうでありがたい。
そのまま進んでるけどぶっちゃけやることないなー。神城が魔物発見、即殺って感じだからこっちに回ってこない。
たまに隙を見て攻撃したりはしてるけど、攻撃当てても当てたやつがすぐに神城に狩られるから経験値もあんまり入らない。
ダンジョンに潜り始めて1、2時間くらい経って大量の魔物を狩ってるはずなのにステータスのスキルはまだこんなのだからね。
name:九條 真緒
種族:人族
mainjob:魔剣使い
subjob:四元魔導師
種族Lv:4
体力 E
魔力 S
筋力 D
知力 A
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『中級剣術 Lv2』『肉体強化 Lv2』『解析 Lv3』
『光属性魔法 Lv4』『魔力操作 Lv6』
『魔力放出 Lv5』『精霊使役 Lv3』
・マスタースキル
『四元魔法 Lv5』
・エクストラスキル
『魔剣召喚』『全言語理解EX』『融合』『交換』
───────────────────────
称号─────────────────────
『光の加護』『創造神の加護』『異世界人』
『魔剣の担い手』『精霊と絆を繋ぎし者』
───────────────────────
それに比べて戦闘に集中してる隙に解析でチラ見した神城のステータスがこれ
name:神城 統哉
種族:人族
mainjob:勇者
subjob:聖剣使い
種族Lv:7
体力 A
魔力 A
筋力 A
知力 B
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『聖属性魔法 Lv4』『上級剣術 Lv6』
『光属性魔法 Lv5』『肉体強化 Lv6』
『魔力回復速度上昇 Lv3』『魔力操作 Lv5』
『体力回復速度上昇 Lv4』『身体強化 Lv6』
『聖剣技 Lv3』『限界突破 Lv1』
・エクストラスキル
『勇者』『聖剣召喚』『言語理解EX』
───────────────────────
称号─────────────────────
『真なる勇者』『光の加護』『創造神の加護』
『異世界人』『聖剣の担い手』
───────────────────────
うん、称号のどれかに成長加速みたいな効果でもついてるのかなってくらいスキルが伸びてるね。さすが真なる勇者サマだ。
その後はひたすら勇者くん達が消し飛ばしてくれたおかげでサクサク進んでもう15層前に到達した。
「ッ!レッドドレイク!?20層以降にいる魔物がなんで!」
「団長!あの魔物様子が変です!まるで……何かから逃げているかのように……」
その時奥から黒炎が放たれた。
それは火に耐性があるはずのレッドドレイクを瞬時に焼き尽くし勢いを弱めないままこちらに飛んできた。
「ッ!!総員水系統魔法準備!!『激流壁!』『海砲!』」
「「『流水槍!』」」
「「『水弾!水球!』」」
宮廷魔導師団の人達が黒炎に向けて沢山の水系統魔法を撃っているけどほとんど勢いは弱くならない。
「『大神よ、我が命の灯を糧とし悪なるものを阻み空を隔てる巨盾をここに!!』生命消費!『神護結界!!』」
ドガァァンッ!!
ん、んん?生きてる?
そう言えば黒炎が直撃する寸前に森宮さんの声が聞こえたような。
「はぁ……はぁ……ふぅ、生命譲渡!これで大丈夫……」
「静!!生命消費って聞こえたけど大丈夫なのか!?」
あっ、秋が来た。今の声は聞こえてなかったのかな?
「うん、大丈夫だよ秋くん。」
「そうか、それなら良かった。」
ゾクッ
ッ!?なんだ?もしかして殺気ってやつ?素人が感じられるレベルの殺気って一体どれだけ密度が濃いんだよ……
その時黒炎が飛び出た方から何かが現れた。それは一瞬見ただけだと人のようではあるが明らかに人の枠に収まる存在では無いことがひと目でわかった。それが奥から出てきて全貌が顕になると騎士団と宮廷魔導師団の中で突然恐慌状態を引き起こす団員が現れた。
そして彼らの中の1人が言った言葉によってこの場が絶望的な空気で満たされることになる。
「あっあぁ……と、特異魔物だっ!!!」
「なっ!特異種だと!?なんでこんな所にいるんだよ!」
「あぁ、もうダメだ。俺達はここで死ぬんだ……」
騎士団と宮廷魔導師団の恐慌は勇者にも伝播し場が恐怖と絶望に包まれた。
「お前らぁッ!特異種が全て絶望の象徴のわけじゃないだろう?!
