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2017年

けものフレンズの面白さと第一話で挫折者続出の理由、けものフレンズとなろうの異世界転生小説の共通点

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けものフレンズプロジェクト|公式サイト
http://kemono-friends.jp/


 けものフレンズは一体、どこが面白いの?という根本的疑問について話しますと、基本構造はロードムービーなんだよね。
 主人公のかばんちゃんとフレンズのサーバルちゃんが旅をしていく中で、色々なフレンズに出会っていくというお話です。
 ある意味、水戸黄門とも言える(笑)

 そもそも、けものフレンズとは何なのかというと、女の子とけもののハイブリットみたいな動物?です。
 その謎は物語を追っていくうちに明らかになります。
 
 なんですが、フレンズの頭が悪い会話についていけなくて、一話で挫折する人が続出してもいます。
 僕も以前はそうでした。何とか乗り越えて、今に至ります。

 フレンズの頭が悪い会話は天然なのか、それとも意図的な演出なのかは、僕の感じだと、たつき監督は天然だと思っています。

 今回の騒動の発端にツイートにしてもたぶん、天然で、ヤオヨロズの福原プロデューサーがそれを利用してKADOKAWAと話し合いに入ってるとも言えます。

【けものフレンズ】ヤオヨロズ福原慶匡が吉崎観音と角川叩きの記事を捏造→カドカワが譲歩でたつき勝利か?【KADOKAWAの企業体質】
http://koji.tech/?p=11680


 福原プロデューサーはキャラデザイン吉崎観音氏の批判記事を自分の所属するニュースサイトで書かせて叩いています。

『けものフレンズ』シリーズ構成/脚本のクレジットが「田辺茂範氏」から「たつき氏」に変更される 
http://yaraon-blog.com/archives/105927


 『けものフレンズ』の製作方式をビデオコンテ方式に変更して、シリーズ構成/脚本の「田辺茂範氏」をクレジットから消してたつき監督に変更しています。

 たつき監督に利権を集約していきたいというのがヤオヨロズの戦略だからです。
 今回のKADOKAWAとの交渉でヤオヨロズが意図的に降りたのも、そういう交渉戦略によるものだし、実は今回の騒動の発端にツイートもたつき監督のものではない可能性もあります。

 『けものフレンズ』などのアニメや映画は通常、製作委員会方式で権利を集約しています。
 監督には著作人格権などはありますが、製作委員会の許可ないというか、番組以外のコミケ活動や自主制作動画のアップは二次創作になっちゃいます。

 雇われ監督や下請けのアニメスタジオには制作費以外は入って来ないのが通例だと思います。
 契約によるんだろうけど。
 そこの条件闘争に『けものフレンズ』のファンが利用されたというのが今回の事件の真相だと僕は思います。


 話を戻すと、フレンズの頭が悪い会話は天然だと思いますが、それはフレンズと人間との能力差を表現しているとしたら、非常に優れた演出とも言えます。
 
 ネタバレですみませんが、壊れたロープウエイの上の山でカフェやってるフレンズが「どうしてお客さんが来ないのだろう?」というセリフを聴いた時は馬鹿だなと思いつつも、凄くせつなくなりました。

 だから、そういう設定が納得できると話しについていけるけど、フレンズの頭が悪い会話にどうもついていけないと思った視聴者はついていけなくなる。

 フレンズたちがいるジャパリパークは徐々に真相が明らかになるのですが、何となく見捨てられた廃墟感を感じるようになってきます。

 そのあたりの切なさと、頭の足りないフレンズの問題をかばんちゃんが解決していくような水戸黄門的展開になっていきます。
 そのあたりがけものフレンズが「優しい世界」と言われるゆえんです。

 ジャパリパークの謎、かばんちゃんが何のフレンズなのかの謎、四話ぐらいでそういう謎が徐々に見えてきて楽しくなっていく。
 ラストではもうミツバチはっち的な展開(古い!)もあって胸が熱くなる訳です。
 
 で、これって、なろうの異世界転生小説に似てないか?と最近、思ってしまいました。

 「優しい世界」=日常系的世界のような気がするし、俺つえー的な展開ではなく、とはいえ、かばんちゃんがある意味、『アルドノア・ゼロ』のいなほ的な結構、凄い活躍をするような気もする。
 


 派遣会社のヤオヨロズが派遣監督のたつき監督と共に、ファンの人気と今回の炎上を利用して、全ての権利が集約されている製作委員会に待遇改善を迫るという展開が今回の事件の真相だと思います。

 それも含めると、ニートだとかが異世界に行って活躍する物語と、ジャパリパークのかばんちゃんの活躍が何となく重なってくる。

 というより、衰退していく日本社会と見捨てられた廃墟のようなジャパリパークが重なって見えてくる。

 そんな場所でも健気に生きていくフレンズと、今の社会の若者たちが重なって見えてくる。

 ああ、そうか、今の日本人はこういう世界に生きてるのかもしれないと、僕も人生の後半で衰えゆく体力を感じながら、何となくこういう物語もいいなと思い始めている。

 そうだな。
 たつき監督とヤオヨロズの社長とかも、派遣社員のように、ただ黙って製作委員会に使われるだけの場所から抜け出そうとしているというか、そういうのも悪くはないかもしれないなと思う。

 ということで、ちょっと考えが変わってきて、『けものフレンズ』の二期を楽しみにしたいと思います。
 





(あとがき)


 たつき監督の現在ですが、ちょっとやっぱり暴走気味らしいですが、オリジナルの映像頑張って欲しいものです。
 オリジナルヒットさせないとやっぱり、なかなか世間は認めてくれないし、ビジネスにはなっていかないよね。
 
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