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十六章
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「波と粒子の性質を併せ持つという電子の性質は、量子力学によって発見されました。電子は観測者が現れると、波から粒子へ変化するのです。これを無形から有形への変化とし、御使いを観測者とし、それに『鉱漿を用いて金属に特別な性質を付与する』を加味して、太鏘の説明を僕なりに言い換えてみますね」
僕は深呼吸を一つして、言った。
「アトランティス人は、鉱漿を用いて中性子を半ば目覚めさせることで観測者とし、電子を粒子に変えていた。またそれにより、陽子と電子と中性子を連携の取れたチームとして機能させ、本来持っていない様々な能力を付与していた。こんな感じで、どうかな」
これまでで最大の拍手が沸き起こり、然るに僕もこれまでで最大の照れ照れ状態になったのだけど、今回は妹達が助けてくれた。
★電子の不思議な性質を知らなかった私に、とても解りやすいイメージをミーサが送ってくれたから、眠留さんの今の話、なんとか理解できたよ★
「ああよかった。あれは、アニメ好きのお兄ちゃん用に美夜姉さんが選んだ、半世紀以上昔からある名作動画をもとに、大急ぎで作ったイメージなの」
★アニメってあの、絵が動く物語のこと?★
「そうそれそれ。お兄ちゃんはいわゆる、アニメオタクなんだ」
★オタクってあの、趣味が高じて奇人変人レベルになっちゃった、人達のこと?★
「凜ちゃんごめん、オタクについては後日きちんと説明しますから、今日はそのへんで許してください!」
これを「妹達が助けてくれた」とするのは、賛否両論あるのだろう。でも褒められるよりイジられることに慣れている僕としては、優しく賢い妹達による助力以外の何物でもなかったのである。
とまあそれはさておき、輝夜先生は場の空気を授業へ引き戻すべく、関連資料を空中に次々映して行った。
「少し遠回りですが眠留くんの今の話は、水道管とICチップを例に挙げると解りやすいでしょう。蛇口を捻るだけで水が勢いよく出るように、水道管の水には圧力がかけられています。よって水道管は、この水圧までは耐えられるがそれ以上になると水漏れが生じる、というふうに作られています。これは電線にも同じことが言えて、この電線にこれ以上の電圧をかけると電流が漏れる、という現象が発生します」
輝夜さんはここで、電線や高圧電線が市街地に張り巡らされていた、二十世紀の日本の映像を映した。電線が地中に埋められている現在の風景しか知らない凜ちゃんは、昔の日本の様子を興味深げに見つめていた。
「しかしICチップなどに使われている非常に細い電線では、電流漏れが起きないはずの電圧でも、電子が漏れてしまう事があります。秘密のトンネルを通り抜けたように、電子がスルッと逃げることがあるのです」
へえそうなんだ、と僕は手をポンと打った。輝夜先生はニッコリ頷き、ICチップの映像に両手を添え、それをグイッと広げて、極細の電線を手首の太さに拡大した。
「電線を流れる電子に観測者はいませんから、電子は確率の存在になっています。よって電子の進路の99.9999%が電線の中にあっても、0.0001%の確率で電線の外が進路になる事がある。これは百万分の一という確率でしかありませんが、電線には膨大な数の電子が流れているため、百万個に一個は電線の外に出てしまう。これは純粋な確率ですから、物理的な障壁で防ぐのは不可能とされています。光をも吸い込むブラックホールの中ですらトンネル効果は発生し、電子が次々逃げてゆき、それがブラックホールに寿命を与えていると言われていますね」
「ウオオオーッ!」
ブラックホールという中二心を刺激しまくる語彙に僕は思わず叫んでしまったが、お叱りを受けることはなかった。なぜなら、
「なんとなんと、ブラックホールとな!」
あろうことか姫様が、僕以上に興奮していたからである。武蔵野国の守り神たる武蔵野姫と言えど、知っているのは関東地方の一部だけで、きっと宇宙は管轄外なのだろう。悠久の歳月を生きてきた姫様にとって、管轄外地域の未知なる話を聴くことは、知的興奮を呼び覚ますエンターテイメントなのかもしれないと僕は思った。
輝夜さんもそう感じたのか、ブラックホールの誕生について簡単な解説を始めた。自らの重力により凝縮を重ねていった超重力星が、事象の地平線を越えてブラックホール化する場面では、「奈落じゃ~地獄じゃ~地上に返してたもれ~」と、お化け屋敷や絶叫マシンを楽しむノリで姫様ははしゃいでいた。そんな姫様に感化され、凜ちゃんの心に知的探求の火花が生じた気がチラリとし、そしてひょっとするとそれこそを、武蔵野の母神たる姫様は狙っていたのではないかと僕は思った。
そんな感じの息抜きを兼ねた時間を経て、摩訶不思議な電子の授業は再開する。
「勘違いしてはならないのが、トンネル効果は普通の電線でも起こっているという事です。ただ電線は通常、ゴムなどの絶縁体で覆われていて、その絶縁体に電子が漏れる程度ですから問題は発生しません。しかし極細の電線を狭い範囲に複数配置すると、逃げ出した電子が隣の電線に入り、誤作動を引き起こすことがある。よってICチップや集積回路は、トンネル効果による電子の逃亡をあらかじめ計算し、設計されているんですね」
照れながら話したミーサによると、量子AIにとってトンネル効果は日常的な出来事に過ぎず、量子回路内の電子の逃亡や引っ越しを一つ一つ把握しながら演算を行っているとの事だった。人にそれらは知覚できずともミーサや美夜さんは実感できるのだし、またブラックホール内でも行われているのだから、トンネル効果は宇宙の恒常現象なのだと僕は認識した。その認識を、僕が持ったことを確認した輝夜さんはにっこり微笑み、円盤を指さして言った。
「白銀家の研究所によると、トンネル効果を始めとする電子の逃亡が、この円板には一切生じていないそうです。眠留くん、これはどういう事なのでしょうか」
にっこり微笑む美貌の先生に目尻を下げまくっていた僕は、たっぷり三秒間その間抜け面をキープしたのち、
「へ?」
我に返り首を傾げた。
――宇宙の恒常現象なのに、トンネル効果が起きないなんて、あるの?
と、今更ながら質問の難解さを理解したのである。思い余った僕は図らずも、
「えっと、白銀家は研究所を所有していたんですね」
なんてトンチンカンな発言をしてしまった。姫様とミーサと凜ちゃんの、押し殺した笑い声が廊下に満ちる。その三人の笑顔に免じる形で、先生は渋々答えてくれた。
「アトランティスの遺物であるこの円盤への探求心が、白銀家の財力の半分を築いたと私は聞いています。明治時代の銅の専門家に始まり、鉄やアルミを経て現在のレアメタルに至る金属関連の専門家と、量子力学の専門家が白銀家一門には大勢いて、円盤の秘密保持の必要性から自前の研究所を先祖が設立したそうです。この純チタンの未知の結晶構造に摩擦力軽減のヒントを得て、汎用性の高い特許を複数取ったとも、父は話していましたね」
この円盤の表面は結晶化していて事実上最高の平面を形成しているのに、分子間力が働かないのだと言う。出雲の特殊コーティングにその特許が活かされている気がして並々ならぬ関心を示した僕のため、輝夜さんは分子間力の講義をしてくれた。だが初歩のイオン間相互作用あたりはまだしも、ファンデルワールス力ともなると完全なお手上げ状態だった。しかし人とは面白いもので、輝夜さんの講義を何とか理解しようとしていた僕は、極微世界を身近な存在として捉えられるようになったのだと思う。「中性子は御使い」という太鏘の言葉が脳裏をよぎったとたん、
「ああなるほど、オリハルコンはそういう金属だったのか!」
僕は深呼吸を一つして、言った。
「アトランティス人は、鉱漿を用いて中性子を半ば目覚めさせることで観測者とし、電子を粒子に変えていた。またそれにより、陽子と電子と中性子を連携の取れたチームとして機能させ、本来持っていない様々な能力を付与していた。こんな感じで、どうかな」
これまでで最大の拍手が沸き起こり、然るに僕もこれまでで最大の照れ照れ状態になったのだけど、今回は妹達が助けてくれた。
★電子の不思議な性質を知らなかった私に、とても解りやすいイメージをミーサが送ってくれたから、眠留さんの今の話、なんとか理解できたよ★
「ああよかった。あれは、アニメ好きのお兄ちゃん用に美夜姉さんが選んだ、半世紀以上昔からある名作動画をもとに、大急ぎで作ったイメージなの」
★アニメってあの、絵が動く物語のこと?★
「そうそれそれ。お兄ちゃんはいわゆる、アニメオタクなんだ」
★オタクってあの、趣味が高じて奇人変人レベルになっちゃった、人達のこと?★
「凜ちゃんごめん、オタクについては後日きちんと説明しますから、今日はそのへんで許してください!」
これを「妹達が助けてくれた」とするのは、賛否両論あるのだろう。でも褒められるよりイジられることに慣れている僕としては、優しく賢い妹達による助力以外の何物でもなかったのである。
とまあそれはさておき、輝夜先生は場の空気を授業へ引き戻すべく、関連資料を空中に次々映して行った。
「少し遠回りですが眠留くんの今の話は、水道管とICチップを例に挙げると解りやすいでしょう。蛇口を捻るだけで水が勢いよく出るように、水道管の水には圧力がかけられています。よって水道管は、この水圧までは耐えられるがそれ以上になると水漏れが生じる、というふうに作られています。これは電線にも同じことが言えて、この電線にこれ以上の電圧をかけると電流が漏れる、という現象が発生します」
輝夜さんはここで、電線や高圧電線が市街地に張り巡らされていた、二十世紀の日本の映像を映した。電線が地中に埋められている現在の風景しか知らない凜ちゃんは、昔の日本の様子を興味深げに見つめていた。
「しかしICチップなどに使われている非常に細い電線では、電流漏れが起きないはずの電圧でも、電子が漏れてしまう事があります。秘密のトンネルを通り抜けたように、電子がスルッと逃げることがあるのです」
へえそうなんだ、と僕は手をポンと打った。輝夜先生はニッコリ頷き、ICチップの映像に両手を添え、それをグイッと広げて、極細の電線を手首の太さに拡大した。
「電線を流れる電子に観測者はいませんから、電子は確率の存在になっています。よって電子の進路の99.9999%が電線の中にあっても、0.0001%の確率で電線の外が進路になる事がある。これは百万分の一という確率でしかありませんが、電線には膨大な数の電子が流れているため、百万個に一個は電線の外に出てしまう。これは純粋な確率ですから、物理的な障壁で防ぐのは不可能とされています。光をも吸い込むブラックホールの中ですらトンネル効果は発生し、電子が次々逃げてゆき、それがブラックホールに寿命を与えていると言われていますね」
「ウオオオーッ!」
ブラックホールという中二心を刺激しまくる語彙に僕は思わず叫んでしまったが、お叱りを受けることはなかった。なぜなら、
「なんとなんと、ブラックホールとな!」
あろうことか姫様が、僕以上に興奮していたからである。武蔵野国の守り神たる武蔵野姫と言えど、知っているのは関東地方の一部だけで、きっと宇宙は管轄外なのだろう。悠久の歳月を生きてきた姫様にとって、管轄外地域の未知なる話を聴くことは、知的興奮を呼び覚ますエンターテイメントなのかもしれないと僕は思った。
輝夜さんもそう感じたのか、ブラックホールの誕生について簡単な解説を始めた。自らの重力により凝縮を重ねていった超重力星が、事象の地平線を越えてブラックホール化する場面では、「奈落じゃ~地獄じゃ~地上に返してたもれ~」と、お化け屋敷や絶叫マシンを楽しむノリで姫様ははしゃいでいた。そんな姫様に感化され、凜ちゃんの心に知的探求の火花が生じた気がチラリとし、そしてひょっとするとそれこそを、武蔵野の母神たる姫様は狙っていたのではないかと僕は思った。
そんな感じの息抜きを兼ねた時間を経て、摩訶不思議な電子の授業は再開する。
「勘違いしてはならないのが、トンネル効果は普通の電線でも起こっているという事です。ただ電線は通常、ゴムなどの絶縁体で覆われていて、その絶縁体に電子が漏れる程度ですから問題は発生しません。しかし極細の電線を狭い範囲に複数配置すると、逃げ出した電子が隣の電線に入り、誤作動を引き起こすことがある。よってICチップや集積回路は、トンネル効果による電子の逃亡をあらかじめ計算し、設計されているんですね」
照れながら話したミーサによると、量子AIにとってトンネル効果は日常的な出来事に過ぎず、量子回路内の電子の逃亡や引っ越しを一つ一つ把握しながら演算を行っているとの事だった。人にそれらは知覚できずともミーサや美夜さんは実感できるのだし、またブラックホール内でも行われているのだから、トンネル効果は宇宙の恒常現象なのだと僕は認識した。その認識を、僕が持ったことを確認した輝夜さんはにっこり微笑み、円盤を指さして言った。
「白銀家の研究所によると、トンネル効果を始めとする電子の逃亡が、この円板には一切生じていないそうです。眠留くん、これはどういう事なのでしょうか」
にっこり微笑む美貌の先生に目尻を下げまくっていた僕は、たっぷり三秒間その間抜け面をキープしたのち、
「へ?」
我に返り首を傾げた。
――宇宙の恒常現象なのに、トンネル効果が起きないなんて、あるの?
と、今更ながら質問の難解さを理解したのである。思い余った僕は図らずも、
「えっと、白銀家は研究所を所有していたんですね」
なんてトンチンカンな発言をしてしまった。姫様とミーサと凜ちゃんの、押し殺した笑い声が廊下に満ちる。その三人の笑顔に免じる形で、先生は渋々答えてくれた。
「アトランティスの遺物であるこの円盤への探求心が、白銀家の財力の半分を築いたと私は聞いています。明治時代の銅の専門家に始まり、鉄やアルミを経て現在のレアメタルに至る金属関連の専門家と、量子力学の専門家が白銀家一門には大勢いて、円盤の秘密保持の必要性から自前の研究所を先祖が設立したそうです。この純チタンの未知の結晶構造に摩擦力軽減のヒントを得て、汎用性の高い特許を複数取ったとも、父は話していましたね」
この円盤の表面は結晶化していて事実上最高の平面を形成しているのに、分子間力が働かないのだと言う。出雲の特殊コーティングにその特許が活かされている気がして並々ならぬ関心を示した僕のため、輝夜さんは分子間力の講義をしてくれた。だが初歩のイオン間相互作用あたりはまだしも、ファンデルワールス力ともなると完全なお手上げ状態だった。しかし人とは面白いもので、輝夜さんの講義を何とか理解しようとしていた僕は、極微世界を身近な存在として捉えられるようになったのだと思う。「中性子は御使い」という太鏘の言葉が脳裏をよぎったとたん、
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