見たところやつはミノタウロスらしき特徴を持っている。そのことからやつをミノタウロス特異種と仮定する。ミノタウロスは力は強いが速度は早くない。さらに水系統の魔法が弱点だ。
俺達でやつを撹乱しその隙に宮廷魔導師団で水系統魔法で総攻撃を行う。そして着弾と同時に撤退する!そして冒険者組合にSランク依頼を出す!
行くぞ!」
「「「「「オオッ!!!」」」」」
さすがムード団長。圧倒的カリスマで恐慌状態の味方すらまとめあげた。
「勇者達、悪いがこれからお前達の安全は確約できん。前衛は俺たちとともにやつを叩く、そして後衛は宮廷魔導師団と共に攻撃してくれ!お前らが加われば勝率も上がるだろうからな。」
おぉ、さらにこの言葉でクラスメイト達の士気まで上げるとは。流石は王国騎士団団長。
さて、それじゃあ、特異種戦始めますか。
アイテム
奪命の短剣 ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
触れた物の生命力を吸い取る性質のある魔物の素材を元に聖銀ミスリルを使って作られた短剣。傷をつけた相手から生命力を吸収しさらに傷の再生を阻害する効果がある。吸収した生命力は持ち主に還元される。
この武器は傷付いた場合持ち主の生命力を吸うことで修復される。吸収した生命力を守護の力に変換し防壁を貼ることも出来る。
装備効果
[生命吸収(中)][自動修復][再生阻害(小)][生命譲渡][生命増加(中)][破壊耐性(小)][生命変換(守護)][蓄命]
……やっぱりこっちもとんでもないやつだったかぁ……ん?まってこれお互いにめちゃくちゃ相性いいじゃん。
そしてこの内容を秋と森宮さん伝えたところ森宮さんもかなり驚いていた。まぁそりゃあ突然トップクラスの装備なんて見せられたらね。
「それじゃあ次は装備の方見ようか」
「うん、それじゃあそっちもお願い」
解析!
アイテム
浄魔のローブ ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
聖銀ミスリルを秘伝の技術によって細く加工した糸によって織られたローブ。ミスリルの聖属性効果で闇に属する攻撃に耐性がつく。さらに聖職者から浄化をかけられているため回復魔法に補正がつくと共に汚れに強くなる。そして高位金属であるミスリル特有の効果で物魔双方のダメージが減少する。
装備効果
[汚れ無効][回復魔法効果上昇(中)]
[闇属性ダメージ減少(小)][自動修復]
[物理ダメージ減少(微小)]
[魔法ダメージ減少(微小)]
聖銀って……地球人なら結構な割合で知ってる有名なファンタジー金属じゃん……それを糸に加工して作られたローブ……そして装備効果が防具として優秀すぎる……
案の定森宮さんはポカンとしてるけど秋はこれのやばさが分かったみたい。
ここまで凄いのばかりだと秋の武器はどんなのになるのか怖いような楽しみなような。
「真緒!俺の分も頼むわ!」
「はいよー、解析解析」
さて、それじゃあ次は秋の装備だ。こっちはどんなのだろうね。まずは剣から、
アイテム
蒼炎の輝剣 ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
教会で聖別を受けた聖水、オリハルコン、微量のアダマンタイン、聖火の分炎によって作られた剣。刀身は青白く炎のように揺らめく紋様が入っている。教会で聖別を受けているためアンデットに対する特攻を持つ。さらに素材にしたものの効果で持ち主の治癒力を高める効果がある。
装備効果
[自動修復][不浄なるもの特攻(中)]
[再生力上昇][浄化攻撃][蒼炎剣]
はぁっ!?これもかよ。なんかアンデット族絶対殺す剣みたいな性能だな。
さて、武器はかなり強いってわかったけど防具はどうだろう。
アイテム
蒼炎の聖鎧 ☆☆☆☆☆☆
レア度:英雄級
教会で聖別を受けた聖水、オリハルコン、微量のアダマンタイン、聖火の分炎によって作られた鎧。刀身と同じく青白く炎のように揺らめく紋様が入っている。教会で聖別を受けているためアンデットによる攻撃に強い耐性を持つ。さらに素材にしたものの効果で持ち主の治癒力を高める効果がある。
装備効果
[自動修復][不浄耐性(中)]
[再生力上昇][浄化][蒼炎装]
……あっ、なるほどセット装備かー……なんかこの鍛冶屋に来たことで他のクラスメイトととんでもない装備差が生まれた気がする。別に後悔はしてないけど。生存率を高めるために必要だからね。
「全て買いたいと思うのですが全部で幾らになりますか?」
「あー、料金は金貨10枚でいいぞ。その代わりといっちゃなんだが今後もうちの店を贔屓にしてくれるとありがてぇな。自動修復が付いてるとはいえずっと使ってなけりゃガタがくるからな」
ふむ、王国からの支給が1人金貨5枚、かなりの金額だね。それで3人分の装備で金貨10枚か。金貨1枚が地球で言う10万相当だから100万くらい、あのレベルの装備を3人分で100万ってかなり安いんじゃない?正直言われなくてもこの鍛冶屋さんは贔屓にするつもりだけど。
「分かりました、10枚ですね。それと投げナイフと解体のためのナイフも欲しいのですがいくらくらいになります?」
「投げナイフが10本1セットで銀貨5枚、解体用ナイフは銀貨2枚だ」
「それじゃあ解体ナイフを2本、投げナイフを3セットお願いします」
合計金貨約2枚、これで僕の支度金はすっからかんになった。だけど投げナイフが想定より多く買えたから後悔はない。
「それじゃあ雑貨屋さんに行ってランタン買おっか」
「うん、僕お金無いから2人のうちどちらかが買ってくれない?」
「いーよー、私特にこれ以上買う予定ないからねー」
「森宮さんありがとう」
「どういたしましてー」
そして鍛冶屋を出て今度は雑貨屋さんへ。
「すいませーん!ランタンって売ってますかー?」
「んん?ランタンですか?それならこちらにありますよー。
お客様は冒険者の方ですか?もしダンジョンに行くならこちらの除魔の香もオススメしてます、こちらの香を炊くと一定時間魔物の接近を妨害することができます。まぁさすがにドラゴンなんかには聞きませんけどね」
除魔の香かー……響き的には有用そうだしちょっと相談しないと。
「どうする?あれば便利ではあるけど、ワンチャンほかのクラスメイトが買ってる可能性もない?」
「私なら買うよ、私残金残り金貨2枚あるしね」
「俺は金貨残り1枚だからなぁ……今度いくダンジョンって騎士団と合同だよな?それならそもそも魔物なんてあんまりよってこないんじゃね?」
「あー、それもそうか。それじゃあお香は無しでいいかな?」
「うん、私も今の意見に納得したから買わなくていいと思う」
「すいません、お香は買わないことに決めました。一緒に行くメンバーが多いので香が無くても魔物があまりよってこないのでは?って思ったので」
「そうですか……当店はお客様に商品を無理やり勧めることはしないのでそれなら仕方ないですね」
「こちらがランタンになります。明るさには自信がありますし焚火の火種にも使えるのでオススメです」
「ありがとうございます、金額はいくらでしょうか?」
「こちらは銅貨5枚になります」
銅貨5枚……5000円くらいか。そこそこ高いんだな。
何はともあれこれでダンジョンに行く準備は整ったな。それじゃあ城の方に戻ろうか。
その後は他よりはやめに戻ってきたということで姫様の家庭教師()もいつ通り行いいつもの精神統一もしてダンジョン遠征当日になった。
「よーっし今日はダンジョン遠征当日だ!全員昨日は準備をちゃんと済ませたな?緊張しすぎると普段通りの動きが出来なくなるからな、適度に気を抜くことも覚えろよ!」
「後衛の子達も後衛だから危険がないと思ってたら大間違いだからねー。万が一前衛が抜かれたりしたらもしもの事を考えてなかった後衛なんて相手からしたらいいカモだからね」
ありゃ、マーリン団長の言葉を聞いて同じ後衛の人達がザワザワしだしたけど……正直いって当たり前じゃない?
