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二十一章
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その姿に、
――こりゃもう完敗だ。
両手を上げて降参の意を伝えた。次いで姿勢を正し、結論はまだ出てないけど罪悪感について話すねと前置きして、それを明かした。
「白鳥さんには、料理の才能があると僕は考えている。日本の料理人の場合は、味覚や感性に並んで包丁研ぎの技術も必須になり、そして白鳥さんには包丁研ぎの才能もあることを僕は今日知った。僕は友人として、白鳥さんが才能を開花させる手助けをしたい。その中で、現時点の僕にできる最高の手助けは、僕の愛刀を見てもらう事。子供時代に正真正銘の本物に触れることは、技術者としての人生の到達点を左右するほどの経験になるって、僕は思うんだ」
僕はそれから、刀研ぎの練習に使っているのは愛刀ではないことと、愛刀を研いでいるのは僕ではないことを白鳥さんに伝えた。すると白鳥さんが、他の人が秘伝の技で研いだ刀を無関係の私に見せられないよねと早合点したので、僕は計画を前倒しし、罪悪感をストレートに伝えた。
「愛刀を見せることを、確かに僕は躊躇っている。けどそれは、他の人が秘伝の技で研いだからじゃない。僕が躊躇っているのは、愛刀の由来や使用目的、そして僕の家に伝わる刀研ぎの技法について、白鳥さんに一切説明できない事なんだよ。由来や使用目的はまだしも刀研ぎの技は、白鳥さんの役に立つって判っているのに、僕は友人の成長より秘伝を守ることを優先しなければならない。それが僕の、罪悪感の正体だね」
白鳥さんは瞬き一回分キョトンとしたのち、怒気も露わに僕を叱った。秘密を持つのは当たり前だし、また友情に秘密を超える力があるのも、当たり前のことでしかない。私はそう信じて生きて来たのに、猫将軍君は私を侮辱するのか。いや私だけでなく、猫将軍君の友人全員を侮辱するつもりなのかと、白鳥さんはかなりの剣幕で僕を叱ったのである。それだけでも申し訳ないやら嬉しいやらで僕は一杯一杯だったのに、感情を高ぶらせ過ぎた白鳥さんが涙をポロポロ零し始めたとくれば、僕も涙ポロポロになるというもの。厳密には白鳥さんはしくしく、一方僕はオロオロという違いはあっても、友情を涙に代えて相手に伝えるという作業に、僕らはその後しばし従事したのだった。
調理器具とマグカップを洗い、備品等を片付け、僕らがここを使う前の状態に戻してから料理実習室を後にした。ちなみに、僕が切り分けた海苔乗せ蒟蒻はタッパーに詰められ、白鳥さんのカバンの中に納まっている。ほんの数分前、カバンからタッパーを取り出した白鳥さんが「海苔と蒟蒻を持って帰っていい?」と訊いて来た時、僕は反射的に頷いた。それらは白鳥さんが持ってきた食材だったので、深く考えなかったのだ。すると白鳥さんはしたり顔を浮かべて「詳細に調べて標本にするね」なんて、すぐさま返して来たのである。もう少し慎重に対応すべきだったと、今はちょっぴり後悔していた。
現在時刻は、十六時半。最終下校時刻まで一時間以上ある校舎に、部活やサークルに励む生徒達の声が遠雷のように響いている。その中の一つとして遜色ない料理談議に花を咲かせながら、僕と白鳥さんは神社を目指して歩を進めた。そう僕は悩みに悩み、美夜さんの意見も聴いて考えた末、猫丸を白鳥さんに見せる決定をしたのである。そんな僕を、心の中の輝夜さんは褒めてくれた。しかし褒めつつも、三日前の晩に僕をうっかり者認定した際の気配をほのかに漂わせている気が、なぜかしきりとしていた。それを振り払う意味も兼ね、僕は積極的に話題を振っていった。が、
「そういえば、白鳥さんを神社に招くのは今日が初めてだね」「ええ、そうね」「ウチは神社だから、気軽に足を運んでくれていいんだよ」「滅相もない事でごぜぇます」「ちょっと白鳥さん、キャラ変わってない?」「やっだ~、うっそ~、信じられな~い」「あっはい、何でもないです忘れてください」
なんて感じに話題を振るまでもなく、僕の周囲にあまりいないノリに新鮮さを覚えているうち、神社に着いてしまった。それはそれとして、「やっだ~うっそ~信じられな~い」系のギャル口調が似合う容姿をしていても、社務所の祖父母と小吉に初対面の挨拶を完璧にこなす辺りは、さすがは雪姫と感心せざるを得ない。小吉も『五人目の雪姫も実力者みたいね』とわざわざテレパシーで伝えて来たくらいだから、白鳥さんの力は本物なのだろう。それ自体は手放しで嬉しかったけど、湖校をこうも熟知している小吉の背後に女子の強固なネットワークを感じた僕は、寒気に身を震わせたものだった。
それはさて置き、事を早く進めねば夕飯の準備に差し障る。僕は白鳥さんを台所に案内し、すぐ準備するから少し待ってもらうよう告げて、自室へ向かった。そして手早く道着に着替え、練習用の刀と猫丸を携え、台所に戻って来る。猫好きと聞いていたとおり、床に座って末吉と遊んでいた白鳥さんは僕が戻って来たことに気づかなかったらしく、口をあんぐり開けて僕を見つめていた。暫くして我に返り、大層恥ずかしがる白鳥さんに、「いわゆる袴ブーストでございます」と袴をスカートに見立てて淑女の挨拶をしてみた。袴ブーストとは、袴を履くことで見た目に好印象の補正がかかる、という意味。それにカーテシーを絡めて自虐ネタにし、白鳥さんの恥ずかしさを相殺しようとしたのだけど、度が過ぎたらしい。白鳥さんは腹を抱えて転げまくり、そして再び我に返ると、真っ赤になった顔を両手で覆い俯いてしまったのだ。僕が猫達にきつく叱られたのは言うもない。猫達というのは中吉と小吉で、白鳥さんに挨拶された小吉はまだしも中吉がここにいる理由は想像するだけでゲンナリしても、この叱責に「女を見る目云々」は含まれないため、僕はしおしおとお叱りを受けていた。という、猫将軍家では当たり前の光景に、白鳥さんは酷く感心したようだ。もちろん猫達はテレパシーを使っていて「にゃっ!」や「にゃにゃっ!」との声を僕に掛けているだけなのだが、猫好き故か猫達のテレパシーを朧げに感じた白鳥さんは僕の隣に飛んで来て、僕を真摯に擁護してくれた。それも嬉しかったけど擁護中に語られた、
「猫将軍君はうっかりしている所があるだけで女たらしではありませんから、許してあげてください」
は強烈だった。その詳細を尋ねたくてならず、だが今それをできるはずもなく、しかし気になって気になって仕方ないと言った具合に、多大な心労を僕は覚えたのである。
――こりゃもう完敗だ。
両手を上げて降参の意を伝えた。次いで姿勢を正し、結論はまだ出てないけど罪悪感について話すねと前置きして、それを明かした。
「白鳥さんには、料理の才能があると僕は考えている。日本の料理人の場合は、味覚や感性に並んで包丁研ぎの技術も必須になり、そして白鳥さんには包丁研ぎの才能もあることを僕は今日知った。僕は友人として、白鳥さんが才能を開花させる手助けをしたい。その中で、現時点の僕にできる最高の手助けは、僕の愛刀を見てもらう事。子供時代に正真正銘の本物に触れることは、技術者としての人生の到達点を左右するほどの経験になるって、僕は思うんだ」
僕はそれから、刀研ぎの練習に使っているのは愛刀ではないことと、愛刀を研いでいるのは僕ではないことを白鳥さんに伝えた。すると白鳥さんが、他の人が秘伝の技で研いだ刀を無関係の私に見せられないよねと早合点したので、僕は計画を前倒しし、罪悪感をストレートに伝えた。
「愛刀を見せることを、確かに僕は躊躇っている。けどそれは、他の人が秘伝の技で研いだからじゃない。僕が躊躇っているのは、愛刀の由来や使用目的、そして僕の家に伝わる刀研ぎの技法について、白鳥さんに一切説明できない事なんだよ。由来や使用目的はまだしも刀研ぎの技は、白鳥さんの役に立つって判っているのに、僕は友人の成長より秘伝を守ることを優先しなければならない。それが僕の、罪悪感の正体だね」
白鳥さんは瞬き一回分キョトンとしたのち、怒気も露わに僕を叱った。秘密を持つのは当たり前だし、また友情に秘密を超える力があるのも、当たり前のことでしかない。私はそう信じて生きて来たのに、猫将軍君は私を侮辱するのか。いや私だけでなく、猫将軍君の友人全員を侮辱するつもりなのかと、白鳥さんはかなりの剣幕で僕を叱ったのである。それだけでも申し訳ないやら嬉しいやらで僕は一杯一杯だったのに、感情を高ぶらせ過ぎた白鳥さんが涙をポロポロ零し始めたとくれば、僕も涙ポロポロになるというもの。厳密には白鳥さんはしくしく、一方僕はオロオロという違いはあっても、友情を涙に代えて相手に伝えるという作業に、僕らはその後しばし従事したのだった。
調理器具とマグカップを洗い、備品等を片付け、僕らがここを使う前の状態に戻してから料理実習室を後にした。ちなみに、僕が切り分けた海苔乗せ蒟蒻はタッパーに詰められ、白鳥さんのカバンの中に納まっている。ほんの数分前、カバンからタッパーを取り出した白鳥さんが「海苔と蒟蒻を持って帰っていい?」と訊いて来た時、僕は反射的に頷いた。それらは白鳥さんが持ってきた食材だったので、深く考えなかったのだ。すると白鳥さんはしたり顔を浮かべて「詳細に調べて標本にするね」なんて、すぐさま返して来たのである。もう少し慎重に対応すべきだったと、今はちょっぴり後悔していた。
現在時刻は、十六時半。最終下校時刻まで一時間以上ある校舎に、部活やサークルに励む生徒達の声が遠雷のように響いている。その中の一つとして遜色ない料理談議に花を咲かせながら、僕と白鳥さんは神社を目指して歩を進めた。そう僕は悩みに悩み、美夜さんの意見も聴いて考えた末、猫丸を白鳥さんに見せる決定をしたのである。そんな僕を、心の中の輝夜さんは褒めてくれた。しかし褒めつつも、三日前の晩に僕をうっかり者認定した際の気配をほのかに漂わせている気が、なぜかしきりとしていた。それを振り払う意味も兼ね、僕は積極的に話題を振っていった。が、
「そういえば、白鳥さんを神社に招くのは今日が初めてだね」「ええ、そうね」「ウチは神社だから、気軽に足を運んでくれていいんだよ」「滅相もない事でごぜぇます」「ちょっと白鳥さん、キャラ変わってない?」「やっだ~、うっそ~、信じられな~い」「あっはい、何でもないです忘れてください」
なんて感じに話題を振るまでもなく、僕の周囲にあまりいないノリに新鮮さを覚えているうち、神社に着いてしまった。それはそれとして、「やっだ~うっそ~信じられな~い」系のギャル口調が似合う容姿をしていても、社務所の祖父母と小吉に初対面の挨拶を完璧にこなす辺りは、さすがは雪姫と感心せざるを得ない。小吉も『五人目の雪姫も実力者みたいね』とわざわざテレパシーで伝えて来たくらいだから、白鳥さんの力は本物なのだろう。それ自体は手放しで嬉しかったけど、湖校をこうも熟知している小吉の背後に女子の強固なネットワークを感じた僕は、寒気に身を震わせたものだった。
それはさて置き、事を早く進めねば夕飯の準備に差し障る。僕は白鳥さんを台所に案内し、すぐ準備するから少し待ってもらうよう告げて、自室へ向かった。そして手早く道着に着替え、練習用の刀と猫丸を携え、台所に戻って来る。猫好きと聞いていたとおり、床に座って末吉と遊んでいた白鳥さんは僕が戻って来たことに気づかなかったらしく、口をあんぐり開けて僕を見つめていた。暫くして我に返り、大層恥ずかしがる白鳥さんに、「いわゆる袴ブーストでございます」と袴をスカートに見立てて淑女の挨拶をしてみた。袴ブーストとは、袴を履くことで見た目に好印象の補正がかかる、という意味。それにカーテシーを絡めて自虐ネタにし、白鳥さんの恥ずかしさを相殺しようとしたのだけど、度が過ぎたらしい。白鳥さんは腹を抱えて転げまくり、そして再び我に返ると、真っ赤になった顔を両手で覆い俯いてしまったのだ。僕が猫達にきつく叱られたのは言うもない。猫達というのは中吉と小吉で、白鳥さんに挨拶された小吉はまだしも中吉がここにいる理由は想像するだけでゲンナリしても、この叱責に「女を見る目云々」は含まれないため、僕はしおしおとお叱りを受けていた。という、猫将軍家では当たり前の光景に、白鳥さんは酷く感心したようだ。もちろん猫達はテレパシーを使っていて「にゃっ!」や「にゃにゃっ!」との声を僕に掛けているだけなのだが、猫好き故か猫達のテレパシーを朧げに感じた白鳥さんは僕の隣に飛んで来て、僕を真摯に擁護してくれた。それも嬉しかったけど擁護中に語られた、
「猫将軍君はうっかりしている所があるだけで女たらしではありませんから、許してあげてください」
は強烈だった。その詳細を尋ねたくてならず、だが今それをできるはずもなく、しかし気になって気になって仕方ないと言った具合に、多大な心労を僕は覚えたのである。
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