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第五章その6 ~やっと平和になったのに!~ 不穏分子・自由の翼編
妙に全てが嘘くさい
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事態は更に混迷を極めていた。
大量発見された魔王の細胞に人々は沸き立ち、マスコミは久しぶりのネタに狂喜して、機関銃のように勝手な推測をばら撒いていた。
「こ、こんだけワヤになってきたら、どうにもならんわ……」
通信車の画面を見つめる一同だったが、全員が難波と同じ感想だった。
「苦しいですね。逃げ去った不是達の行方も、未だ判明しておりませんし……」
鳳も険しい表情で頷く。
「新たな細胞が発した邪気が、不是達の痕跡をあっと言う間に消してしまいました。飛び去った方向から、恐らく関西方面かと思われますが……詳しい位置までは分かりません」
そこでカノンが後を続けた。
「眠ってた他の細胞が、最初の細胞に影響されて目覚めたのかしら。ほっとくわけにもいかないけど……多すぎて手が足りないわね」
実際カノンの言うとおりだった。あちこち同時に守らねばならないのだが、はっきり言って対応し切れない。
だが状況は、誠達の決断を待ってはくれなかった。
「おいおいおい、また何か来たぞ!」
宮島の言葉通り、画面には再び自由の翼のロゴマークが現れた。
『さあ始めましょう、新しい創世記を。もうすぐです、もうすぐ全てが解放されるのです』
ロゴマークの下には、謎のカウントダウンが始まった。
高速でめまぐるしく動くその数字……今は8桁を数える値がゼロに達した時、新たな事態が起こるのだろうか。
さらに数値の下には、何かのヒントを示すような英字や漢字が、暗号のように並んでいる。
「ここに来て暗号ですか……この謎を解けという事なのか、それとも離れた味方に向けたメッセージなのでしょうか……?」
鳳も珍しくうろたえていたし、それは誠達も同じだった。
さすがにここまで立て続けになってくると、対処する事が多すぎて頭がパンクしていたのだ。
一同は困り果て、女神である佐久夜姫ですら、目を閉じて思案している。
やがてたまりかねて宮島が叫んだ。
「あああっ、混乱するっ、一体どういう筋書きなんだよっ!」
頭を掻きむしる宮島だったが、誠はそこではっとした。
「筋書き……?」
何でもないその言葉が、妙に引っかかったのだ。
「筋書きって言ったよな、宮島」
予想外の食いつきに、宮島は不思議そうに答える。
「そーだけど……何かあるのか隊長?」
「いやその、どっかで聞いた気がして…………そうかっ、不是と通信した相手が言ってたんだ! 『貴様の任は細胞の奪取だ。筋書きを崩すな』って」
筋書きとは何だ? 一体何を意味するのか?
そこまで考えた時、記憶の糸が更に繋がる。
「そうだあの声っ、北陸で聞いた魔族の声だ! 髪が肩ぐらいまである、背の高い男で! だったら後ろに邪神がいるかも……!」
誠はそこでカノンに向き直る。
「カノン、すらっとした黒い衣裳の魔族って、操ってる神は誰だ?」
「えっ? ええと、それだと土蜘蛛だし、後ろ盾は夜祖大神じゃない?」
「夜祖大神……そうだ、北陸じゃそいつにやられたんだ……!」
誠は興奮のあまり、宮島がよくするように拳を手に打ち付けた。
「どういういきさつか分からないけど、不是があの力を得るのに、邪神が協力してたんだ。だとしたらあのテロ組織の行動も夜祖が噛んでる。あいつらを使って、一体何をさせてるんだ?」
言葉にすると、どんどん頭の中で可能性が繋がってくる。
あの智謀知略でこちらを追い詰めた邪神・夜祖大神。それが不是の背後にいるなら、一体何を企んでいるのだろうか。
「そうだ……そうだよ、考えてみたら、全部嘘臭いじゃんか!」
「嘘くさい?」
不思議そうに尋ねるカノンに、誠は頷いて答える。
「そう、そもそも細胞の発光とか次々発見されるとか、何もかもが嘘臭いんだ。まるで注意を引き付けたがってるみたいに、滅茶苦茶目立ってるじゃんか」
そうだ、ようやく気が付いた。
発見された細胞達は、まるで人の注意を引きたいかのように、その力を惜しみ無く発揮している。ふつうの生物なら、姿を隠したり擬態するのに。あたかもわざとやっているようである。
だとしたら狙いは何だ?
