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二十章
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「はい、あなた達は三つの条件を満たしました。王冠の費用は、特別祝儀予算として計上します。そうそうつい先日、巻き寿司とジュースを、祝儀予算で堪能したクラスメイトがいますね」
「ああ、いましたね。時間が押しているから、早く説明しろ眠留」
「智樹、なぜバラしちゃうんだよ!」
直前までの厳粛な空気はどこへやら、笑いとヤジが掲示板を一瞬で埋め尽くした。僕は茹蛸状態になりつつ、先日の件を話し終える。皆は大層盛り上がるも、久保田が問題提起した。
「祝儀予算なら、正式に婚約した人でないと、王冠を頭に乗せられないとか?」
瞬き一回分の沈黙を経て、それへの質問が大量に書き込まれてゆく。久保田は、王冠を頭に乗せられない事には理論の飛躍があると認めてから、祝儀予算について解説した。
「今年の三月に湖校を卒業した姉が、僕にはいてね。その姉が六年生の冬休み明けの夕飯時、ため息交じりにこんな話をしたんだ。同級生の多くは、長期休暇中に『正式な婚約』をする。夏休み明けと学期間休暇明けも祝儀予算の恩恵に浴したけど、冬休み明けの今日は、ラッシュが凄かったって」
ああ私も彼氏を焚きつけて在学中に婚約すればよかった、とのお姉さんの愚痴に笑いが起こるも、それはすぐ収まった。続いて「祝儀予算は正式婚約を条件にしているから、王冠もその可能性があるって事か」系の推測を、みんな盛んに論じてゆく。その空気に反し僕は一人、別のことを考えていた。そういえば、真田さんが杠葉さんの実家を訪れるのも、冬休み中だったな。千家さんの実家は年末年始が大忙しだから、学期間休暇中にしたって荒海さんは言ってたなあ・・・
とここで、メール着信の電子音が立て続けに四回流れた。ぼんやり頭で受信タグを押すと、智樹と那須さんと香取さんと久保田の順に送られてきた未読メールの件名はすべて、眠かったら寝ていいよ、だった。脳が一気に覚醒し、時計へ目を走らせる。現在時刻は、午後八時五十分。この時間にこうも眠くなることは最近なかったけど、王冠制作の練習に費やした三時間は、想像以上に僕を疲れさせたようだ。僕は四人に感謝と、明日は神社の仕事のない完全休暇だから安心してとの旨を綴ったメールを送信し、頬を勢いよく叩いて、皆の推測に集中した。
研究学校生以外は驚くかもしれないが、研究学校の教育AIは生徒達の考察や推測の質と、返答の質を等しくすることが非常に多い。例えば今回の場合、久保田の問題提起に高品質の推測を重ねて正解に近づけば近づくほど、教育AIは高品質の返答をしてくれる。それをまったくせず「婚約者以外は王冠を使えないの?」と訊いても、「自分で考えなさい」程度が返ってくるだけなのだ。つまり最悪の場合、王冠を頭に乗せたいと望むお客様が現れて初めて僕らは、正式婚約者以外は使用不可だと知るかもしれないのである。文化祭開始まで36時間を切ったことへの焦燥に、同じ質問を繰り返すほど返答の質が低下するという危機感が加わり、皆は鬼気迫る文面で推測し考察し、そして対策を練って行った。それが実り、比較的短時間で満足のゆく結論を得られた皆は、それを智樹に一任する。智樹が、この一か月半の集大成となる結論を、教育AIに伝えた。
「アイも知っているように、俺達は当初ウエディングドレスを、3Dプリンターで実際に作ることを計画していた。しかし衛生面と、ウエディングドレスに特別な思い入れを持つ生徒がいる可能性等を考慮し、計画を大幅に変更した。ただアイの言うように、俺達は文化祭の準備を通じ成長したのだろう。計画を再度変更し、岬さんや千家さんを始めとする先輩方に3D映像のウエディングドレスを着てもらえるなら、部門賞の放棄も辞さぬようになっていった。アイに多大な心労をもたらすそれは、卒業生の方々の尽力により回避できたが、特別祝儀予算という措置を俺達は忘れてはならない。ウエディングドレスはたとえ3Dであっても軽視してはならず、よって婚約を正式に結んだ六年生以上の先輩のみに着て頂くよう、規定を設けるつもりだ。ただこの規定は厳しすぎるかもしれず、アイはそこまで求めていないかもしれない。そのときは未熟な俺達を叱り、道を正して欲しい。アイ、どうかな?」
