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五章
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それからは、ただただ楽しい時間が続いた。
「美鈴ちゃん、このおむすびの塩加減絶妙すぎ。汗を沢山かいて塩分の足りなくなった体に、これほどの御馳走はないわ」
「美鈴ちゃんが土鍋でお米を炊いてくれたからこそ、塩加減が引き立っているのよ。粒の立ったご飯を、絶妙な塩加減で丁寧にコーティングしているから、お米の甘みと天然塩のハーモニーを一粒一粒で楽しむことができるのね」
「しかもそれを絶妙な力加減で握っているから、米の粒々感とコシヒカリ特有のもちもち感の両方を味わえるようになっている。齧り付いた時のもちもち、それが口の中でほどけて粒々、しかも一粒一粒が旨い。これはもう、達人の領域ね」
「本当に達人のおむすびだわ。私お米が大好きだから、ついつい食べ過ぎちゃう。このままじゃ糖質過剰摂取で、太っちゃうかも」
「輝夜が太るわけないじゃない。それでも心配なら、絹サヤとワカメの酢味噌和えをどうぞ」
「わあ、取り分けてくれてありがとう。じゃあ昴は、圧力鍋で芯まで柔らかくなった牛筋をどうぞ」
「ええっと、おいらも牛筋を、味見させてもらえるかにゃ?」
「「もちろんよ、たんとお食べ!」」
なんて料理話に花を咲かせたり、
「んん~、丁度いい風が吹いて気持ちいい」
「しかもここの風は、とっても美味しいのよね」
「あっそうか、輝夜の実家は都内だもんね。港区だったような」
「うん、港区南青山。都内の空気は昔より格段に綺麗って言われているけど、それでもこことは比べ物にならない。こんな贅沢な風、あの家では決して望めないわ」
「超一等地の広大なお屋敷に住んでるなんて凄まじい贅沢な気がするけど、緑豊かで気持ちいい風がいつも吹いてるってのは、考えようによってはもっと贅沢なのかもね」
「多摩湖と狭山湖を渡ってきた瑞々しい空気が、鎮守の森で芳しい涼風になって、大欅の木陰を吹き抜けてゆく。湖校の空気も美味しいけど、ここはもっと美味しいの」
「ええっと、この森は地域の猫達から、天国の森って呼ばれているのにゃ」
「「ええっそうなの、なんでなんで~!!」」
みたいな感じに娘二人と末吉がワイワイやり、僕と美鈴はその様子をニコニコ眺める役に徹していたのだけど、豊かな緑や料理を喜んでもらえるだけで、僕ら兄妹は満ち足りた気持ちになったのだった。
とはいうものの、楽しすぎるせいで大切な何かを忘れている気が、さっきから心をカリカリ引っ掻いているのも事実だった。よって指摘される前に、思い切ってそれを口に乗せてみた。
「そうそう、二人に訊きたいんだけど、僕は大切な何かを忘れていたりする?」
すると即座に、
「ぷぷっ」「あははっ」「にゃははははっ」
と大笑いされてしまった。でも元々すこぶる楽しい上に、大好きな人達が楽しげに笑っているものだから、僕は残念脳みそ丸出しで一緒に笑い転げていた。そんなダメ兄を救ってくれたのは普段どおり、僕には勿体なさ過ぎの妹だった。
「お兄ちゃん、必要になると思って、昨夜の名刺を持ってきたよ」
美鈴がポシェットからハイ子を取り出し僕に渡した。そこには僕だけに見える指向性2Dで紫柳子さんの名刺と、ピックニック終了まで残り十五分というメモが表示されていた。僕は愕然とした。名刺を忘れていたのは仕方ないとしても、輝夜さんと昴の休憩時間を忘れていたのは許される事ではない。午後一時から薙刀の練習に打ち込むことを望んでいる二人には、食後の充分な休憩が絶対必要だからだ。僕は現在時刻を確認した。今は十一時半。十五分後の四十五分までにピクニックを終えれば、二人は午後に支障のない休憩時間を取ることができるのだろう。落ち込んでいる暇はないし第一そんな空気はこの場にそぐわないと判断した僕は、努めて落ち着いて二人に昨日のことを話した。
「僕は昨日秋葉原で、旧三翔家の一つである、狼嵐家の翔人と出会ったんだ」
この手のことを理路整然と話すのが、僕は大の苦手だ。しかし昨夜美鈴に話したのが活きて、二度目にあたる今回を、僕はそこそこ納得できるレベルで果たす事ができた。また子犬の個所は美鈴同様、輝夜さんと昴の心を鷲掴みにしたらしく、二人は瞳を潤ませてその話を聴いてくれた。
「紫柳子さんは美麗な容姿と、優しく温かな心を併せ持つ女性なのね」
「それにとても賢い方でもあるわ。人の心を知るためAIの現身に子犬を選び、皆で可愛がり育ててあげて欲しいって頼むなんて、素敵すぎよ」
「ええ、何より心根の素敵な方なのね。それに、この名刺のセンスも素晴らしいわ。薄紫色の空に青いシリウスが輝き、柳が風にさらさらそよいでいる。紫柳子さんの気品が、この詩的な情景にありありと感じられるの」
「うん、芸術性と気品を見事に両立させた、素晴らしい名刺だと思う。しかもこの名刺、最も格式高い名刺なのよ」
「あっ、やっぱりそうなのね。フィニッシングスクールで習ったことを思い出すから、輝夜、採点してくれない?」
「もちろんいいわ。昴、頑張って!」
それからの数分は、僕にとっても美鈴にとっても大変勉強になる時間だった。昴によると名刺にもドレスコードがあり、状況に合わせて適切に使い分けることが求められるらしい。新忍道本部執行役員である紫柳子さんは、世界中の3DG組織と交流しているに違いないから、名刺の格も熟知しているはず。その紫柳子さんが第一級名刺を渡してくれたという事は、こちらも相応の返礼をせねばならない。それに関する知識を、二人は教えてくれたのである。返礼以外の部分を箇条書きにすると、こんな感じになるだろう。
一.第一級名刺は無断複製等の不正を防ぐため、メインAIからメインAIへ直接送信される。名刺の格が下がるほど、AIの格も下がって行く。
二.各言語への翻訳機能や高画質、そしてセキュリティプログラム等の関係で、第一級名刺は最も多い情報量を持つ。格の低下に伴い、情報量も少なくなっていく。
三.名刺のドレスコードにも性別や年齢による違いが設けられている。これは名刺という日本独自の文化が世界へ広まる際、西洋の文化を取り入れたからだと言われている。
「紫柳子さんの名刺は送信方法、情報量、ドレスコードのすべてで第一級名刺の条件を満たしているわ。また意匠から、紫柳子さんは十代後半の女性であることと・・・」
ここで昴は輝夜さんへ、なぜか思わせ振りな目を向けた。輝夜さんはドギマギした様子で反論する。
「な、何よ。ここまで文句なしの満点なんだから、最後まで言えばいいのに」
「だって、あなたの瞳がこんなにキラキラ輝いているんですもの。わたし胸がキュンキュンしちゃって」
「もう、昴のイジワル!」
みたいな感じに二人はじゃれあって喧嘩を始めた。その様子が何ともほのぼのしていて僕は鼻の下を伸ばしっぱなしだったのだけど、時間も気になるので、仲裁の意味も込め補足説明をした。
「名刺にもドレスコードがあるって僕は今日初めて知ったから、昴が何を伏せたのかもさっぱりだ。でも、思い当たる節ならある。紫柳子さんは、ハンカチをとても大切に使っていてね。そのハンカチを縁取るレースと、この名刺のレースは、同じに思えるんだよ」
慈しむようにハンカチを扱う紫柳子さんと、大人の女性としては可愛らしい印象を受ける純白のレースが印象的で、僕はそれをよく覚えていた。「だからほぼ間違いない」と僕は二人に力説した。あれは紫柳子さんが彼氏からプレゼントされたハンカチで、名刺の意匠もその影響を受けているのだろう、と。
そのとたん、
「キャ~!」
「羨ましい~!」
「胸がキュンキュンする~!」
「美鈴ちゃん、このおむすびの塩加減絶妙すぎ。汗を沢山かいて塩分の足りなくなった体に、これほどの御馳走はないわ」
「美鈴ちゃんが土鍋でお米を炊いてくれたからこそ、塩加減が引き立っているのよ。粒の立ったご飯を、絶妙な塩加減で丁寧にコーティングしているから、お米の甘みと天然塩のハーモニーを一粒一粒で楽しむことができるのね」
「しかもそれを絶妙な力加減で握っているから、米の粒々感とコシヒカリ特有のもちもち感の両方を味わえるようになっている。齧り付いた時のもちもち、それが口の中でほどけて粒々、しかも一粒一粒が旨い。これはもう、達人の領域ね」
「本当に達人のおむすびだわ。私お米が大好きだから、ついつい食べ過ぎちゃう。このままじゃ糖質過剰摂取で、太っちゃうかも」
「輝夜が太るわけないじゃない。それでも心配なら、絹サヤとワカメの酢味噌和えをどうぞ」
「わあ、取り分けてくれてありがとう。じゃあ昴は、圧力鍋で芯まで柔らかくなった牛筋をどうぞ」
「ええっと、おいらも牛筋を、味見させてもらえるかにゃ?」
「「もちろんよ、たんとお食べ!」」
なんて料理話に花を咲かせたり、
「んん~、丁度いい風が吹いて気持ちいい」
「しかもここの風は、とっても美味しいのよね」
「あっそうか、輝夜の実家は都内だもんね。港区だったような」
「うん、港区南青山。都内の空気は昔より格段に綺麗って言われているけど、それでもこことは比べ物にならない。こんな贅沢な風、あの家では決して望めないわ」
「超一等地の広大なお屋敷に住んでるなんて凄まじい贅沢な気がするけど、緑豊かで気持ちいい風がいつも吹いてるってのは、考えようによってはもっと贅沢なのかもね」
「多摩湖と狭山湖を渡ってきた瑞々しい空気が、鎮守の森で芳しい涼風になって、大欅の木陰を吹き抜けてゆく。湖校の空気も美味しいけど、ここはもっと美味しいの」
「ええっと、この森は地域の猫達から、天国の森って呼ばれているのにゃ」
「「ええっそうなの、なんでなんで~!!」」
みたいな感じに娘二人と末吉がワイワイやり、僕と美鈴はその様子をニコニコ眺める役に徹していたのだけど、豊かな緑や料理を喜んでもらえるだけで、僕ら兄妹は満ち足りた気持ちになったのだった。
とはいうものの、楽しすぎるせいで大切な何かを忘れている気が、さっきから心をカリカリ引っ掻いているのも事実だった。よって指摘される前に、思い切ってそれを口に乗せてみた。
「そうそう、二人に訊きたいんだけど、僕は大切な何かを忘れていたりする?」
すると即座に、
「ぷぷっ」「あははっ」「にゃははははっ」
と大笑いされてしまった。でも元々すこぶる楽しい上に、大好きな人達が楽しげに笑っているものだから、僕は残念脳みそ丸出しで一緒に笑い転げていた。そんなダメ兄を救ってくれたのは普段どおり、僕には勿体なさ過ぎの妹だった。
「お兄ちゃん、必要になると思って、昨夜の名刺を持ってきたよ」
美鈴がポシェットからハイ子を取り出し僕に渡した。そこには僕だけに見える指向性2Dで紫柳子さんの名刺と、ピックニック終了まで残り十五分というメモが表示されていた。僕は愕然とした。名刺を忘れていたのは仕方ないとしても、輝夜さんと昴の休憩時間を忘れていたのは許される事ではない。午後一時から薙刀の練習に打ち込むことを望んでいる二人には、食後の充分な休憩が絶対必要だからだ。僕は現在時刻を確認した。今は十一時半。十五分後の四十五分までにピクニックを終えれば、二人は午後に支障のない休憩時間を取ることができるのだろう。落ち込んでいる暇はないし第一そんな空気はこの場にそぐわないと判断した僕は、努めて落ち着いて二人に昨日のことを話した。
