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10.目覚め

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予想通り、ウィリアムはステファニーとの今後の接触禁止をエドワードに申し渡した。ステファニーの目が覚めるまでは枕元にいてもよいが、目覚めたら速やかに立ち去るというのがウィリアムの最大限の譲歩だった。

エドワードはウィリアムと話した後、すぐにステファニーの所へ急いだ。彼女は翌日まで目が覚めなかったが、エドワードはそれまで彼女の元を離れなかった。

「・・・ステフィー!よかった、目が覚めて!このまま君の目が覚めなかったら僕はっ・・・」

「エド?わ、私、一体・・・?」

ステファニーは何が自分の身に起きたのかすぐに思い出せず、少し混乱しているようだった。

「ああ、ステフィー!すまない、君を守れなくて!僕が君に会いに来れるのもこれで最後だ。君との婚約は解消された。本当に済まない・・・僕の力が及ばなかった・・・」

王室に嫁ぐ女性は純潔でなければならず、ステファニーはその資格を失った。今の状態のステファニーに婚約解消のことを告げなくてはならず、エドワードの胸は張り裂けそうだったが、今を逃したら、直接話す機会はなくなってしまうのだ。

「・・・仕方ありません。殿下は責任あるお立場にあるのです。私のことはお気になさらず、殿下にふさわしいお方とご結婚ください」

「うっうっう・・・すまない、ステフィー!・・・」

エドワードは、泣きながら、避妊効果のある薬草茶をステファニーの元に持ってきて飲ませた。そして薬草茶の濃縮液をステファニーに渡し、隠し持つように伝えた。6日間1日2回、液体に混ぜて飲めば、うまくいけば妊娠を防げる。ただ、昨日はステファニーが気を失っていて飲ませられなかったので、効果があるかどうかは一か八かだ。

別れを惜しんでいると、退出を求める非情なノックが響き、エドワードは部屋を出て行かざるを得なかった。
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