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第三章 桜野学園編
第二話 幕切れ その打ち合わせ
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ルルの酒場は最高潮に盛り上がっていた。
店のほとんどの席をくっつけて、お客全員で一つのグループになりかけていた。
縁達が外に出てる間、店は店で一致団結する何かがあったのだろう。
そんな店内をルルは見渡していて、頷き声を上げた!
「はい! カット!」
ルルの大きな声が響いた。
カットの合図でロールプレイは終わった。
キャラクターとしてではなく、プレイヤーの会話で店内はまた騒がしくなった。
ルルが縁達に近寄って来た。
「おお、ここで区切るのか」
「ごめんね縁ちゃん、ここで区切らないと時間がね」
「時間? 何かあるんですか?」
「あら? 聞いてなかつた? 食事会があるのよ」
「食事会?」
「ええ、ここに居る皆でね」
ルルは大勢のプレイヤーを見る、数十人は確実に居た。
「おお、そうなんだ」
「もちろん、縁ちゃんとスファーリアちゃんも人数に入ってるわよ」
「場所と金額はどこですか?」
「場所は駅前のホテルで優雅に立食よ、座食もできるけどね」
「駅前? 名前忘れたけど一流ホテル、私の貯金が火を噴くぜ」
「スファーリアさんテンション高いな、てか貯金が火を噴くって燃え尽きそうだな」
「んもう! 若人達に払わせないわよ? 奏と相談した結果ね」
「かなで……さん?」
「あんた達が飲み食いしている居酒屋さんの女将よ」
「ああ! でも何で?」
「私も含めて日頃のお礼よ」
「気持ちよく受け取りましょう縁君」
「そうだな、ありがとうございますルルさん」
縁とスファーリアは頭を軽く下げる。
ルルはおばあちゃんがよくする、手招きみたいなポーズでいいのよと言った。
「奏さんにも後でお礼を言っておきましょう」
「ああ」
「後ね、ゲート前にシャトルバスも待機させてるから、今から一時間後にゲートロビーに集合ね」
「シャトルバス!? 流石一流ホテル……って1時間後?」
「ええ、区切りは付けたけど、その場の雰囲気で話したい事もあるでしょ?」
「ああ~場所移動挟むとテンションが落ち着きますよね」
「ゲーム内だから出来る振る舞いもある」
「そうね、身近な人物で言えば」
ルルは呆れながらドレミドを指差した。
そには何故かペンライトを持ちながら、涙を流しまくっているドレミドが感情を露わにしていた。
「てぇてぇ! 娘と兎君がてぇてぇ! あの握手何!? 今日のロールの同人はよ! タイトルは……『昔の音に縁結び』で!」
「如何にも今すぐ聞いてくれって感じでしょ」
「母がご迷惑をお掛けします」
「いいのよ、貴方達も話したい事あるでしょ?」
「もちろんです」
「それじゃあね」
ルルはウィンクをした後に、ペンライト振り回しているドレミドの方へと行った。
スファーリアは縁の方に首だけではなく身体も向け、縁も釣られて同じくした。
「縁君」
「ど、どうした? そんな気合の入った声を出して」
「スファーリアはもう虜ですよ」
「そうなの?」
「スファーリアはずっと殺し合いの世界に居たのですよ」
「まあ、縁もそうだ」
「つまり、本気で他人から褒められた事は無いのですよ」
「お、おう」
「あんな握手したら惚れるじゃねーか!」
母が母なら娘も娘だった。
ペンライトは振ってないが縁をペシペシと叩いている。
嬉恥ずかしの様だ。
「テンション高いね」
「当たり前っスよ! へっへっへ! あんな口説き方されたら堕ちますわ」
「そんな意識してなかったけどな、てか……口説いて……たか?」
「ははーん、つまり縁はスファーリアの音が綺麗だと言うことが当たり前なのですね?」
「お、おう……ん? 音か」
「どうしたの?」
「いや、縁はスファーリアは小さい頃に会っていたって設定にしてたよな?」
「ええ、告白の時にそうなったね」
「あの時即興で決めてすまない」
「それはいいとして、それで?」
「小さい時に結びはトライアングルを披露したんじゃないか?」
縁の提案を聴いてスファーリアは口を開け、右手の人差し指でそれだとめっちゃ指している。
テンションが高まっているからか、その顔をしなが凄く頷いてもいる。
