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第七章 ギルドと集団暴走
274 作ってしまえば良いんです
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四時半を過ぎて、ようやく四度目の集団暴走を乗り越えた。
散らばったギルド職員達が、戻ってくる冒険者達に、声を張り上げて連絡事項を伝える。
「お疲れ様でした! 六時頃に最終打ち合わせを行います! それまで食事と休息をお願いいたします!」
「集合の十分前に! 鐘を鳴らします! それまで休息をお願いいたします!」
ベルセンの冒険者達は、かなり余裕が出てきたようで、ユースールの冒険者達と共に談笑しながら戻ってきていた。職員達も疲れた顔を見せずに頑張っている。
そうして、連絡をしてもらっている頃。帰って来る冒険者達とは逆に、コウヤは説得のできたスラムの者たちと、数人の領兵、それと宮廷魔法師を含む後方支援に居た半数の魔法師達を連れて、戦場となった場所に立っていた。
まだ朝日は昇らず、辺りを照らすのは魔法の光だ。昼間ほどとはいかずとも、影をあまり作らないように淡く調整されている。せめて、迷宮内と同じ明るさを確保するように配慮していた。
「では、説明させてもらいます。魔法師以外の方々にお願いするのは、散らばったドロップ品の回収です」
迷宮の魔獣である以上、ドロップ品も出るし、本物ではないから遺体が残らない。目の前には、踏まれた物も多いが、沢山の素材が落ちていた。
「お渡しした袋に入れて、いっぱいになるまで拾ってください。あ、ズルしちゃダメですよ? 自分でやった事の対価が報酬です。人にやられて嫌なことはしない! それを踏まえて、自分が正しいと思う行動を取ってください。領兵さん達に迷惑かけないようにお願いしますよ」
「「「「「っ、はい」」」」」
スラムの者達は今回、食べ物で釣った。かなり飢えていたのだ。いくら死を受け入れていようと、お腹が減るとその思いも揺らぐ。生きたいと思っている証拠だ。とはいえ、賛同してくれたのは半分ほど。
子どもや女性達が多いのは気になるところだ。
「袋を渡す時にも言いましたが、それがいっぱいになったら、回収場所で手の甲に印を付けさせていただきます。それが報酬を受け取れる印です。これよりひと月。朝にパン一つ。昼と夜にスープ一杯。今回の報酬として冒険者ギルドが用意します」
手の甲に押す印は、対になる魔導具に手をつくと、その模様が出るようになっている。入場券代わりのスタンプみたいなものだ。不正は出来ない。
これは正当な報酬だと伝える。そして、不正使用はできないとも。袋を渡す時にスープ一杯は既に引き換えている。こうして受け取れると伝えるためと、これから動くのだからエネルギーは必要だからだ。
お陰で彼らの血色は大分良いものになっている。瞳の輝きから見ても、頭が働いていた。わざわざもう一度こうして説明するのは、しっかりと理解してもらうため。
「その間に冒険者となって働くもよし。新しくなる教会で奉仕活動をして更に食事を受け取るもよし。そのまま何もせずひと月を安寧に過ごすのもいいです。自分達で考えて決めてください」
「……」
これに、多くの者がポカンと口を開ける。そして、頷きが見えた。やはり、先の説明は頭に入ってきていなかったのだろう。ここに来てようやく頭が働いたらしい。食事は大事だ。
因みに、今回の騒動が終われば、このベルセンの教会も『聖魔教』に変えることになっている。帰ったら早速教会の図面を引くつもりだ。
「次に、拾う物についてです。空の薬瓶も拾ってくれて構いません。先の戦闘で使った物が落ちているはずです。踏むと危ないですから、お願いします。後は、石でも何でも拾ってください。ここに落ちている石は大半が魔石です。普通の石はもうほとんどありません」
一度目以降、コウヤは後方支援に回っていた魔法師達やランクの低い者たちにお願いして、同じようにドロップ品の回収を頼み、同時に戦いやすいように整地するように指示していた。よって、既にただの石はほとんど落ちていない。
因みに、一度目のグラムが作った大穴もきっちり埋めてある。まったく使えない大穴だったのだ。きちんとグラムには魔力の使い方をレクチャーしておいた。どうやら、今回でものにできたらしい。
「最も気をつけてもらう必要があるのが、コレです」
見せたのは見るからに毒々しい濃い紫色の瓶。
「ちょっとしか入っていませんが、これが物凄い猛毒です。あ、もちろん良い薬にもなるので、悪いものではありません。専用の栓抜きがないと出せませんし、瓶もかなり丈夫です。なので、投げても叩きつけても割れませんが、危ないものは危ないので、おふざけしないように」
