169 / 496
第七章 ギルドと集団暴走
274 作ってしまえば良いんです
しおりを挟む
四時半を過ぎて、ようやく四度目の集団暴走を乗り越えた。
散らばったギルド職員達が、戻ってくる冒険者達に、声を張り上げて連絡事項を伝える。
「お疲れ様でした! 六時頃に最終打ち合わせを行います! それまで食事と休息をお願いいたします!」
「集合の十分前に! 鐘を鳴らします! それまで休息をお願いいたします!」
ベルセンの冒険者達は、かなり余裕が出てきたようで、ユースールの冒険者達と共に談笑しながら戻ってきていた。職員達も疲れた顔を見せずに頑張っている。
そうして、連絡をしてもらっている頃。帰って来る冒険者達とは逆に、コウヤは説得のできたスラムの者たちと、数人の領兵、それと宮廷魔法師を含む後方支援に居た半数の魔法師達を連れて、戦場となった場所に立っていた。
まだ朝日は昇らず、辺りを照らすのは魔法の光だ。昼間ほどとはいかずとも、影をあまり作らないように淡く調整されている。せめて、迷宮内と同じ明るさを確保するように配慮していた。
「では、説明させてもらいます。魔法師以外の方々にお願いするのは、散らばったドロップ品の回収です」
迷宮の魔獣である以上、ドロップ品も出るし、本物ではないから遺体が残らない。目の前には、踏まれた物も多いが、沢山の素材が落ちていた。
「お渡しした袋に入れて、いっぱいになるまで拾ってください。あ、ズルしちゃダメですよ? 自分でやった事の対価が報酬です。人にやられて嫌なことはしない! それを踏まえて、自分が正しいと思う行動を取ってください。領兵さん達に迷惑かけないようにお願いしますよ」
「「「「「っ、はい」」」」」
スラムの者達は今回、食べ物で釣った。かなり飢えていたのだ。いくら死を受け入れていようと、お腹が減るとその思いも揺らぐ。生きたいと思っている証拠だ。とはいえ、賛同してくれたのは半分ほど。
子どもや女性達が多いのは気になるところだ。
「袋を渡す時にも言いましたが、それがいっぱいになったら、回収場所で手の甲に印を付けさせていただきます。それが報酬を受け取れる印です。これよりひと月。朝にパン一つ。昼と夜にスープ一杯。今回の報酬として冒険者ギルドが用意します」
手の甲に押す印は、対になる魔導具に手をつくと、その模様が出るようになっている。入場券代わりのスタンプみたいなものだ。不正は出来ない。
これは正当な報酬だと伝える。そして、不正使用はできないとも。袋を渡す時にスープ一杯は既に引き換えている。こうして受け取れると伝えるためと、これから動くのだからエネルギーは必要だからだ。
お陰で彼らの血色は大分良いものになっている。瞳の輝きから見ても、頭が働いていた。わざわざもう一度こうして説明するのは、しっかりと理解してもらうため。
「その間に冒険者となって働くもよし。新しくなる教会で奉仕活動をして更に食事を受け取るもよし。そのまま何もせずひと月を安寧に過ごすのもいいです。自分達で考えて決めてください」
「……」
これに、多くの者がポカンと口を開ける。そして、頷きが見えた。やはり、先の説明は頭に入ってきていなかったのだろう。ここに来てようやく頭が働いたらしい。食事は大事だ。
因みに、今回の騒動が終われば、このベルセンの教会も『聖魔教』に変えることになっている。帰ったら早速教会の図面を引くつもりだ。
「次に、拾う物についてです。空の薬瓶も拾ってくれて構いません。先の戦闘で使った物が落ちているはずです。踏むと危ないですから、お願いします。後は、石でも何でも拾ってください。ここに落ちている石は大半が魔石です。普通の石はもうほとんどありません」
一度目以降、コウヤは後方支援に回っていた魔法師達やランクの低い者たちにお願いして、同じようにドロップ品の回収を頼み、同時に戦いやすいように整地するように指示していた。よって、既にただの石はほとんど落ちていない。
因みに、一度目のグラムが作った大穴もきっちり埋めてある。まったく使えない大穴だったのだ。きちんとグラムには魔力の使い方をレクチャーしておいた。どうやら、今回でものにできたらしい。
「最も気をつけてもらう必要があるのが、コレです」
見せたのは見るからに毒々しい濃い紫色の瓶。
「ちょっとしか入っていませんが、これが物凄い猛毒です。あ、もちろん良い薬にもなるので、悪いものではありません。専用の栓抜きがないと出せませんし、瓶もかなり丈夫です。なので、投げても叩きつけても割れませんが、危ないものは危ないので、おふざけしないように」
「っ……」
コクコク頷かれた。顔色が少し悪くなったが、まあ大丈夫だろう。これで真面目にやってくれるはずだ。
「では、始めてください」
集団暴走時のドロップ率は、回数を重ねる毎に増えていく。最初がびっくりするほど低いため、それほどおいしいものではないが、さすがに四度目ともなると通常の迷宮での確率になる。お陰で今、戦場はキラキラした素材でいっぱいだ。
