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四章
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「次は、二階堂君」
「はい!」
背筋をピンと伸ばし二階堂は応えた。それに伴い、二階堂の気配が急に大きくなった気がして、僕は内心首を傾げた。
「君は3DGの戦闘中、仲間達が任務を果たしやすくなるよう、様々なことを人知れずしているのではないかな」
二階堂は顔をパッと輝かせ、背筋を更に伸ばした。
「的外れや空回りの方が多いですが、俺の中には確かにそんな俺がいます。どうしてわかったんですか?」
「うむ、君個人の数値には現れてなくとも、君が一員となったチームのステータスには、それがはっきり現れている。それを読み解くAIを開発するのが、本部での私の役目なのだよ」
これは口外しないで欲しいと前置きし、お姉さんは新忍道本部が今取り組んでいる課題の一つを明かしてくれた。
「3DGとスポーツの最も大きな違いは、『戦友』にあると私は考えている。スポーツは人同士が勝利を奪い合うが、3DGでは人とモンスターが命を奪い合う。その特異性が、3DGのメンバー内にスポーツではあまり見られない独自の絆、つまり『戦友としての絆』を形成してゆく。それを数値として読み取り、評価に反映しうるAIを開発するのが、我々が目下取り組んでいる課題の一つだ。もっとも今の私にできるのは、こんなチームステータスを持つ仲間同士は戦友になりやすいという例を、幾つか挙げるだけなのだがな」
そして君達はその最も典型的な例なのだよ、とお姉さんはニッコリ笑い、三つの画面を反転させた。僕ら三人は一斉に、画面へ身を乗り出した。
「君達は自主練中のステータスより、君達三人でモンスターと戦うステータスの方が高い。現行の公式AIでは、それを『本番に強いタイプだから』や『相性の良いメンバーだから』などと理由づけしてきたが、それでは不完全だと私は考えている。順を追って説明しよう」
お姉さんは手元に2Dキーボードを出し、凄まじい速度で指を走らせてゆく。上には上がいるなと、僕と二階堂は北斗を肘でつついた。
「まずは、練習中のステータスに本番中のステータスを被せ、その差を赤く表示してみよう。すると赤の総合計は、二階堂君が一番少ないという事になる。現行の公式AIが処理するのはここまでなため、二階堂君は真の評価を受け取っていないと私は考えている。二階堂君、本部の人間として謝罪する。本当にすまなかった」
お姉さんは居住まいを正し、深々と頭を下げた。二階堂は目を見開き体を硬直させたのち、大慌てで頭を下げ、そしてその姿勢のまま肩を震わせていた。僕と北斗は、そんな二階堂の背中をさすった。お姉さんも中腰になり、二階堂の頭を優しくなでていた。二階堂は顔を上げ背筋を伸ばし、「もう大丈夫です」と張りのある声で告げ、えへへと笑い目をぬぐう。お姉さんは潤んだ瞳で頷き、話を再開した。
「次に、左手首に巻いたメディカルバンドの情報を基に、君達の意識活動の活性率をグラフにしてみよう。各々の個性の違いが最も明確なものを出すから、君達は驚くだろうな」
というお姉さんの予言どおり新たな画面が三つ現れるや、
「どわ!」
「うわわ!」
「・・・・なるほど!」
僕らは左、右、中の順で、それぞれ驚きの声を上げた。
最初に声を上げた二階堂のグラフには、谷が一つあった。
次に声を上げた僕のグラフには谷とは真逆の、高低差の激しい山が一つあった。
最後の北斗のグラフにも山が一つあったが、それは僕の山より高低差が格段に少なく、山より丘のほうが適切な気がした。
「ほう、さすがは七ッ星、これだけで理解したか。だが、お前の水準に皆を合わせる訳にはいかない。七ッ星、先に進めていいかい?」
もちろんですと北斗は即答した。北斗だけ七ッ星と呼び捨てにされている事からも窺えるように、お姉さんと北斗は大層気が合うようだ。う~む、後でとっちめてやらねばな!
「では意識の活性率を表したこのグラフに、各自が自分のミッションに携わった時間を被せよう」
お姉さんはエンターキーを押し、ミッションに携わった時間を黄色の帯で表示した。僕は息を呑んだ。僕と北斗は山の部分がミッション遂行時間だったのに対し、二階堂は、谷の部分がミッション遂行時間だったのである。
「そしてこれが最後だ。さあ、三人のグラフを重ねるぞ!」
お姉さんの声が興奮の色で染まっている。僕もそれに負けないくらい興奮し、三つの画面が重なるのを食い入るように見つめた。「あっ」 僕は思わず声をもらした。なぜなら頭の回転の悪い僕にすら、それは一目瞭然だったのである。
二階堂は自分のミッションより、僕と北斗のミッションへ、より多くの注意をそそいでいたのだと。
「自分のミッションの遂行時は自分だけに注意を向けていれば良く、意識も自分一人に必要な量だけが活性化する。しかし仲間がミッションを遂行している間は、そうはいかない。敵がひょっこり現れないだろうか。もし現れたら自分はどう対応すべきだろうか。敵が現れずとも仲間がミッションを遂行しやすいよう、自分にできる事はないだろうか。二階堂はそれらを絶えず考え、そして行動に移している。よって仲間のミッション時は注意が二人分になるため、意識活性率も高くなるのだ。そしてこのように、二階堂が人知れずサポートしてくれているからこそ」
お姉さんはここで一旦言葉を切り、練習時と本番時のステータスの違いを拡大し、それを力強く指さした。
「七ッ星と猫将軍は、練習より高い能力を、本番で発揮することができるのだよ」
「「ッッ!!」」
ついさっきも僕は、押し殺した北斗の声を聞いた。
だが今回は、あることが前回とまるで違っていた。
それは、今回は僕ら三人全員が、同時にその声を上げたという事だった。
それから暫く、僕らは三人で肩を組み合って泣いた。お姉さんがティッシュペーパーとゴミ箱を用意してくれたので、僕らは心置きなく泣くことができた。お姉さんもティッシュペーパーを追加する振りをして、腰を上げたさい目元をぬぐっていた。
「私としたことが確認し忘れていた。君達の今後の予定は、どうなっているかい」
ティッシュペーパーを使う頻度が一段落した絶妙なタイミングで、お姉さんが僕らに問いかけた。頼りがいある我らがリーダー、北斗がハキハキ答えた。
「午後五時十分までに池袋駅に到着するのが、俺達が絶対守るべき唯一の予定です」
「ふむ、車ならどこで降りるのが便利かな」
北斗は二階堂へ顔を向けた。AICAはおろかバスすらほとんど使った事がないと言っていた二階堂は、ガレージの天井へしばし目を向けたのち、一言一言確認するようにゆっくり答えた。
「明治通りから鬼子母神の参道に入り、200メートルほど進んだ場所が便利です。そこなら、五時二十分でも余裕で間に合います」
お姉さんは少し驚いた様子で二階堂へ問うた。
「君のご両親は、湾岸学園都市で働いていらっしゃるのでは?」
「はいそうです。父はラグビーを、母はレスリングを教えています」
ほう、君は二階堂両先生の御子息だったかと、お姉さんは喜色を浮かべた。「直接ご指導頂いた事はないがお二人とも大変気さくな方々で、私は幾度も両先生に助けてもらった。ありがとう」 お姉さんはそう言って立ち上がり、淑やかに腰を折った。生粋の女戦士が不意打ちで魅せた、そのたおやかな姿に二階堂は飛び上り、「とととんでもございません!」と前転しかねないほどの勢いで上体を前へ投げ出していた。
「なら私のAICAを使うといい。その方が電車より速いから、私も話をすべて伝えられるだろう」
お姉さんは立ったまま僕らの頭上へ目をやる。僕らは振り返り、お姉さんの視線の先を追う。壁に掛けられた時計は、四時五分を指していた。
「AICAなら池袋の鬼子母神まで三十分かからない。よって会話は、四時四十五分までとする。我々に残された時間は四十分。足らぬことは無いが、有り余るほどでも無い。さあ、話を再開しよう」
「「イエス マム!」」
僕と北斗はさきほどの二階堂の如く飛び上り、三人で一斉に、お姉さんにビシッと敬礼したのだった。
「はい!」
背筋をピンと伸ばし二階堂は応えた。それに伴い、二階堂の気配が急に大きくなった気がして、僕は内心首を傾げた。
「君は3DGの戦闘中、仲間達が任務を果たしやすくなるよう、様々なことを人知れずしているのではないかな」
二階堂は顔をパッと輝かせ、背筋を更に伸ばした。
「的外れや空回りの方が多いですが、俺の中には確かにそんな俺がいます。どうしてわかったんですか?」
「うむ、君個人の数値には現れてなくとも、君が一員となったチームのステータスには、それがはっきり現れている。それを読み解くAIを開発するのが、本部での私の役目なのだよ」
これは口外しないで欲しいと前置きし、お姉さんは新忍道本部が今取り組んでいる課題の一つを明かしてくれた。
「3DGとスポーツの最も大きな違いは、『戦友』にあると私は考えている。スポーツは人同士が勝利を奪い合うが、3DGでは人とモンスターが命を奪い合う。その特異性が、3DGのメンバー内にスポーツではあまり見られない独自の絆、つまり『戦友としての絆』を形成してゆく。それを数値として読み取り、評価に反映しうるAIを開発するのが、我々が目下取り組んでいる課題の一つだ。もっとも今の私にできるのは、こんなチームステータスを持つ仲間同士は戦友になりやすいという例を、幾つか挙げるだけなのだがな」
そして君達はその最も典型的な例なのだよ、とお姉さんはニッコリ笑い、三つの画面を反転させた。僕ら三人は一斉に、画面へ身を乗り出した。
「君達は自主練中のステータスより、君達三人でモンスターと戦うステータスの方が高い。現行の公式AIでは、それを『本番に強いタイプだから』や『相性の良いメンバーだから』などと理由づけしてきたが、それでは不完全だと私は考えている。順を追って説明しよう」
お姉さんは手元に2Dキーボードを出し、凄まじい速度で指を走らせてゆく。上には上がいるなと、僕と二階堂は北斗を肘でつついた。
「まずは、練習中のステータスに本番中のステータスを被せ、その差を赤く表示してみよう。すると赤の総合計は、二階堂君が一番少ないという事になる。現行の公式AIが処理するのはここまでなため、二階堂君は真の評価を受け取っていないと私は考えている。二階堂君、本部の人間として謝罪する。本当にすまなかった」
お姉さんは居住まいを正し、深々と頭を下げた。二階堂は目を見開き体を硬直させたのち、大慌てで頭を下げ、そしてその姿勢のまま肩を震わせていた。僕と北斗は、そんな二階堂の背中をさすった。お姉さんも中腰になり、二階堂の頭を優しくなでていた。二階堂は顔を上げ背筋を伸ばし、「もう大丈夫です」と張りのある声で告げ、えへへと笑い目をぬぐう。お姉さんは潤んだ瞳で頷き、話を再開した。
「次に、左手首に巻いたメディカルバンドの情報を基に、君達の意識活動の活性率をグラフにしてみよう。各々の個性の違いが最も明確なものを出すから、君達は驚くだろうな」
というお姉さんの予言どおり新たな画面が三つ現れるや、
「どわ!」
「うわわ!」
「・・・・なるほど!」
僕らは左、右、中の順で、それぞれ驚きの声を上げた。
最初に声を上げた二階堂のグラフには、谷が一つあった。
次に声を上げた僕のグラフには谷とは真逆の、高低差の激しい山が一つあった。
最後の北斗のグラフにも山が一つあったが、それは僕の山より高低差が格段に少なく、山より丘のほうが適切な気がした。
「ほう、さすがは七ッ星、これだけで理解したか。だが、お前の水準に皆を合わせる訳にはいかない。七ッ星、先に進めていいかい?」
もちろんですと北斗は即答した。北斗だけ七ッ星と呼び捨てにされている事からも窺えるように、お姉さんと北斗は大層気が合うようだ。う~む、後でとっちめてやらねばな!
