VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第三章 桜野学園編

第二話 後説 交流のお知らせ

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 長谷川はログアウトをして、ゲートのロビーへと向かう。
 入口には人だかりが出来ていてる。
 荒野原を見つけて彼女の元へと行く。

「長谷川君、お疲れ様」
「荒野原さんお疲れ様、いや人がスゲーな修学旅行気分だ」
「わかる」
「長谷川さん、荒野原さん、すみません急に食事会にお誘いして」

 落ち着いた服装のおじ様に話しかけられた。
 荒野原は何処かで会ったかなと言った顔をしている。

「ん? 長谷川君、この素敵なおじ様は誰?」
「ああ、ルルさんだよ」
「ファ!?」
「多分ファの音なんだろうな」
「おおぅ……お店の時と雰囲気が違う」
「ハハハ、よく言われます、そうそうバスはもう来てますよ」
「じゃあ行こうか」
「うむ」

 バスに乗り込むと、まばらに参加者が座っている。

「皆さんお疲れ様です」
「お疲れ様です」

 長谷川達が挨拶をすると、返事を返してくれる参加者達。
 バスで待つ事数分、出発の準備が出来て目的地に向けて発進した。
 バスに揺られる事数十分、駅前のホテル入口へと到着。

 バス降りると共に、ホテルのスタッフが会場へと案内。
 長谷川達の目の前には、セレブ御用達な空間が広がっていた。
 
「最近豪遊し過ぎな気がする」
「自分のお金じゃないけどね」
「だからか心が晴れないというか」
「どうしたの?」
「たまになら奢られるのはいいんだけど、俺は価値のある物はちゃんと自分で払いたい」
「それはいい事、あ、だったら両親達を連れて、この間行った食べ放題にいきましょ」
「おお……なんかセレブがしそうな顔合わせ」
「あの店のアルコールを私は飲んでない」
「それ目当てかよ……やべぇ、料理が並んでけどオシャンティでよくわからん」
「いいんじゃん、ここでの必要な事は料理ではなく交流」
「あ、あっちにバーカウンター」

 長谷川が指差した方向を素早く見た荒野原。

「ばっ馬鹿な!」
「どうしたよ」
「何十万もする酒が普通にある!」
「ほ~」
「飲みたい……でも絶対止まらない、自重しなければ……醜態をさらしていいのは長谷川君の前だけだ」

 荒野原は本気で悔しがっていた。
 そんな彼女を見て、長谷川は苦笑いをして言う。

「なら今度、誕生日のプレゼントに送るよ」
「ファ!? いや高いよ? レアスナタ何回分だと思ってるの?」
「そこ? でも2人で祝う誕生日は初めてだろ」
「おお……でも私の誕生日とっくに過ぎてる」
「あ、そいや知らなかった、いつ?」
「1月の15」
「よし、メモしておこう」
「長谷川君は?」
「俺は3月28だ」
「私もメモしとく」
「お集まりの皆さま、本日は当ホテルをご利用いただき、ありがとうございます」

 2人がメモを書いていると、会場にマイクの声が響いた。 

「総支配人の丸川まるかわです、主催者の高桐たかぎり様からご挨拶があります」
「固い挨拶はしない、早速食事会だが何点か説明がある、ここにある料理は持ち帰りも出来る、ただ早めに食べてほしいとの事だ、スタッフさんに言えば包んでくれる、ああ後、酒飲み達に言っておく、酒は持ち帰れないからな? 後はマナーを守って楽しんでくれ、以上だ、好きに飲み食い喋ってくれ!」

 凄く短い挨拶の後、参加者達から拍手が起きる。
 それが収まると参加者達は料理の方へと移動し始めた。
 長谷川達も適当に料理と飲み物を持ってきて、立食用のテーブルに置いた。

「立食パーティーって何すりゃいいの?」
「他者との交流」
「簡単に言うよな」
「失礼、相席よろしですかな?」

 初老の男性が長谷川達に声をかけて来た。
 長谷川達は嫌な顔をせずに迎え入れる。

「ええ、どうぞ」
「こんにちは」
「こんにちは、いきなりすみません、聞いたことがある声だったので、お声がけしました」
「え? そうなんですか?」
「お二方は絶対知ってますよ、では……失礼して」

 男性はあ、あ、と声を調整している。

「あの神に抗う方法は無い、俺を殺してくれ」

 と、年相応には聞こえない若々しい声を発した。
 そしてその声を聞いた2人はハッとした顔をする。
 ゲーム内で縁達に殺してくれとお願いして来た、異世界転生者叢雲の声だった。

「おお! 確か……叢雲だ」
「スゲー、声優さんみたい」
「声優もしてますよ、本業は劇団員ですが」
「声のお仕事している人だ」
「ん? て事はあゆさの仕事仲間の人ですか?」
「ええ、ですがあゆちゃんとは違う所属で――失礼、自己紹介がまだでしたな、私は赤川あかがわ新太郎しんたろうです」
「私は荒野原終といいます」
「長谷川羽島です」

 3人は軽くお辞儀をした。

「赤川さんは昔からレアスナタを?」
「アルファ時代からしていましたが、子育ての為に徐々に回数が減っていきましたね」
「なるほど、子育てなら仕方ないですね」
「昔の仲間が集まると聞いて今日は参加しました、今回参加したキャラはメインキャラではなくなりました」
「どうしてですか?」
「仕方ない事ですが当時の仲間達とは設定がズレでいまして、今日は皆が私に合わせてくれました」
「メインキャラはどうするんです?」
「叢雲に愛着が湧きましてな、いい機会だからメインキャラにしようと」
「叢雲ってどういった経緯で出来たんですか?」
「ああ、あゆちゃんがやられ役をお願いされまして」
「……うちの妹がご迷惑をお掛けしました」

 長谷川は深々と頭を下げる。
 赤川はいえいえと首を振った。

「いえいえ、復帰には丁度いいかと思いました……ただキャラを考え、と相談していたら叢雲をただの負けキャラにしたくなくなりました」
「ですよね、妹には言っておきます」
「いいんですよ、負けキャラはいい勉強になりますから」
「やられ役は相手を輝かせる技術、スファーリアや風月、縁が相手にしていた異世界転生も気合が入っていた」
「あれ? 他の2人も赤川さんり知り合いですか?」
「はい、ほとんどゲームをした事が無い同僚です、最近のゲームは凄いなとプレイしていましたよ」
「本当にうちの妹がすみません」
「いえ、叢雲達のお話はまだ終わってはいませんよ」
「確かに、叢雲は生きている、三日月春樹は風月が街事吹っ飛ばしただけ、ヤマトは絆が幻惑に推しと入れただけ」
「レアスナタのいい所は後付けだろうとも、本人が納得していれば設定を付け加えられる事です」
「ですね、またご一緒しましょう」
「ええ是非とも」

 その時ちょっと離れた所から少し大きな声がする。
 
「おおい、しんちゃん! 何時まで若人に油売ってるんだ」
「そうだぜ、ジジイはジジイ同士肩寄せ合って設定と今後の展開練ろうぜ」
「誰がジジイだ! お前らもまだ若いだろうが! いや、ジジイか!」

 赤川は面倒くさそうだが、楽しそうに返答した。 

「長谷川さん、荒野原さん、うるさい奴らが居るのでこれで失礼します」
「またゲーム内で会いましょう」
「ええ、その時はよろしくお願いします」

 一礼すると赤川は自分の友人達の方へと歩いて行く。

「叢雲の中の人に会えるとは」
「以外だったな……あ、料理が少し冷めてる」
「そこは仕方ない、どっちもなんて無理」
「お喋りは一旦お休みして料理を食べよう、ここの雰囲気でいい料理を堪能したい」
「だね、そしてお持ち帰りもする」
「酒の肴か」
「当たり」

 この後長谷川は奏にお礼を言ったり、料理を楽しんだりした。
 もちろん、お持ち帰りもして2人で酒の肴にするのだった。 
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