前線の方は、パックンとダンゴが回収している。パックンだけでも大丈夫なのだが、ダンゴは保険だ。監視役ともいう。
「では、魔法師の方はこっちにお願いします」
「「「「「はい!!」」」」」
元気よく返事をするのは、宮廷魔法師達だ。金の騎士も連れているので、冒険者の魔法師達はおっかなびっくりしている。そんな彼らに『すみません』『よろしくお願いします』と身振り手振りで挨拶する金の騎士達。
次第に冒険者の方も喋らずに身振り手振りで『そんなそんな』『こちらこそ』とやっている。なんで喋らないんだろうとコウヤは笑いそうになった。
そして、前線に辿り着く。この辺りはさすがパックンというか、もうかなり拾えているようで、邪魔なものはない。
「さて。では概要をお伝えします」
そう言って、コウヤは宙にこの場所の地図を出す。立体映像だ。
「おおっ!!」
「スゴい!!」
「し、師匠! これ、後で教えてください!!」
思ったより大興奮された。
「分かりました。全部終わったらですよ?」
「はい!!」
フロウルはキラキラした目で頷いた。口には出さないが、同じように冒険者の魔法師達もキラキラしている。だが、そっちは見なかったことにする。冒険者だろうと、同類なのを忘れていた。
「今はこうして平らになっています。障害物もほとんど、魔獣達が踏み砕いてきてしまいましたので、完全に平らな道になってしまいました」
迷宮から一直線に踏み固められた道ができている。普通ならば有難い。だが、このままでは次に出てくる大型のものも一気にまっすぐ来てしまうことになる。
「迷宮に行くと分かると思いますけど、大型の魔獣相手の時。なるべく一体ずつにしますよね」
「はい……数体一緒になんて無理です……」
冒険者の一人が答えてくれた。このままでは、その数体一緒にが現実になってしまうと気付いて、声が震えていた。
「ええ。今回は迷宮内ではないので、人数制限がありませんが、それでも数体を一気にというのは大変です。慣れてもいませんからね。見ての通り、障害物がないということは、隠れる場所もありません。あなた方魔法師なら分かると思いますが、隠れる場所はとても大事です」
コクコクと頷かれた。顔色が悪い。魔法師達は後方で、魔法をくみ上げる時間を隠れて時間を稼ぎながら戦う。大きな魔法ならば尚のこと、安全な場所で魔力を練り上げる時間がいるのだ。
「ならば、作ってしまえば良いんです。隠れる場所を。そして、魔獣達を分断できる道を」
「あ……そ、そっか……私たちで戦場を作る……?」
「そういうことです。迷宮では難しいですが、外ではできますよね。何より集団暴走の発生した場所は、多少木などの自然が壊れた場合でも、この後、精霊達の力で元に戻ろうとします。なので、今がチャンス! 好きに弄りましょう♪」
「っ……いいんですか……」
「いいんです♪」
「っ、分かりました!」
魔法師達の目が輝いた。大掛かりな地形変動レベルの魔法を試し撃ちするチャンスだ。好きに魔法を放てるのは、魔法師達にとって嬉しいことだった。
「良い息抜きにもなるでしょう? ふふ。でも、この設計図に似せてくださいね。方法はどんなものでも大丈夫です」
そう告げて、コウヤは同じような立体映像を各所に用意した。
「それぞれ、作って欲しい形をこうした映像で示しました。時間は一時間ほどと、それほどありませんが、お願いできますか?」
「「「「「やります! やらせてください!」」」」」
やる気満々だ。
「ふふ。無理な場所は俺が後でやります。先ほども言いましたが、息抜きと思ってくだされば結構です。後で魔力回復薬も提供いたします。エミール達には、申し訳ないけれど、フロウルさん達だけでなく、他の人たちも見ててもらえる?」
《《《(ビシ!!)》》》
敬礼してくれた。世話焼き上手な彼女(?)たちならば安心だ。
「それでは、お願いします」
そうして、魔法師達は生き生きと、急ピッチで戦場を改造していった。
時間いっぱい、精一杯の範囲をやり切った魔法師達。だが、この後残った場所をコウヤが数分とせずに変化させたのを見て、目を丸くした。
そして、残らず全員がコウヤを『師匠』呼びすることになるのだが、それにコウヤは気付かない。
いよいよ。最後の戦いが始まる。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
二日空きます。
よろしくお願いします◎
散らばったギルド職員達が、戻ってくる冒険者達に、声を張り上げて連絡事項を伝える。
「お疲れ様でした! 六時頃に最終打ち合わせを行います! それまで食事と休息をお願いいたします!」
「集合の十分前に! 鐘を鳴らします! それまで休息をお願いいたします!」
ベルセンの冒険者達は、かなり余裕が出てきたようで、ユースールの冒険者達と共に談笑しながら戻ってきていた。職員達も疲れた顔を見せずに頑張っている。
そうして、連絡をしてもらっている頃。帰って来る冒険者達とは逆に、コウヤは説得のできたスラムの者たちと、数人の領兵、それと宮廷魔法師を含む後方支援に居た半数の魔法師達を連れて、戦場となった場所に立っていた。
まだ朝日は昇らず、辺りを照らすのは魔法の光だ。昼間ほどとはいかずとも、影をあまり作らないように淡く調整されている。せめて、迷宮内と同じ明るさを確保するように配慮していた。
「では、説明させてもらいます。魔法師以外の方々にお願いするのは、散らばったドロップ品の回収です」
迷宮の魔獣である以上、ドロップ品も出るし、本物ではないから遺体が残らない。目の前には、踏まれた物も多いが、沢山の素材が落ちていた。
「お渡しした袋に入れて、いっぱいになるまで拾ってください。あ、ズルしちゃダメですよ? 自分でやった事の対価が報酬です。人にやられて嫌なことはしない! それを踏まえて、自分が正しいと思う行動を取ってください。領兵さん達に迷惑かけないようにお願いしますよ」
「「「「「っ、はい」」」」」
スラムの者達は今回、食べ物で釣った。かなり飢えていたのだ。いくら死を受け入れていようと、お腹が減るとその思いも揺らぐ。生きたいと思っている証拠だ。とはいえ、賛同してくれたのは半分ほど。
子どもや女性達が多いのは気になるところだ。
「袋を渡す時にも言いましたが、それがいっぱいになったら、回収場所で手の甲に印を付けさせていただきます。それが報酬を受け取れる印です。これよりひと月。朝にパン一つ。昼と夜にスープ一杯。今回の報酬として冒険者ギルドが用意します」
手の甲に押す印は、対になる魔導具に手をつくと、その模様が出るようになっている。入場券代わりのスタンプみたいなものだ。不正は出来ない。
これは正当な報酬だと伝える。そして、不正使用はできないとも。袋を渡す時にスープ一杯は既に引き換えている。こうして受け取れると伝えるためと、これから動くのだからエネルギーは必要だからだ。
お陰で彼らの血色は大分良いものになっている。瞳の輝きから見ても、頭が働いていた。わざわざもう一度こうして説明するのは、しっかりと理解してもらうため。
「その間に冒険者となって働くもよし。新しくなる教会で奉仕活動をして更に食事を受け取るもよし。そのまま何もせずひと月を安寧に過ごすのもいいです。自分達で考えて決めてください」
「……」
これに、多くの者がポカンと口を開ける。そして、頷きが見えた。やはり、先の説明は頭に入ってきていなかったのだろう。ここに来てようやく頭が働いたらしい。食事は大事だ。
因みに、今回の騒動が終われば、このベルセンの教会も『聖魔教』に変えることになっている。帰ったら早速教会の図面を引くつもりだ。
「次に、拾う物についてです。空の薬瓶も拾ってくれて構いません。先の戦闘で使った物が落ちているはずです。踏むと危ないですから、お願いします。後は、石でも何でも拾ってください。ここに落ちている石は大半が魔石です。普通の石はもうほとんどありません」
一度目以降、コウヤは後方支援に回っていた魔法師達やランクの低い者たちにお願いして、同じようにドロップ品の回収を頼み、同時に戦いやすいように整地するように指示していた。よって、既にただの石はほとんど落ちていない。
因みに、一度目のグラムが作った大穴もきっちり埋めてある。まったく使えない大穴だったのだ。きちんとグラムには魔力の使い方をレクチャーしておいた。どうやら、今回でものにできたらしい。
「最も気をつけてもらう必要があるのが、コレです」
見せたのは見るからに毒々しい濃い紫色の瓶。
「ちょっとしか入っていませんが、これが物凄い猛毒です。あ、もちろん良い薬にもなるので、悪いものではありません。専用の栓抜きがないと出せませんし、瓶もかなり丈夫です。なので、投げても叩きつけても割れませんが、危ないものは危ないので、おふざけしないように」
「っ……」
コクコク頷かれた。顔色が少し悪くなったが、まあ大丈夫だろう。これで真面目にやってくれるはずだ。
「では、始めてください」
集団暴走時のドロップ率は、回数を重ねる毎に増えていく。最初がびっくりするほど低いため、それほどおいしいものではないが、さすがに四度目ともなると通常の迷宮での確率になる。お陰で今、戦場はキラキラした素材でいっぱいだ。
前線の方は、パックンとダンゴが回収している。パックンだけでも大丈夫なのだが、ダンゴは保険だ。監視役ともいう。
「では、魔法師の方はこっちにお願いします」
「「「「「はい!!」」」」」
元気よく返事をするのは、宮廷魔法師達だ。金の騎士も連れているので、冒険者の魔法師達はおっかなびっくりしている。そんな彼らに『すみません』『よろしくお願いします』と身振り手振りで挨拶する金の騎士達。
次第に冒険者の方も喋らずに身振り手振りで『そんなそんな』『こちらこそ』とやっている。なんで喋らないんだろうとコウヤは笑いそうになった。