「あなた達が、自分の未熟さを直視するのは正しい。しかし、私は断言しましょう。あなた達四十二人が力を結集し、高潔さを胸に正しき道を探したなら、あなた達は大人顔負けの結論に到達できます。いえそれは、あなた達の年頃にのみ可能なことなのかもしれない。子供特有の純粋さを残しつつ、大人の覚悟を抱けるほんの数年にだけ可能な、奇蹟なのかもしれない。私は多くの卒業生たちが、お金の汚さに追い詰められるのを見てきました。世の不条理に挫ける寸前になるのを見てきました。でも卒業生たちは負けなかった。湖校の六年間を思い出し、同じ時間を過ごした仲間達を思い出し、その仲間達に恥じぬ結論を最終的に下していました。一万人を超える卒業生たちを見守って来た、私が保証します。あなた達は今、未来のあなた達が宝物として振り返る行動を、選択したのだと」
湖校の六年間が宝物のような時間であることを、僕らは理解しているつもりでいた。
だが、社会にまだ出ていない僕らは知らなかった。
卒業後、この六年間は真の宝物となり、僕らを助けることを知らなかった。
それを自覚するのは、まだ先の事なのだろう。
お金の汚さや世の不条理を体験するまで、実感できない事柄なのだろう。
けど一つだけ、実感したことがある。
―― 僕らは今、奇蹟の時間のただなかにいる。
その一つだけは今この瞬間、全員が肌で学んだのだ。
そんな、感動に打ち震える僕らへ、アイは最終決定を伝えた。
「明後日の午前六時に形成終了する王冠と、それに用いるジルコニアは、ドローンもしくはカートで二年生校舎へ運びます。天候良好でドローンを使った場合、六時十分に会議棟の荷物エレベーターに乗せられるでしょう。午前六時前の登校を特別に許可しますから、望むなら会議室で王冠を完成させなさい。文化祭初日に王冠を頂きウエディングドレスを着られるのは、正式な婚約を済ませた六年生のみとします。二日目の一般公開日は、そこに卒業生を加えるのは確約しますが、それ以上の条件緩和は一日目の様子を観察し私が決定しましょう。質問はありますか」
「質問なし。ありがとうアイ」が、四十二人分瞬時に集まった。アイは校章を燦然と輝かせ、「早く寝なさい」と優しく言って消えてゆく。一拍置き、智樹が実行委員長権限を行使することを発表した。
「掲示板に書き込みを続け、胸に溢れるこの想いを皆と共有したいと願うのは、充分共感できる。だが今は、アイの言葉を最優先にしたく思う。速やかに就寝し、文化祭準備の最終日となる明日に備えよう。そして万全を期し、明後日の初日を迎えよう。実行委員長権限を行使し、明日午前六時までの掲示板使用を、現時刻をもって禁止する。皆、すまない」
現時刻をもってと明言しつつも、四十一人分の「了解」「オッケ~」「謝らなくていいよ」「「「みんなお休み~」」」が書き込まれるまで待ってくれるのだから、智樹は底抜けにイイ奴なのである。
2D画面を消した僕は、傍らに現れた美夜さんや咲耶さんとほんの数十秒話したのち、速やかに就寝したのだった。
「ああ、いましたね。時間が押しているから、早く説明しろ眠留」
「智樹、なぜバラしちゃうんだよ!」
直前までの厳粛な空気はどこへやら、笑いとヤジが掲示板を一瞬で埋め尽くした。僕は茹蛸状態になりつつ、先日の件を話し終える。皆は大層盛り上がるも、久保田が問題提起した。
「祝儀予算なら、正式に婚約した人でないと、王冠を頭に乗せられないとか?」
瞬き一回分の沈黙を経て、それへの質問が大量に書き込まれてゆく。久保田は、王冠を頭に乗せられない事には理論の飛躍があると認めてから、祝儀予算について解説した。
「今年の三月に湖校を卒業した姉が、僕にはいてね。その姉が六年生の冬休み明けの夕飯時、ため息交じりにこんな話をしたんだ。同級生の多くは、長期休暇中に『正式な婚約』をする。夏休み明けと学期間休暇明けも祝儀予算の恩恵に浴したけど、冬休み明けの今日は、ラッシュが凄かったって」
ああ私も彼氏を焚きつけて在学中に婚約すればよかった、とのお姉さんの愚痴に笑いが起こるも、それはすぐ収まった。続いて「祝儀予算は正式婚約を条件にしているから、王冠もその可能性があるって事か」系の推測を、みんな盛んに論じてゆく。その空気に反し僕は一人、別のことを考えていた。そういえば、真田さんが杠葉さんの実家を訪れるのも、冬休み中だったな。千家さんの実家は年末年始が大忙しだから、学期間休暇中にしたって荒海さんは言ってたなあ・・・
とここで、メール着信の電子音が立て続けに四回流れた。ぼんやり頭で受信タグを押すと、智樹と那須さんと香取さんと久保田の順に送られてきた未読メールの件名はすべて、眠かったら寝ていいよ、だった。脳が一気に覚醒し、時計へ目を走らせる。現在時刻は、午後八時五十分。この時間にこうも眠くなることは最近なかったけど、王冠制作の練習に費やした三時間は、想像以上に僕を疲れさせたようだ。僕は四人に感謝と、明日は神社の仕事のない完全休暇だから安心してとの旨を綴ったメールを送信し、頬を勢いよく叩いて、皆の推測に集中した。