「そ、それだ! つ、つまり、その時の音は縁は心で覚えていた、どれだけ人に恨まれようが何しようがそれは消えなかった訳だ!」
「あ、ああ……てかめっちゃ早口だな」
「へっへっへ、それなら縁が心奪われるのも説明が付くし、スファーリアてか結びも惚れるのもわかる、へっへっへ」
「ってなると、大人になるまで縁はスファーリアが結びと気付かなかった事になる」
「ん? そうなの?」
「風月とのファーストコンタクトで気付いてないしな」
縁の言葉にちょっと冷静さが戻ったスファーリア。
ちょっとだけ不満な顔をしている。
「まあその時は中の人は付き合ってなかったし、んじゃそれをくみ取るならば……」
「縁はスファーリアとだけ交流していた事になるな」
「丁度いいかも、風月は界牙流の修行で成人するまで修行尽くしだったし」
「まあ縁も大人になるまでは荒れてた設定だ……これ旧設定になるのか?」
「ハッ! やはりつまりやっぱり! 今回のロールでお互いのキャラの転機になるのでは」
「確かに、ここから縁は黒ジャージから白に変えたり、何かある事にカチューシャ外す事も少なくなるかも」
「おお、カチューシャ、確か風月と始めてあった時にカチューシャ外したよね?」
「ああ……確か外したな、神社に行った時だ」
「その時に縁と気付いたとか!」
それを聞いた縁は首を傾げる。
「いや、風月だったらその前に気付いてそうだな」
「あ~確かに……って事は界牙流の修行が一旦区切りが付いて、風月が会い来たとか」
「なるほど、だが縁は気付かなかったと」
「そこは仕方ないかも? 風月も期待してた訳ではないよ」
「となると、ここから縁とスファーリアの交流が始まる訳だ」
「……多分手紙の連絡が多かったのかも」
「どうして?」
「生まれてあまり女性らしい事をしたことがないのだ、やってきた事? 絶滅演奏術」
「それ言ったら縁もだな、普通の生活ってした事が無い」
「つまりお互いの為に自分磨きが始まるのでは!? 過去は変えられないけど、このままの自分カッコ殺伐とした人生カッコ閉じる、を変えるために!」
「いいかもな、縁の場合は恋愛ってよりは……自分を受け入れた人って感じになるかね」
「おやや、一目惚れではないのかね?」
「あー、恋愛した事無いから一目惚れも解らなかったのかもしれん」
「ふむ、んじゃそういう事にする?」
「ああ、で、手紙をやり取りして大人に至ると」
「いやいや縁さんや、手紙のやり取りしてる時にも、何回は会っているだろうさ」
「いいね、そうしよう」
スファーリアは何かに気付いた様に、ポンと手を叩いた。
「あ、そいえば白いジャージにした理由はあるの?」
「いや、特に固まった設定は無かったんだよ、大人になったから白にしました……くらい?」
「そうなんだ」
「今回の出会いが縁を黒から白へしたんだよ、ジャージの色だけじゃなくな」
「へっへっへ……それはスファーリアてか結びも同じですよ」
過去に殺伐とだけしていた2人のキャラクターに、重要な設定が付け加えられたのだ。
矛盾はあるだろう、しかしそれは他人がどうこう言うべき問題ではない。
「あ、でもそうなると今までのロールで少々矛盾が発生するね?」
「そこはやり直さなくていいんじゃないか? 俺達が納得していればいいし」
「過去ロールって修正しだすと止まらないよね~」
「ああ、今は先生ロールが忙しいよ」
「おお、何かの準備?」
「他のプレイヤーとの連絡だったり、内容の相談だったり」
「何するかちょっと気になるね~私もついてきたい」
「待て待て、スファーリア達が受け持つ生徒達のロールはどうするんだ」
「はっはっは、風月で行くに決まってんじゃん? 何時やるかおしえてちょ、日にち被ってなきゃ行く」
「便利だなおい……決まったらメールするよ」
「うっしゃ」
「はい皆! バスの出発まで後20分だからね!? ちゃんと入口前に集合してなさいよ!」
「え!? もう40分たったの!?」
2人はメニューを開いて時刻を確認すると、確かに40分時間が経っている。
「いや~時間が経つのは早いね~」
「落ちて準備しようか」
「だね縁君」
「んじゃログアウトするわ」
「おっけー私もぽちっとな」
そのまま2人はゲームからログアウトをした。
店のほとんどの席をくっつけて、お客全員で一つのグループになりかけていた。
縁達が外に出てる間、店は店で一致団結する何かがあったのだろう。
そんな店内をルルは見渡していて、頷き声を上げた!
