640 / 934
十八章
3
しおりを挟む
ちなみに「さっちゃん」は、美夜さんだけが使うことを許された咲耶さんの、つまり湖校の教育AIの愛称。学校と寮の両方で真山を見守ってきた咲耶さんなら、真山の好みの曲を的中させても不思議は何もないのだろう。AIを招く次のお茶会のケーキは、美夜さんと咲耶さんの好物の中から選ぶことを僕は秘かに決めた。丁度そのとき、
「このロックバンドの別の曲も、聴かせて頂けませんか」
真山が美夜さんに頼んだ。もちろんですと応え、美夜さんは真山の手元に曲目を五つ映し出す。通常版とライブ版が揃った曲もあったから、真山は少なくとも二十分をそれに費やすはず。その邪魔を微塵たりともしたくなかった僕は2Dキーボードを出し、美夜さんとの会話を文字に切り替えることにした。
「最近の歌謡曲は、デジタル処理が当たり前なの?」「当たり前、と言い切って差し支えないわね」「どうしてかな」「それは眠留が自分で考えないとね」「ヒントもダメ?」「心の成長度合いに関わることだからAIの私は言えない、がヒント」「ごめん美夜さん、無理させちゃったね」「私とさっちゃんなら、融通を利かせられるからいいわ」「うん、エイミィとミーサには話さないでおくよ」「ありがとう」「でも私達には、少しだけならいいからね」「咲耶さん、真山の曲選びを手伝ってくれてありがとう」「どういたしまして。って可愛くないわね、ちょっとは驚きなさいよ」「咲耶さんが一緒にいる時といない時では、美夜さんの声音が変わるからすぐ見破れるよ」「えっそうなの? でもなんか、嬉しいな」「みっちゃん私も嬉しい、さすがは私達ね!」「ええ、私達ね!」「「イエ~イ!!」」
イエ~イを機に、二人は僕そっちのけの高速会話に移って行った。目まぐるしく書き込まれるやり取りを脳が処理できない以前に、おしゃべりを楽しむ女性の邪魔をしてはならないと骨の髄から知っている僕は、会話から目を離し、さっきもらったヒントの考察に取り掛かった。そのはずだったのだけど、
――僕も真山に曲を推薦したい
との想いが脳裏に飛来するや、僕はヒントそっちのけでそれに打ちこんでいった。最初に着手したのは、状況整理。こういう時は奇をてらわず、お約束に従うのが一番なのだ。僕は今の状況を、思いつくままファイルに箇条書きした。
一、四オクターブの声域
二、仮声帯も振動させるビブラート
三、デジタル処理を聴き分ける聴覚
四、咲耶さんなら、真山の曲の好みを瞬時に識別できる
四で指が止まったため箇条書きを睨んでいたら、ある事に気づいた。それは、最後の四だけ種類が異なるという事。一と二と三は他者に協力を頼めても、四は「咲耶さんに可能なことを親友の僕もできるか」が問われる案件だったのである。時間が残り少ない事もあり、僕は四に全力をそそぐ決定をした。といってもアニオタの僕が短時間で全力を出せるのは、アニメ関連の曲の中から真山の気に入りそうなものを選ぶことのみなんだけどね。
複数の音楽ファイルの中から慣れた手つきで「アニメ関連、ジャンル順」をタップし、曲目を空中に表示する。高級AICA二台分の価格に等しい父自慢オーディオで、僕は日頃からアニソンを聴きまくっていた。声を大にして吹聴できる趣味ではないけど、夕食会メンバーには照れつつ明かしたことがあり、そのお陰で真山が僕を頼ってくれたのなら、この趣味に胸を張ることが出来る。二百に届くタイトルを候補曲とそれ以外に、僕は鼻息荒く選別して行った。
非候補曲を直感に従い指で弾き、二十曲を残した。それらの曲名を、心を無にして見つめている最中、ふと閃いた。
――スポーツ系の曲なら、真山も共感しやすいとか?――
