73 / 117
第3部(終章)
潜在願望
しおりを挟む
「もしそうなら、この人たちのこと助けられるかも」
ぽつりと、はつりが口にした。
帯から下げた巾着から、ごそごそと何かを取り出している。
手の平に取り出したのは、灰色の石でできた……器?
小さなすり鉢状の底に向かって嘴を向ける小鳥が彫られている。
ぱっと見、市場の古道具屋で二束三文でたたき売りされていそうな代物だ。
「なんだその、ガラクタ」
「ガラクタって言わない!これは、えっと、サンスイっていってね。蘇芳先生が言うには、神力を持った人間が使える特別な宝物で」
「……先生が?」
初耳だ。自分の与り知らぬところで、蘇芳がはつりに何かを託したというのか。胸の奥に黒い靄が広がった。
<カラミヒエカ>の名前が出ていたなら、花鶏もすぐに勘付いただろう。蘇芳がアジラヒムを脅し、もとい交渉して手に入れた宝物だと。しかし、はつりは花鶏とは逆に、<カラミヒエカ>の名も、カデンルラでの顛末も知らなかった。
「昏睡状態の人たちを助けるよう蘇芳先生に頼まれてたんだけど、沙羅さんを目覚めさせたら、どちらも叶うってことだよね」
花鶏はまだ懐疑的だ。
沙羅の願いが里を救うことなら、順番が逆な気がする。
しかも、昏睡状態の人々の中に本当の里の住人は、まとめ役の女ひとり。彼らを助けても、里を守ったことになるのか……?
(先生のいない今、憶測で動くべきじゃない)
「蘇芳先生は人助けのために<三觜>を使うのを怒らないと思う。それに、二の里の人たちをこのままにはできないし、沙羅さんも、助けてあげたい」
「それは、そうだが」
そう。蘇芳なら確かに怒らないだろう。むしろ褒めてくれるはずだ。
(なのになんだ……心臓が騒めくこの感じ)
<睡蓮>ははつりの肩越しに、物珍しそうに<三觜>を覗き込んでいた。
「話に聞いたことはあるが、実物を見るのは初めてだ。……優しいお嬢さん、それを私の妻のために使ってくれるというのかい?」
眉を下げて尋ねる<睡蓮>の顔は、はつりから見ても、蘇芳に似ているに違いない。
花鶏は臍を嚙んだ。
(先生が誰彼構わず優しくするからですよ。もういっそ……どっかに閉じ込めて、珀も兄上も、早蕨も波瀬も、はつりにも……誰にも会わせないで、俺だけが先生を独占できればいいのに)
駄目だ。イルファーンと同じ思考になっている。蘇芳ならきっと呆れてこう言うだろう。
「相手の心を尊重できない人間は、いくら見た目が良くても屑同然」
(でも先生……どうして俺は、先生と恋人になれたのに、いつまでも嫉妬して、心が休まる時がないんだろう。先生が誰かに盗られるんじゃないかと、不安で気が狂いそうだ)
先生は悪くないのに、花鶏以外に優しくする先生が、時々とても憎い。そんな風に思う自分が悲しい。
(……離れてるから嫌な想像が膨らむんだ。俺たちはいつも一緒にいないといけないのに)
蘇芳が傍にいてくれさえすれば、不安は消えるはずだ。早く東雲が先生を連れて来てくれさえすれば……。
軽いめまいがして、額に手を当てた。自分の手だと大して意味がない。足の怪我も悪化したのか、痛みで集中力が切れかかる。はつりと<睡蓮>の気配が遠くなった。
「やってみますね。ええと、蘇芳先生は確かこうやって……あれ?動かない」
蘇芳が教えてくれたように、三羽のうち一羽を選んで、頭を下に押す。当然のように小鳥は動かない。
「石の彫刻なんだから当たり前だろう」
「ちょっと黙ってて。おかしいな」
<睡蓮>が横からおもむろに腕を伸ばして、はつりの手を取った。
「え?」
はつりの戸惑った声。花鶏も痛みを忘れて呆気に取られた。
<睡蓮>は何を思ってか、はつりの指を掬い上げると、薄く開いた口に含んだ。ちら、と覗いたのは、尖った犬歯だ。
「おいっ、何して」
花鶏の静止と同時に、はつりがビクッと肩を揺らした。
噛まれたのだ。
はつりの指先にぷくりと血の玉が浮かぶと、<睡蓮>はその手を逆さにして<三觜>の窪みに向けた。
ぽた、と血の雫が窪みに垂れる。さっき触れた一羽の小鳥が、羽を広げ、ゆっくり嘴を窪みに下ろした。お辞儀するような態勢で血に触れる。
「願いを口に出してみて」
<睡蓮>は喜色を浮かべて小鳥を見ている。蓮の色をした目が爛爛と輝いてるのを見て、花鶏はなにかがおかしいと感じた。
「はつり待て、せめて先生が来るまで」
「おや、先生はここに来るのか」
<睡蓮>が花鶏を見遣った。その瞬間、視界がぐらりと揺れ、花鶏はその場に蹲った。
揺らぐ視界の向こうで、ぼんやりと虚空を見つめるはつりの姿が見えた。
はつり、と声に出すが、はくはくと音が漏れるだけで届かない。
笑う気配がして上を向くと、<睡蓮>のまとう空気が揺らぎ、その姿形が変化していた。
濡れ羽色の髪は雪のように白くなり、顔は全くの別人だ。
もうどこにも、蘇芳の面影はない。
人の理から外れた麗しさながら、目の奥にうすら寒いものを湛えている。
それまでの儚げな雰囲気が立ち消えて、ぬらりと光る刃を当てられたように、全身の毛が逆立った。
(そうだ剣、俺の剣は……)
おかしい。頭に靄が掛かったように思考がまとまらない。花鶏は腕に爪を立てた。血がにじむまで強く食い込ませると、少しだけ意識がはっきりする。
「そんなことをしてはいけないよ」
<睡蓮>は歯ぎしりする花鶏の頭に手を置き、はつりの耳元に何かを囁いた。
はつりが夢見るように<三觜>に語りかけた。
「三觜、この人を……沙羅の魂を呼び起こして」
言い終えた瞬間、巨大な黒い塊が<睡蓮>に向けて体当たりした。
「花鶏!……え、はつり様もいたのですか」
駆け込んできた蘇芳は、真っ先に花鶏を見つけ安堵を浮かべたが、すぐに様子がおかしいことに気付いた。
東雲が即座に攻撃した<睡蓮>がいた場所。そこに蹲る花鶏は焦点の合わない目で腕に爪を立てている。
はつりは<三觜>を手に持ったまま、蘇芳を見ようともせず、じっと俯いていた。
ぽつりと、はつりが口にした。
帯から下げた巾着から、ごそごそと何かを取り出している。
手の平に取り出したのは、灰色の石でできた……器?
小さなすり鉢状の底に向かって嘴を向ける小鳥が彫られている。
ぱっと見、市場の古道具屋で二束三文でたたき売りされていそうな代物だ。
「なんだその、ガラクタ」
「ガラクタって言わない!これは、えっと、サンスイっていってね。蘇芳先生が言うには、神力を持った人間が使える特別な宝物で」
「……先生が?」
初耳だ。自分の与り知らぬところで、蘇芳がはつりに何かを託したというのか。胸の奥に黒い靄が広がった。
<カラミヒエカ>の名前が出ていたなら、花鶏もすぐに勘付いただろう。蘇芳がアジラヒムを脅し、もとい交渉して手に入れた宝物だと。しかし、はつりは花鶏とは逆に、<カラミヒエカ>の名も、カデンルラでの顛末も知らなかった。
「昏睡状態の人たちを助けるよう蘇芳先生に頼まれてたんだけど、沙羅さんを目覚めさせたら、どちらも叶うってことだよね」
花鶏はまだ懐疑的だ。
沙羅の願いが里を救うことなら、順番が逆な気がする。
しかも、昏睡状態の人々の中に本当の里の住人は、まとめ役の女ひとり。彼らを助けても、里を守ったことになるのか……?
(先生のいない今、憶測で動くべきじゃない)
「蘇芳先生は人助けのために<三觜>を使うのを怒らないと思う。それに、二の里の人たちをこのままにはできないし、沙羅さんも、助けてあげたい」
「それは、そうだが」
そう。蘇芳なら確かに怒らないだろう。むしろ褒めてくれるはずだ。
(なのになんだ……心臓が騒めくこの感じ)
<睡蓮>ははつりの肩越しに、物珍しそうに<三觜>を覗き込んでいた。
「話に聞いたことはあるが、実物を見るのは初めてだ。……優しいお嬢さん、それを私の妻のために使ってくれるというのかい?」
眉を下げて尋ねる<睡蓮>の顔は、はつりから見ても、蘇芳に似ているに違いない。
花鶏は臍を嚙んだ。
(先生が誰彼構わず優しくするからですよ。もういっそ……どっかに閉じ込めて、珀も兄上も、早蕨も波瀬も、はつりにも……誰にも会わせないで、俺だけが先生を独占できればいいのに)
駄目だ。イルファーンと同じ思考になっている。蘇芳ならきっと呆れてこう言うだろう。
「相手の心を尊重できない人間は、いくら見た目が良くても屑同然」
(でも先生……どうして俺は、先生と恋人になれたのに、いつまでも嫉妬して、心が休まる時がないんだろう。先生が誰かに盗られるんじゃないかと、不安で気が狂いそうだ)
先生は悪くないのに、花鶏以外に優しくする先生が、時々とても憎い。そんな風に思う自分が悲しい。
(……離れてるから嫌な想像が膨らむんだ。俺たちはいつも一緒にいないといけないのに)
蘇芳が傍にいてくれさえすれば、不安は消えるはずだ。早く東雲が先生を連れて来てくれさえすれば……。
軽いめまいがして、額に手を当てた。自分の手だと大して意味がない。足の怪我も悪化したのか、痛みで集中力が切れかかる。はつりと<睡蓮>の気配が遠くなった。
「やってみますね。ええと、蘇芳先生は確かこうやって……あれ?動かない」
蘇芳が教えてくれたように、三羽のうち一羽を選んで、頭を下に押す。当然のように小鳥は動かない。
「石の彫刻なんだから当たり前だろう」
「ちょっと黙ってて。おかしいな」
<睡蓮>が横からおもむろに腕を伸ばして、はつりの手を取った。
「え?」
はつりの戸惑った声。花鶏も痛みを忘れて呆気に取られた。
<睡蓮>は何を思ってか、はつりの指を掬い上げると、薄く開いた口に含んだ。ちら、と覗いたのは、尖った犬歯だ。
「おいっ、何して」
花鶏の静止と同時に、はつりがビクッと肩を揺らした。
噛まれたのだ。
はつりの指先にぷくりと血の玉が浮かぶと、<睡蓮>はその手を逆さにして<三觜>の窪みに向けた。
ぽた、と血の雫が窪みに垂れる。さっき触れた一羽の小鳥が、羽を広げ、ゆっくり嘴を窪みに下ろした。お辞儀するような態勢で血に触れる。
「願いを口に出してみて」
<睡蓮>は喜色を浮かべて小鳥を見ている。蓮の色をした目が爛爛と輝いてるのを見て、花鶏はなにかがおかしいと感じた。
「はつり待て、せめて先生が来るまで」
「おや、先生はここに来るのか」
<睡蓮>が花鶏を見遣った。その瞬間、視界がぐらりと揺れ、花鶏はその場に蹲った。
揺らぐ視界の向こうで、ぼんやりと虚空を見つめるはつりの姿が見えた。
はつり、と声に出すが、はくはくと音が漏れるだけで届かない。
笑う気配がして上を向くと、<睡蓮>のまとう空気が揺らぎ、その姿形が変化していた。
濡れ羽色の髪は雪のように白くなり、顔は全くの別人だ。
もうどこにも、蘇芳の面影はない。
人の理から外れた麗しさながら、目の奥にうすら寒いものを湛えている。
それまでの儚げな雰囲気が立ち消えて、ぬらりと光る刃を当てられたように、全身の毛が逆立った。
(そうだ剣、俺の剣は……)
おかしい。頭に靄が掛かったように思考がまとまらない。花鶏は腕に爪を立てた。血がにじむまで強く食い込ませると、少しだけ意識がはっきりする。
「そんなことをしてはいけないよ」
<睡蓮>は歯ぎしりする花鶏の頭に手を置き、はつりの耳元に何かを囁いた。
はつりが夢見るように<三觜>に語りかけた。
「三觜、この人を……沙羅の魂を呼び起こして」
言い終えた瞬間、巨大な黒い塊が<睡蓮>に向けて体当たりした。
「花鶏!……え、はつり様もいたのですか」
駆け込んできた蘇芳は、真っ先に花鶏を見つけ安堵を浮かべたが、すぐに様子がおかしいことに気付いた。
東雲が即座に攻撃した<睡蓮>がいた場所。そこに蹲る花鶏は焦点の合わない目で腕に爪を立てている。
はつりは<三觜>を手に持ったまま、蘇芳を見ようともせず、じっと俯いていた。
122
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。