「っ……」
コクコク頷かれた。顔色が少し悪くなったが、まあ大丈夫だろう。これで真面目にやってくれるはずだ。
「では、始めてください」
集団暴走時のドロップ率は、回数を重ねる毎に増えていく。最初がびっくりするほど低いため、それほどおいしいものではないが、さすがに四度目ともなると通常の迷宮での確率になる。お陰で今、戦場はキラキラした素材でいっぱいだ。
前線の方は、パックンとダンゴが回収している。パックンだけでも大丈夫なのだが、ダンゴは保険だ。監視役ともいう。
「では、魔法師の方はこっちにお願いします」
「「「「「はい!!」」」」」
元気よく返事をするのは、宮廷魔法師達だ。金の騎士も連れているので、冒険者の魔法師達はおっかなびっくりしている。そんな彼らに『すみません』『よろしくお願いします』と身振り手振りで挨拶する金の騎士達。
次第に冒険者の方も喋らずに身振り手振りで『そんなそんな』『こちらこそ』とやっている。なんで喋らないんだろうとコウヤは笑いそうになった。
そして、前線に辿り着く。この辺りはさすがパックンというか、もうかなり拾えているようで、邪魔なものはない。
「さて。では概要をお伝えします」
そう言って、コウヤは宙にこの場所の地図を出す。立体映像だ。
「おおっ!!」
「スゴい!!」
「し、師匠! これ、後で教えてください!!」
思ったより大興奮された。
「分かりました。全部終わったらですよ?」
「はい!!」
フロウルはキラキラした目で頷いた。口には出さないが、同じように冒険者の魔法師達もキラキラしている。だが、そっちは見なかったことにする。冒険者だろうと、同類なのを忘れていた。
「今はこうして平らになっています。障害物もほとんど、魔獣達が踏み砕いてきてしまいましたので、完全に平らな道になってしまいました」
迷宮から一直線に踏み固められた道ができている。普通ならば有難い。だが、このままでは次に出てくる大型のものも一気にまっすぐ来てしまうことになる。
「迷宮に行くと分かると思いますけど、大型の魔獣相手の時。なるべく一体ずつにしますよね」
「はい……数体一緒になんて無理です……」
冒険者の一人が答えてくれた。このままでは、その数体一緒にが現実になってしまうと気付いて、声が震えていた。
「ええ。今回は迷宮内ではないので、人数制限がありませんが、それでも数体を一気にというのは大変です。慣れてもいませんからね。見ての通り、障害物がないということは、隠れる場所もありません。あなた方魔法師なら分かると思いますが、隠れる場所はとても大事です」
コクコクと頷かれた。顔色が悪い。魔法師達は後方で、魔法をくみ上げる時間を隠れて時間を稼ぎながら戦う。大きな魔法ならば尚のこと、安全な場所で魔力を練り上げる時間がいるのだ。
「ならば、作ってしまえば良いんです。隠れる場所を。そして、魔獣達を分断できる道を」
「あ……そ、そっか……私たちで戦場を作る……?」
「そういうことです。迷宮では難しいですが、外ではできますよね。何より集団暴走の発生した場所は、多少木などの自然が壊れた場合でも、この後、精霊達の力で元に戻ろうとします。なので、今がチャンス! 好きに弄りましょう♪」
「っ……いいんですか……」
「いいんです♪」
「っ、分かりました!」
魔法師達の目が輝いた。大掛かりな地形変動レベルの魔法を試し撃ちするチャンスだ。好きに魔法を放てるのは、魔法師達にとって嬉しいことだった。
「良い息抜きにもなるでしょう? ふふ。でも、この設計図に似せてくださいね。方法はどんなものでも大丈夫です」
そう告げて、コウヤは同じような立体映像を各所に用意した。
「それぞれ、作って欲しい形をこうした映像で示しました。時間は一時間ほどと、それほどありませんが、お願いできますか?」
「「「「「やります! やらせてください!」」」」」
やる気満々だ。
「ふふ。無理な場所は俺が後でやります。先ほども言いましたが、息抜きと思ってくだされば結構です。後で魔力回復薬も提供いたします。エミール達には、申し訳ないけれど、フロウルさん達だけでなく、他の人たちも見ててもらえる?」
《《《(ビシ!!)》》》
敬礼してくれた。世話焼き上手な彼女(?)たちならば安心だ。
「それでは、お願いします」
そうして、魔法師達は生き生きと、急ピッチで戦場を改造していった。
時間いっぱい、精一杯の範囲をやり切った魔法師達。だが、この後残った場所をコウヤが数分とせずに変化させたのを見て、目を丸くした。
そして、残らず全員がコウヤを『師匠』呼びすることになるのだが、それにコウヤは気付かない。
