溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ

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「貴様らの息子をどうすべきか少し悩んだが、そうする必要もないほど、クズで助かった。あいつ、嫁に暴力を振るっていたそうだな。話しを聞きにいったわたしの使いの者に、泣きついてきたそうだ。あいつと別れられるならなんでもする、とな」

 それは初耳だったのか、フィオナの親であった者たちは僅かに目を丸くしたが──それだけだった。もはやそれどころではないほどに、混乱している。

 パニック状態の二人を見据え、ニールは淡々と告げた。

「本日をもって、貴様らの家産、ブラート公爵家とポール公爵家が、全てを差し押さえさせてもらう。そこから、息子の嫁に慰謝料を払っておいてやる。感謝しろ」

 二人の身体が、現実を受け止めきれず、小刻みに震えはじめた。

「ま、待ってくれ……何が何やら……」

「い、意味がわかりません……どうしてわたくしたちが……」

 ニールが、はは、と笑う。

「安心しろ。考える時間ならたっぷりある」

 後ろを見ろ。言われ、うつろな目で言われるまま振り向くと──こちらに向かってくる警察ヤードの姿が視界に入った。

「……なぜ、警察ヤードがここに……?」

 瞠目する男の問いを、ニールが答える。口元をゆるめながら。

 ここまでくるのに、どれだけ大変だったか。まさに寝食を削り、動いた。父親にも何度も頭を下げた。全ては、フィオナのために。


 ──そして、こいつらのこの顔を見るため。

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