「僕は昨日秋葉原で、旧三翔家の一つである、狼嵐家の翔人と出会ったんだ」
この手のことを理路整然と話すのが、僕は大の苦手だ。しかし昨夜美鈴に話したのが活きて、二度目にあたる今回を、僕はそこそこ納得できるレベルで果たす事ができた。また子犬の個所は美鈴同様、輝夜さんと昴の心を鷲掴みにしたらしく、二人は瞳を潤ませてその話を聴いてくれた。
「紫柳子さんは美麗な容姿と、優しく温かな心を併せ持つ女性なのね」
「それにとても賢い方でもあるわ。人の心を知るためAIの現身に子犬を選び、皆で可愛がり育ててあげて欲しいって頼むなんて、素敵すぎよ」
「ええ、何より心根の素敵な方なのね。それに、この名刺のセンスも素晴らしいわ。薄紫色の空に青いシリウスが輝き、柳が風にさらさらそよいでいる。紫柳子さんの気品が、この詩的な情景にありありと感じられるの」
「うん、芸術性と気品を見事に両立させた、素晴らしい名刺だと思う。しかもこの名刺、最も格式高い名刺なのよ」
「あっ、やっぱりそうなのね。フィニッシングスクールで習ったことを思い出すから、輝夜、採点してくれない?」
「もちろんいいわ。昴、頑張って!」
それからの数分は、僕にとっても美鈴にとっても大変勉強になる時間だった。昴によると名刺にもドレスコードがあり、状況に合わせて適切に使い分けることが求められるらしい。新忍道本部執行役員である紫柳子さんは、世界中の3DG組織と交流しているに違いないから、名刺の格も熟知しているはず。その紫柳子さんが第一級名刺を渡してくれたという事は、こちらも相応の返礼をせねばならない。それに関する知識を、二人は教えてくれたのである。返礼以外の部分を箇条書きにすると、こんな感じになるだろう。
一.第一級名刺は無断複製等の不正を防ぐため、メインAIからメインAIへ直接送信される。名刺の格が下がるほど、AIの格も下がって行く。
二.各言語への翻訳機能や高画質、そしてセキュリティプログラム等の関係で、第一級名刺は最も多い情報量を持つ。格の低下に伴い、情報量も少なくなっていく。
三.名刺のドレスコードにも性別や年齢による違いが設けられている。これは名刺という日本独自の文化が世界へ広まる際、西洋の文化を取り入れたからだと言われている。
「紫柳子さんの名刺は送信方法、情報量、ドレスコードのすべてで第一級名刺の条件を満たしているわ。また意匠から、紫柳子さんは十代後半の女性であることと・・・」
ここで昴は輝夜さんへ、なぜか思わせ振りな目を向けた。輝夜さんはドギマギした様子で反論する。
「な、何よ。ここまで文句なしの満点なんだから、最後まで言えばいいのに」
「だって、あなたの瞳がこんなにキラキラ輝いているんですもの。わたし胸がキュンキュンしちゃって」
「もう、昴のイジワル!」
みたいな感じに二人はじゃれあって喧嘩を始めた。その様子が何ともほのぼのしていて僕は鼻の下を伸ばしっぱなしだったのだけど、時間も気になるので、仲裁の意味も込め補足説明をした。
「名刺にもドレスコードがあるって僕は今日初めて知ったから、昴が何を伏せたのかもさっぱりだ。でも、思い当たる節ならある。紫柳子さんは、ハンカチをとても大切に使っていてね。そのハンカチを縁取るレースと、この名刺のレースは、同じに思えるんだよ」
慈しむようにハンカチを扱う紫柳子さんと、大人の女性としては可愛らしい印象を受ける純白のレースが印象的で、僕はそれをよく覚えていた。「だからほぼ間違いない」と僕は二人に力説した。あれは紫柳子さんが彼氏からプレゼントされたハンカチで、名刺の意匠もその影響を受けているのだろう、と。
そのとたん、
「キャ~!」
「羨ましい~!」
「胸がキュンキュンする~!」
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