上 下
4 / 23
トリップしたみたいです。

読めません…

しおりを挟む
ナビ通りに歩いていくと、しばらくして道らしいものが見えてきた。
と言っても、土を固めたようなそんな感じ。
よく外国で、整備されていないガタガタ道…
そんな感じだった。
それでも、行くしかないよね…と思って歩いていく。

アプリで案内された通りに歩くと、何やら大きな門のようなものが見えた。
何だこれ?
門の所に何やら記号が書かれている。
もしかしたら、この世界の文字とか?

スマホの翻訳機能って使えないだろうか?
取り敢えず、写真に撮って検索をかけてみる。
ナビはこの門を潜るように案内してるから、行けばいいんだろうけど…

スマホに表示されたのは、『移動ゲート』とあった。
行きたい場所の近くのゲート同士で繋がり、移動できるらしい。
でも、行きたい場所がよくわかってないんだけど、行けるかなぁ…

まぁ、奴隷を手に入れるための、お勧め商会に行くのだから、そこが行きたい場所になるよね…きっと。

そう考えて、ゲートを潜った。
一瞬、『グワン』って音がしたかと思ったら、賑やかな人通りの多い場所にでた。
ジロジロみるのもどうかと思ったが…

耳に入ってくる言葉は理解できた。
日本語では無いのだろうが、日本語に聞こえる。
ちょっと嬉しいかも…

ここで何時迄もいるわけにもいかないから、ナビに従って歩きだす。
そうこうしたら、美味しそうなにおいがしてきた。
飲食店?

「お腹もすいたし、せにかえられないから…」

西武映画に出てきそうな押し戸を開けて、店に入った。
ビールジョッキのような物を持って歩いてる女性が声かけてきた。

「いらっしゃい。1人かい?こっちの席が空いてるから、ここに座りな。」

勧められるまま、椅子に腰掛ける。

「何にする?」
「えっと…お勧めは?」
「今日は、若鳥のソテーと、シチューだね。」
「じゃ、シチューとパンあるかなぁ。」
「あるよ。」
「何か飲み物ある?アルコールの無いもので…」

昼間っから飲んでる人もいるから、取り敢えず聞いてみた。
外国では、水もお金取られるしね。
日本ぐらいだよ、無料で水やお茶サービスしてくれるの…
まぁ、この世界はどうかわからないけど…

そうこうしてたら、木の器に、木のさじでシチューが出てきた。あと、コッペパンみたいなパンと水。
水は冷たくは無かったけど、喉が渇いてたから、ちょうどよかった。

食べながら、メニュー表的な物を見つけ、見るけど…文字のようなものばかりで、よくわからない…と言うか、読めません。
異世界あるあるだね……
まぁ、注文できて良かった。

そんな事を考えながら、美味しくいただく。
勿論、周りの様子も伺ってみた。
店から外を見ると、耳がとがってたり、尻尾があったりと色んな人?達が歩いていた。
気になるのが、首や手足に刺青のような物をしてる人達がいる事。
その人達を連れて歩く人、何やら指示してる人など色々だ。

もしかして、あの刺青の人達が奴隷?
でも、見る限り、待遇は悪くなさそうだ。
実際はどうかわからないけどね…

他の人に見られないようにスマホを動かす。
うん、やっぱり奴隷みたいだ。
あまりスマホいらいすぎて、不審に思われたら嫌だし…

そう思って、懐にしまい、美味しく食事を頂いた。
しおりを挟む

処理中です...