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第六章その5 ~恐怖の助っ人!?~ ディアヌスとの再会編
情報がないと戦えない。でも偵察も厳しい…!
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「通信は出来るようになったけど、ここからが正念場だな。邪神の復活が進めば、いずれ必ずここまで来るし。待っていても死ぬだけだ」
誠はそう言って腕組みした。
誠を含めた第5船団の面々は、旗艦みしまの作戦会議室に座っている。
メンバーは誠に鶴、宮島と香川、難波にカノン。
さらに鶉谷司令や佐々木船団長、第5船団の参謀方の面々。
もちろん鳳もいるし、コマ達神使も、テーブルや人の肩に好き勝手に乗っていた。
「ほんならとうへんぼく、さっさといつもみたく作戦立てるんや」
キツネは誠の肩に乗り、前足でこちらの頬を叩きながら言う。
「ぐはっ! い、いきなり無茶言うなよ。いつもはある程度敵の情報が分かってるけど、今回は何もないんだぞ?」
「さすがの鶴ちゃんも、信濃までは見えないわね」
「邪神が出てくるぐらいの邪気だからね。今までとは濃さもケタ違いだよ」
コマもそう言って頷く。
コマを胸に抱く雪菜が、少し困ったように後を続けた。
「ディアヌス1体だけでもあれだけ強かったんだもの。それが徒党を組んでるとしたら、計画もなしに突っ込むのは自殺行為よね……」
「大きな機体は目立ちますから、私達全神連と神使の中から、偵察向きの者を選りすぐりましょう」
鳳が言うと、途端に神使達が騒ぎ出した。
「ほんならワイ、ワイが行くで!」
「八幡狛犬連合の名にかけて、ワシが決め手になるんじゃい!」
「頑張って天神様に褒めてもらうのです!」
「すばしっこさならあっしでさあ!」
「筋肉なら俺だ!」
意外にもやる気のある神使達だったが、そこで鶴が呟いた。
「……多分見つかるし、生きて戻れないわ。餓霊も黄泉醜女もいるし、千里眼だっているもの」
「せ、千里眼か……確かにあれがいる以上、近付くのは難しいな」
鶴が映した映像を眺めながら、誠は先の逃走劇を思い出した。
「パワーアップした餓霊も、黄泉醜女も確かに強い。ただ何度か遭遇して観察してたら、あいつらそう頭も良くなかったし、小回りも利かないんだよな」
道路に沿って逃げる場合は奴らの強さ・速さばかりが際立ったのだが……開けた場所で会ってみると、色々と付け込む隙が見つかったのだ。
「でも千里眼なら話は別だ。見える範囲ならどんなに避けても当てて来るし、偵察そのものが不可能に近いと思う」
佐久夜姫の助けが無ければ、間違いなく倒されていただろうし、もちろん映像を見る参謀方もドン引きだった。
だがそこでコマが駄目押しを言う。
「そして1番怖いのは、今の千里眼はもっとパワーアップしてるって事さ。この時は復活し
てすぐだったけど、もうこんなレベルの話じゃないよ」
『うっ……!!!』
一同は絶句した。
相手は邪神軍団、強敵なのは分かっていたが、まさかここまで厄介だとは……
「情報が無ければ戦えない……かといって偵察しようにも、千里眼がいるから近づけない。今度ばかりは困ったな」
誠の言葉に、皆が腕組みして思案した。
戦力で劣る人間側が勝つには、相手の情報が絶対不可欠なのだが……
……だがそこで、誠はふと誰かの囁きを耳にしたのだ。
「ん……?」
誠は顔を上げて声の主を探した。
誠はそう言って腕組みした。
誠を含めた第5船団の面々は、旗艦みしまの作戦会議室に座っている。
メンバーは誠に鶴、宮島と香川、難波にカノン。
さらに鶉谷司令や佐々木船団長、第5船団の参謀方の面々。
もちろん鳳もいるし、コマ達神使も、テーブルや人の肩に好き勝手に乗っていた。
「ほんならとうへんぼく、さっさといつもみたく作戦立てるんや」
キツネは誠の肩に乗り、前足でこちらの頬を叩きながら言う。
「ぐはっ! い、いきなり無茶言うなよ。いつもはある程度敵の情報が分かってるけど、今回は何もないんだぞ?」
「さすがの鶴ちゃんも、信濃までは見えないわね」
「邪神が出てくるぐらいの邪気だからね。今までとは濃さもケタ違いだよ」
コマもそう言って頷く。
コマを胸に抱く雪菜が、少し困ったように後を続けた。
「ディアヌス1体だけでもあれだけ強かったんだもの。それが徒党を組んでるとしたら、計画もなしに突っ込むのは自殺行為よね……」
「大きな機体は目立ちますから、私達全神連と神使の中から、偵察向きの者を選りすぐりましょう」
鳳が言うと、途端に神使達が騒ぎ出した。
「ほんならワイ、ワイが行くで!」
「八幡狛犬連合の名にかけて、ワシが決め手になるんじゃい!」
「頑張って天神様に褒めてもらうのです!」
「すばしっこさならあっしでさあ!」
「筋肉なら俺だ!」
意外にもやる気のある神使達だったが、そこで鶴が呟いた。
「……多分見つかるし、生きて戻れないわ。餓霊も黄泉醜女もいるし、千里眼だっているもの」
「せ、千里眼か……確かにあれがいる以上、近付くのは難しいな」
鶴が映した映像を眺めながら、誠は先の逃走劇を思い出した。
「パワーアップした餓霊も、黄泉醜女も確かに強い。ただ何度か遭遇して観察してたら、あいつらそう頭も良くなかったし、小回りも利かないんだよな」
道路に沿って逃げる場合は奴らの強さ・速さばかりが際立ったのだが……開けた場所で会ってみると、色々と付け込む隙が見つかったのだ。
「でも千里眼なら話は別だ。見える範囲ならどんなに避けても当てて来るし、偵察そのものが不可能に近いと思う」
佐久夜姫の助けが無ければ、間違いなく倒されていただろうし、もちろん映像を見る参謀方もドン引きだった。
だがそこでコマが駄目押しを言う。
「そして1番怖いのは、今の千里眼はもっとパワーアップしてるって事さ。この時は復活し
てすぐだったけど、もうこんなレベルの話じゃないよ」
『うっ……!!!』
一同は絶句した。
相手は邪神軍団、強敵なのは分かっていたが、まさかここまで厄介だとは……
「情報が無ければ戦えない……かといって偵察しようにも、千里眼がいるから近づけない。今度ばかりは困ったな」
誠の言葉に、皆が腕組みして思案した。
戦力で劣る人間側が勝つには、相手の情報が絶対不可欠なのだが……
……だがそこで、誠はふと誰かの囁きを耳にしたのだ。
「ん……?」
誠は顔を上げて声の主を探した。
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