愛された彼女と愛した俺! 〜夢の時間〜

nemuri

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六話

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 こころの両親は、よく置いて行くそうだ。

「でもね、お土産は毎回くれて写真もたくさん見せてくれるの」

 それでも、羨ましいはずだ。私達は、何もこころを知らなかった。家族同然とか言えるわけないよね…。

「ごめん、今まで気づいてあげれなくて…。」
「なんで、夢が謝るの?夢は何も悪くないのに。」

 こころは、笑顔で言った。瀬尾先生が入ってきた。

「夢ちゃん、そろそろ時間だよ。そうだ、泊まりにするかい?せっかくだから、特別に許可出してくるよ!こころちゃんと2人で仲良くしなさい。」
「え?京先生良いの?こころ、凄い嬉しい!ありがとうございます!」

 こころは満面の笑みを浮かべた。良かった、少しでも笑顔で居てくれたら。

「そういえば、夢。ユーリくんと会った?」
「あ、会ったよ!元気そうだったね!」
「ねぇ、夢、こころは夢が何故体調良くなったのかは知らないよ!だけど、今が話出来るチャンスなんじゃない?あの日から、ちゃんと喋ってないんでしょ?」

 さっき、夕方落ち着くまで一緒に居てくれた事は言ってないからこころは知らないのだ。言うことでは無かったような気がしたからだった。

「明日、会いに行くよ。」
「そっか、良かった。チャンスなんだからね!」
「うん、こころ。ありがとう。一緒に寝よう。」

 ベッドは隣で近くまで来た。瀬尾先生は、何かあったらベッドのボタンを鳴らすんだよと言って、ママと一緒に部屋から出ていった。この病院で寝るのは久しぶりだった。こころと、2人で寝るのも。

「ねぇ、近所に居る男の子って彼女さん居るんでしょう?可愛いの?」
「うーん、可愛いって言うより大人だなって思う。先輩だからってのもそうだね。素敵な人だよ。お似合いだけど、私なんか心が落ち着かなくて何か…。」
「ふふ、それってもしかしたら。」
「え?」
「なんでもないよ!こころも、会いたいな。てか、こころは彼氏が欲しい。出来たら、京先生が良いけどね!なんだったら京先生と結婚とかしたいなぁ。」


 こころは、笑顔で言った。京先生の話をしてる時は凄い幸せそうだった。応援したい。

「大丈夫だよ。こころは、瀬尾先生と似合ってるよ!」
「え?本当?なんか、嘘でも嬉しい。頑張って病気治さないと…。」
「嘘じゃないよ!そうだよ!結婚するなら元気で居なくちゃ。結婚式だって行くんだからでも、無理しないでね。何かあったらいつでも言って。新しい電話番号。」

 分かってる、本来ならこの病気が今の時代で治ることなど出来なくて当たり前なのだから。長くて、24歳まで生きる事が出来る。だけどそれは、稀だった。基本的には、20歳までなのだから。私は、3年のはずだ。だけど、よく分からなかった。この病気は解明もされてなくて短命としか分かって居なかった。世の中の色々な病名と似ていたりする為勘違いしたり気が付きにくいけど症状は人それぞれ違うそして一つだけ見分ける方法があった。
 それは胸の上にお花みたいな模様が必ず出来るということ、そしてそれが満開になった瞬間に命が終わるということだけだった。
 そして、後は必ず短命だけしか分からないのだった。胸の上に咲く花は消えないけど他の症状たちと似てるからその通りに治療すれば良くはなる。花に生命を吸われているのではないだろうかという事はあがっていた。花が満開になった時に、研究で花は枯れる事が無く火葬した後に見ると見たことない綺麗な花だけが残るのだという。火葬後のみんなは決まって同じ花の模様をしているという事。
 誰もが研究しているのに、誰も知らない分からないというだけだった。
 1番初めにそれを発症した人の愛した人が火葬後に見た花に言った言葉が病名となっていたのはちょっと素敵だと思ってしまった。
 こころの花はもう満開に近い。いつ満開になってもおかしくはなかった。そんな私はというと花が消えたのだ、嬉しいと思うけど今まで花が消えた前例は見つかって居ないから不思議だとみんなが言っていた。


「夢?寝ちゃった?」
「ううん、どうしたの?」
「こころはね、この病気の事何も知らないの。だけど、夢は知ってるんだよね?知らない方が良かったりするのかな?」
「うーん、そうだね!年とか言うのも良くは無いけどでもまだ知るべきでは無いよ。だけどちょっと素敵な出来事だなぁって素敵な言葉だなぁって思ったよ。」
「そっか、楽しみだないつか理解出来ると良いな、ねぇ、夢。大好き!ありがとう。」
「ふふふ、嬉しいよ。私も。ううん、私の方がこころの事好きだね。ちゃんと知る時はくるから」
「ええっ!こころの方が、夢の事好きだよ。そうだね…きっと。」

 2人は、夜中までお喋りして看護師が見回りに来た時に怒られてしまった。

「楽しいね!今日は、本当にありがとう。すごくすごく嬉しいよ!おやすみ、夢。」
「こっちこそ、ありがとう!色々話たくさん出来たね。おやすみ、こころ。」

 明日は、ユーリに会わなくちゃ。私もちゃんと向き合わなきゃだよね。あの日、始まって終わった場所で。
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