16 / 21
第2部
第5話
しおりを挟む
「お兄ちゃーーーん!!!!」
勢いよく部屋の扉が開き、愛佳が入ってきた。
奏多は着替え中だった為、女の子みたいに悲鳴を上げてしまい母親から怒られてしまった。
リビングで説教が終わると、2人は何故かソファーの上で正座の状態で向かい合わせになった。
「それで愛佳は一体どうしたんだ?」
「そうそう、あのね!お、お兄ちゃん!お、おお!落ち着いてね!!何があっても、慌てちゃだ、だめだからね!?」
「うん、愛佳が落ち着こうな?」
深呼吸をさせて何とか落ち着かせると愛佳はゆっくりスマホの画面を見せてきた。そこには…
『Receive Insanelove』のコラボカフェ決定の文字が…
「う、嘘だろーーー!!??」
奏多が叫んでしまい、母親がまた飛んできてたっぷり説教されてしまった。
奏多の部屋に移動をして2人はベッドに座ると詳細を見た。
「メインは王子様6人だけど…従者も含めて12人の新規イラストが含まれるのか…すごいな、やばいな…」
「絶対当選難しいよー!お兄ちゃん、平日休みとか使って行ってきてー!!お金渡すからラッキー君とリリィちゃんとレイ先輩とルクウェル先輩と…とにかく従者のが欲しいのー!!」
手を合わせてお願いポーズをして頭を下げてきた愛佳に、奏多はすぐに顔を上げさせると「分かった」と言って愛佳の表情がパァァと明るくなった。
愛佳を部屋に戻すとベッドに寝転がりコラボカフェの詳細を見ていた。
席は抽選になっており、まずそこに当選しないと参加する事が出来ない。
どうしようか悩んでいると、いきなり携帯が鳴り響き顔に落としそうになったが何とか耐えて画面を見るとまさかの琉斗からの電話で、ドキッと来てしまい、何とか落ち着かせてからゆっくり応答ボタンを押した。
『こんばんは、奏多さん』
「こ、こんばんは…琉斗さん。どうしました?」
『いえ…あの見ました?コラボカフェ』
「見ました!新規イラストかっこよくて、行こうと思っているんですが…当選出来るかどうか不安で…」
『もし当選したら一緒に行きませんか?』
まさかのお誘いに驚いてしまい、どうしようと悩んでいたが…すぐに答えは出て「はい、是非」と返した。
すると琉斗の嬉しそうな声が耳に伝わりキュンとしてしまった。
とりあえず詳しいことは後日決めようという話で、通話は切れて暫く放心してから奏多は嬉しさでベッドの上でゴロゴロ転がった。
「琉斗さんと一緒にコラボカフェとか…嬉しいな…ってうわ!?」
またスマホが震え出し、画面を見るとはじめからの連絡だった。
『もし良ければコラボカフェ一緒に行きませんか?』というお誘いで、奏多はうーん…と悩んでしまい、せっかくのお誘いを断るのも申し訳ないと思い、行くことにした。
その結果…
「うん、今日は良いコラボカフェ日和ですね!」
ゆい、奏多、琉斗、はじめの4人でコラボカフェに参戦することになった。
無事当選をしたがやはり土日は難しく、平日になってしまいこの4人での参戦になった。
「奏多さん、マルス王子のコースターが来たらお渡ししますね!」
「あ、ありがとう、はじめさん!俺の手元にレオンが来たら交換にしようね」
「はい!」
きゃっきゃと楽しそうにするはじめと奏多に、琉斗の機嫌はだんだん悪くなっていき、それに気づいたゆいが琉斗の脇腹を肘でついた。しかもかなり強く。
「うぐっ!」
「?りゅ、琉斗さん?大丈夫ですか?」
脇腹を押さえてその場に崩れる琉斗に奏多がアワアワしながら近寄ると、琉斗は「大丈夫です」と答えて奏多の手を掴んで立ち上がった。
そんな事をしていると開店し、奏多達は入店をした。
店の中は何処を向いても狂恋のイラストに溢れていて、王子達の等身大パネルがお出迎えしていて奏多とゆいはスマホを構えてパシャパシャと何枚も撮りだした。
席に案内されると、周りは見事に女性だらけでジロジロと見られてしまい奏多は緊張していたが、他の3人は平然としていた。
とりあえずそれぞれ料理とドリンクを頼み、他愛ない話をして待っているとドリンクが運ばれてきて裏返しにコースターを置いてきた。
「そ、それじゃあ…見ましょうか…」
奏多の声掛けに全員頷くと同時にコースターを裏返した。
そして奏多は声にならない悲鳴をあげてしまった。
手元に来たのは最推しのマルスだったからだ。その様子を見ていたはじめがすぐに「おめでとうございます!」と言ってきてくれて奏多はお礼を言った。
はじめとゆいは推しではない違う王子で、琉斗の手元にはレオンが来ていた。
「あ、琉斗さん、レオン王子ですね!」
「う、羨ましいです…ちょっと交換に行ってきます!」
はじめは席を立ち、他に交換を望んでいる人の元へ行くと奏多は琉斗に問いかけた。
「琉斗さんってレオン最推しでしたっけ?」
「…いや、最推しは…違う」
まさかの発言に奏多は驚いてしまった。
ならどうしてはじめと交換をしないのか、と聞くと琉斗は奏多をジーッと見つめてきて奏多は首を傾げた。
奏多が声を掛けようとした前に琉斗が口を開いた。
「俺、レオンは同担拒否なんです」
「え!?そうなの!?」
「そうですよ、奏多さんを好きになったの俺が先なのに…」
そう言って頬を撫でられてしまい奏多は耳まで真っ赤にすると、すぐに首を横に振って否定をした。
「好きって、はじめさんは俺のことそういう風に見ていないよ!」
「分かりませんよ?奏多さん、可愛いですから…」
「ちょ、琉斗さ…「戻りましたー、交換出来ました!」
嬉しそうにレオンのコースターを見せながら戻ってきたはじめの声で戻されると、奏多は琉斗からはじめに視線を移して「おめでとう!」と声をかけた。
そんな様子を見て琉斗はムスッとしていると、ゆいが顔を近付けてコソッと小声で言った。
「相手が悪いな、琉斗。奏多さんは鈍感みたいで」
「ああ…本当にな…」
こうして楽しかったコラボカフェを終えて、外に出るとゆいと琉斗は用事があるからそこで別れることに。
はじめと一緒に駅に向かって狂恋やコラボカフェについて話しながら歩いていると、いきなりピタリと止まってしまい奏多は不思議そうに見つめてくる。
「どうしたの?はじめさん…」
「あ、あの…俺…奏多さんのこと好きになってしまいました!レオンのコスしているからとかではなく、貴方が好きなんです!」
勢いよく部屋の扉が開き、愛佳が入ってきた。
奏多は着替え中だった為、女の子みたいに悲鳴を上げてしまい母親から怒られてしまった。
リビングで説教が終わると、2人は何故かソファーの上で正座の状態で向かい合わせになった。
「それで愛佳は一体どうしたんだ?」
「そうそう、あのね!お、お兄ちゃん!お、おお!落ち着いてね!!何があっても、慌てちゃだ、だめだからね!?」
「うん、愛佳が落ち着こうな?」
深呼吸をさせて何とか落ち着かせると愛佳はゆっくりスマホの画面を見せてきた。そこには…
『Receive Insanelove』のコラボカフェ決定の文字が…
「う、嘘だろーーー!!??」
奏多が叫んでしまい、母親がまた飛んできてたっぷり説教されてしまった。
奏多の部屋に移動をして2人はベッドに座ると詳細を見た。
「メインは王子様6人だけど…従者も含めて12人の新規イラストが含まれるのか…すごいな、やばいな…」
「絶対当選難しいよー!お兄ちゃん、平日休みとか使って行ってきてー!!お金渡すからラッキー君とリリィちゃんとレイ先輩とルクウェル先輩と…とにかく従者のが欲しいのー!!」
手を合わせてお願いポーズをして頭を下げてきた愛佳に、奏多はすぐに顔を上げさせると「分かった」と言って愛佳の表情がパァァと明るくなった。
愛佳を部屋に戻すとベッドに寝転がりコラボカフェの詳細を見ていた。
席は抽選になっており、まずそこに当選しないと参加する事が出来ない。
どうしようか悩んでいると、いきなり携帯が鳴り響き顔に落としそうになったが何とか耐えて画面を見るとまさかの琉斗からの電話で、ドキッと来てしまい、何とか落ち着かせてからゆっくり応答ボタンを押した。
『こんばんは、奏多さん』
「こ、こんばんは…琉斗さん。どうしました?」
『いえ…あの見ました?コラボカフェ』
「見ました!新規イラストかっこよくて、行こうと思っているんですが…当選出来るかどうか不安で…」
『もし当選したら一緒に行きませんか?』
まさかのお誘いに驚いてしまい、どうしようと悩んでいたが…すぐに答えは出て「はい、是非」と返した。
すると琉斗の嬉しそうな声が耳に伝わりキュンとしてしまった。
とりあえず詳しいことは後日決めようという話で、通話は切れて暫く放心してから奏多は嬉しさでベッドの上でゴロゴロ転がった。
「琉斗さんと一緒にコラボカフェとか…嬉しいな…ってうわ!?」
またスマホが震え出し、画面を見るとはじめからの連絡だった。
『もし良ければコラボカフェ一緒に行きませんか?』というお誘いで、奏多はうーん…と悩んでしまい、せっかくのお誘いを断るのも申し訳ないと思い、行くことにした。
その結果…
「うん、今日は良いコラボカフェ日和ですね!」
ゆい、奏多、琉斗、はじめの4人でコラボカフェに参戦することになった。
無事当選をしたがやはり土日は難しく、平日になってしまいこの4人での参戦になった。
「奏多さん、マルス王子のコースターが来たらお渡ししますね!」
「あ、ありがとう、はじめさん!俺の手元にレオンが来たら交換にしようね」
「はい!」
きゃっきゃと楽しそうにするはじめと奏多に、琉斗の機嫌はだんだん悪くなっていき、それに気づいたゆいが琉斗の脇腹を肘でついた。しかもかなり強く。
「うぐっ!」
「?りゅ、琉斗さん?大丈夫ですか?」
脇腹を押さえてその場に崩れる琉斗に奏多がアワアワしながら近寄ると、琉斗は「大丈夫です」と答えて奏多の手を掴んで立ち上がった。
そんな事をしていると開店し、奏多達は入店をした。
店の中は何処を向いても狂恋のイラストに溢れていて、王子達の等身大パネルがお出迎えしていて奏多とゆいはスマホを構えてパシャパシャと何枚も撮りだした。
席に案内されると、周りは見事に女性だらけでジロジロと見られてしまい奏多は緊張していたが、他の3人は平然としていた。
とりあえずそれぞれ料理とドリンクを頼み、他愛ない話をして待っているとドリンクが運ばれてきて裏返しにコースターを置いてきた。
「そ、それじゃあ…見ましょうか…」
奏多の声掛けに全員頷くと同時にコースターを裏返した。
そして奏多は声にならない悲鳴をあげてしまった。
手元に来たのは最推しのマルスだったからだ。その様子を見ていたはじめがすぐに「おめでとうございます!」と言ってきてくれて奏多はお礼を言った。
はじめとゆいは推しではない違う王子で、琉斗の手元にはレオンが来ていた。
「あ、琉斗さん、レオン王子ですね!」
「う、羨ましいです…ちょっと交換に行ってきます!」
はじめは席を立ち、他に交換を望んでいる人の元へ行くと奏多は琉斗に問いかけた。
「琉斗さんってレオン最推しでしたっけ?」
「…いや、最推しは…違う」
まさかの発言に奏多は驚いてしまった。
ならどうしてはじめと交換をしないのか、と聞くと琉斗は奏多をジーッと見つめてきて奏多は首を傾げた。
奏多が声を掛けようとした前に琉斗が口を開いた。
「俺、レオンは同担拒否なんです」
「え!?そうなの!?」
「そうですよ、奏多さんを好きになったの俺が先なのに…」
そう言って頬を撫でられてしまい奏多は耳まで真っ赤にすると、すぐに首を横に振って否定をした。
「好きって、はじめさんは俺のことそういう風に見ていないよ!」
「分かりませんよ?奏多さん、可愛いですから…」
「ちょ、琉斗さ…「戻りましたー、交換出来ました!」
嬉しそうにレオンのコースターを見せながら戻ってきたはじめの声で戻されると、奏多は琉斗からはじめに視線を移して「おめでとう!」と声をかけた。
そんな様子を見て琉斗はムスッとしていると、ゆいが顔を近付けてコソッと小声で言った。
「相手が悪いな、琉斗。奏多さんは鈍感みたいで」
「ああ…本当にな…」
こうして楽しかったコラボカフェを終えて、外に出るとゆいと琉斗は用事があるからそこで別れることに。
はじめと一緒に駅に向かって狂恋やコラボカフェについて話しながら歩いていると、いきなりピタリと止まってしまい奏多は不思議そうに見つめてくる。
「どうしたの?はじめさん…」
「あ、あの…俺…奏多さんのこと好きになってしまいました!レオンのコスしているからとかではなく、貴方が好きなんです!」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
【完結】遍く、歪んだ花たちに。
古都まとい
BL
職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
王子様と魔法は取り扱いが難しい
南方まいこ
BL
とある舞踏会に出席したレジェ、そこで幼馴染に出会い、挨拶を交わしたのが運の尽き、おかしな魔道具が陳列する室内へと潜入し、うっかり触れた魔具の魔法が発動してしまう。
特殊な魔法がかかったレジェは、みるみるうちに体が縮み、十歳前後の身体になってしまい、元に戻る方法を探し始めるが、ちょっとした誤解から、幼馴染の行動がおかしな方向へ、更には過保護な執事も加わり、色々と面倒なことに――。
※濃縮版
それはきっと、気の迷い。
葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ?
主人公→睦実(ムツミ)
王道転入生→珠紀(タマキ)
全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?
失声の歌
涼雅
BL
……声が出ない
それは唐突に俺を襲った
いつもは当たり前にできたこと
それが急にできなくなった
暗闇に突き落とされて、目の前なんて見えなくなった
うるさい喧騒の中でひとつだけ、綺麗な音が聴こえるまでは
台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる