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生易しい報復※
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寝台の軋みに合わせて、白金の首輪がチャリッと音を立てる。首輪と言うには何だか余りにも洒落ているそれは、枕元に置いてある魔灯の仄かな光を反射してキラキラと光っていた。
「んっく、ぅっ……ん、ん……!!」
忙しなく上下する平らな胸元で、朱色の石が踊っている。逞しい腹筋に両手をついて腰を懸命に動かしながら、ポルカは時折跳ね上がる朱色の石と、同じ色をした彼の瞳をぼんやりと見つめていた。
「ジルっ……ん、きもち……いい?っふんンッ」
「あぁ、まぁまぁだな。そら、もっと腰を落とせ……よッ!」
「あぁぁああッン!!」
徐に下から強く突き上げられ、ポルカは白い背中を弓なりにしならせた。自然、ジルの前に勃ち上がった桃色の乳首を差し出す姿勢になる。その間で、朱色の小さな石がコロコロと転がった。
首輪と称したネックレスを着けてもらったあの時から、時折全身に何かが絡みついている感覚に苛まれている。
もしかすると、首輪とは名ばかりな『呪いのネックレス』なのかもしれない。別に何かが絡みついているからと言って体調が悪くなったわけではないのだが、ふとした時に……ジルの気配を濃密に感じるのだ。気のせいかもしれないけれど。
……そんな事を考えている間に何度か下から強く突き上げられ、ポルカはあっけなくジルの腹の上に崩れ落ちた。
「あぁっやっじる!…じるぅッ……も、うごけなひぃ……ひァあッぁああ!?」
「言いつつ腰が跳ねてんじゃねぇかよ、この……嘘つき女ッ!!」
「ぁん! あっあ、それ、はっ体が勝手、にッひぃん!ん、ゃ~~~~~~~~ッ!!」
柔い尻を鷲掴まれ、ズン!と強めに子宮口を突かれ。それと同時にか細い悲鳴を上げて果てたポルカの唇をジルは己の唇で塞ぎにかかる。
舌を絡め、唾液を啜り、吐息すら貪り食うような口づけは……おおよそ『報復する相手』にするような代物ではない。
「まだへばんなよ」
「ぅ、ア……ん………」
呆けた顔で頷くポルカの瞼にキスを落とし、今度は汗ばんだ首筋に食らいつきながら延々と腰を動かす。繋がった場所ではお互いの体液が混ざりあい、粘着質で卑猥な音を立てながら泡立っていた。
やがて、ポルカの視界がぐるりと反転する。見上げれば、朝焼け色の瞳がポルカを映し、ギラギラと燃えていた。
「ァ、ジる……」
終わりの見えない快楽に怖くなって、つい両手をジルの方へ伸ばす。そして伸ばした直後、『あ、しまった』とポルカの額に冷や汗が浮かんだ。ジルからすれば閨の中で報復相手に甘えられるなんて、たまったものではないだろう。
強い力で叩き払われるのを予想して、ポルカは体を固くして目をぎゅっと瞑る。
「ん、……んんんんぅぅうう!?」
……しかし、予想に反してポルカの腕はジルの首に回され、おまけに何故か唇を思い切り食らいつかれた。
自然とポルカの貧相な体とジルの逞しい体が密着し……肌から感じる彼は、焦げてしまいそうな程に熱い。その熱が、ただの性欲だったとしても、嬉しいと感じてしまうのは確実に惚れた弱味だろう。
「んん、ンッぅ、ふ……ッ!!」
「…………っ」
一際強く腰を叩きつけられ、肉同士がぶつかる音が寝室に響く。やがて彼の肉棒が痙攣し、弾け、温い欲望がポルカの体の一番奥に注ぎ込まれて……
「ジル、出てる……なかに、出てるよぅ、ジルぅ……」
「出してんだよ。一滴でも溢したら承知しねぇからな……ッ」
「そんなぁ、ああっあ、あんっひぁ、あっ……!」
抵抗しないよう全身を押さえつけられている筈だ。それなのに、ジルの体が大きいからか、まるでスッポリと抱きしめられているかのような錯覚に陥りそうになる。
いや、そもそもジルは根が良い男だからかやり方が甘いのだ。ポルカの体を拘束するなら、縄でも鎖でも使えばいい。ジル自身の体で拘束されたら、ジルに惚れているポルカの頭は、都合よく解釈して勝手に気持ちよくなってしまうというのに。
――『報復』と言うには、生易しすぎやしないかい?