「はい! カット!」
ルルの大きな声が響いた。
カットの合図でロールプレイは終わった。
キャラクターとしてではなく、プレイヤーの会話で店内はまた騒がしくなった。
ルルが縁達に近寄って来た。
「おお、ここで区切るのか」
「ごめんね縁ちゃん、ここで区切らないと時間がね」
「時間? 何かあるんですか?」
「あら? 聞いてなかつた? 食事会があるのよ」
「食事会?」
「ええ、ここに居る皆でね」
ルルは大勢のプレイヤーを見る、数十人は確実に居た。
「おお、そうなんだ」
「もちろん、縁ちゃんとスファーリアちゃんも人数に入ってるわよ」
「場所と金額はどこですか?」
「場所は駅前のホテルで優雅に立食よ、座食もできるけどね」
「駅前? 名前忘れたけど一流ホテル、私の貯金が火を噴くぜ」
「スファーリアさんテンション高いな、てか貯金が火を噴くって燃え尽きそうだな」
「んもう! 若人達に払わせないわよ? 奏と相談した結果ね」
「かなで……さん?」
「あんた達が飲み食いしている居酒屋さんの女将よ」
「ああ! でも何で?」
「私も含めて日頃のお礼よ」
「気持ちよく受け取りましょう縁君」
「そうだな、ありがとうございますルルさん」
縁とスファーリアは頭を軽く下げる。
ルルはおばあちゃんがよくする、手招きみたいなポーズでいいのよと言った。
「奏さんにも後でお礼を言っておきましょう」
「ああ」
「後ね、ゲート前にシャトルバスも待機させてるから、今から一時間後にゲートロビーに集合ね」
「シャトルバス!? 流石一流ホテル……って1時間後?」
「ええ、区切りは付けたけど、その場の雰囲気で話したい事もあるでしょ?」
「ああ~場所移動挟むとテンションが落ち着きますよね」
「ゲーム内だから出来る振る舞いもある」
「そうね、身近な人物で言えば」
ルルは呆れながらドレミドを指差した。
そには何故かペンライトを持ちながら、涙を流しまくっているドレミドが感情を露わにしていた。
「てぇてぇ! 娘と兎君がてぇてぇ! あの握手何!? 今日のロールの同人はよ! タイトルは……『昔の音に縁結び』で!」
「如何にも今すぐ聞いてくれって感じでしょ」
「母がご迷惑をお掛けします」
「いいのよ、貴方達も話したい事あるでしょ?」
「もちろんです」
「それじゃあね」
ルルはウィンクをした後に、ペンライト振り回しているドレミドの方へと行った。
スファーリアは縁の方に首だけではなく身体も向け、縁も釣られて同じくした。
「縁君」
「ど、どうした? そんな気合の入った声を出して」
「スファーリアはもう虜ですよ」
「そうなの?」
「スファーリアはずっと殺し合いの世界に居たのですよ」
「まあ、縁もそうだ」
「つまり、本気で他人から褒められた事は無いのですよ」
「お、おう」
「あんな握手したら惚れるじゃねーか!」
母が母なら娘も娘だった。
ペンライトは振ってないが縁をペシペシと叩いている。
嬉恥ずかしの様だ。
「テンション高いね」
「当たり前っスよ! へっへっへ! あんな口説き方されたら堕ちますわ」
「そんな意識してなかったけどな、てか……口説いて……たか?」
「ははーん、つまり縁はスファーリアの音が綺麗だと言うことが当たり前なのですね?」
「お、おう……ん? 音か」
「どうしたの?」
「いや、縁はスファーリアは小さい頃に会っていたって設定にしてたよな?」
「ええ、告白の時にそうなったね」
「あの時即興で決めてすまない」
「それはいいとして、それで?」
「小さい時に結びはトライアングルを披露したんじゃないか?」
縁の提案を聴いてスファーリアは口を開け、右手の人差し指でそれだとめっちゃ指している。
テンションが高まっているからか、その顔をしなが凄く頷いてもいる。
「そ、それだ! つ、つまり、その時の音は縁は心で覚えていた、どれだけ人に恨まれようが何しようがそれは消えなかった訳だ!」
「あ、ああ……てかめっちゃ早口だな」
「へっへっへ、それなら縁が心奪われるのも説明が付くし、スファーリアてか結びも惚れるのもわかる、へっへっへ」
「ってなると、大人になるまで縁はスファーリアが結びと気付かなかった事になる」
「ん? そうなの?」
「風月とのファーストコンタクトで気付いてないしな」
縁の言葉にちょっと冷静さが戻ったスファーリア。
ちょっとだけ不満な顔をしている。
「まあその時は中の人は付き合ってなかったし、んじゃそれをくみ取るならば……」
「縁はスファーリアとだけ交流していた事になるな」
「丁度いいかも、風月は界牙流の修行で成人するまで修行尽くしだったし」
「まあ縁も大人になるまでは荒れてた設定だ……これ旧設定になるのか?」
「ハッ! やはりつまりやっぱり! 今回のロールでお互いのキャラの転機になるのでは」
「確かに、ここから縁は黒ジャージから白に変えたり、何かある事にカチューシャ外す事も少なくなるかも」
「おお、カチューシャ、確か風月と始めてあった時にカチューシャ外したよね?」
「ああ……確か外したな、神社に行った時だ」
「その時に縁と気付いたとか!」
それを聞いた縁は首を傾げる。
「いや、風月だったらその前に気付いてそうだな」
「あ~確かに……って事は界牙流の修行が一旦区切りが付いて、風月が会い来たとか」
「なるほど、だが縁は気付かなかったと」
「そこは仕方ないかも? 風月も期待してた訳ではないよ」
「となると、ここから縁とスファーリアの交流が始まる訳だ」
「……多分手紙の連絡が多かったのかも」
「どうして?」
「生まれてあまり女性らしい事をしたことがないのだ、やってきた事? 絶滅演奏術」
「それ言ったら縁もだな、普通の生活ってした事が無い」
「つまりお互いの為に自分磨きが始まるのでは!? 過去は変えられないけど、このままの自分カッコ殺伐とした人生カッコ閉じる、を変えるために!」
「いいかもな、縁の場合は恋愛ってよりは……自分を受け入れた人って感じになるかね」
「おやや、一目惚れではないのかね?」
「あー、恋愛した事無いから一目惚れも解らなかったのかもしれん」
「ふむ、んじゃそういう事にする?」
「ああ、で、手紙をやり取りして大人に至ると」
「いやいや縁さんや、手紙のやり取りしてる時にも、何回は会っているだろうさ」
「いいね、そうしよう」
スファーリアは何かに気付いた様に、ポンと手を叩いた。
「あ、そいえば白いジャージにした理由はあるの?」
「いや、特に固まった設定は無かったんだよ、大人になったから白にしました……くらい?」
「そうなんだ」
「今回の出会いが縁を黒から白へしたんだよ、ジャージの色だけじゃなくな」
「へっへっへ……それはスファーリアてか結びも同じですよ」
過去に殺伐とだけしていた2人のキャラクターに、重要な設定が付け加えられたのだ。
矛盾はあるだろう、しかしそれは他人がどうこう言うべき問題ではない。
「あ、でもそうなると今までのロールで少々矛盾が発生するね?」
「そこはやり直さなくていいんじゃないか? 俺達が納得していればいいし」
「過去ロールって修正しだすと止まらないよね~」
「ああ、今は先生ロールが忙しいよ」
「おお、何かの準備?」
「他のプレイヤーとの連絡だったり、内容の相談だったり」
「何するかちょっと気になるね~私もついてきたい」
「待て待て、スファーリア達が受け持つ生徒達のロールはどうするんだ」
「はっはっは、風月で行くに決まってんじゃん? 何時やるかおしえてちょ、日にち被ってなきゃ行く」
「便利だなおい……決まったらメールするよ」
「うっしゃ」
「はい皆! バスの出発まで後20分だからね!? ちゃんと入口前に集合してなさいよ!」
「え!? もう40分たったの!?」
2人はメニューを開いて時刻を確認すると、確かに40分時間が経っている。
「いや~時間が経つのは早いね~」
「落ちて準備しようか」
「だね縁君」
「んじゃログアウトするわ」
「おっけー私もぽちっとな」
そのまま2人はゲームからログアウトをした。
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