その考えがまとまらぬうちに、言葉は次々口をついて出る。思考の整理がひらめきに追いつかないのだ。
「さっきから次から次へ、こっちを誘導するみたいに新しい事が起きてる。革命とか自由の翼とか、新しい細胞とか。おまけにカウントダウンに変な暗号まで。とにかく矢継ぎ早に新しい物が……もっと言えば浮ついた単語が次々出てくる。まるでハッタリかましてるみたいだ」
大量発見された魔王の細胞に人々は沸き立ち、マスコミは久しぶりのネタに狂喜して、機関銃のように勝手な推測をばら撒いていた。
「こ、こんだけワヤになってきたら、どうにもならんわ……」
通信車の画面を見つめる一同だったが、全員が難波と同じ感想だった。
「苦しいですね。逃げ去った不是達の行方も、未だ判明しておりませんし……」
鳳も険しい表情で頷く。
「新たな細胞が発した邪気が、不是達の痕跡をあっと言う間に消してしまいました。飛び去った方向から、恐らく関西方面かと思われますが……詳しい位置までは分かりません」
そこでカノンが後を続けた。
「眠ってた他の細胞が、最初の細胞に影響されて目覚めたのかしら。ほっとくわけにもいかないけど……多すぎて手が足りないわね」
実際カノンの言うとおりだった。あちこち同時に守らねばならないのだが、はっきり言って対応し切れない。
だが状況は、誠達の決断を待ってはくれなかった。
「おいおいおい、また何か来たぞ!」
宮島の言葉通り、画面には再び自由の翼のロゴマークが現れた。
『さあ始めましょう、新しい創世記を。もうすぐです、もうすぐ全てが解放されるのです』
ロゴマークの下には、謎のカウントダウンが始まった。
高速でめまぐるしく動くその数字……今は8桁を数える値がゼロに達した時、新たな事態が起こるのだろうか。
さらに数値の下には、何かのヒントを示すような英字や漢字が、暗号のように並んでいる。
「ここに来て暗号ですか……この謎を解けという事なのか、それとも離れた味方に向けたメッセージなのでしょうか……?」
鳳も珍しくうろたえていたし、それは誠達も同じだった。
さすがにここまで立て続けになってくると、対処する事が多すぎて頭がパンクしていたのだ。
一同は困り果て、女神である佐久夜姫ですら、目を閉じて思案している。
やがてたまりかねて宮島が叫んだ。
「あああっ、混乱するっ、一体どういう筋書きなんだよっ!」
頭を掻きむしる宮島だったが、誠はそこではっとした。
「筋書き……?」
何でもないその言葉が、妙に引っかかったのだ。
「筋書きって言ったよな、宮島」
予想外の食いつきに、宮島は不思議そうに答える。
「そーだけど……何かあるのか隊長?」
「いやその、どっかで聞いた気がして…………そうかっ、不是と通信した相手が言ってたんだ! 『貴様の任は細胞の奪取だ。筋書きを崩すな』って」
筋書きとは何だ? 一体何を意味するのか?
そこまで考えた時、記憶の糸が更に繋がる。
「そうだあの声っ、北陸で聞いた魔族の声だ! 髪が肩ぐらいまである、背の高い男で! だったら後ろに邪神がいるかも……!」
誠はそこでカノンに向き直る。
「カノン、すらっとした黒い衣裳の魔族って、操ってる神は誰だ?」
「えっ? ええと、それだと土蜘蛛だし、後ろ盾は夜祖大神じゃない?」
「夜祖大神……そうだ、北陸じゃそいつにやられたんだ……!」
誠は興奮のあまり、宮島がよくするように拳を手に打ち付けた。
「どういういきさつか分からないけど、不是があの力を得るのに、邪神が協力してたんだ。だとしたらあのテロ組織の行動も夜祖が噛んでる。あいつらを使って、一体何をさせてるんだ?」
言葉にすると、どんどん頭の中で可能性が繋がってくる。
あの智謀知略でこちらを追い詰めた邪神・夜祖大神。それが不是の背後にいるなら、一体何を企んでいるのだろうか。
「そうだ……そうだよ、考えてみたら、全部嘘臭いじゃんか!」
「嘘くさい?」
不思議そうに尋ねるカノンに、誠は頷いて答える。
「そう、そもそも細胞の発光とか次々発見されるとか、何もかもが嘘臭いんだ。まるで注意を引き付けたがってるみたいに、滅茶苦茶目立ってるじゃんか」
そうだ、ようやく気が付いた。
発見された細胞達は、まるで人の注意を引きたいかのように、その力を惜しみ無く発揮している。ふつうの生物なら、姿を隠したり擬態するのに。あたかもわざとやっているようである。
だとしたら狙いは何だ?
その考えがまとまらぬうちに、言葉は次々口をついて出る。思考の整理がひらめきに追いつかないのだ。
「さっきから次から次へ、こっちを誘導するみたいに新しい事が起きてる。革命とか自由の翼とか、新しい細胞とか。おまけにカウントダウンに変な暗号まで。とにかく矢継ぎ早に新しい物が……もっと言えば浮ついた単語が次々出てくる。まるでハッタリかましてるみたいだ」
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