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7.研究所と治療院
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「悪いが私は仕事に戻る。エルンスト、タカラに無理させるなよ」
「はいはーい」
ベイセルとエルンストはずいぶん気安いな。
「しょ、所長……、師団長殿はお帰りですか?」
「とりあえずはね。お前、そんなにベイセルが怖い?」
「怖いっす! 所長は親戚だから気にならないでしょうが、普通はあの威圧にやられるっす!」
「親戚なの?」
「従兄弟だね」
ベイセルの母の妹が男爵家に嫁入りして生まれたのがエルンストなのか。全然似てないな。それに、あの気さくなベイセルが威圧?
「そんなことはどうでもいいから、調べさせてね」
「あ、うん。何をしたらいい?」
まずは鑑定板で測定。ツルツルに磨かれた黒い石に手を乗せると、手から漏れ出す魔力によって石の色が変わる。手の周りをなぞるように、黄色くなった。
「うん、量は普通の貴族程度、質も平均的。他人の治癒力に干渉できる理由はなんだろうな」
「所長、カルテがスカスカですよ。埋めていいっすか?」
「ん? あぁ、頼む」
自分の考えにのめり込みはじめたらしいエルンストをフォローする助手くん。この研究所ってこの2人だけなのかな?
「僕はジョシュアと言います! よろしくお願いします!」
助手のジョシュア!?
いや、こっちの言葉では違う音なんだろうから、ダジャレじゃない、はず。
改めて名前、身長、体重、経歴を聞かれたので答えたけど、経歴は異世界転移してきた学生でいいのかな?
「自宅にいたはずなのに気がついたらリンホウ王国の牢の中にいた?」
「そう」
「転移魔術の研究でもしてたんすか?」
「いや、魔法のない世界だったので」
「え? 魔法ないんすか? つまんなくないっすか?」
「あったらいいな、とは思うけどないのが当たり前だったし、夢物語だったしなぁ」
「いや、現実でしょ?」
「ここではね」
ただの雑談にしか思えないけど、これ真面目な研究なの?
「じゃ、ちょっと服脱いで下さい」
「はぁい」
帯は巻き付けて挟んでいるだけだから簡単に脱げる。シャツも前をかき合わせるタイプだし、ズボンは腰を紐で縛ってあるだけだから自分で脱ぎ着できる。下着も腰紐タイプのトランクスだから脱げなくはないけど、流石に恥ずかしいから脱がなくていいよね?
「これでいい? って、あれ?」
「……ふぐ、……うっ、な、なん……」
「え? 何? どうして服脱いでるの? サービス?」
ジョシュアが急にしゃがみ込んだ。どうしたんだろう? エルンスト、身体検査のために脱いだのに、どうしてサービスになるの?
「脱ぐよう言われたんだけど、この人、急にしゃがみ込んじゃって」
「あぁ……、刺激が強すぎたんだな」
「男の裸なんて自分と同じでしょ?」
「いやいやいや、タカラの裸は普通じゃないよ」
普通だよ?
こんなので刺激が強すぎなんて、ちょっとからかいたくなっちゃうじゃないか。
「ジョシュア? ほら、脱いだよー。見てくれなきゃ困るんだけどー!」
「いや、あの……、す、すみません……。ちょっとした、冗談のつもりで……!!」
仕事中のちょっとしたジョークを真面目に返され、恥ずかしくなってしまったらしい。え? 恋人いない歴=年齢? 研究オタクなら仕方ないか。
頑なに俯いたまま、耳まで赤く染めて震える。
「ひゃっ」
「せっかくだから感度も調べてみる?」
「エルンスト!? 感度なんて、は、ん……」
「所長! 勘弁してください!!」
エルンストの指が絶妙な力加減で乳首をつまむ。それ、気持ちいい……。
「乳首触られるの好き?」
「ん……、気持ちいい……」
「しょーちょーうー!!」
気持ちよかったのに。
ジョシュアが本気で泣きそうだから、えっちないたずらはお終いです。
後は真面目に薬草や傷薬に魔力を流し込んだり、エルンストの肌荒れや目の下のクマを治したりした。目の下のクマは薬を使わなくてもマッサージで治せたよ!
3人で食堂でお昼を食べ、ジョシュアが治療院へ案内してくれた。エルンストは戻って研究方法を検討するって。
*******
「治療院院長のナゼールです。ご協力感謝いたします」
「タカラです。よろしくお願いします」
院長さん、若い! 30代前半かな?
保健室のえっちな先生みたい、なんて言ったら失礼だよね。でも長い銀髪、濃いまつ毛、白い肌、形の良い薄い唇に泣きぼくろ。
そう言えばエルンストはもっと若かったっけ。でもあそこは2人しかいなかったし。ここは治療院……、病院なんだからたくさんのお医者さんがいるだろうに、トップがこんなに若いなんて!
優秀なんだろうな。
「あなたの能力の検証は研究所でやってもらうので、ここでは実践していただきます。よろしいですか?」
「治療の手伝いをすればいいのですね」
「はい。とにかく治りが早くなるよう、薬を塗ってください」
おれは言われるままに薬を塗った。手で塗るのが1番効くけど、外傷がひどい時には怖くて塗れないので、薬を塗ったガーゼを当ててから撫でて魔力を馴染ませた。
魔力を送ることが何となくでできちゃうのって、ある意味チートかな?
「そろそろ休憩にしましょう。体調はいかがですか?」
「少し身体が重い気がします」
「魔力を使い過ぎたかも知れません。今日はこれで終わりましょう」
あっけらかんと終業を告げられた。
「働き足りないのですか?」
「えぇ、まぁ……」
「ですが魔力が枯渇すると身体の自由がきかなくなります。私にその身を任せてみますか?」
色気ダダ漏れ先生にからかわれた!!
「無理せず帰ります」
先生は笑って治療士見習いを呼び、ベイセルのところに送るよう言いつけた。
「次は送ってもらわなくていいように、ちゃんと道を覚えるからね」
「……お1人で歩くのは良くないと思います」
「そうかなぁ?」
「それに、騎士塔に応急薬を届けるついでなので気遣いは無用です」
「あ、そうだったんだ。なら良かっ!?」
「!?」
俺のスキル『何もないところで転ぶ』が発動した。咄嗟に支えようとしてくれた見習いくんが諸共に倒れ込む。巻き込んでごめん。
それにしても何だこの体勢。
受け身を取ろうと体を捻った結果、床の上で仰向けの俺は、四つん這いの見習いくんに両脚を担がれたような状態だ。見習いくんの顎が会陰を刺激する。
「あふ……」
「しっ、失礼しました!!」
「ん……、いや、ごめんね。助けようとしてくれてありがとう」
「いっ、いえ、支えられなくて申し訳ありません!!」
慌てて跳びすさり、手を差し伸べて立たせてくれる。
見習いくんはほんの少し無愛想で口数が少ない気もするけど、紳士だ。残念ながら会話はここまでで、あとは無言で送り届けられました。
「タカラ、おつかれさん」
「ベイセルもお疲れ様。そういえばベイセル、今日は帰れるの?」
「まぁな。……まだもう少しかかるが」
「大変だね」
「戦争だからな」
戦後処理ってむずかしいんだろうな。
「手伝えることがあればいいのに」
「あるぞ。家に帰ったら、な?」
「家……? ふふふ、家まで我慢できるの?」
「ここでしたら後で思い出して仕事ができなくなるだろう」
中学生じゃないんだから!
「タカラ様、もう少々こちらでお待ちください」
「ロニー、ありがとう」
お茶を淹れてもらってソファで休む。
できる従卒のロニーは俺にお茶を淹れた後、すぐに書類整理に戻り、ベイセルの書類の山を捌いていった。
「ロニーって、本当に16歳?」
「何ですか突然」
「だって、なんか有能すぎない?」
「コイツは王都中央学園を飛び級で卒業した強者だ」
「いやすごいじゃん。天才か!」
「すごいだろ」
何故かベイセルがドヤってる。
「騎士科の実技では万年2位でした。……天才なんかじゃ……、ありません……」
憂い顔の美少年、尊いな。
「はいはーい」
ベイセルとエルンストはずいぶん気安いな。
「しょ、所長……、師団長殿はお帰りですか?」
「とりあえずはね。お前、そんなにベイセルが怖い?」
「怖いっす! 所長は親戚だから気にならないでしょうが、普通はあの威圧にやられるっす!」
「親戚なの?」
「従兄弟だね」
ベイセルの母の妹が男爵家に嫁入りして生まれたのがエルンストなのか。全然似てないな。それに、あの気さくなベイセルが威圧?
「そんなことはどうでもいいから、調べさせてね」
「あ、うん。何をしたらいい?」
まずは鑑定板で測定。ツルツルに磨かれた黒い石に手を乗せると、手から漏れ出す魔力によって石の色が変わる。手の周りをなぞるように、黄色くなった。
「うん、量は普通の貴族程度、質も平均的。他人の治癒力に干渉できる理由はなんだろうな」
「所長、カルテがスカスカですよ。埋めていいっすか?」
「ん? あぁ、頼む」
自分の考えにのめり込みはじめたらしいエルンストをフォローする助手くん。この研究所ってこの2人だけなのかな?
「僕はジョシュアと言います! よろしくお願いします!」
助手のジョシュア!?
いや、こっちの言葉では違う音なんだろうから、ダジャレじゃない、はず。
改めて名前、身長、体重、経歴を聞かれたので答えたけど、経歴は異世界転移してきた学生でいいのかな?
「自宅にいたはずなのに気がついたらリンホウ王国の牢の中にいた?」
「そう」
「転移魔術の研究でもしてたんすか?」
「いや、魔法のない世界だったので」
「え? 魔法ないんすか? つまんなくないっすか?」
「あったらいいな、とは思うけどないのが当たり前だったし、夢物語だったしなぁ」
「いや、現実でしょ?」
「ここではね」
ただの雑談にしか思えないけど、これ真面目な研究なの?
「じゃ、ちょっと服脱いで下さい」
「はぁい」
帯は巻き付けて挟んでいるだけだから簡単に脱げる。シャツも前をかき合わせるタイプだし、ズボンは腰を紐で縛ってあるだけだから自分で脱ぎ着できる。下着も腰紐タイプのトランクスだから脱げなくはないけど、流石に恥ずかしいから脱がなくていいよね?
「これでいい? って、あれ?」
「……ふぐ、……うっ、な、なん……」
「え? 何? どうして服脱いでるの? サービス?」
ジョシュアが急にしゃがみ込んだ。どうしたんだろう? エルンスト、身体検査のために脱いだのに、どうしてサービスになるの?
「脱ぐよう言われたんだけど、この人、急にしゃがみ込んじゃって」
「あぁ……、刺激が強すぎたんだな」
「男の裸なんて自分と同じでしょ?」
「いやいやいや、タカラの裸は普通じゃないよ」
普通だよ?
こんなので刺激が強すぎなんて、ちょっとからかいたくなっちゃうじゃないか。
「ジョシュア? ほら、脱いだよー。見てくれなきゃ困るんだけどー!」
「いや、あの……、す、すみません……。ちょっとした、冗談のつもりで……!!」
仕事中のちょっとしたジョークを真面目に返され、恥ずかしくなってしまったらしい。え? 恋人いない歴=年齢? 研究オタクなら仕方ないか。
頑なに俯いたまま、耳まで赤く染めて震える。
「ひゃっ」
「せっかくだから感度も調べてみる?」
「エルンスト!? 感度なんて、は、ん……」
「所長! 勘弁してください!!」
エルンストの指が絶妙な力加減で乳首をつまむ。それ、気持ちいい……。
「乳首触られるの好き?」
「ん……、気持ちいい……」
「しょーちょーうー!!」
気持ちよかったのに。
ジョシュアが本気で泣きそうだから、えっちないたずらはお終いです。
後は真面目に薬草や傷薬に魔力を流し込んだり、エルンストの肌荒れや目の下のクマを治したりした。目の下のクマは薬を使わなくてもマッサージで治せたよ!
3人で食堂でお昼を食べ、ジョシュアが治療院へ案内してくれた。エルンストは戻って研究方法を検討するって。
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「治療院院長のナゼールです。ご協力感謝いたします」
「タカラです。よろしくお願いします」
院長さん、若い! 30代前半かな?
保健室のえっちな先生みたい、なんて言ったら失礼だよね。でも長い銀髪、濃いまつ毛、白い肌、形の良い薄い唇に泣きぼくろ。
そう言えばエルンストはもっと若かったっけ。でもあそこは2人しかいなかったし。ここは治療院……、病院なんだからたくさんのお医者さんがいるだろうに、トップがこんなに若いなんて!
優秀なんだろうな。
「あなたの能力の検証は研究所でやってもらうので、ここでは実践していただきます。よろしいですか?」
「治療の手伝いをすればいいのですね」
「はい。とにかく治りが早くなるよう、薬を塗ってください」
おれは言われるままに薬を塗った。手で塗るのが1番効くけど、外傷がひどい時には怖くて塗れないので、薬を塗ったガーゼを当ててから撫でて魔力を馴染ませた。
魔力を送ることが何となくでできちゃうのって、ある意味チートかな?
「そろそろ休憩にしましょう。体調はいかがですか?」
「少し身体が重い気がします」
「魔力を使い過ぎたかも知れません。今日はこれで終わりましょう」
あっけらかんと終業を告げられた。
「働き足りないのですか?」
「えぇ、まぁ……」
「ですが魔力が枯渇すると身体の自由がきかなくなります。私にその身を任せてみますか?」
色気ダダ漏れ先生にからかわれた!!
「無理せず帰ります」
先生は笑って治療士見習いを呼び、ベイセルのところに送るよう言いつけた。
「次は送ってもらわなくていいように、ちゃんと道を覚えるからね」
「……お1人で歩くのは良くないと思います」
「そうかなぁ?」
「それに、騎士塔に応急薬を届けるついでなので気遣いは無用です」
「あ、そうだったんだ。なら良かっ!?」
「!?」
俺のスキル『何もないところで転ぶ』が発動した。咄嗟に支えようとしてくれた見習いくんが諸共に倒れ込む。巻き込んでごめん。
それにしても何だこの体勢。
受け身を取ろうと体を捻った結果、床の上で仰向けの俺は、四つん這いの見習いくんに両脚を担がれたような状態だ。見習いくんの顎が会陰を刺激する。
「あふ……」
「しっ、失礼しました!!」
「ん……、いや、ごめんね。助けようとしてくれてありがとう」
「いっ、いえ、支えられなくて申し訳ありません!!」
慌てて跳びすさり、手を差し伸べて立たせてくれる。
見習いくんはほんの少し無愛想で口数が少ない気もするけど、紳士だ。残念ながら会話はここまでで、あとは無言で送り届けられました。
「タカラ、おつかれさん」
「ベイセルもお疲れ様。そういえばベイセル、今日は帰れるの?」
「まぁな。……まだもう少しかかるが」
「大変だね」
「戦争だからな」
戦後処理ってむずかしいんだろうな。
「手伝えることがあればいいのに」
「あるぞ。家に帰ったら、な?」
「家……? ふふふ、家まで我慢できるの?」
「ここでしたら後で思い出して仕事ができなくなるだろう」
中学生じゃないんだから!
「タカラ様、もう少々こちらでお待ちください」
「ロニー、ありがとう」
お茶を淹れてもらってソファで休む。
できる従卒のロニーは俺にお茶を淹れた後、すぐに書類整理に戻り、ベイセルの書類の山を捌いていった。
「ロニーって、本当に16歳?」
「何ですか突然」
「だって、なんか有能すぎない?」
「コイツは王都中央学園を飛び級で卒業した強者だ」
「いやすごいじゃん。天才か!」
「すごいだろ」
何故かベイセルがドヤってる。
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憂い顔の美少年、尊いな。
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