いよいよ。最後の戦いが始まる。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
二日空きます。
よろしくお願いします◎
散らばったギルド職員達が、戻ってくる冒険者達に、声を張り上げて連絡事項を伝える。
「お疲れ様でした! 六時頃に最終打ち合わせを行います! それまで食事と休息をお願いいたします!」
「集合の十分前に! 鐘を鳴らします! それまで休息をお願いいたします!」
ベルセンの冒険者達は、かなり余裕が出てきたようで、ユースールの冒険者達と共に談笑しながら戻ってきていた。職員達も疲れた顔を見せずに頑張っている。
そうして、連絡をしてもらっている頃。帰って来る冒険者達とは逆に、コウヤは説得のできたスラムの者たちと、数人の領兵、それと宮廷魔法師を含む後方支援に居た半数の魔法師達を連れて、戦場となった場所に立っていた。
まだ朝日は昇らず、辺りを照らすのは魔法の光だ。昼間ほどとはいかずとも、影をあまり作らないように淡く調整されている。せめて、迷宮内と同じ明るさを確保するように配慮していた。
「では、説明させてもらいます。魔法師以外の方々にお願いするのは、散らばったドロップ品の回収です」
迷宮の魔獣である以上、ドロップ品も出るし、本物ではないから遺体が残らない。目の前には、踏まれた物も多いが、沢山の素材が落ちていた。
「お渡しした袋に入れて、いっぱいになるまで拾ってください。あ、ズルしちゃダメですよ? 自分でやった事の対価が報酬です。人にやられて嫌なことはしない! それを踏まえて、自分が正しいと思う行動を取ってください。領兵さん達に迷惑かけないようにお願いしますよ」
「「「「「っ、はい」」」」」
スラムの者達は今回、食べ物で釣った。かなり飢えていたのだ。いくら死を受け入れていようと、お腹が減るとその思いも揺らぐ。生きたいと思っている証拠だ。とはいえ、賛同してくれたのは半分ほど。
子どもや女性達が多いのは気になるところだ。
「袋を渡す時にも言いましたが、それがいっぱいになったら、回収場所で手の甲に印を付けさせていただきます。それが報酬を受け取れる印です。これよりひと月。朝にパン一つ。昼と夜にスープ一杯。今回の報酬として冒険者ギルドが用意します」
手の甲に押す印は、対になる魔導具に手をつくと、その模様が出るようになっている。入場券代わりのスタンプみたいなものだ。不正は出来ない。
これは正当な報酬だと伝える。そして、不正使用はできないとも。袋を渡す時にスープ一杯は既に引き換えている。こうして受け取れると伝えるためと、これから動くのだからエネルギーは必要だからだ。
お陰で彼らの血色は大分良いものになっている。瞳の輝きから見ても、頭が働いていた。わざわざもう一度こうして説明するのは、しっかりと理解してもらうため。
「その間に冒険者となって働くもよし。新しくなる教会で奉仕活動をして更に食事を受け取るもよし。そのまま何もせずひと月を安寧に過ごすのもいいです。自分達で考えて決めてください」
「……」
これに、多くの者がポカンと口を開ける。そして、頷きが見えた。やはり、先の説明は頭に入ってきていなかったのだろう。ここに来てようやく頭が働いたらしい。食事は大事だ。
因みに、今回の騒動が終われば、このベルセンの教会も『聖魔教』に変えることになっている。帰ったら早速教会の図面を引くつもりだ。
「次に、拾う物についてです。空の薬瓶も拾ってくれて構いません。先の戦闘で使った物が落ちているはずです。踏むと危ないですから、お願いします。後は、石でも何でも拾ってください。ここに落ちている石は大半が魔石です。普通の石はもうほとんどありません」
一度目以降、コウヤは後方支援に回っていた魔法師達やランクの低い者たちにお願いして、同じようにドロップ品の回収を頼み、同時に戦いやすいように整地するように指示していた。よって、既にただの石はほとんど落ちていない。
因みに、一度目のグラムが作った大穴もきっちり埋めてある。まったく使えない大穴だったのだ。きちんとグラムには魔力の使い方をレクチャーしておいた。どうやら、今回でものにできたらしい。
「最も気をつけてもらう必要があるのが、コレです」
見せたのは見るからに毒々しい濃い紫色の瓶。
「ちょっとしか入っていませんが、これが物凄い猛毒です。あ、もちろん良い薬にもなるので、悪いものではありません。専用の栓抜きがないと出せませんし、瓶もかなり丈夫です。なので、投げても叩きつけても割れませんが、危ないものは危ないので、おふざけしないように」
「っ……」
コクコク頷かれた。顔色が少し悪くなったが、まあ大丈夫だろう。これで真面目にやってくれるはずだ。
「では、始めてください」
集団暴走時のドロップ率は、回数を重ねる毎に増えていく。最初がびっくりするほど低いため、それほどおいしいものではないが、さすがに四度目ともなると通常の迷宮での確率になる。お陰で今、戦場はキラキラした素材でいっぱいだ。
前線の方は、パックンとダンゴが回収している。パックンだけでも大丈夫なのだが、ダンゴは保険だ。監視役ともいう。
「では、魔法師の方はこっちにお願いします」
「「「「「はい!!」」」」」
元気よく返事をするのは、宮廷魔法師達だ。金の騎士も連れているので、冒険者の魔法師達はおっかなびっくりしている。そんな彼らに『すみません』『よろしくお願いします』と身振り手振りで挨拶する金の騎士達。
次第に冒険者の方も喋らずに身振り手振りで『そんなそんな』『こちらこそ』とやっている。なんで喋らないんだろうとコウヤは笑いそうになった。
そして、前線に辿り着く。この辺りはさすがパックンというか、もうかなり拾えているようで、邪魔なものはない。
「さて。では概要をお伝えします」
そう言って、コウヤは宙にこの場所の地図を出す。立体映像だ。
「おおっ!!」
「スゴい!!」
「し、師匠! これ、後で教えてください!!」
思ったより大興奮された。
「分かりました。全部終わったらですよ?」
「はい!!」
フロウルはキラキラした目で頷いた。口には出さないが、同じように冒険者の魔法師達もキラキラしている。だが、そっちは見なかったことにする。冒険者だろうと、同類なのを忘れていた。
「今はこうして平らになっています。障害物もほとんど、魔獣達が踏み砕いてきてしまいましたので、完全に平らな道になってしまいました」
迷宮から一直線に踏み固められた道ができている。普通ならば有難い。だが、このままでは次に出てくる大型のものも一気にまっすぐ来てしまうことになる。
「迷宮に行くと分かると思いますけど、大型の魔獣相手の時。なるべく一体ずつにしますよね」
「はい……数体一緒になんて無理です……」
冒険者の一人が答えてくれた。このままでは、その数体一緒にが現実になってしまうと気付いて、声が震えていた。
「ええ。今回は迷宮内ではないので、人数制限がありませんが、それでも数体を一気にというのは大変です。慣れてもいませんからね。見ての通り、障害物がないということは、隠れる場所もありません。あなた方魔法師なら分かると思いますが、隠れる場所はとても大事です」
コクコクと頷かれた。顔色が悪い。魔法師達は後方で、魔法をくみ上げる時間を隠れて時間を稼ぎながら戦う。大きな魔法ならば尚のこと、安全な場所で魔力を練り上げる時間がいるのだ。
「ならば、作ってしまえば良いんです。隠れる場所を。そして、魔獣達を分断できる道を」
「あ……そ、そっか……私たちで戦場を作る……?」
「そういうことです。迷宮では難しいですが、外ではできますよね。何より集団暴走の発生した場所は、多少木などの自然が壊れた場合でも、この後、精霊達の力で元に戻ろうとします。なので、今がチャンス! 好きに弄りましょう♪」
「っ……いいんですか……」
「いいんです♪」
「っ、分かりました!」
魔法師達の目が輝いた。大掛かりな地形変動レベルの魔法を試し撃ちするチャンスだ。好きに魔法を放てるのは、魔法師達にとって嬉しいことだった。
「良い息抜きにもなるでしょう? ふふ。でも、この設計図に似せてくださいね。方法はどんなものでも大丈夫です」
そう告げて、コウヤは同じような立体映像を各所に用意した。
「それぞれ、作って欲しい形をこうした映像で示しました。時間は一時間ほどと、それほどありませんが、お願いできますか?」
「「「「「やります! やらせてください!」」」」」
やる気満々だ。
「ふふ。無理な場所は俺が後でやります。先ほども言いましたが、息抜きと思ってくだされば結構です。後で魔力回復薬も提供いたします。エミール達には、申し訳ないけれど、フロウルさん達だけでなく、他の人たちも見ててもらえる?」
《《《(ビシ!!)》》》
敬礼してくれた。世話焼き上手な彼女(?)たちならば安心だ。
「それでは、お願いします」
そうして、魔法師達は生き生きと、急ピッチで戦場を改造していった。
時間いっぱい、精一杯の範囲をやり切った魔法師達。だが、この後残った場所をコウヤが数分とせずに変化させたのを見て、目を丸くした。
そして、残らず全員がコウヤを『師匠』呼びすることになるのだが、それにコウヤは気付かない。
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