前衛が抜かれたら後衛に来る。それを考えてないでいると万が一そうなった時に何も出来ないまま死ぬ。うん、当然の事だと思うよ。
「よしっ!それじゃあ行くぞ!全員城の正門前に集合な!」
さて、集合場所に着くとそこには騎士団と宮廷魔導師団の紋章が着いた馬車が数台停まっていた。これでダンジョンに行くのか。王族専用車には劣るとしてもなかなか性能の良さそうな馬車だね。
「おぉ!これに乗るのか!俺馬車に乗るの初めてなんだよな!!」
うん、親友よ。地球に生きる人は大抵馬車なんて乗ったことないと思うぞ。
「よし、これにまず前衛後衛で別れたあとそれぞれパートナーで乗り込むんだ。1つの馬車に4組乗れるから5台に分けて乗ることになる、俺達騎士団と宮廷魔導師団は後ろから5台の馬車に乗ってついて行くから道中の魔物は無視してくれて構わないぞ。」
道中の魔物は全無視でいいんだ。ダンジョン前に疲れないのは楽だね。
ムード団長の言った通り道中に出た魔物は全部無視して進んだことでかなり早く目的のダンジョンに到達することが出来た。
それでは初ダンジョン突入!
「このダンジョンは現在全50層まで確認されている。今日は初回だし進みすぎて危険なものに遭遇した場合俺達だけでお前ら全員を無傷で地上まで送り届けるのは不可能だ。だから今日は最大でも25層まで進んだら途中で切り上げることにする。
最上部の層はほとんどがゴブリンやコボルトなどの特に特殊な能力も持たない下級魔物が相手だからこれまで実戦をしたことがなくても特に気負うことは無いぞ」
ほほぅ、最初はやっぱりゴブリンとかコボルトが相手なんだ。最初っから化け物みたいなやつが出てきても勝てるわけないからね。レベル上げも出来そうでありがたい。
そのまま進んでるけどぶっちゃけやることないなー。神城が魔物発見、即殺って感じだからこっちに回ってこない。
たまに隙を見て攻撃したりはしてるけど、攻撃当てても当てたやつがすぐに神城に狩られるから経験値もあんまり入らない。
ダンジョンに潜り始めて1、2時間くらい経って大量の魔物を狩ってるはずなのにステータスのスキルはまだこんなのだからね。
name:九條 真緒
種族:人族
mainjob:魔剣使い
subjob:四元魔導師
種族Lv:4
体力 E
魔力 S
筋力 D
知力 A
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『中級剣術 Lv2』『肉体強化 Lv2』『解析 Lv3』
『光属性魔法 Lv4』『魔力操作 Lv6』
『魔力放出 Lv5』『精霊使役 Lv3』
・マスタースキル
『四元魔法 Lv5』
・エクストラスキル
『魔剣召喚』『全言語理解EX』『融合』『交換』
───────────────────────
称号─────────────────────
『光の加護』『創造神の加護』『異世界人』
『魔剣の担い手』『精霊と絆を繋ぎし者』
───────────────────────
それに比べて戦闘に集中してる隙に解析でチラ見した神城のステータスがこれ
name:神城 統哉
種族:人族
mainjob:勇者
subjob:聖剣使い
種族Lv:7
体力 A
魔力 A
筋力 A
知力 B
スキル────────────────────
・ノーマルスキル
『聖属性魔法 Lv4』『上級剣術 Lv6』
『光属性魔法 Lv5』『肉体強化 Lv6』
『魔力回復速度上昇 Lv3』『魔力操作 Lv5』
『体力回復速度上昇 Lv4』『身体強化 Lv6』
『聖剣技 Lv3』『限界突破 Lv1』
・エクストラスキル
『勇者』『聖剣召喚』『言語理解EX』
