【不定期更新】ラッキースケベに憧れて 〜明るく楽しい異世界生活〜

香月ミツほ

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5.言語チートに恵まれて

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気がつけば朝で、ベイセルの腕の中だった。

「起きたか」
「ん……、おはよ……、あっ……」

お互いが朝の生理現象を起こしていた。

「いいか?」
「え? 仕事は……、休み?」
「さすがに今日は午後登城だ」
「戦争に行ってたのに半日しか休みがないの?」
「役職付きは諸々の報告があるからな。傷病者や犠牲者の家族への手当てに武器防具の手入れ指示、消耗品の補充、荒れた農地の整備。道の補修計画も立てないとな」
「忙しいんだ……」
「それは仕方ないな」

それよりも、といきなり深いキスで口を塞がれ、するすると寝間着を脱がされる。性急に解されて繋がると、後はもう、喘ぎ声しか出せなかった。

遅い朝食は昼食になり、家の人に申し訳なく思う。

「ご馳走様でした。美味しかったです」
「本当にあの量で足りるんですか?」
「はい。お腹いっぱいです」

そんなに心配しなくてもいいのに。

「タカラ様、お疲れでしたら午後も休まれてよろしいのですよ」
「いえ! 充分休みましたから!!」
「そうですか。旦那様がご無理を言いましたらわたくしに仰ってください。お守りいたしますので」

これ、ぜったい夜の話だよね?
うわぁ、めっちゃ恥ずかしいんですけど!!

「ヴァルター、タカラはとても柔軟だから大丈夫だ」
「どこが!?」
「……いろいろと?」

うわぁん!
色気ダダ漏れ親父めぇ!!
いたたまれないだろうが!!

「安心いたしました」
「本当に。旦那様がこんなに寛いでいらっしゃるなんて、雨でも降るんじゃないかしら?」

執事のヴァルターもメイド頭のカマリエラも、とても嬉しそう。あ、メイドさん達もにこにこしてる。

「心配ばかりかけてすまないな」
「私たちは旦那様の心配をするのが仕事ですから、構いませんけどね」

カマリエラは肝っ玉母ちゃん系。

散々喘がされたのに意外と辛くないなー、とか考えていたら寝起きに飲ませてくれたお茶が疲労回復のお茶だったらしい。ありがたい。

ベイセルを見送り、家の中や庭を案内してもらってゆったりとした午後を過ごした。


夕食後、ベイセルとお酒をまったりと飲んでいるとき、やりたいことを思い出した。

「そうだ! 字を覚えたいんだけど、子供向けの本とかある?」
「ないな。……神殿にでも行くか?」

こちらの神殿では子供や国外から来た人に字を教えているらしい。使用人達は忙しいだろうし、私塾みたいなものがあるならそれを利用したい!

明日、使用人のセルヴォが連れて行ってくれることになった。


*******


「おはようございます。お身体は大丈夫ですか?」
「おはよう。うん、元気だよ」
「それならば予定通り、神殿に参りましょう」

朝食後、セルヴォに体調の確認をされた。昨夜は2回(ベイセルの回数)しかしてないから、辛くないし、満たされています。

家でベイセルを見送ってから馬車で平民街へ送ってもらう。送ってくれた馬車は買い出しに行くから、帰りは辻馬車を拾うんだって。

神殿は大きなものが南北にあり、それ以外に小さな神殿が10軒ほど街に散らばっているそうだ。治療院も併設されているから、その方が効率的なんだろう。

オレ達は貴族街から出て1番近くにある、平民街の小さな神殿に行った。

「神のお導きに感謝を」
「神のお導きに感謝を」

おお、そんな挨拶なのか。
見様見真似で、右手を心臓の上に置くポーズで挨拶してみる。ここの神様に対して信仰心はないけど、バチ当たらないよね?

「神のお導きに感謝を。はじめてお会いしますね」
「はい。遠いところから来たので文字の読み書きを教えていただきたく、お伺いしました」
「そうでしたか。歓迎いたします。では礼拝の後に学習室においでください。セルヴォ、ご案内をお願いしますよ」
「承知しております」

まずは礼拝。挨拶は大事だもんな。当然だな。

祭壇には半透明な薄紅色の石で彫られた像がある。布を被り、何かを待ち受けるように両手を広げている。顔も性別も判らないが、なんとなく優しそうだ。

とりあえず、みんなが幸せでいられますように、と祈った。

礼拝堂を出る前に出入り口に立つ神官さんらしき人に、セルヴォが何かを渡していた。

「さっき、なにを渡したの?」
「金貨です。寄進ですよ」
「金貨! ……って、どれくらいの価値があるの?」

あっ! 呆れられた!!

「……2枚で平民が1ヵ月暮らせます」
「そんなに!? え、まさかオレのせいで?」
「いえ、旦那様は身分もありますから、毎月金貨3枚を寄進なさっております」

毎月……。
なにそれかっこいい!

さすが師団長!!

「セルヴォ、嘘をついてはいけません。ベイセルは賭けに負けたツケを払っているに過ぎません」

またしてもイケオジ!
しかも今度は綺麗系!!
長いストレートの綺麗な茶髪を、うなじでまとめている。白いストイックな長袖詰襟の神官服がセクシー!!

ていうか、賭け?

「神官様、タカラ様は旦那様の大切な方なので、そういう事はバラさないでください」
「幻想から真実の愛は生まれませんよ」

真実の愛!?
なにそれ自信ない……。オレなんて大切な人でもないと思うし。それよりも。

「あの……、賭けって、何をしたのですか?」
「闘技場です。大隊長なのに、まるで見る目がないのです。八百長を見抜けないんですから」

八百長だとベイセルが賭けた方が負けるってこと? それ、無理じゃない?

「真剣勝負もあるので、八百長かどうかをまず見極めないと」

難しすぎる。
それにしても神官様って、ベイセルの悪友みたいだな。

あれ? 大隊長?

「セルヴォ、ベイセルって師団長じゃなくて大隊長?」
「賭けに負けた当時、ベイセル様は大隊長でした」

なるほど。




学習室には10歳くらいの赤毛の男の子と、12歳くらいの明るい茶髪の女の子、短い銀髪に褐色肌の18歳くらいの美形男子がいた。

「「しんかんさまー!」」
「シーカンサマー」

お、褐色くんカタコトだな。
そして丸いテーブルに黒い板が置いてある。黒板か。

「皆さま、お待たせしました。ではまず単語を読んで、次に書き取りです」

一人一人お手本が配られ、単語を読んで真似して書いていく。書く文字の大きさは決まってなくて、男の子は黒板に大きさの違う字を5個くらい、女の子は丁寧に2行。褐色くんは4文字。

オレは女の子を真似て2行書いた。

チョーク(蝋石?)の太さから限界は3行だな。

「お上手ですが、ここはこうです」
「なるほど。真似して書くのはまだしも、何も見ないで書くのは時間がかかりそうですね」

丸っこくてハートみたいな形が多い。
こんな可愛い文字で死亡報告されるのかと考えると微妙な気持ちになるけど、普通の文章なら楽しい気持ちになるな。

アルファベットのように5つの母音と28の子音があるらしい。アルファベットより少し多いな。

とにかくひたすら書きまくる。
で、たぶん30分くらいで飽きた。

「つかれたー」
「ぼくもー!!」

男の子と2人、テーブルに突っ伏す。
女の子からは無視され、セルヴォに苦笑いされた。

『言葉は喋れるのに文字は書けないのか』
「えっ!? さっきカタコトで喋ってなかった?」
『はっ? なんでこの言葉が分かるんだ?』

言語チートは褐色くんの母国語にも効果があるらしい。興味を持った神官様が何ヵ国語を喋ったら、全部日本語に聞こえた。そして必ず相手の使った言葉で返事をするらしい。

オレは日本語しか喋ってないんだけど。

『……ずるい』
「そんなこと言われても……」
『神の御意志は人間には理解が及びません。我々はただ自分のために努力をするのみです』
『自分のために……。そうだよな、俺は商売のために頑張るって決めたんだ。人を妬んでも何にもならないな』
『オレはこの国のこと、なにも知らないけど、手伝えることがあったら相談してくれ。役に立てるとは限らないけど!』
『あぁ、よろしく頼む』

友達になれるかな?
ちなみに褐色くんの名前はミルクという意味のレーチェだった。銀髪が白っぽかったから、らしい。かわいいな。

それにしても22歳にもなって、内定ももらえずアナニー三昧してたオレが神に選ばれるなんて、ここの神様ってちょっとおかしい?

あっ! ごっ、ごめんなさい!!
バチ当てないで!!!!
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