「では意識の活性率を表したこのグラフに、各自が自分のミッションに携わった時間を被せよう」
お姉さんはエンターキーを押し、ミッションに携わった時間を黄色の帯で表示した。僕は息を呑んだ。僕と北斗は山の部分がミッション遂行時間だったのに対し、二階堂は、谷の部分がミッション遂行時間だったのである。
「そしてこれが最後だ。さあ、三人のグラフを重ねるぞ!」
お姉さんの声が興奮の色で染まっている。僕もそれに負けないくらい興奮し、三つの画面が重なるのを食い入るように見つめた。「あっ」 僕は思わず声をもらした。なぜなら頭の回転の悪い僕にすら、それは一目瞭然だったのである。
二階堂は自分のミッションより、僕と北斗のミッションへ、より多くの注意をそそいでいたのだと。
「自分のミッションの遂行時は自分だけに注意を向けていれば良く、意識も自分一人に必要な量だけが活性化する。しかし仲間がミッションを遂行している間は、そうはいかない。敵がひょっこり現れないだろうか。もし現れたら自分はどう対応すべきだろうか。敵が現れずとも仲間がミッションを遂行しやすいよう、自分にできる事はないだろうか。二階堂はそれらを絶えず考え、そして行動に移している。よって仲間のミッション時は注意が二人分になるため、意識活性率も高くなるのだ。そしてこのように、二階堂が人知れずサポートしてくれているからこそ」
お姉さんはここで一旦言葉を切り、練習時と本番時のステータスの違いを拡大し、それを力強く指さした。
「七ッ星と猫将軍は、練習より高い能力を、本番で発揮することができるのだよ」
「「ッッ!!」」
ついさっきも僕は、押し殺した北斗の声を聞いた。
だが今回は、あることが前回とまるで違っていた。
それは、今回は僕ら三人全員が、同時にその声を上げたという事だった。
それから暫く、僕らは三人で肩を組み合って泣いた。お姉さんがティッシュペーパーとゴミ箱を用意してくれたので、僕らは心置きなく泣くことができた。お姉さんもティッシュペーパーを追加する振りをして、腰を上げたさい目元をぬぐっていた。
「私としたことが確認し忘れていた。君達の今後の予定は、どうなっているかい」
ティッシュペーパーを使う頻度が一段落した絶妙なタイミングで、お姉さんが僕らに問いかけた。頼りがいある我らがリーダー、北斗がハキハキ答えた。
「午後五時十分までに池袋駅に到着するのが、俺達が絶対守るべき唯一の予定です」
「ふむ、車ならどこで降りるのが便利かな」
北斗は二階堂へ顔を向けた。AICAはおろかバスすらほとんど使った事がないと言っていた二階堂は、ガレージの天井へしばし目を向けたのち、一言一言確認するようにゆっくり答えた。
「明治通りから鬼子母神の参道に入り、200メートルほど進んだ場所が便利です。そこなら、五時二十分でも余裕で間に合います」
お姉さんは少し驚いた様子で二階堂へ問うた。
「君のご両親は、湾岸学園都市で働いていらっしゃるのでは?」
「はいそうです。父はラグビーを、母はレスリングを教えています」
ほう、君は二階堂両先生の御子息だったかと、お姉さんは喜色を浮かべた。「直接ご指導頂いた事はないがお二人とも大変気さくな方々で、私は幾度も両先生に助けてもらった。ありがとう」 お姉さんはそう言って立ち上がり、淑やかに腰を折った。生粋の女戦士が不意打ちで魅せた、そのたおやかな姿に二階堂は飛び上り、「とととんでもございません!」と前転しかねないほどの勢いで上体を前へ投げ出していた。
「なら私のAICAを使うといい。その方が電車より速いから、私も話をすべて伝えられるだろう」
お姉さんは立ったまま僕らの頭上へ目をやる。僕らは振り返り、お姉さんの視線の先を追う。壁に掛けられた時計は、四時五分を指していた。
「AICAなら池袋の鬼子母神まで三十分かからない。よって会話は、四時四十五分までとする。我々に残された時間は四十分。足らぬことは無いが、有り余るほどでも無い。さあ、話を再開しよう」
「「イエス マム!」」
僕と北斗はさきほどの二階堂の如く飛び上り、三人で一斉に、お姉さんにビシッと敬礼したのだった。
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