誤解を恐れずはっきり言うと、真山は片足を不思議ちゃんに突っ込んでいる人間。それもあって、真山の趣味嗜好の半分の半分も理解できていないというのが正直な気持ちなのだけど、同じスポーツに打ち込んだ経験なら僕にもある。サッカーにかける真山の情熱を肌で感じ、体力と精神力を絞り尽くしてもなお、サッカーに心血を捧げた時間なら僕にもある。よって、
――あの時の僕にピッタリの曲があったら、それは真山にとってもピッタリなんじゃないかな――
僕は、そう閃いたのである。
幸い、それに該当する曲が一つあった。自転車レースという、サッカーとは大きく異なる競技でも、あの時の僕に瓜二つの情熱と気概を歌いあげたものが、平成後期のアニメOPに一曲だけ見付けられたのだ。僕は大急ぎでヘッドホンをして、その曲を聴いた。
すると、ある映像が脳裏に浮かんで来た。それは、サッカーの論文に使用している映像だった。約二か月前の七月十七日、僕は真山からサッカー部に関する悩みを打ち明けられ、それを機にサッカーの研究を始めた。研究の資料として、部活や試合の真山の映像を自由に閲覧及び使用できる許可を得た僕は、サッカーをする真山の大ファンだったこともあり映像を見まくった。その映像が今、アニソンの歌詞に合わせて、脳裏に次々浮かび上がって来たのである。僕は研究ファイルを素早くめくり、浮かび上がった映像を順番につまみ上げ、新たに出した2D画面の下半分に並べてゆく。上半分にはアニソンの歌詞を書き、呼吸も忘れて両者を組み合わせて行った。そして五分後、
「真山バージョンのOP映像、できちゃった」
僕は独り言ちた。歌詞の下に動画が並んでいるだけで編集も何もしていないけど、真山バージョンのOP映像を僕は作ってしまったのである。感慨に浸る数秒を過ごしたのち、美夜さんと咲耶さんに動画の編集をお願いしてみた。すると、
「本当なら眠留が自分ですべきだけど」
「今すぐ見せたいっていう、眠留の気持ちもわかるし」
「どうする、さっちゃん?」
「ん~、今回は特別に手伝ってあげようか、みっちゃん」
仕方ないわねえという演技をして、二人はそれを引き受けてくれた。髪飾りをプレゼントしてから、二人は明らかに優しくなっている。それだけなら「しょせんプレゼントかよ」系の気持ちを多少持ったかもしれないが、今のような演技を必ずしてくれるので、姉と姉の友人にほっこりする弟の気分を毎回味わわせてもらっていた。というか多分、このほっこりこそが、髪飾りのお礼なんだろうな。
なんて考えが頭をよぎったほんの一瞬で、動画編集は終わった。AランクAIが協力したのだからそれで当然と一笑に付すのは、特殊AIの存在を明かされていない人達の感覚。特殊AIの美夜さんと咲耶さんは、人と変わらない心を持っている。しかも美夜さんは僕をよく知り、咲耶さんは真山をよく知っているのだから、編集に費やした時間が通常のAIと同じだとしても、もたらされる感動は桁違いなはずなのである。そしてそれは、
「どうしたんだい眠留」
僕を案じる真山によって正しかったことが証明された。なんと僕は感動のあまり、真山バージョンのOP動画を、全てを忘れて見続けていたのだ。しかも僕は滂沱の涙を流していて、そんなことは僕にとって日常茶飯事と知りつつも、真山はそれでも案じる気持ちを抑えきれず、すぐそばにやって来て僕に声をかけてくれたそうなのである。幸い美夜さんが気を利かせて、2D画面に指向性を持たせてくれたから真山OPはバレなかったが、次も幸運に恵まれると考えるのは愚の骨頂。肩の触れ合う場所に真山がいるこの状況を、逃してはならない最高のチャンスと捉えた僕は、事の経緯を明かした。
「このロックバンドの別の曲も、聴かせて頂けませんか」
真山が美夜さんに頼んだ。もちろんですと応え、美夜さんは真山の手元に曲目を五つ映し出す。通常版とライブ版が揃った曲もあったから、真山は少なくとも二十分をそれに費やすはず。その邪魔を微塵たりともしたくなかった僕は2Dキーボードを出し、美夜さんとの会話を文字に切り替えることにした。
「最近の歌謡曲は、デジタル処理が当たり前なの?」「当たり前、と言い切って差し支えないわね」「どうしてかな」「それは眠留が自分で考えないとね」「ヒントもダメ?」「心の成長度合いに関わることだからAIの私は言えない、がヒント」「ごめん美夜さん、無理させちゃったね」「私とさっちゃんなら、融通を利かせられるからいいわ」「うん、エイミィとミーサには話さないでおくよ」「ありがとう」「でも私達には、少しだけならいいからね」「咲耶さん、真山の曲選びを手伝ってくれてありがとう」「どういたしまして。って可愛くないわね、ちょっとは驚きなさいよ」「咲耶さんが一緒にいる時といない時では、美夜さんの声音が変わるからすぐ見破れるよ」「えっそうなの? でもなんか、嬉しいな」「みっちゃん私も嬉しい、さすがは私達ね!」「ええ、私達ね!」「「イエ~イ!!」」
イエ~イを機に、二人は僕そっちのけの高速会話に移って行った。目まぐるしく書き込まれるやり取りを脳が処理できない以前に、おしゃべりを楽しむ女性の邪魔をしてはならないと骨の髄から知っている僕は、会話から目を離し、さっきもらったヒントの考察に取り掛かった。そのはずだったのだけど、
――僕も真山に曲を推薦したい
との想いが脳裏に飛来するや、僕はヒントそっちのけでそれに打ちこんでいった。最初に着手したのは、状況整理。こういう時は奇をてらわず、お約束に従うのが一番なのだ。僕は今の状況を、思いつくままファイルに箇条書きした。
一、四オクターブの声域
二、仮声帯も振動させるビブラート
三、デジタル処理を聴き分ける聴覚
四、咲耶さんなら、真山の曲の好みを瞬時に識別できる
四で指が止まったため箇条書きを睨んでいたら、ある事に気づいた。それは、最後の四だけ種類が異なるという事。一と二と三は他者に協力を頼めても、四は「咲耶さんに可能なことを親友の僕もできるか」が問われる案件だったのである。時間が残り少ない事もあり、僕は四に全力をそそぐ決定をした。といってもアニオタの僕が短時間で全力を出せるのは、アニメ関連の曲の中から真山の気に入りそうなものを選ぶことのみなんだけどね。
複数の音楽ファイルの中から慣れた手つきで「アニメ関連、ジャンル順」をタップし、曲目を空中に表示する。高級AICA二台分の価格に等しい父自慢オーディオで、僕は日頃からアニソンを聴きまくっていた。声を大にして吹聴できる趣味ではないけど、夕食会メンバーには照れつつ明かしたことがあり、そのお陰で真山が僕を頼ってくれたのなら、この趣味に胸を張ることが出来る。二百に届くタイトルを候補曲とそれ以外に、僕は鼻息荒く選別して行った。
非候補曲を直感に従い指で弾き、二十曲を残した。それらの曲名を、心を無にして見つめている最中、ふと閃いた。
――スポーツ系の曲なら、真山も共感しやすいとか?――
誤解を恐れずはっきり言うと、真山は片足を不思議ちゃんに突っ込んでいる人間。それもあって、真山の趣味嗜好の半分の半分も理解できていないというのが正直な気持ちなのだけど、同じスポーツに打ち込んだ経験なら僕にもある。サッカーにかける真山の情熱を肌で感じ、体力と精神力を絞り尽くしてもなお、サッカーに心血を捧げた時間なら僕にもある。よって、
――あの時の僕にピッタリの曲があったら、それは真山にとってもピッタリなんじゃないかな――
僕は、そう閃いたのである。
幸い、それに該当する曲が一つあった。自転車レースという、サッカーとは大きく異なる競技でも、あの時の僕に瓜二つの情熱と気概を歌いあげたものが、平成後期のアニメOPに一曲だけ見付けられたのだ。僕は大急ぎでヘッドホンをして、その曲を聴いた。
すると、ある映像が脳裏に浮かんで来た。それは、サッカーの論文に使用している映像だった。約二か月前の七月十七日、僕は真山からサッカー部に関する悩みを打ち明けられ、それを機にサッカーの研究を始めた。研究の資料として、部活や試合の真山の映像を自由に閲覧及び使用できる許可を得た僕は、サッカーをする真山の大ファンだったこともあり映像を見まくった。その映像が今、アニソンの歌詞に合わせて、脳裏に次々浮かび上がって来たのである。僕は研究ファイルを素早くめくり、浮かび上がった映像を順番につまみ上げ、新たに出した2D画面の下半分に並べてゆく。上半分にはアニソンの歌詞を書き、呼吸も忘れて両者を組み合わせて行った。そして五分後、
「真山バージョンのOP映像、できちゃった」
僕は独り言ちた。歌詞の下に動画が並んでいるだけで編集も何もしていないけど、真山バージョンのOP映像を僕は作ってしまったのである。感慨に浸る数秒を過ごしたのち、美夜さんと咲耶さんに動画の編集をお願いしてみた。すると、
「本当なら眠留が自分ですべきだけど」
「今すぐ見せたいっていう、眠留の気持ちもわかるし」
「どうする、さっちゃん?」
「ん~、今回は特別に手伝ってあげようか、みっちゃん」
仕方ないわねえという演技をして、二人はそれを引き受けてくれた。髪飾りをプレゼントしてから、二人は明らかに優しくなっている。それだけなら「しょせんプレゼントかよ」系の気持ちを多少持ったかもしれないが、今のような演技を必ずしてくれるので、姉と姉の友人にほっこりする弟の気分を毎回味わわせてもらっていた。というか多分、このほっこりこそが、髪飾りのお礼なんだろうな。
なんて考えが頭をよぎったほんの一瞬で、動画編集は終わった。AランクAIが協力したのだからそれで当然と一笑に付すのは、特殊AIの存在を明かされていない人達の感覚。特殊AIの美夜さんと咲耶さんは、人と変わらない心を持っている。しかも美夜さんは僕をよく知り、咲耶さんは真山をよく知っているのだから、編集に費やした時間が通常のAIと同じだとしても、もたらされる感動は桁違いなはずなのである。そしてそれは、
「どうしたんだい眠留」
僕を案じる真山によって正しかったことが証明された。なんと僕は感動のあまり、真山バージョンのOP動画を、全てを忘れて見続けていたのだ。しかも僕は滂沱の涙を流していて、そんなことは僕にとって日常茶飯事と知りつつも、真山はそれでも案じる気持ちを抑えきれず、すぐそばにやって来て僕に声をかけてくれたそうなのである。幸い美夜さんが気を利かせて、2D画面に指向性を持たせてくれたから真山OPはバレなかったが、次も幸運に恵まれると考えるのは愚の骨頂。肩の触れ合う場所に真山がいるこの状況を、逃してはならない最高のチャンスと捉えた僕は、事の経緯を明かした。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます
はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。
果たして恋人とはどうなるのか?
主人公 佐藤雪…高校2年生
攻め1 西山慎二…高校2年生
攻め2 七瀬亮…高校2年生
攻め3 西山健斗…中学2年生
初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!
新説・鶴姫伝! 日いづる国の守り神 PART1 ~この恋、日本を守ります!~
朝倉矢太郎(BELL☆PLANET)
キャラ文芸
「もうこんな国、どうなってもいいんじゃない?」
みんながそう思った時、でかいゾンビの大群が襲って来て、この国はあっけなく崩壊した。
でもまだ大丈夫、この国には『あのお姫様』がいるから…!
ゾンビも魔族も悪い政治家・官僚まで、残らずしばいて世直ししていく超絶難易度の日本奪還ストーリー、いよいよ開幕。
例えどんな時代でも、この物語、きっと日本を守ります!!
すべての世界で、キミのことが好き♥~告白相手を間違えた理由
立坂雪花
児童書・童話
✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:.+*:゚+。✨.゚・*..☆.。.:*✨
結愛は陸のことが好きになり、告白しようとしたけれど、間違えて悠真に告白することになる。そうなった理由は、悠真の元に届いたあるメールが原因で――。
☆綾野結愛
ヒロイン。
ピンクが大好きな中学二年生!
うさぎに似ている。
×
☆瀬川悠真
結愛の幼なじみ。
こっそり結愛のことがずっと好き。
きりっとイケメン。猫タイプ
×
☆相川陸
結愛が好きになった人。
ふんわりイケメン。犬タイプ。
結愛ちゃんが告白相手を間違えた理由は?
悠真の元に、未来の自分からメール?
☆。.:*・゜
陸くんに告白するはずだったのに
間違えて悠真に。
告白してからすれ違いもあったけれど
溺愛される結愛
☆。.:*・゜
未来の自分に、過去の自分に
聞きたいことや話したい事はありますか?
☆。.:*・゜
――この丘と星空に、キミがいる。そんな景色が見たかった。
✩.*˚第15回絵本・児童書大賞エントリー
散りばめられたきずなたち✩.*˚
迦具夜姫異聞~紅の鬼狩姫~
あおい彗星(仮)
キャラ文芸
かぐや姫×陰陽師の和風バトルファンタジー!
あらすじ
紅い月が昇る夜に月から堕ちてくる罪人──月鬼。
彼らから人々を守るために、闘う武人。
それが陰陽師であった。
平安時代から今もなお続く闘いに、一人の少女が足を踏み入れる。
大切なものを探すために。約束を胸に抱いて──。
第1夜 陰陽師
主人公の神野緋鞠(かみのひまり)は、見習い陰陽師。相棒の妖怪、銀狼(ぎんろう)と共に陰陽師の聖地である古都“大和”に向かう途中、行き倒れてしまい──。
【暁入隊編】
第2夜 古都大和
大和に着いた緋鞠と銀狼。銀狼の旧知や謎の少年との出会い。兄の情報を知る老人との再会など、試験前にもひと波乱!
第3夜 鬼狩試験
鬼狩試験が開始。
校舎内を探していると、突然結界に異変が起きる。実体化する体、月鬼の出現。そして、元凶との対峙。絶体絶命のピンチに陥る緋鞠は、無事に月の裁定者と契約を交わし、力を手にいれることができるのか。
第4夜 天岩戸の天照
四鬼との激闘の末、月姫と無事契約を交わした緋鞠は、病院で目を覚ます。数日経ってもなかなか傷が治らず、落ち込む緋鞠に琴音はとある女性の話をする。どんな病気や怪我、呪いでさえも治してみせる太陽のように美しい女性薬師──天岩戸の天照のうわさ。
緋鞠は彼女に会うために脱走作戦を決行!?
【星命学園編】
第5夜 星命学園
いよいよ星命学園に入学。
楽しい学園生活に期待を膨らませていたが、早速波乱の予感!? 新キャラも増えて大騒ぎ!
そして松曜から明かされる、兄の最後の任務とは──。
第6夜 夢みる羊
波乱の一日目を終えた緋鞠。二日目は警戒して学園へと挑むも、嬉しい伝言が。しかし、そんなうきうき気分も粉砕!?
催される体力測定、その名も「100メェーとる走」!100匹の羊を捕まえろ……って100匹!?戸惑う生徒たちに、見守る教師たち。それぞれの想いとは──。
第7夜 忘却の地下牢
模擬試験前日。翼が誰ともチームを組んでいないことを知り、そのことで翼と喧嘩になってしまい、落ち込む緋鞠。
そんなとき、翼の過去を知る生徒と戦闘になり、罰として地下牢に入れられてしまう。
そこでみた、幼き日の記憶の断片とは。
第8夜 心休める時
澪の蔵で目を覚ます緋鞠。ゆっくり休むよう言われるが、地下牢で見た出来事が気になってしまって眠れない。
小雨の音を聞きながら緋鞠が思い出すのは、あの約束。
そして、たまたまあの人も起きていて?
──予告──
いよいよ始まる模擬試験。
緋鞠は翼に誘われ、琴音も加えた三人+一匹のチームを組むことに。
対する瑠衣と来栖は、己が一番となるために全力で闘うことを宣言。
勝利はどのチームに輝くのか。
──第9夜 模擬試験(前編)
君に会うため僕は君の
石田空
青春
これは、間違った恋の話。
小さい頃から繰り返し見る夢。
入江満は、高校二年生の夏に、ポニーテールの少女に殺されるという夢を繰り返し見続けていた。
なんとか夢を回避しようと行動してみても、着々と夢のとおりに時は過ぎていく。
そんな中、遂に自分を殺す少女、海鳴なぎさと出会う。
「あなたがいると、わたしの好きな人が死んじゃうの」
そんなことを言われても、満には心当たりがない。
部活にまで追いかけてこられ、彼女と不本意な交流を深めていくものの、傍若無人なはずのなぎさがだんだんと壊れていくことに気付く。
満は彼女を放っておくことができなくって。
僕は君に会うため、君の──。
継母ですが、娘を立派な公主に育てます~後宮の事件はご内密に~
絹乃
キャラ文芸
母である皇后を喪った4歳の蒼海(ツァンハイ)皇女。未来視のできる皇女の養育者は見つからない。こんなに可愛いのに。愛おしいのに。妃嬪の一人である玲華(リンホア)は皇女の継母となることを誓う。しかし皇女の周りで事件が起こる。謎? 解き明かしましょう。皇女を立派な公主に育てるためならば。玲華の子育てを監視するためにやってきたのは、侍女に扮した麗しの青年だった。得意の側寫術(プロファイリング)を駆使して事件を解決する、継母後宮ミステリー。※表紙は、てんぱる様のフリー素材をお借りしています。
幻星の想叶者(旧題:幻想の錬金術師)
明星 志
キャラ文芸
ある夜、死に場所を求めていた加賀美俊郎は、たどり着いたビルの屋上で不思議な青年・稲月遥と出会う。
遥は自然現象に対する人々の想いや物にこめられた想いを詠み、幻想結晶を作り出す幻想錬金術師。俊郎に奇跡の技を見せて、その力で俊郎に殺意を抱く犯人捜しを申し出る。
やがて二人は事件へと巻き込まれて行く……
「想い」をめぐって繰り広げられる空想科学×ファンタジー×ヒューマンドラマ!
【完結】後宮の化粧姫 ~すっぴんはひた隠したい悪女ですが、なぜか龍皇陛下に迫られているのですが……?!~
花橘 しのぶ
キャラ文芸
生まれつきの顔の痣がコンプレックスの後宮妃、蘭月(らんげつ)。
素顔はほぼ別人の地味系女子だが、他の誰にも負けない高い化粧スキルを持っている。
豪商として名を馳せている実家でも、化粧スキルを活かした商品開発で売上を立てていたものの、それを妬んだ兄から「女なのに生意気だ」と言われ、勝手に後宮入りさせられる。
後宮の妃たちからは、顔面詐欺級の化粧と実家の悪名により、完全無欠の美貌を持つ悪女と思われているのだった。
とある宴が終わった夜、寝床を抜け出した先で出会ったのは、幼いもふもふ獅子の瑞獣、白沢(はくたく)。そして、皇帝―漣龍(れんりゅう)だった。
すっぴんを見せたくないのにも関わらず、ぐいぐいと迫ってくる漣龍。
咄嗟に「蘭月付の侍女である」と嘘をつくと、白沢を保護して様子を定期報告するよう頼まれる。
蘭月付の侍女として、後宮妃として、2つの姿での後宮ライフが始まっていく。
素顔がバレないよう、後宮妃としてはひっそり過ごそうと決めたものの、化粧をきっかけに他の妃たちとの距離もだんだんと縮まり、後宮内でも目立つ存在になっていって——?!
すっぴんはひた隠したい化粧姫蘭月と、そんな彼女を自分のものにしたい皇帝の中華後宮恋愛ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる