15 / 21
第2部
第4話
しおりを挟む
「お兄ちゃん、久々の通常服だね!」
「そうだな、メイク道具とか新しいの買ったから楽しみだな」
明日は待ちに待ったコスイベで、奏多は愛佳と一緒に準備をしていた。
はじめと一緒に買ったカラコンを見て、早く見せたいな…と思っていると、奏多と愛佳のスマホが同時に鳴り、2人は顔を見合わせて首を傾げるとすぐに確認をした。
すると、ゆい達と一緒に作ったグループチャットにゆいからの連絡が入っていた。
『すみません、琉斗が風邪引いてダウンしちゃったんで…私と琉斗は不参加です…』
ぴえんとスタンプも送られてきて、奏多はしゅんと落ち込んだがまたスマホが鳴り確認するとそれは琉斗からだった。
『大丈夫です、ゆいが大袈裟に言っているだけなんで…明日ちゃんと行きます』
『39度近く熱があるので大袈裟じゃありませーん。大体奏多さんと愛佳ちゃんに移ったらどうするんだ?責任取れるのか?ん???』
ゆいの言葉と怒りスタンプに琉斗は『すみません…』と言ってきて、奏多は返した。
『それじゃあ、明日は俺と愛佳で楽しんできますね…琉斗さんはお大事に』
「残念だね、お兄ちゃん」
愛佳の言葉に奏多は頷くと、とりあえず準備の続きをしようとした瞬間にまたスマホが鳴った。だが今回は奏多だけだった。
確認をすると、それははじめからのチャットだった。
『奏多さん、明日のコスイベ参加しますか?もしするのでしたら一緒にいいですか?』
「お兄ちゃん?どうしたの?まさか琉斗さんから愛の言葉が!?」
「な、何を言っているんだ!違うよ!はじめさんから明日のコスイベ一緒にいいですか?って誘われたんだよ」
画面を見せたが、愛佳はピンと来ていないらしくうーん…と悩み出したが…気づいたらしく「あ!」と言うと大袈裟っぽく手のひらにポンと拳を置いた。
「この間のハイト王子やった人だ!」
「そうそう、あの日に連絡先を交換して…この間は一緒にウィッグやメイク道具を見たりして…」
そこまで言うと愛佳の表情が驚いていて、奏多は首を傾げた。
どうしてそんなに驚いているのか?と不思議そうに見ていると、愛佳が勢いよく顔を近づけてきて奏多は後ろに仰け反った。
「ま、愛佳!?」
「お兄ちゃん、いつのまにそんな仲良くなったの!?琉斗さんというイケメンが近くにいながら!!」
「!!??何でそこで琉斗さんが出てくるんだよ!!琉斗さんは関係ないだろ!?」
「うわーお兄ちゃん浮気者ー…琉斗さん可哀想ー…」
ジト目で見ながら言ってきた愛佳の言葉に奏多は「どういう事だよ!それ!!」と大声で怒鳴ってしまい親から怒られるのであった…。
そしてコスイベ当日。
レオンの通常衣装に身を包んだ奏多は、ラッキーの最新イベント衣装を着た愛佳と一緒に参加をしていた。
するとそこに「あ、奏多さん!」と名前を呼ばれて振り返るとそこにいたのは、ハイトの通常衣装に身を包んだはじめでパァァと嬉しそうに笑っていた。
「はじめさん、おはよう!ウィッグ凄く綺麗だね!これこの間の?」
「はい!あ、奏多さんもカラコンこの間のですか?凄く似合ってます!レオン王子の黄緑色の瞳が本当最高ですよね!」
盛り上がっていると視線を感じて、視線の方を見ると愛佳がジト目で見つめてきていて…すぐに昨日の会話を思い出してハッと我に帰った。
「あ、えっと、そう!ちゃんと紹介していなかったね!こちら妹の愛佳です」
「妹さん!ラッキー君いつも可愛いなと思っていたんです!蔵前はじめと申します、よろしくお願いします」
「はじめさん、よろしくお願いします!」
お互いに頭をぺこり下げると、とりあえず撮影を始めようと3人で撮影を開始した。
するとレオンとハイトの人気ペアに色んな方から声をかけて貰い、有難いなーと思いながら撮影に挑んでいると、ふと隣に立つはじめに目をやると前よりも堂々としていて嬉しさに笑みを浮かべてしまい…気づいたら女の子達が頬を赤らめて奏多を見ていた。
「え、え?」
「お兄ちゃん…レオン王子が微笑んでいたら死人出るから」
「え!?そんなに!?」
慌てて表情を作ると撮影を再開した。
撮影を一旦終えて休憩していると、愛佳が女の子2人組とお話をしていた。
どんな話をしているのか気になり聞いてみると……。
「えー、マルス王子風邪引いちゃったんですね…」
「マルス王子とレオン王子が好きなので残念です…いつも素敵な2人の写真楽しみにしているんです」
まさかの琉斗と自分の事に、しかも楽しみにしていると聞いて奏多は頬を緩ませてしまうが、すぐに表情を戻したが…はじめと目が合ってしまいすぐに逸らされてしまった。
「はじめさん!見ていたよね!?」
「見ていませんよ!嬉しそうに笑っている奏多さんなんて!」
「見ていたね!?てか、そこまで言えるなんて見ていたと同じじゃん!!」
ギャーギャー騒ぐ2人に愛佳はため息をつくと、スマホを取り出して2人を写真に収めた。
そしてある方に写真を送った。
「お、来た来た」
ゆいはスマホに届いたメッセージを見ると、すぐに画面を見た。
そこには楽しそうにしている奏多とはじめの写真があり、これは…と思っているとベッドに寝ている琉斗がじーっと見てきた。
「ゆい…まさか、奏多さんか?」
「…見たいか?今のお前にはかなりキツいと思う…って!!」
ゆいが言い終わる前に琉斗はスマホを奪い写真を見ると、スマホの画面を割る勢いで握り締めていて、すぐに気づいたゆいがスマホを無理矢理奪い返した。
「本当、琉斗!奏多さん絡みになると怖いわ!」
「…何なんだよ…奏多さんを最初に見つけたのは俺なのに……」
「そうだな、メイク道具とか新しいの買ったから楽しみだな」
明日は待ちに待ったコスイベで、奏多は愛佳と一緒に準備をしていた。
はじめと一緒に買ったカラコンを見て、早く見せたいな…と思っていると、奏多と愛佳のスマホが同時に鳴り、2人は顔を見合わせて首を傾げるとすぐに確認をした。
すると、ゆい達と一緒に作ったグループチャットにゆいからの連絡が入っていた。
『すみません、琉斗が風邪引いてダウンしちゃったんで…私と琉斗は不参加です…』
ぴえんとスタンプも送られてきて、奏多はしゅんと落ち込んだがまたスマホが鳴り確認するとそれは琉斗からだった。
『大丈夫です、ゆいが大袈裟に言っているだけなんで…明日ちゃんと行きます』
『39度近く熱があるので大袈裟じゃありませーん。大体奏多さんと愛佳ちゃんに移ったらどうするんだ?責任取れるのか?ん???』
ゆいの言葉と怒りスタンプに琉斗は『すみません…』と言ってきて、奏多は返した。
『それじゃあ、明日は俺と愛佳で楽しんできますね…琉斗さんはお大事に』
「残念だね、お兄ちゃん」
愛佳の言葉に奏多は頷くと、とりあえず準備の続きをしようとした瞬間にまたスマホが鳴った。だが今回は奏多だけだった。
確認をすると、それははじめからのチャットだった。
『奏多さん、明日のコスイベ参加しますか?もしするのでしたら一緒にいいですか?』
「お兄ちゃん?どうしたの?まさか琉斗さんから愛の言葉が!?」
「な、何を言っているんだ!違うよ!はじめさんから明日のコスイベ一緒にいいですか?って誘われたんだよ」
画面を見せたが、愛佳はピンと来ていないらしくうーん…と悩み出したが…気づいたらしく「あ!」と言うと大袈裟っぽく手のひらにポンと拳を置いた。
「この間のハイト王子やった人だ!」
「そうそう、あの日に連絡先を交換して…この間は一緒にウィッグやメイク道具を見たりして…」
そこまで言うと愛佳の表情が驚いていて、奏多は首を傾げた。
どうしてそんなに驚いているのか?と不思議そうに見ていると、愛佳が勢いよく顔を近づけてきて奏多は後ろに仰け反った。
「ま、愛佳!?」
「お兄ちゃん、いつのまにそんな仲良くなったの!?琉斗さんというイケメンが近くにいながら!!」
「!!??何でそこで琉斗さんが出てくるんだよ!!琉斗さんは関係ないだろ!?」
「うわーお兄ちゃん浮気者ー…琉斗さん可哀想ー…」
ジト目で見ながら言ってきた愛佳の言葉に奏多は「どういう事だよ!それ!!」と大声で怒鳴ってしまい親から怒られるのであった…。
そしてコスイベ当日。
レオンの通常衣装に身を包んだ奏多は、ラッキーの最新イベント衣装を着た愛佳と一緒に参加をしていた。
するとそこに「あ、奏多さん!」と名前を呼ばれて振り返るとそこにいたのは、ハイトの通常衣装に身を包んだはじめでパァァと嬉しそうに笑っていた。
「はじめさん、おはよう!ウィッグ凄く綺麗だね!これこの間の?」
「はい!あ、奏多さんもカラコンこの間のですか?凄く似合ってます!レオン王子の黄緑色の瞳が本当最高ですよね!」
盛り上がっていると視線を感じて、視線の方を見ると愛佳がジト目で見つめてきていて…すぐに昨日の会話を思い出してハッと我に帰った。
「あ、えっと、そう!ちゃんと紹介していなかったね!こちら妹の愛佳です」
「妹さん!ラッキー君いつも可愛いなと思っていたんです!蔵前はじめと申します、よろしくお願いします」
「はじめさん、よろしくお願いします!」
お互いに頭をぺこり下げると、とりあえず撮影を始めようと3人で撮影を開始した。
するとレオンとハイトの人気ペアに色んな方から声をかけて貰い、有難いなーと思いながら撮影に挑んでいると、ふと隣に立つはじめに目をやると前よりも堂々としていて嬉しさに笑みを浮かべてしまい…気づいたら女の子達が頬を赤らめて奏多を見ていた。
「え、え?」
「お兄ちゃん…レオン王子が微笑んでいたら死人出るから」
「え!?そんなに!?」
慌てて表情を作ると撮影を再開した。
撮影を一旦終えて休憩していると、愛佳が女の子2人組とお話をしていた。
どんな話をしているのか気になり聞いてみると……。
「えー、マルス王子風邪引いちゃったんですね…」
「マルス王子とレオン王子が好きなので残念です…いつも素敵な2人の写真楽しみにしているんです」
まさかの琉斗と自分の事に、しかも楽しみにしていると聞いて奏多は頬を緩ませてしまうが、すぐに表情を戻したが…はじめと目が合ってしまいすぐに逸らされてしまった。
「はじめさん!見ていたよね!?」
「見ていませんよ!嬉しそうに笑っている奏多さんなんて!」
「見ていたね!?てか、そこまで言えるなんて見ていたと同じじゃん!!」
ギャーギャー騒ぐ2人に愛佳はため息をつくと、スマホを取り出して2人を写真に収めた。
そしてある方に写真を送った。
「お、来た来た」
ゆいはスマホに届いたメッセージを見ると、すぐに画面を見た。
そこには楽しそうにしている奏多とはじめの写真があり、これは…と思っているとベッドに寝ている琉斗がじーっと見てきた。
「ゆい…まさか、奏多さんか?」
「…見たいか?今のお前にはかなりキツいと思う…って!!」
ゆいが言い終わる前に琉斗はスマホを奪い写真を見ると、スマホの画面を割る勢いで握り締めていて、すぐに気づいたゆいがスマホを無理矢理奪い返した。
「本当、琉斗!奏多さん絡みになると怖いわ!」
「…何なんだよ…奏多さんを最初に見つけたのは俺なのに……」
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
偽物勇者は愛を乞う
きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。
六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。
偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。
【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる