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12 泡となって消えた私に、新しい恋? え? でもこの姿って……すらいむ? ※
しおりを挟む* かの有名な悲恋ものの童話から。ごめんなさい! 一応スライム姦に当たるのかもしれません。あほエロです。頭を空っぽにしてどうぞ!
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「ようやく、みつけたわ~♡ んもー、大変、意識が残ってるだけなのね……どうしようかしら?」
(私を起こすのは、誰?)
「あなたにも幸せになってほしいの! 愛し、愛され、誰も引き裂くことのできない二人にっ! あなたの幸せを願う乙女が多数いるのよね~!」
(私が幸せになっていいの?)
「もちろん♡ 今の時代、種族なんて気にしなくていいの! あなたはあなたのままでいい! 運命の相手はすぐそこに! 唯一無二の存在よ~」
(……本当に? その人に会ってみたい!)
「よし! えっと……困ったわ、カラダが……そうね、じゃあ、とりあえずコレで!」
ぽにょん。
(わっ)
「お相手と仲良くするうちに経験値がたまって進化するから! 人型も取れるようになれるわよ♡ いちゃいちゃ大事♡ ずっとくっついてなさーい。お幸せに~!」
「…………」
ぽよん、ぽよん。
(話すことができないわ……)
「ねぇ、君、攻撃してこないの?」
目の前に、切り株に座る少年がいた。
まだ成人してないみたい。
(だって、あなたが私の運命の相手でしょ? 一体どうしたら……声を奪われたわけでもないし、足だって……。そうだ! くっつくように言われたわ!)
「わっ! え! なに⁉︎ あれ……? すりすりしてるの?」
(私、敵意はありません。だって、あなたと仲良くなりたいですもの)
「え? 今、女の子の声が聞こえた……⁉︎ 君がしゃべった? 僕、つまらないらしくて友達が誰もいないんだ。それでも僕と仲良くなりたいの?」
(はい。ぜひ! 私、このような姿をしていますが、もともとは海の国の姫でした)
「お姫様なの⁉︎ 名前は? どうやったら戻れるの?」
(……永い間、誰にも呼ばれることがなくて、名前は忘れてしまいました。あの……あなたにくっついていればいつか戻れると……)
「そう、なの? じゃあ、名前……メル、はどうかな? 僕はマーク」
(メル……すてきっ! ありがとうございます。マーク様、嬉しいです)
「マークでいいよ。じゃあ、抱っこするね……あ、なんか癒される。……かわいいなぁ。メルは僕だけの特別なスライムだ! でも、この姿だと、お母さんが許してくれないかも……」
(女神様がたくさんくっついて、いちゃいちゃすれば経験値がたまって、早く人型をとれると)
「そっか、わかった。僕の部屋に隠れていてよ! じゃあ、こっそり連れて帰るから、今からずっと離れちゃダメだよ!」
(はい。あの……もっと近づいていいですか? 私の本能がそうしろ、と……)
「うん! いいよ」
彼の襟元からするりと忍び込む。
跳ねる以外に平べったくなれるみたい。
(きゃっ……!)
勢い余って、ぽすん、っとズボンの中に落ちてしまった。
(ごめんなさいっ、どうしましょう! すぐ出ますわっ……せまい! おかしいっ、出れませんわっ)
「メルっ、動かないで! ちょっと、僕……そこはっ!」
じたばたしているうちに、いきなりスペースが狭くなった。
(……? 何かしら……なんだか温かくて、硬い棒ね。それに、とても、おいしそうな匂いがするわ)
私はそれに絡みついた。
「ああっ! 待って! 吸わないでーー! あっ、あーー‼︎」
すりすり、ちゅーちゅー、ゴクゴク。
(私、お腹が空いていたみたい。でもここに隠れていれば、誰にも見つからず、マークとずっと一緒にいられるわ!)
「え? え? それでいいの……? メル……? あれ? ピンク色に進化してる‼︎」
(これも経験値に加算されるのですね! 私、たくさんいただきたいですわ)
五年後。
「マーク……私!」
「メル……これが元の姿なんだね! 嬉しいよ!」
大きくなったマークに私はきつく抱きしめられてドキドキする。
「はい……それに、言葉で気持ちを伝えられるのって、幸せですね。マーク、出会ってからずっとずっと、大好きです」
「メル、俺も好きだ。愛している」
去年から一人暮らしをするようになったマークだけど、それは私達にとって幸せな同棲生活の始まりだった。
だって、パンツの中以外に姿を現していいのだから!
それでもお腹が空くとパンツの中に戻ったし、お風呂でも遠慮なく洗ってあげたわ。
夜は、ベッドに横になった裸のマークにぴったりくっついて、味わい尽くしたの。
多分そのおかげで経験値がいっぱいたまったみたい。
「夢みたいだ……とうとう俺の願いが叶う。今夜は俺がメルを味わう番だよ」
「マークが?」
「あぁ、一日中、今の姿でいられるように、たくさん触れ合おう。多分これまでとは違う経験値がもらえるんじゃないかな?」
そんなことが⁉︎
五年一緒にいても、知らないことがいっぱいだわ。
「メル。メルも気持ちよくなって」
ぽすん、とベッドに落とされて私の体が跳ねる。
でもすぐに、マークが私の両脚を大きく広げて、乗り上げるから。
「マーク?」
にやりと笑って、
「メルだって、俺の全てを知っているだろ?」
ずちゅん、と熱くて硬い私のご飯製造棒が体内に突き刺された。
「はぅっ! マーク、これ、変だわ!」
「……よくない?」
「マーク! 体が熱いの! なんだかいっぱい食べたくなっちゃった……っ!」
ずちゅずちゅとマークに腰を打ちつけられるの、気持ちいい。
「マークっ、いっぱい、食べさせてっ!」
「もちろんっ! これからは、こっちにたっぷり食べさせてやる」
「あ~~! マークっ、マークがいないと、私、死んじゃう~」
マークが私の体内にご飯を与えてくれた。
「もっとぉ~~!」
「わかってる! 愛する人を死なせるわけにはいかないなっ‼︎」
あのお方が言った通り、私、今とっても幸せになれたわ。
私の残りの人生はマークと共に生きていきます!
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お読みいただきありがとうございます……。色々と、ごめんなさい! でも書くのはものすごく楽しかったです。
応援ありがとうございます!
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