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番外編

ポルカの大好物が出来るまで➆

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 ごく、と知らずに生唾をのんだポルカの唇を太い指がなぞり、もう一度トロリとした赤い果肉が塗りたくられる。見せつけるように舌なめずりをしてから、ジルの顔がゆっくりと近付き……赤い果肉ごと、ポルカの唇に喰らいつく。それと同時に――

「んぁ、ふ……ぁああぁあァッーーーー!!!!」

 赤黒い肉棒が、熟した蜜壺を一息に貫く。挿れられた瞬間に達してビクビクと跳ねる小さな体を全身で押さえつけ、獲物の唇を貪りながらジルは獣のように腰を打ち付けた。

「ふ、はは……くそ、甘ぇ……ッ!!」
「や! やぁあ! んっ、ふあぁあ! あん! あぁんッ!! やら、やぁあ!!」
「っ、イヤ、じゃねぇだろ、が! 良いって言え、おら!!」
「あぅ、うッーー……!!」

 太く逞しいそれにゴリゴリと膣道を抉られ、瞬間大きな灰色の目に白い火花が散る。強すぎる快感はポルカの理性を容赦なく、木っ端微塵に吹きとばしていく……!

「……っへんに、なるよう! らめ、いァ、あぁあぁん!」
「あ゛ぁあ!? 挿れただけでイッた癖に! 何往生際が悪いこと言ってやがんだ! おら、もっとイけ……っ!!」
「あァぁあアぁッッ!! あ、また……っまた、イッ……~~~~ッ!! あぁ! あン!!」

 どちゅん! どちゅん! と腹の奥を叩く激しい腰使いに、食卓が軋む。そのたびに何度も何度も絶頂に押し上げられながら、ポルカは懸命にジルの背中に縋りついた。

「くっ……ぅ! ポルカ、はぁ、ポルカっ……!! 俺の、……」
「あ、……ジル、あ、あ……ぁ…………ッ」

 ジルの一物から迸った欲望が、ポルカの奥に一滴残らず注がれていく。白んでゆく意識の中で、ポルカはジルの肌の温もりと……熟したタギ苺の焼けるような甘みを感じていたのだった。

◆◇◆

「ゔゔゔ……体いだい……」

 翌朝、ポルカは寝台の中で丸まり、掠れた声で平謝りし続けていた。あれから結局朝方まで盛り上がってしまい、体力がすっかり尽きてしまったのだ。
 喘ぎすぎて喉はガラガラ、固い食卓の上で致したものだから腰やら背中やらが痛い。とてもじゃないが、今日一日家事も何も出来やしないだろう。

「ジル、ごめんよぅ。世話になっちまって……」
 
 何より申し訳ないのは、ジルがポルカの世話をする為に仕事を休んでしまったことだ。本人は別に良いと言ってるけど、さっきからもう……圧が、すごい。眉間の皺なんて、普段の五割増しに深い……!

「アタシの事は良いから、今からでも仕事に――」
「うるせえ、黙れ」

 ずい、とポルカの鼻先に、湯気の立つコップが押し付けられる。受け取って覗き込むと、薄紅色の水の中に紅い果実が沈んでいた。昨日の完熟タギ苺を、微温湯に溶かしたもののようだ。

「……タギ苺は、喉にも良いってどっかで聞いた。完熟なら、効果も倍だろう」

 そう曰うジルは、いつにも増して鬼も殺せそうな強面ぶりだ。なのに、何だか……

 ――『甘いなぁ』って思うのは、惚れた弱みなんだろうけど。

「あ、ありがとね、ジル」
「……さっさと飲め」
「うん」

 薄紅色の飲み物は、どんな物より甘ったるくて幸せな味がした――

 そんな訳で、完熟タギ苺はポルカの大好物になったのである。

 さらに月日がたち、完熟タギ苺を拾って帰るのはすっかりミラー一家の恒例行事と相成った。
 ポルカが買ったヘンテコ鋏は埃を被ることもなく、今も棚に大事に大事に飾られていて、たまに息子や孫に使われたりしている。
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