そして、前線に辿り着く。この辺りはさすがパックンというか、もうかなり拾えているようで、邪魔なものはない。
「さて。では概要をお伝えします」
そう言って、コウヤは宙にこの場所の地図を出す。立体映像だ。
「おおっ!!」
「スゴい!!」
「し、師匠! これ、後で教えてください!!」
思ったより大興奮された。
「分かりました。全部終わったらですよ?」
「はい!!」
フロウルはキラキラした目で頷いた。口には出さないが、同じように冒険者の魔法師達もキラキラしている。だが、そっちは見なかったことにする。冒険者だろうと、同類なのを忘れていた。
「今はこうして平らになっています。障害物もほとんど、魔獣達が踏み砕いてきてしまいましたので、完全に平らな道になってしまいました」
迷宮から一直線に踏み固められた道ができている。普通ならば有難い。だが、このままでは次に出てくる大型のものも一気にまっすぐ来てしまうことになる。
「迷宮に行くと分かると思いますけど、大型の魔獣相手の時。なるべく一体ずつにしますよね」
「はい……数体一緒になんて無理です……」
冒険者の一人が答えてくれた。このままでは、その数体一緒にが現実になってしまうと気付いて、声が震えていた。
「ええ。今回は迷宮内ではないので、人数制限がありませんが、それでも数体を一気にというのは大変です。慣れてもいませんからね。見ての通り、障害物がないということは、隠れる場所もありません。あなた方魔法師なら分かると思いますが、隠れる場所はとても大事です」
コクコクと頷かれた。顔色が悪い。魔法師達は後方で、魔法をくみ上げる時間を隠れて時間を稼ぎながら戦う。大きな魔法ならば尚のこと、安全な場所で魔力を練り上げる時間がいるのだ。
「ならば、作ってしまえば良いんです。隠れる場所を。そして、魔獣達を分断できる道を」
「あ……そ、そっか……私たちで戦場を作る……?」
「そういうことです。迷宮では難しいですが、外ではできますよね。何より集団暴走の発生した場所は、多少木などの自然が壊れた場合でも、この後、精霊達の力で元に戻ろうとします。なので、今がチャンス! 好きに弄りましょう♪」
「っ……いいんですか……」
「いいんです♪」
「っ、分かりました!」
魔法師達の目が輝いた。大掛かりな地形変動レベルの魔法を試し撃ちするチャンスだ。好きに魔法を放てるのは、魔法師達にとって嬉しいことだった。
「良い息抜きにもなるでしょう? ふふ。でも、この設計図に似せてくださいね。方法はどんなものでも大丈夫です」
そう告げて、コウヤは同じような立体映像を各所に用意した。
「それぞれ、作って欲しい形をこうした映像で示しました。時間は一時間ほどと、それほどありませんが、お願いできますか?」
「「「「「やります! やらせてください!」」」」」
やる気満々だ。
「ふふ。無理な場所は俺が後でやります。先ほども言いましたが、息抜きと思ってくだされば結構です。後で魔力回復薬も提供いたします。エミール達には、申し訳ないけれど、フロウルさん達だけでなく、他の人たちも見ててもらえる?」
《《《(ビシ!!)》》》
敬礼してくれた。世話焼き上手な彼女(?)たちならば安心だ。
「それでは、お願いします」
そうして、魔法師達は生き生きと、急ピッチで戦場を改造していった。
時間いっぱい、精一杯の範囲をやり切った魔法師達。だが、この後残った場所をコウヤが数分とせずに変化させたのを見て、目を丸くした。
そして、残らず全員がコウヤを『師匠』呼びすることになるのだが、それにコウヤは気付かない。
いよいよ。最後の戦いが始まる。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
二日空きます。
よろしくお願いします◎
370
あなたにおすすめの小説
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
ありふれた聖女のざまぁ
雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。
異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが…
「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」
「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
婚約破棄? そもそも君は一体誰だ?
歩芽川ゆい
ファンタジー
「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、令嬢にあるまじきことに、向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。