94 / 293
第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
第四話 演目 副担任
しおりを挟む
「縁、一本槍の実力を少し見誤ったね~」
風月が笑いながら縁に近寄ってきた。
観客していた生徒達は、試合の意見交換を始めた様だ。
「ああ、今の俺に怪我をさせる程の信念、凄い」
「違う違う、一本槍が使った演奏体術は消滅じゃなくて、自身の心を強化するものなんだよ」
「心?」
「そそ、簡単に言えば、好きな音楽を聴くとテンション上がるでしょ? それよ」
「なるほど、精神力の強化か」
「縁先生、実戦ではまだ使え段階ではありません」
「そうなのか? 一本槍君」
「はい、敵が黙って全部くらうとは思えませんし、スファーリア先生の様に短縮も出来ません」
「言い換えれば、まだ伸びしろがあるって事か」
「縁、次は負けんなよ~」
「ああ」
「縁さん、ちょっといいですか?」
何時の間にか薬味が縁の後ろにいて、自分の背丈ほどある救急箱を背負っていた。
「薬味さん、どうしました?」
「傷口を見せて下さい、いくら神様でもちゃんと治療しないと」
「お心遣い感謝します」
縁は上半身を脱いだ、そこには数多の生々しい傷痕が残っていた。
風月は傷を睨み、一本槍はビックリする。
薬味はその傷を見てため息をした。
「縁さん、数え切れない程、人に恨まれる事をしたのね? でもこの傷は、大切な人を守り切った傷ね」
「え? 分かるんですか?」
「長年人の傷を見てきましたからね、人柄もわかりますよ」
救急箱から道具を取り出して治療を始めた。
「大切な人が出来たなら、自分の身体を大事にしなさい、風月先生、貴女もですよ?」
「おおう、こっちにも飛び火してきたぜ」
「でも、傷が綺麗に消えようとしている、ふふふ、縁さん、いい人と出会いましたね」
「ええ」
「ん? 傷の治りと出会いって関係あるん?」
「『結びさんの想い』が、数多の人間の負の祈りよりも、強かったって事」
「なるほどね~だから半分くらい白くなったんだ」
「ああ」
「はい、処置できましたよ」
「ありがとうございます」
縁は服を着直した。
「あ、そうだ風月、お願いがあるんだが」
「どったの縁」
「俺を副担任にしてくれないか?」
「お、どういう風の吹き回しだい」
「君の力になりたいからだ」
「ふむ、そりゃ有り難いが唐突だね~」
「迷惑だったか?」
「いいや、なら縁に絶対守ってもらいたい約束がある」
「それは?」
「生徒は死なせない、これだけは守れ、過保護かもしれんが命は一つだけだからな」
風月は覚悟を試す様に睨む。
「わかった」
「はい、副担任おめでとう! ささ、早速授業といきましょ~」
「ファ!? いきなり!?」
「その音は『ファ』じゃないね~」
「このやり取り前にもあったな、ってか何をすればいいんだよ」
「『殺し合いにおいて、精神力がどれだけ必要』か、とかね~」
「精神力について話せばいいのか? まあ、それなら」
「よ~し、決まり! おーい! 考察している生徒達~縁先生の授業が始まるよ~参加のしたい生徒は集合して~」
「ちょ! いきなり大人数にお話しろと!?」
「大丈夫大丈夫、ちゃんとサポートするから」
「まあ、やるしかないか」
あれよあれよと生徒達が集まってきて、期待の眼差しで縁を見ていた。
風月が笑いながら縁に近寄ってきた。
観客していた生徒達は、試合の意見交換を始めた様だ。
「ああ、今の俺に怪我をさせる程の信念、凄い」
「違う違う、一本槍が使った演奏体術は消滅じゃなくて、自身の心を強化するものなんだよ」
「心?」
「そそ、簡単に言えば、好きな音楽を聴くとテンション上がるでしょ? それよ」
「なるほど、精神力の強化か」
「縁先生、実戦ではまだ使え段階ではありません」
「そうなのか? 一本槍君」
「はい、敵が黙って全部くらうとは思えませんし、スファーリア先生の様に短縮も出来ません」
「言い換えれば、まだ伸びしろがあるって事か」
「縁、次は負けんなよ~」
「ああ」
「縁さん、ちょっといいですか?」
何時の間にか薬味が縁の後ろにいて、自分の背丈ほどある救急箱を背負っていた。
「薬味さん、どうしました?」
「傷口を見せて下さい、いくら神様でもちゃんと治療しないと」
「お心遣い感謝します」
縁は上半身を脱いだ、そこには数多の生々しい傷痕が残っていた。
風月は傷を睨み、一本槍はビックリする。
薬味はその傷を見てため息をした。
「縁さん、数え切れない程、人に恨まれる事をしたのね? でもこの傷は、大切な人を守り切った傷ね」
「え? 分かるんですか?」
「長年人の傷を見てきましたからね、人柄もわかりますよ」
救急箱から道具を取り出して治療を始めた。
「大切な人が出来たなら、自分の身体を大事にしなさい、風月先生、貴女もですよ?」
「おおう、こっちにも飛び火してきたぜ」
「でも、傷が綺麗に消えようとしている、ふふふ、縁さん、いい人と出会いましたね」
「ええ」
「ん? 傷の治りと出会いって関係あるん?」
「『結びさんの想い』が、数多の人間の負の祈りよりも、強かったって事」
「なるほどね~だから半分くらい白くなったんだ」
「ああ」
「はい、処置できましたよ」
「ありがとうございます」
縁は服を着直した。
「あ、そうだ風月、お願いがあるんだが」
「どったの縁」
「俺を副担任にしてくれないか?」
「お、どういう風の吹き回しだい」
「君の力になりたいからだ」
「ふむ、そりゃ有り難いが唐突だね~」
「迷惑だったか?」
「いいや、なら縁に絶対守ってもらいたい約束がある」
「それは?」
「生徒は死なせない、これだけは守れ、過保護かもしれんが命は一つだけだからな」
風月は覚悟を試す様に睨む。
「わかった」
「はい、副担任おめでとう! ささ、早速授業といきましょ~」
「ファ!? いきなり!?」
「その音は『ファ』じゃないね~」
「このやり取り前にもあったな、ってか何をすればいいんだよ」
「『殺し合いにおいて、精神力がどれだけ必要』か、とかね~」
「精神力について話せばいいのか? まあ、それなら」
「よ~し、決まり! おーい! 考察している生徒達~縁先生の授業が始まるよ~参加のしたい生徒は集合して~」
「ちょ! いきなり大人数にお話しろと!?」
「大丈夫大丈夫、ちゃんとサポートするから」
「まあ、やるしかないか」
あれよあれよと生徒達が集まってきて、期待の眼差しで縁を見ていた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる