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十六章
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「今日の翔子姉さんには、秘密を明かそうとする気配が感じられるんだ。それは間違いだとしてもそんな気がしてならない僕が、翔子姉さんを邪魔に思うはずないじゃないか!」
この発言は、美鈴にある行動を取らせた。美鈴は翔子姉さんにズイッと体を寄せその手を握り、真剣そのものの眼差しで、首を縦にブンブン振ったのである。
それは、僕が頻繁にする行動だった。残念脳味噌のせいで言葉を紡げず、しかしせめて感情を体で表現しようとしたとき、僕がよくする行動だった。
それを美鈴は今、翔子姉さんにしていた。超高性能頭脳をもってしても処理不可能な感情に美鈴は翻弄されていて、だが胸の内をどうしても伝えたくてならず、直情的にそれを表現していたのだ。言葉にできない想いを翔子姉さんに直接ぶつけることで、言葉という不完全な器に無理やり押し込めていない真っさらな心を、美鈴は翔子姉さんの心に直接届けようとしていたのである。
そしてひょっとすると、それは翔子姉さんが僕を抱きしめられる、解答の一つなのかもしれなかった。
言葉にできない想いが、一切の体裁を越える時がある。
年齢や性別を越え、愛する弟や妹を、姉が抱きしめる時がある。
翔子姉さんにとって僕はその対象となる弟だから、「人でも諦めなくていいわ。だって姉弟なんだし」と、いつもの口調で言ったのかもしれなかった。
そよぐ風のように、振りそそぐ光のように、大地を潤す雨のように、この姉は胸の内を伝えてくれたのかもしれなかった。
僕には、そう感じられたのである。
その翔子姉さんが不思議な、それでいて全く不思議ではないような行動を美鈴にした。
自分のおでこを、美鈴のおでこにゆっくりゆっくり近づけてゆき、そして二つをくっ付けたのである。
その光景は、無上の幸せを僕の心にもたらした。おでこをくっ付けてもらっている美鈴ももちろんそれは変わらず、美鈴はうっとりした表情で目を閉じ、幸せを噛みしめていた。
のだけど、
「・・・?」
美鈴は思いもよらぬモノを目にした表情になった。しかしそれは比較的早く、
「・・・ッッ!!」
驚愕と驚喜を混ぜ合わせた表情に変わった。翔子姉さんがおでこを離すと同時に見開かれた美鈴の瞳が、知的好奇心の光を眩しいばかりに放っている。そんな美鈴の頭を優しく撫で、美鈴がふにゃふにゃの子猫になったのを確認してから、翔子姉さんは体ごとこちらに向けて僕の手を取った。
この状況でなければ赤面を免れなかったはずだが、今この瞬間だけは、翔子姉さんの手の柔らかさを指先に感じても、大好きな姉に手を握ってもらい笑み崩れるただの弟で僕はいられた。
しかしそれから続く数秒間は、弟ではいられなかった。瞼を閉じた翔子姉さんがおでこをくっ付けようと僕に近づいて来て、そのおでこに僕のおでこが触れるまでの数秒間は、申し訳なさの極みだが翔子姉さんは姉ではなく、一人の女性だった。僕の過去生がその数秒間を、キスをするまでの時間と錯覚してしまったのである。
いや、それは真の理由ではない。
翔子姉さんのためにも、ここは正直になろう。
その数秒間を、キスをするまでの時間と錯覚した真の理由は、香雪を持たない翔子姉さんの香りが、数多の初恋の記憶を呼び覚ましたからに他ならなかったのだ。
知識として知っているのみだが、翔猫は人の鋳型を空間に造り、そこに自然界の生命力を吹き込むことで、かりそめの肉体を創造する。その技術に長けるほど人でいられる時間は伸びてゆき、そしてある程度長くなると、女性を花の香りにする香雪も人の体と一緒に創造できるようになるらしい。ただ中吉は少し事情が異なり、貴子さんとして初めてこの世に出現した時期が僕の誕生と重なったため、赤ちゃんの善玉菌を香雪より早く肌に定着させる事になった。赤ん坊は子宮の中で母親の善玉菌に包まれて成長し、誕生後も自前の表皮常在菌を得るまでそれは変わらず、よって赤ちゃんの僕をとても世話してくれた貴子さんは一時期、赤ちゃんと同じ匂いがしていたと言う。子供を産んだ直後の母親の本能にその匂いはド直球以外の何ものでもなく、母が貴子さんを肉親として認識するきっかけになったそうだが話を元に戻すと、貴子さんが持っている香雪を翔子姉さんはまだ持っていない。人の姿を数時間しかとれない翔子姉さんは、同年齢の女性の善玉菌を創造しているだけなのだそうだ。然るにおでこを近づけてきた翔子姉さんは健康そのものの、清潔極まる十六歳の超絶美少女の香りを纏っており、それが現世の僕を突き抜け、複数の過去世の記憶を貫いた。それら無数の記憶の中で最も共鳴したのが、憧れの年上女性に年端も行かない僕が抱いた、ほのかな初恋の想い出だったのである。
というアレコレを翔子姉さんに後で正直に伝えるべきなのか、それとも輝夜さんとの今日の出来事から学んだ「香りは秘する」を適用すべきなのかを悩んでいるうち、翔子姉さんのおでこが僕のおでこに触れた。
触れるなり、弟としてどれほど愛されているかが心に直接伝わってきた僕は、恥ずかしがられようがヘンタイと罵られようが、初恋の記憶を呼び覚まされたことをこの姉に打ち明ける覚悟をした。
その覚悟は、自分で言うのもなんだが、現時点の僕が成し得る最高の潔さだったのだろう。
最高の潔さに清められ、僕の心の透明度が増してゆく。
すると心に、青と白と緑に彩られた星が、ふと宇宙に浮かび上がった。
その星の青は海、白は雲、緑の部分は森。
それらが一瞬で見て取れる、自然豊かな美しい星。
そんな星が宇宙に浮かんでいる映像が、心に映し出されたのだ。
しかしその星は、色合いは地球と酷似していても、地球ではなかった。
海の青さと雲の白さは同じでも、森に覆われた大陸の形状が、地球とは全く異なっていた。
そう、それは人類のまだ知らない、遠い場所に存在する惑星だったのである。
その惑星の地表へ、僕は降下してゆく。
大河が海辺に形成した、野生動物の楽園たる広大な三角州に、僕は急降下してゆく。
その三角州の、青々とした草原をゆっくり移動する、人工物があった。
それは空中に浮かぶ直径30キロ強の、円形状の巨大都市だった。
都市外周に四千メートル級の高層ビルがずらりと並んでいて、高層ビルの内側は緑豊かな公園と、広々とした運動場と、高くても三階までしかない建築物がまばらに設けられていた。その都市の上空には最も一般的な交通手段なのか、空飛ぶ畳と形容したくなる乗り物が無数に飛び交っていた。そんな、地球の数千年先を行く科学都市が、地上100メートルの空中をゆっくり移動していたのだ。
その都市内側の、学校とおぼしき場所へ向かう空飛ぶ畳の一つに、僕は近づいて行った。
降下しつつ後ろを追いかけているため顔は見えないが、畳に腰を下ろす生物の後ろ姿は紛れもない、猫科の大型獣だった。
体形はチーター、体長は大型のジャガー、黄金色の体毛に覆われたその猫は畳にお尻をつき、二本の前足は伸ばして上体を支え、そのつま先に尻尾の先端をちょこんと乗せて、近づきつつある学校にピンと立てた両耳を向けていた。
その畳が減速し、校舎の正面に設けられた芝生のグラウンドの、上空2メートルに止まる。猫は後ろ脚二本で立ち上がり畳から飛び降りるも、それは人間に譬えるなら、20センチの段差を降りる程度の運動でしかなかったらしい。だがそれはその猫の身体能力が格別に優れているからであり、同じようにグラウンドへ降り立つ同級生達の畳は半分の1メートルの高さしかないのに、その猫と同程度の着地衝撃を後ろ脚に受けているようだった。よってその猫は同級生達から称賛の眼差しを向けられ、親密な沢山の挨拶をされ、そして友人達にたちまち取り囲まれて楽しげにおしゃべりを始めた。
その猫がふと、おしゃべりを止め振り返り、上空を見つめる。
僕は透明なはずで、いやこれは記憶を再生した映像に過ぎないから僕はそこにいないはずなのに、その猫と僕は確かにその瞬間、視線を交差させた。
だから理屈を経ず悟った。
この美しい十代半ばの猫は、地球に転生する前の、小吉の前世の姿なのだと。
この発言は、美鈴にある行動を取らせた。美鈴は翔子姉さんにズイッと体を寄せその手を握り、真剣そのものの眼差しで、首を縦にブンブン振ったのである。
それは、僕が頻繁にする行動だった。残念脳味噌のせいで言葉を紡げず、しかしせめて感情を体で表現しようとしたとき、僕がよくする行動だった。
それを美鈴は今、翔子姉さんにしていた。超高性能頭脳をもってしても処理不可能な感情に美鈴は翻弄されていて、だが胸の内をどうしても伝えたくてならず、直情的にそれを表現していたのだ。言葉にできない想いを翔子姉さんに直接ぶつけることで、言葉という不完全な器に無理やり押し込めていない真っさらな心を、美鈴は翔子姉さんの心に直接届けようとしていたのである。
そしてひょっとすると、それは翔子姉さんが僕を抱きしめられる、解答の一つなのかもしれなかった。
言葉にできない想いが、一切の体裁を越える時がある。
年齢や性別を越え、愛する弟や妹を、姉が抱きしめる時がある。
翔子姉さんにとって僕はその対象となる弟だから、「人でも諦めなくていいわ。だって姉弟なんだし」と、いつもの口調で言ったのかもしれなかった。
そよぐ風のように、振りそそぐ光のように、大地を潤す雨のように、この姉は胸の内を伝えてくれたのかもしれなかった。
僕には、そう感じられたのである。
その翔子姉さんが不思議な、それでいて全く不思議ではないような行動を美鈴にした。
自分のおでこを、美鈴のおでこにゆっくりゆっくり近づけてゆき、そして二つをくっ付けたのである。
その光景は、無上の幸せを僕の心にもたらした。おでこをくっ付けてもらっている美鈴ももちろんそれは変わらず、美鈴はうっとりした表情で目を閉じ、幸せを噛みしめていた。
のだけど、
「・・・?」
美鈴は思いもよらぬモノを目にした表情になった。しかしそれは比較的早く、
「・・・ッッ!!」
驚愕と驚喜を混ぜ合わせた表情に変わった。翔子姉さんがおでこを離すと同時に見開かれた美鈴の瞳が、知的好奇心の光を眩しいばかりに放っている。そんな美鈴の頭を優しく撫で、美鈴がふにゃふにゃの子猫になったのを確認してから、翔子姉さんは体ごとこちらに向けて僕の手を取った。
この状況でなければ赤面を免れなかったはずだが、今この瞬間だけは、翔子姉さんの手の柔らかさを指先に感じても、大好きな姉に手を握ってもらい笑み崩れるただの弟で僕はいられた。
しかしそれから続く数秒間は、弟ではいられなかった。瞼を閉じた翔子姉さんがおでこをくっ付けようと僕に近づいて来て、そのおでこに僕のおでこが触れるまでの数秒間は、申し訳なさの極みだが翔子姉さんは姉ではなく、一人の女性だった。僕の過去生がその数秒間を、キスをするまでの時間と錯覚してしまったのである。
いや、それは真の理由ではない。
翔子姉さんのためにも、ここは正直になろう。
その数秒間を、キスをするまでの時間と錯覚した真の理由は、香雪を持たない翔子姉さんの香りが、数多の初恋の記憶を呼び覚ましたからに他ならなかったのだ。
知識として知っているのみだが、翔猫は人の鋳型を空間に造り、そこに自然界の生命力を吹き込むことで、かりそめの肉体を創造する。その技術に長けるほど人でいられる時間は伸びてゆき、そしてある程度長くなると、女性を花の香りにする香雪も人の体と一緒に創造できるようになるらしい。ただ中吉は少し事情が異なり、貴子さんとして初めてこの世に出現した時期が僕の誕生と重なったため、赤ちゃんの善玉菌を香雪より早く肌に定着させる事になった。赤ん坊は子宮の中で母親の善玉菌に包まれて成長し、誕生後も自前の表皮常在菌を得るまでそれは変わらず、よって赤ちゃんの僕をとても世話してくれた貴子さんは一時期、赤ちゃんと同じ匂いがしていたと言う。子供を産んだ直後の母親の本能にその匂いはド直球以外の何ものでもなく、母が貴子さんを肉親として認識するきっかけになったそうだが話を元に戻すと、貴子さんが持っている香雪を翔子姉さんはまだ持っていない。人の姿を数時間しかとれない翔子姉さんは、同年齢の女性の善玉菌を創造しているだけなのだそうだ。然るにおでこを近づけてきた翔子姉さんは健康そのものの、清潔極まる十六歳の超絶美少女の香りを纏っており、それが現世の僕を突き抜け、複数の過去世の記憶を貫いた。それら無数の記憶の中で最も共鳴したのが、憧れの年上女性に年端も行かない僕が抱いた、ほのかな初恋の想い出だったのである。
というアレコレを翔子姉さんに後で正直に伝えるべきなのか、それとも輝夜さんとの今日の出来事から学んだ「香りは秘する」を適用すべきなのかを悩んでいるうち、翔子姉さんのおでこが僕のおでこに触れた。
触れるなり、弟としてどれほど愛されているかが心に直接伝わってきた僕は、恥ずかしがられようがヘンタイと罵られようが、初恋の記憶を呼び覚まされたことをこの姉に打ち明ける覚悟をした。
その覚悟は、自分で言うのもなんだが、現時点の僕が成し得る最高の潔さだったのだろう。
最高の潔さに清められ、僕の心の透明度が増してゆく。
すると心に、青と白と緑に彩られた星が、ふと宇宙に浮かび上がった。
その星の青は海、白は雲、緑の部分は森。
それらが一瞬で見て取れる、自然豊かな美しい星。
そんな星が宇宙に浮かんでいる映像が、心に映し出されたのだ。
しかしその星は、色合いは地球と酷似していても、地球ではなかった。
海の青さと雲の白さは同じでも、森に覆われた大陸の形状が、地球とは全く異なっていた。
そう、それは人類のまだ知らない、遠い場所に存在する惑星だったのである。
その惑星の地表へ、僕は降下してゆく。
大河が海辺に形成した、野生動物の楽園たる広大な三角州に、僕は急降下してゆく。
その三角州の、青々とした草原をゆっくり移動する、人工物があった。
それは空中に浮かぶ直径30キロ強の、円形状の巨大都市だった。
都市外周に四千メートル級の高層ビルがずらりと並んでいて、高層ビルの内側は緑豊かな公園と、広々とした運動場と、高くても三階までしかない建築物がまばらに設けられていた。その都市の上空には最も一般的な交通手段なのか、空飛ぶ畳と形容したくなる乗り物が無数に飛び交っていた。そんな、地球の数千年先を行く科学都市が、地上100メートルの空中をゆっくり移動していたのだ。
その都市内側の、学校とおぼしき場所へ向かう空飛ぶ畳の一つに、僕は近づいて行った。
降下しつつ後ろを追いかけているため顔は見えないが、畳に腰を下ろす生物の後ろ姿は紛れもない、猫科の大型獣だった。
体形はチーター、体長は大型のジャガー、黄金色の体毛に覆われたその猫は畳にお尻をつき、二本の前足は伸ばして上体を支え、そのつま先に尻尾の先端をちょこんと乗せて、近づきつつある学校にピンと立てた両耳を向けていた。
その畳が減速し、校舎の正面に設けられた芝生のグラウンドの、上空2メートルに止まる。猫は後ろ脚二本で立ち上がり畳から飛び降りるも、それは人間に譬えるなら、20センチの段差を降りる程度の運動でしかなかったらしい。だがそれはその猫の身体能力が格別に優れているからであり、同じようにグラウンドへ降り立つ同級生達の畳は半分の1メートルの高さしかないのに、その猫と同程度の着地衝撃を後ろ脚に受けているようだった。よってその猫は同級生達から称賛の眼差しを向けられ、親密な沢山の挨拶をされ、そして友人達にたちまち取り囲まれて楽しげにおしゃべりを始めた。
その猫がふと、おしゃべりを止め振り返り、上空を見つめる。
僕は透明なはずで、いやこれは記憶を再生した映像に過ぎないから僕はそこにいないはずなのに、その猫と僕は確かにその瞬間、視線を交差させた。
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