ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi

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第1章 伝説の始まり

8.二つの指輪

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【カイン】

頭の中で無機質な声が聞こえた。誰の声かは分からない。
聞いたことのない声だ。
だが、なんと呼べばいいのか、何となく分かった。
『世界の声』とも呼ぶべき声なのだろう。
頭の中で、『世界の声』が俺に加護が付与され、能力を手に入れた事を知らせてくれた。


『女神ウルティアの加護を取得したことにより、能力創造を取得しました。』

『女神ウルティアを取得したことにより、ウルティアと婚姻しました。』

『義父クロノスの呪いを取得したことにより、娘を悲しませたら天変地異起こすぞ!を取得しました。』

『つづいて、ステータスを更新します。』

『加護の過多により、種族を変更します。』

『ヒューマン→ハイヒューマンへ変更しました。』

『ビービー。
エラー発生。
神力提供不足により、女神ウルティアから神力を補給します。』

『ウルティアの神力低下を確認。
能力更新のための神力が足りません。
ステータス欄の更新は、中断します。』

創造?
なんか、凄そうだ。
ってか、呪いって何だ?
えっ、婚姻??


【女神ウルティア】

『女神ウルティアを付与したことにより、神の資格を喪失しました。』

『神→ハイヒューマンへ降格します。』

『ハイヒューマンになったことにより、神力保有不可になります。
ウルティアの神力を放出します。』


【神界の神々】

「「どういうこと(よ)!?
ウルティアの神力が全然戻らないぞ(わ)」」

「「しょうがない!
ありったけの神力を、ウルティアに!!」」


【ユニコーン】

なんだ、この違和感は…。
何か、おかしい…
この感覚…
何かが決壊している?

ユニコーンは、
周りの神々の誰にも気づかれないよう、
ウルティアへの神力贈与をやめた。


【ウルティア】

神力がどんどん消えていく?
種族が変わったって、何が起こってるの??
そっかぁ、私は女神でなくなるんだ…

だとしたら、
私の神力がなくなったら、加護の力も使えなくなる!?

「朝霧海斗くん、
時間がないので、単刀直入に言います。
今、私の神力が強制的に流出しています。
理由は分かりません!

私の加護は、私の神力がないと使えないの。
お願い、すぐに創造の加護を使って、あなた自身が創造した能力をステータスに定着化させて!」

何故か神力が増えたり減ったりしているけど、
もう間もなく神力が消える。
お願い、急いで!


【カイン】

『ウルティアの神力増加を確認。
ステータスを更新を再開します。』


だめだ、頭の中がうるさい!
頭がおかしくて、もうろうとする。
静まれ!

『ステータス更新時の非表示を取得しました。』

頭の中の音声が消えた。
女神ウルティアが能力を創造するようにと話してるのが聞こえる。

くそっ、頭がもうろうとする。
とにかく創造すればいいんだな!

そして、俺は頭の中でひたすら創造した。
思い出せ!!

物語の主人公たちの特殊能力を!

知的に豪快で大胆で、
ピンチをチャンスに変える能力を。

創り出せ!
没落した俺が成り上がるための
スキルを!
能力を!

手に入れろ!
神話に出てきた数々の武具を!
防具を!
アイテムを!

舞い降りろ!
幸せな日々を約束するための幸運を!


そして、俺はモテたいんだー!!!!!!


創造しよう。
あの世界で生きてきた俺は創造力が豊かなはずだ!
そうだ、
能力を考え正しい答えを導き出す能力を!

並列思考・思考高速・全知全能・疑似人格…
よし、創造できた!

さぁ、オートで、
フル回転で創造してくれ!!

『………。
主の思うがままに……。』

ステータス更新を非表示にしているから、
今の俺にはどのような能力が増えているか分からない。
ただ、膨大な数の能力が増えてるのは間違いない。


(そこまでです。)
虹色の光がウルティアに降り注ぎ、
ウルティアの神力は、
一つの塊へ封印された。

そして、俺にも虹色の光が降り注ぎ、
創造の力は、
一つの塊へ封印された。

そして、俺の神力による創造はできなくなった。

「その声はユニコーン様ですか?」

姿は見えない。
どうやら、声だけのようだ。 
ユニコーンって、神話の一角獣だよな。

(そうですよ、ウルティア。
驚きましたよ。
まさか、あなたが降格までして、
ヒューマンと婚姻を結ぶとは。)

顔を真っ赤にしているウルティア。
可愛いな…

「はいっ、私は朝霧海斗くん…
いえっ、カイン・レオンハルトくんの生涯を
傍で見守ります。」

まじか!
こんな子が俺の奥さんになってくれるのか!?

(はぁ、そんなこと認めるわけないでしょう!
すぐに連れ戻します。)

そんな!?
認めて下さい!

(おう、俺は認めるよ~)

ん?
この声は、クロノス神!?

(そう、義父だよー。)

「クロノス様!」

驚いた声で、ウルティアは父の名を呼んだ。
俺も内心、結婚を認めてくれたことに驚いている。

(今は、神ではなく一人の父として話してるんだよ、ウルティア。
さぁ、僕をパピーと呼びなさい。)

冷たい風が吹く。

「お父様、嫌いです。」

せめてもの情けで、お父様と呼んだんだろう。
ってか、パピーって!?
相変わらずなクロノス神だなぁ。

まぁ、話しが進まないからユニコーン様と会話しよう。
あっ、声に出さなくても分かる。
クロノス神、すねたな…。

「ユニコーン様、
ところで先程なのは、どういったものだったんでしょうか?」

ユニコーンは、語り出す。
(私たち神々は、ウルティアの神力が足りなく困っていると聞き、ウルティアに神力を贈っていました。 

そう、ウルティアが加護付与のために神力を使い続けてるとは知らずにです。

ウルティア、気づいていますか?
カインくんが貴方の力を大きく超えて、能力を創造したのを。

それもそのはずです。
全ての神の神力を使い、
カインくんは他の神の力と合わせて能力を創造しました。
とんでもない数であり、強い能力です。

本来の貴方の神力だけなら、どれもが創ることのできない能力。
それをカインくんは作ってしまったのです。
それだけあれば、能力と能力を合わせることにより、更に能力は増えるでしょう。

まぁ、もし、これで不老不死まで創造できていたなら、
間違いなく、神々の一員となっていたでしょう。

おかげで他の神々は、しばらく神力が使えず1000年ほどは動けません。)


なんか、凄いことになってる。
神界、大丈夫なのか!?

ってか、俺は危うく神になるところだったのか…。
危ない危ない。
終わりのない生活に俺は耐えられる自信がない。

「そうでしたか。
ところで、ウルティア様と私の目の前に現れた、この塊はなんですか?」

(ウルティアのは、貴方の死後、また神界に戻れるようにと思い神力を封印しました。
それと、念のため、余分に封印しております。

カインくん、貴方のは更に予備として、わずかですが神力を封印しております。
もしウルティアが困った時、使ってあげて下さい。

ちなみに、その塊は好きな形に変えられますが、希望はありますか?)

「左の薬指の指輪がいいです!」

即答するウルティア。
目をキラキラさせている。

(はぁ。分かりました。
ちなみに一度はめたら、外せなくしますね。
これは、サービスです。)

そう言って、二つの塊は、二つの指輪となった。

「「ありがとうございます」」

(貴方たちに、幸あらんことを。)

そう言い残し、虹色の光は消えたのだった。

見つめ合う二人。
改めて言おう。

「ウルティア、俺と結婚して下さい。」

「はいっ。」

そして、俺はウルティアの薬指に指輪をはめ、
ウルティアは俺の薬指に指輪をはめた。

俺はウルティアを悲しませない。
ってか、悲しませたら天変地異が起こるんだっけか?

(そうだよー、
パピーの怒りは凄いんだよー。)

えっ!?
クロノス神、まだいたの!?
ってか、さっきの流れでユニコーン様と一緒に話しは終わったのかと思ってた!

(あのね、カインくん。
一つだけ、忘れてることがあるよ。)

ごくり。
なんだろう。
どうせ、ロクでもないことの気がする。

(娘さんを僕に下さい!
うちの娘を物扱いするとは、何事だ!
帰れっ!!
って定番のやりとりをやってないよ~ 
お願い、憧れだから言いたいんだ!
だって、僕は義父になるんだし!)

こんなのが俺の義父か…。
その後、しっかりと義父に結婚の挨拶をさせていただいた。

確かに相手の親への挨拶は、
大事だ。


◇◇◇

あたりもだんだん暗くなってきた。
木々も落ち着きを取り戻している。

よし、どんな能力を取得したのかは、
明日確認するとして、家に帰ろう。
ウルティアは、もう普通の女の子なんだから。
夜遅く、歩かせるのは危険だろう。

というか、突然、俺の隣りに女性がいたら驚かないかな?
まぁ、適当に言い訳しとくか。

家に着いた。
目の前には土と木が混ざって出来た俺の家がある。
この家を新婚に相応しい家に帰られるかな?

『解:可能です。サポートします。』

うおっ、びっくりした!
そういえば疑似人格を創ったんだった。

よしっ、やってみよう。
イメージは、北欧の木で出来た家だ。

にょき、にょきにょき~
ごーーー。
どどどどっ。

…。
めちゃくちゃ立派な家が出来た。

『足りないイメージは、記憶より考慮し、補完しました。』

何めっちゃ、便利な子!
素敵すぎる。

んー、人格あるんだし、名前つけるか。

どんな名前がいいかなぁ。
よし決めた!

今から君は、ウィズだ!


◇◇◇

新婚初日、料理は一緒に作った。

そして、今、2人は一つのベッドに座って話している。

「そろそろ、君づけで呼ぶのは止めないか?
もしくは、あだ名で呼び合うのはどうかな?」

ずっと緊張してるのだろう。
ドキドキの鼓動が俺にまで伝わってくる。

「えっと、呼び捨ては恥ずかしいので、
あだ名がいいです。」

「そっか。じゃあ、呼び捨てにしよう。」

「えっ、恥ずかしいって言ったのに!」

一つ一つの仕草が愛しい。

「あははっ、ごめんごめん。
つい可愛いくて、いじわるしたくなるんだよね。
大好きだよ、ウルティア」

「もう、バカなんだから。
あのね、私もカインが大好きです。」

そして、二人は2回目の口づけをし、
部屋の明かりを消すのだった。

次回、『9.嘘も真実も人によっては答えは同じ 』につづく。
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