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二章
フリースロー
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キュ~~ン♪
キュラ キュイィィィ~~~ン♪♪
エレキギターの甲高いサウンドがグラウンドにほとばしった。フリースローの演出が始まったのだ。僕らは会話を止め上空を見あげる。するとスピーディーな音楽をバックに、通常より小さめのバスケットゴールが空から急降下してきた。このド派手な演出に、グラウンド中から「「ヒャッハ~!!」」と大歓声が上がる。そうフリースローには、ストラックアウトとは真逆の演出がされているのだ。
ちっこくて可愛いバスケットゴールが、砂煙をモウモウとあげ地面に着地する。その5メートルほど手前でフリースローのペアがハイタッチし、そして女子だけ少し離れた場所へ移動した。十組のバスケットボール部員は女子の松本さんだけだから、男子が先攻なんだね。
先攻の村井が、体育祭実行委員からボールをパスされる。フリースローのボールはストラックアウトと異なり、ロープが付いていない。こっちは競技の性質上、ロープが絡まりやすいからだ。それ以外の理由もあるけど、それは後攻の松本さんになればわかる事だから、その時ってことで。
テケテケドドン♪
準備開始のエレキドラムが打ち鳴らされた。それを合図に村井が、
「お~い」
とバスケットゴールに手を振る。するとゴールの上に、感嘆符がピコンと出た。すかさず村井がオイデオイデをする。感嘆符をハートマークに替え、ゴールがピョコピョコ跳ねながら村井に近づいてきた。ここでクラスの女の子たちが、
「「もっと近くにおいで~~」」
と黄色い声を揃える。ゴールは頬を染めるようにバックボードをピンク色に替え、村井の2メートル手前まで近づいてきてそこに止まり、ゴールネットを直径1メートルの大きさにギュワンと広げた。ここで再び女の子たちが、
「「ありがとう~~」」
と声を揃える。ゴールはしばしモジモジしてから、背筋を伸ばすようにシャキンと静止した。僕らは笑い声の混じる盛大な拍手を、ゴールへ贈ったのだった。
ピ――!
競技開始のホイッスルが鳴った。村井が慎重に一球目を投擲する。ボールは綺麗な放物線を描き・・・というのは冗談で、放物線を描く間もなく目の前のネット中央に、
スポン!
と心地よい音を響かせて入った。十組のゴールの上に、大きな〇が映し出される。全クラスのゴールの上に二十個の〇を認めた僕らは、ヒューヒューと歓声を上げた。う~む、バスケはどうしてこうも、軽いノリが似合うのだろうか? ま、楽しいから全然いいんだけどさ。
皆の歓声を受け、ゴールが50センチ後ろにピョーンと飛び下がった。ほんの少しだけ難度が上がったのだ。50センチ遠ざかったネットへ、村井が二球目を慎重にシュート。スポンと軽快な音を響かせ、再び大きな〇が映し出された。浮かび上がる二十個の〇に、僕らはヒャッハーと浮かれ騒いだ。
それを受け、今度はゴールが自分の背を50センチ高くする。まあでもゴールネットの直径は1メートルのままだから、三球目も全クラスが難なくクリア。再び50センチ後ろへ飛び下がった四球目も、再度背を50センチ高くした五球目も、大きな〇が二十個浮かび皆ではしゃぎまくった。グラウンドは興奮のるつぼの一歩手前状態になっていた。
けどここで大きな変化が訪れる。ゴールがブルブル震えたのち、ゴールネットの直径を半分の50センチに狭めたのだ。この急激な難度上昇に、
「オー マイ ガーッ」
「ヘルプ ヘルプミー」
「ゴッド セイブズ アズ」
等々、この世の終わりとばかりに天を仰ぎ体をくの字に曲げ、皆口々に叫びまくっている。う~む、バスケだとどうしてこう、オーバージェスチャーになるのだろうか? ま、楽しいから全然いいんだけどさ!
それはさておき六球目、いきなり50センチに狭まったゴールはさすがに難しかったのだろう。半数のクラスがキューピットのサポートを使った。ウチの組もその一つでヘルプに入った松本さんが、綺麗な放物線を描くシュートで大きな〇を浮かび上らせてくれた。するとゴールの右側に、
『So CooL!』
の文字とゲージが出現し、ゲージが少し貯まった。フリースローには、シュートフォームと放物線の美しさを教育AIが判定し、ゲージに貯めるという要素が組み込まれているのだ。これは大天使のサポートを使うさい役立つのだけど、種明かしはその時のお楽しみってことで。
そうそう、この「美しさゲージ」が、フリースローをロープの無いボールで行う最大の理由。どんなに美しいフォームもどんなに美しい放物線もロープをぶら下げたボールじゃ、CooL!とは言えないからね。
七球目、位置を変えなくなったゴールへ村井がシュートを放つ。ボールは綺麗な放物線を描くも、ゴールの枠にぶつかりポ~ンと跳ね上がった。と言ってもゴールは3Dだから、跳ね上がったのも3Dのボール。スローモーションの演出が加味され、枠の上を綱渡りのように巡るボールを、十組全員が食い入るように見つめた。しかしボールは、残念ながらゴールの外へ落ちてしまう。一同肩を落とすも、村井の果敢な挑戦に皆で拍手を贈った。
ストラックアウトの場合、二度目のキューピットのサポートはXを〇へ自動的に変えるが、フリースローはそうではない。クラスメイトが見守る中、松本さんは見とれるほど綺麗なフォームと放物線で、Xを〇に見事変えてみせた。美しさゲージにも先ほどの二倍の量が加えられたため、僕らはハイテンションを取り戻したのだった。
八球目も松本さんはゲージを大量に蓄えたが、続く九球目、惜しくもゴールを逃してしまう。さあ、大天使のサポートの出番だ。遥か上空から純白の羽をたなびかせ大天使ミカエルが降臨し、煌めく宝剣を一閃。ゴールの上に浮かぶXを、ミカエルはかき消してくれた。言うまでもないけど、白と金の礼服に身を包む、白皙長身金髪碧眼超絶イケメンの大天使ミカエルに、クラスの女子達はずっと絶叫状態だ。僕は勇気を振り絞り、隣に座る輝夜さんへ目をやった。輝夜さんは普通の、極普通の笑顔で手を叩いているだけだった。ああ輝夜さん、あなたこそ僕の、永遠の大天使です!
右手に宝剣を携え空中に留まるミカエルが、左手を厳かにゲージへ向ける。すると蓄えられていた「美しさ」がみるみる減って行き、代わりにゴールネットがむくむく大きくなっていった。そうこれが、ゲージの役目。たった三球で大量の美しさを蓄えた松本さんのお陰で、ゴールの直径が1.5倍に拡大する。そこへ、ヘルプの村井が進み出て来た。そして大きくなったゴールへ、村井は今日一番素晴らしいフォームでシュートを放つ。ボールは流麗な放物線を描きゴールネットの真ん中へ、
スポン!
と吸い込まれていった。僕ら十組は男女の区別なく絶叫したのだった。
十球目、50センチの大きさに戻ったゴールを松本さんは難なくクリアし、十組は白組上位5クラスへ進出した。十一球目もクリアするが続く十二球目を失敗し、十組は紙一重のところで決勝進出を逃すこととなった。だがこの競技を、皆がメチャクチャ楽しんだことに変わりはない。フリースローを担当した村井松本ペアへ、僕らは惜しみない拍手を捧げたのだった。
「昴お帰り。お疲れ様でした」
体育祭実行委員の仕事を終え応援エリアに帰って来た昴へ、北斗が声をかけた。いつになく優しいその声に昴は頬を紅潮させ、そして北斗の隣に腰を下ろすと、満ち足りた空気にその身を包んだ。僕と猛はほのぼのと、輝夜さんと芹沢さんは年頃娘にしか出せないキラキラのオーラを振りまきながら、二人を温かく見守ったのだった。
ストラックアウトとフリースローという、ド派手かつスピーディーな競技を裏方で支えるのは、骨の折れる仕事と言える。特に昴は動き回る仕事を終始担当していたから、体力の消費が激しかったはずだ。僕らは飲み物やタオルや上着をせっせと提供することで、昴を労った。昴は「平気平気」と言いつつも、世話を焼かれとても嬉しそうにしていた。そんな幼馴染みへ、僕は小声で呟いた。
「お疲れ様、昴」と。
キュラ キュイィィィ~~~ン♪♪
エレキギターの甲高いサウンドがグラウンドにほとばしった。フリースローの演出が始まったのだ。僕らは会話を止め上空を見あげる。するとスピーディーな音楽をバックに、通常より小さめのバスケットゴールが空から急降下してきた。このド派手な演出に、グラウンド中から「「ヒャッハ~!!」」と大歓声が上がる。そうフリースローには、ストラックアウトとは真逆の演出がされているのだ。
ちっこくて可愛いバスケットゴールが、砂煙をモウモウとあげ地面に着地する。その5メートルほど手前でフリースローのペアがハイタッチし、そして女子だけ少し離れた場所へ移動した。十組のバスケットボール部員は女子の松本さんだけだから、男子が先攻なんだね。
先攻の村井が、体育祭実行委員からボールをパスされる。フリースローのボールはストラックアウトと異なり、ロープが付いていない。こっちは競技の性質上、ロープが絡まりやすいからだ。それ以外の理由もあるけど、それは後攻の松本さんになればわかる事だから、その時ってことで。
テケテケドドン♪
準備開始のエレキドラムが打ち鳴らされた。それを合図に村井が、
「お~い」
とバスケットゴールに手を振る。するとゴールの上に、感嘆符がピコンと出た。すかさず村井がオイデオイデをする。感嘆符をハートマークに替え、ゴールがピョコピョコ跳ねながら村井に近づいてきた。ここでクラスの女の子たちが、
「「もっと近くにおいで~~」」
と黄色い声を揃える。ゴールは頬を染めるようにバックボードをピンク色に替え、村井の2メートル手前まで近づいてきてそこに止まり、ゴールネットを直径1メートルの大きさにギュワンと広げた。ここで再び女の子たちが、
「「ありがとう~~」」
と声を揃える。ゴールはしばしモジモジしてから、背筋を伸ばすようにシャキンと静止した。僕らは笑い声の混じる盛大な拍手を、ゴールへ贈ったのだった。
ピ――!
競技開始のホイッスルが鳴った。村井が慎重に一球目を投擲する。ボールは綺麗な放物線を描き・・・というのは冗談で、放物線を描く間もなく目の前のネット中央に、
スポン!
と心地よい音を響かせて入った。十組のゴールの上に、大きな〇が映し出される。全クラスのゴールの上に二十個の〇を認めた僕らは、ヒューヒューと歓声を上げた。う~む、バスケはどうしてこうも、軽いノリが似合うのだろうか? ま、楽しいから全然いいんだけどさ。
皆の歓声を受け、ゴールが50センチ後ろにピョーンと飛び下がった。ほんの少しだけ難度が上がったのだ。50センチ遠ざかったネットへ、村井が二球目を慎重にシュート。スポンと軽快な音を響かせ、再び大きな〇が映し出された。浮かび上がる二十個の〇に、僕らはヒャッハーと浮かれ騒いだ。
それを受け、今度はゴールが自分の背を50センチ高くする。まあでもゴールネットの直径は1メートルのままだから、三球目も全クラスが難なくクリア。再び50センチ後ろへ飛び下がった四球目も、再度背を50センチ高くした五球目も、大きな〇が二十個浮かび皆ではしゃぎまくった。グラウンドは興奮のるつぼの一歩手前状態になっていた。
けどここで大きな変化が訪れる。ゴールがブルブル震えたのち、ゴールネットの直径を半分の50センチに狭めたのだ。この急激な難度上昇に、
「オー マイ ガーッ」
「ヘルプ ヘルプミー」
「ゴッド セイブズ アズ」
等々、この世の終わりとばかりに天を仰ぎ体をくの字に曲げ、皆口々に叫びまくっている。う~む、バスケだとどうしてこう、オーバージェスチャーになるのだろうか? ま、楽しいから全然いいんだけどさ!
それはさておき六球目、いきなり50センチに狭まったゴールはさすがに難しかったのだろう。半数のクラスがキューピットのサポートを使った。ウチの組もその一つでヘルプに入った松本さんが、綺麗な放物線を描くシュートで大きな〇を浮かび上らせてくれた。するとゴールの右側に、
『So CooL!』
の文字とゲージが出現し、ゲージが少し貯まった。フリースローには、シュートフォームと放物線の美しさを教育AIが判定し、ゲージに貯めるという要素が組み込まれているのだ。これは大天使のサポートを使うさい役立つのだけど、種明かしはその時のお楽しみってことで。
そうそう、この「美しさゲージ」が、フリースローをロープの無いボールで行う最大の理由。どんなに美しいフォームもどんなに美しい放物線もロープをぶら下げたボールじゃ、CooL!とは言えないからね。
七球目、位置を変えなくなったゴールへ村井がシュートを放つ。ボールは綺麗な放物線を描くも、ゴールの枠にぶつかりポ~ンと跳ね上がった。と言ってもゴールは3Dだから、跳ね上がったのも3Dのボール。スローモーションの演出が加味され、枠の上を綱渡りのように巡るボールを、十組全員が食い入るように見つめた。しかしボールは、残念ながらゴールの外へ落ちてしまう。一同肩を落とすも、村井の果敢な挑戦に皆で拍手を贈った。
ストラックアウトの場合、二度目のキューピットのサポートはXを〇へ自動的に変えるが、フリースローはそうではない。クラスメイトが見守る中、松本さんは見とれるほど綺麗なフォームと放物線で、Xを〇に見事変えてみせた。美しさゲージにも先ほどの二倍の量が加えられたため、僕らはハイテンションを取り戻したのだった。
八球目も松本さんはゲージを大量に蓄えたが、続く九球目、惜しくもゴールを逃してしまう。さあ、大天使のサポートの出番だ。遥か上空から純白の羽をたなびかせ大天使ミカエルが降臨し、煌めく宝剣を一閃。ゴールの上に浮かぶXを、ミカエルはかき消してくれた。言うまでもないけど、白と金の礼服に身を包む、白皙長身金髪碧眼超絶イケメンの大天使ミカエルに、クラスの女子達はずっと絶叫状態だ。僕は勇気を振り絞り、隣に座る輝夜さんへ目をやった。輝夜さんは普通の、極普通の笑顔で手を叩いているだけだった。ああ輝夜さん、あなたこそ僕の、永遠の大天使です!
右手に宝剣を携え空中に留まるミカエルが、左手を厳かにゲージへ向ける。すると蓄えられていた「美しさ」がみるみる減って行き、代わりにゴールネットがむくむく大きくなっていった。そうこれが、ゲージの役目。たった三球で大量の美しさを蓄えた松本さんのお陰で、ゴールの直径が1.5倍に拡大する。そこへ、ヘルプの村井が進み出て来た。そして大きくなったゴールへ、村井は今日一番素晴らしいフォームでシュートを放つ。ボールは流麗な放物線を描きゴールネットの真ん中へ、
スポン!
と吸い込まれていった。僕ら十組は男女の区別なく絶叫したのだった。
十球目、50センチの大きさに戻ったゴールを松本さんは難なくクリアし、十組は白組上位5クラスへ進出した。十一球目もクリアするが続く十二球目を失敗し、十組は紙一重のところで決勝進出を逃すこととなった。だがこの競技を、皆がメチャクチャ楽しんだことに変わりはない。フリースローを担当した村井松本ペアへ、僕らは惜しみない拍手を捧げたのだった。
「昴お帰り。お疲れ様でした」
体育祭実行委員の仕事を終え応援エリアに帰って来た昴へ、北斗が声をかけた。いつになく優しいその声に昴は頬を紅潮させ、そして北斗の隣に腰を下ろすと、満ち足りた空気にその身を包んだ。僕と猛はほのぼのと、輝夜さんと芹沢さんは年頃娘にしか出せないキラキラのオーラを振りまきながら、二人を温かく見守ったのだった。
ストラックアウトとフリースローという、ド派手かつスピーディーな競技を裏方で支えるのは、骨の折れる仕事と言える。特に昴は動き回る仕事を終始担当していたから、体力の消費が激しかったはずだ。僕らは飲み物やタオルや上着をせっせと提供することで、昴を労った。昴は「平気平気」と言いつつも、世話を焼かれとても嬉しそうにしていた。そんな幼馴染みへ、僕は小声で呟いた。
「お疲れ様、昴」と。
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