男だらけの変態異世界冒険譚

M

文字の大きさ
53 / 87
日常編part②

53 変態侵略

しおりを挟む
 ホモォ大陸の南部には、イカニモ、サムソン、ウールニング、ウラニズム、ブルーキッド、エロミク、ショタという七つの国がある。
 これらの国々は互いに不可侵条約を結び、7ヶ国連合として機能していたが、ついにイカニモ王国が協定を破りショタ王国に侵攻してきた。
 ヒビキの指揮のもと、ショタ王国軍は押し寄せるイカニモ王国軍に立ち向かっていた。
 練度と士気、そして使命感とで上回るショタ王国軍は、絶え間ない暴力の嵐にも一歩も引かず、決して祖国の土を敵に踏ませまいと必死に戦い続ける。
 イカニモ王国軍自慢の剛腕無比なモンスター兵たちは、王都に近づくにつれて弱体化していった。
 魔導師の最高位である≪世界の中心ワールド・センター≫の称号を持つミントが浄化の魔法で、悪しきモンスター兵を退けていたのだ。
 モンスター兵たちはショタ王国に近づけば近づくほど、その力を削がれてしまうのだ。
 イカニモ王国軍はいったん陣地を大きく下げ、ショタ王国軍は勝利の喜びに湧き立った。
 だが、イカニモ王国軍は大規模な会戦を避けた代わりに、ショタ王国の国境周辺の村や町を襲い始めたのである。
 どの町でも現在は有事のためにほぼ全ての男は徴兵されていた。残っているのは年寄りと子供だけである。
 住民はろくな抵抗もできず、逃げ惑うばかりだった。
 僕は愛するナギサを連れて必死で走り続けた。
 通りは屍で溢れ、町は炎に包まれていたが、それでも死ぬ気でナギサの手を掴んで逃げれるところまでひたすら駆け抜ける。

「よし、好きなだけ犯せ! 今日は慰安夫たちも借り受けてきている! そっちを使うのも自由だ! せいぜい愉しめwww」

 瞬く間に町を制圧した兵士たちが、最後の仕上げとばかりに淫虐の宴を始めた。
 鎖に繋がれた慰安夫たちの恥ずかしい穴に、問答無用で兵士たちのペニスが突き入れられる。
 血と炎に酔った兵士たちは、これまで以上に乱暴に犯し尽くした。
 だが、彼らを苦しめているのはそれだけではなかった。
 その美麗な鼻にはフックが掛けられ、豚鼻へと歪められていたのだ。
 端正な顔が醜く歪められた姿に、兵士たちはいっそうペニスを熱く滾らせていく。

「へへへ、せっかく豚顔晒してんだから、豚みたいに鳴いてみせろや、おら!」

 あまりの無情な要求に、慰安夫にされた彼らは目を剥いて強い拒絶を示す。
 兵士のひとりが、後ろで順番を待っている他の兵士たちに声をかける。

「ふ~ん、そうかい。じゃあ仕方ないなぁ。おい、お前ら、お情けで残してやった老人どもを始末しろwww」

 無辜の民の命のため、慰安夫たちは恥辱に耐えて豚の鳴き真似をしてみせる。

「ぎゃははははは! いいぞいいぞ! そら鳴けッ! もっと無様に鳴きやがれwww」

 尻をピシャピシャ打たれながら犯され、豚の鳴き声を強要される。
 慰安夫たちが胸を焼き焦がすほどの恥辱に全身を震えさせながら、豚の鳴き真似をした。
 あまりの恥辱な光景に、僕とナギサは胸をかきむしりたくなる。
 それでも彼らは、兵士の律動に合わせて豚の鳴き声を放つ。
 そんな姿を見て、兵士たちは我先に順番を争うのだった。


ーーー


 僕の報告を聞いたヒビキは怒りに震えていた。
 そして同胞たちを、領土内の町を戦火から救うべく出陣した。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 ヒビキの剣が、巨大なモンスター兵の胴を深々と切り裂く。
 どす黒い血を噴き出す傷口を押さえながら、モンスター兵が膝をつく。そこへトドメとばかりに、同胞を傷つけられた怒りに燃え上がる兵士たちが槍を突き出していく。
 モンスター兵たちを、統率の取れたショタ王国軍の兵士たちが次々に斬り伏せる。
 明らかに戦況はヒビキたちに有利だった。
 戦場に炎が唸りを上げて渦を巻き、夜空が焦げるほどに高く燃え上がっていた。火の粉が雨のように降り注ぐ。

「テメエら、人間じゃねぇ~ッ!!!」

 ヒビキは疲労も忘れて全速力でイカニモ王国軍を斬り伏せていく。
 その気迫に思わず後ずさる兵士もいたが、巨悪を打つ鬼と化したヒビキの前に倒れていった。

「怯むなッ! ホモォ大陸最強の男であるヒビキさえ倒せば、後は烏合の衆だ! ヤツに狙いを定めろぉ~ッ!」

 イカニモ王国軍は集団で無造作にヒビキとの間合いを詰めてくる。
 ヒビキは望むところだとばかりに、自分から大きく踏み込んでいった。

「うおりゃあああああああああああああああああッ!!!」

 鉄板のように分厚く大きな剣が、ヒビキの一撃によって一瞬で粉々になる。それと同時に、イカニモ王国軍の兵士が血飛沫を上げて赤い雨を降らす。
 周辺にいたイカニモ王国軍の兵士たちが、大きくどよめいている。

「イカニモ王国のような軍国主義の国は皆殺しにしねえと他国が迷惑を被るからなぁ。悪りいが、お前らの国は地図から消えてもらうぜwww」

 ヒビキは神々しい光のエネルギーボールを捻り出す。

「まさかゼノンに教えてもらった世界三大禁忌魔法の一つを使う日が来るとは驚きだぜ。俺にこの魔法を使わせたことをあの世で後悔するんだなぁ。――偽りの光によって掩蔽されし純然たる闇を剿滅せよ≪黙示録アポカリプス≫」

 その時、イカニモ王国が地獄の業火の中に消え、引き裂かれた大地の巨大なクレバスに飲み込まれ、一瞬のうちにこの世から跡形もなく姿を消した。
 ヒビキは転送魔法でショタ王国軍の兵士を全員連れて瞬間移動し、祖国へ帰ってきた。
 こうして戦争は終結し、不可侵条約を結び直した6ヶ国連合に再び平和が訪れたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...