───────────────────────
称号─────────────────────
『真なる勇者』『光の加護』『創造神の加護』
『異世界人』『聖剣の担い手』
───────────────────────
うん、称号のどれかに成長加速みたいな効果でもついてるのかなってくらいスキルが伸びてるね。さすが真なる勇者サマだ。
その後はひたすら勇者くん達が消し飛ばしてくれたおかげでサクサク進んでもう15層前に到達した。
「ッ!レッドドレイク!?20層以降にいる魔物がなんで!」
「団長!あの魔物様子が変です!まるで……何かから逃げているかのように……」
その時奥から黒炎が放たれた。
それは火に耐性があるはずのレッドドレイクを瞬時に焼き尽くし勢いを弱めないままこちらに飛んできた。
「ッ!!総員水系統魔法準備!!『激流壁!』『海砲!』」
「「『流水槍!』」」
「「『水弾!水球!』」」
宮廷魔導師団の人達が黒炎に向けて沢山の水系統魔法を撃っているけどほとんど勢いは弱くならない。
「『大神よ、我が命の灯を糧とし悪なるものを阻み空を隔てる巨盾をここに!!』生命消費!『神護結界!!』」
ドガァァンッ!!
ん、んん?生きてる?
そう言えば黒炎が直撃する寸前に森宮さんの声が聞こえたような。
「はぁ……はぁ……ふぅ、生命譲渡!これで大丈夫……」
「静!!生命消費って聞こえたけど大丈夫なのか!?」
あっ、秋が来た。今の声は聞こえてなかったのかな?
「うん、大丈夫だよ秋くん。」
「そうか、それなら良かった。」
ゾクッ
ッ!?なんだ?もしかして殺気ってやつ?素人が感じられるレベルの殺気って一体どれだけ密度が濃いんだよ……
その時黒炎が飛び出た方から何かが現れた。それは一瞬見ただけだと人のようではあるが明らかに人の枠に収まる存在では無いことがひと目でわかった。それが奥から出てきて全貌が顕になると騎士団と宮廷魔導師団の中で突然恐慌状態を引き起こす団員が現れた。
そして彼らの中の1人が言った言葉によってこの場が絶望的な空気で満たされることになる。
「あっあぁ……と、特異魔物だっ!!!」
「なっ!特異種だと!?なんでこんな所にいるんだよ!」
「あぁ、もうダメだ。俺達はここで死ぬんだ……」
騎士団と宮廷魔導師団の恐慌は勇者にも伝播し場が恐怖と絶望に包まれた。
「お前らぁッ!特異種が全て絶望の象徴のわけじゃないだろう?!
見たところやつはミノタウロスらしき特徴を持っている。そのことからやつをミノタウロス特異種と仮定する。ミノタウロスは力は強いが速度は早くない。さらに水系統の魔法が弱点だ。
俺達でやつを撹乱しその隙に宮廷魔導師団で水系統魔法で総攻撃を行う。そして着弾と同時に撤退する!そして冒険者組合にSランク依頼を出す!
行くぞ!」
「「「「「オオッ!!!」」」」」
さすがムード団長。圧倒的カリスマで恐慌状態の味方すらまとめあげた。
「勇者達、悪いがこれからお前達の安全は確約できん。前衛は俺たちとともにやつを叩く、そして後衛は宮廷魔導師団と共に攻撃してくれ!お前らが加われば勝率も上がるだろうからな。」
おぉ、さらにこの言葉でクラスメイト達の士気まで上げるとは。流石は王国騎士団団長。
さて、それじゃあ、特異種戦始めますか。
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世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
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