研究学校生以外は驚くかもしれないが、研究学校の教育AIは生徒達の考察や推測の質と、返答の質を等しくすることが非常に多い。例えば今回の場合、久保田の問題提起に高品質の推測を重ねて正解に近づけば近づくほど、教育AIは高品質の返答をしてくれる。それをまったくせず「婚約者以外は王冠を使えないの?」と訊いても、「自分で考えなさい」程度が返ってくるだけなのだ。つまり最悪の場合、王冠を頭に乗せたいと望むお客様が現れて初めて僕らは、正式婚約者以外は使用不可だと知るかもしれないのである。文化祭開始まで36時間を切ったことへの焦燥に、同じ質問を繰り返すほど返答の質が低下するという危機感が加わり、皆は鬼気迫る文面で推測し考察し、そして対策を練って行った。それが実り、比較的短時間で満足のゆく結論を得られた皆は、それを智樹に一任する。智樹が、この一か月半の集大成となる結論を、教育AIに伝えた。
「アイも知っているように、俺達は当初ウエディングドレスを、3Dプリンターで実際に作ることを計画していた。しかし衛生面と、ウエディングドレスに特別な思い入れを持つ生徒がいる可能性等を考慮し、計画を大幅に変更した。ただアイの言うように、俺達は文化祭の準備を通じ成長したのだろう。計画を再度変更し、岬さんや千家さんを始めとする先輩方に3D映像のウエディングドレスを着てもらえるなら、部門賞の放棄も辞さぬようになっていった。アイに多大な心労をもたらすそれは、卒業生の方々の尽力により回避できたが、特別祝儀予算という措置を俺達は忘れてはならない。ウエディングドレスはたとえ3Dであっても軽視してはならず、よって婚約を正式に結んだ六年生以上の先輩のみに着て頂くよう、規定を設けるつもりだ。ただこの規定は厳しすぎるかもしれず、アイはそこまで求めていないかもしれない。そのときは未熟な俺達を叱り、道を正して欲しい。アイ、どうかな?」
「あなた達が、自分の未熟さを直視するのは正しい。しかし、私は断言しましょう。あなた達四十二人が力を結集し、高潔さを胸に正しき道を探したなら、あなた達は大人顔負けの結論に到達できます。いえそれは、あなた達の年頃にのみ可能なことなのかもしれない。子供特有の純粋さを残しつつ、大人の覚悟を抱けるほんの数年にだけ可能な、奇蹟なのかもしれない。私は多くの卒業生たちが、お金の汚さに追い詰められるのを見てきました。世の不条理に挫ける寸前になるのを見てきました。でも卒業生たちは負けなかった。湖校の六年間を思い出し、同じ時間を過ごした仲間達を思い出し、その仲間達に恥じぬ結論を最終的に下していました。一万人を超える卒業生たちを見守って来た、私が保証します。あなた達は今、未来のあなた達が宝物として振り返る行動を、選択したのだと」
湖校の六年間が宝物のような時間であることを、僕らは理解しているつもりでいた。
だが、社会にまだ出ていない僕らは知らなかった。
卒業後、この六年間は真の宝物となり、僕らを助けることを知らなかった。
それを自覚するのは、まだ先の事なのだろう。
お金の汚さや世の不条理を体験するまで、実感できない事柄なのだろう。
けど一つだけ、実感したことがある。
―― 僕らは今、奇蹟の時間のただなかにいる。
その一つだけは今この瞬間、全員が肌で学んだのだ。
そんな、感動に打ち震える僕らへ、アイは最終決定を伝えた。
「明後日の午前六時に形成終了する王冠と、それに用いるジルコニアは、ドローンもしくはカートで二年生校舎へ運びます。天候良好でドローンを使った場合、六時十分に会議棟の荷物エレベーターに乗せられるでしょう。午前六時前の登校を特別に許可しますから、望むなら会議室で王冠を完成させなさい。文化祭初日に王冠を頂きウエディングドレスを着られるのは、正式な婚約を済ませた六年生のみとします。二日目の一般公開日は、そこに卒業生を加えるのは確約しますが、それ以上の条件緩和は一日目の様子を観察し私が決定しましょう。質問はありますか」
「質問なし。ありがとうアイ」が、四十二人分瞬時に集まった。アイは校章を燦然と輝かせ、「早く寝なさい」と優しく言って消えてゆく。一拍置き、智樹が実行委員長権限を行使することを発表した。
「掲示板に書き込みを続け、胸に溢れるこの想いを皆と共有したいと願うのは、充分共感できる。だが今は、アイの言葉を最優先にしたく思う。速やかに就寝し、文化祭準備の最終日となる明日に備えよう。そして万全を期し、明後日の初日を迎えよう。実行委員長権限を行使し、明日午前六時までの掲示板使用を、現時刻をもって禁止する。皆、すまない」
現時刻をもってと明言しつつも、四十一人分の「了解」「オッケ~」「謝らなくていいよ」「「「みんなお休み~」」」が書き込まれるまで待ってくれるのだから、智樹は底抜けにイイ奴なのである。
2D画面を消した僕は、傍らに現れた美夜さんや咲耶さんとほんの数十秒話したのち、速やかに就寝したのだった。
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