絶頂の瞬間。
真っ白になってゆく頭で、ポルカはぼんやりとそう思った。
「んっく、ぅっ……ん、ん……!!」
忙しなく上下する平らな胸元で、朱色の石が踊っている。逞しい腹筋に両手をついて腰を懸命に動かしながら、ポルカは時折跳ね上がる朱色の石と、同じ色をした彼の瞳をぼんやりと見つめていた。
「ジルっ……ん、きもち……いい?っふんンッ」
「あぁ、まぁまぁだな。そら、もっと腰を落とせ……よッ!」
「あぁぁああッン!!」
徐に下から強く突き上げられ、ポルカは白い背中を弓なりにしならせた。自然、ジルの前に勃ち上がった桃色の乳首を差し出す姿勢になる。その間で、朱色の小さな石がコロコロと転がった。
首輪と称したネックレスを着けてもらったあの時から、時折全身に何かが絡みついている感覚に苛まれている。
もしかすると、首輪とは名ばかりな『呪いのネックレス』なのかもしれない。別に何かが絡みついているからと言って体調が悪くなったわけではないのだが、ふとした時に……ジルの気配を濃密に感じるのだ。気のせいかもしれないけれど。
……そんな事を考えている間に何度か下から強く突き上げられ、ポルカはあっけなくジルの腹の上に崩れ落ちた。
「あぁっやっじる!…じるぅッ……も、うごけなひぃ……ひァあッぁああ!?」
「言いつつ腰が跳ねてんじゃねぇかよ、この……嘘つき女ッ!!」
「ぁん! あっあ、それ、はっ体が勝手、にッひぃん!ん、ゃ~~~~~~~~ッ!!」
柔い尻を鷲掴まれ、ズン!と強めに子宮口を突かれ。それと同時にか細い悲鳴を上げて果てたポルカの唇をジルは己の唇で塞ぎにかかる。
舌を絡め、唾液を啜り、吐息すら貪り食うような口づけは……おおよそ『報復する相手』にするような代物ではない。
「まだへばんなよ」
「ぅ、ア……ん………」
呆けた顔で頷くポルカの瞼にキスを落とし、今度は汗ばんだ首筋に食らいつきながら延々と腰を動かす。繋がった場所ではお互いの体液が混ざりあい、粘着質で卑猥な音を立てながら泡立っていた。
やがて、ポルカの視界がぐるりと反転する。見上げれば、朝焼け色の瞳がポルカを映し、ギラギラと燃えていた。
「ァ、ジる……」
終わりの見えない快楽に怖くなって、つい両手をジルの方へ伸ばす。そして伸ばした直後、『あ、しまった』とポルカの額に冷や汗が浮かんだ。ジルからすれば閨の中で報復相手に甘えられるなんて、たまったものではないだろう。
強い力で叩き払われるのを予想して、ポルカは体を固くして目をぎゅっと瞑る。
「ん、……んんんんぅぅうう!?」
……しかし、予想に反してポルカの腕はジルの首に回され、おまけに何故か唇を思い切り食らいつかれた。
自然とポルカの貧相な体とジルの逞しい体が密着し……肌から感じる彼は、焦げてしまいそうな程に熱い。その熱が、ただの性欲だったとしても、嬉しいと感じてしまうのは確実に惚れた弱味だろう。
「んん、ンッぅ、ふ……ッ!!」
「…………っ」
一際強く腰を叩きつけられ、肉同士がぶつかる音が寝室に響く。やがて彼の肉棒が痙攣し、弾け、温い欲望がポルカの体の一番奥に注ぎ込まれて……
「ジル、出てる……なかに、出てるよぅ、ジルぅ……」
「出してんだよ。一滴でも溢したら承知しねぇからな……ッ」
「そんなぁ、ああっあ、あんっひぁ、あっ……!」
抵抗しないよう全身を押さえつけられている筈だ。それなのに、ジルの体が大きいからか、まるでスッポリと抱きしめられているかのような錯覚に陥りそうになる。
いや、そもそもジルは根が良い男だからかやり方が甘いのだ。ポルカの体を拘束するなら、縄でも鎖でも使えばいい。ジル自身の体で拘束されたら、ジルに惚れているポルカの頭は、都合よく解釈して勝手に気持ちよくなってしまうというのに。
――『報復』と言うには、生易しすぎやしないかい?
絶頂の瞬間。
真っ白になってゆく頭で、ポルカはぼんやりとそう思った。
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