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第二章 アリスの楽園

15 5番目の死神

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  ☆ Virtual ☆

 アリスは、今日のこのお茶会を非常に楽しみにしていた。前日に、興奮して眠れなかったぐらいだった。
 ヒナちゃんとクモコちゃんは先に来て用意をしてくれている。アリスは、夏美先生を呼びに行こうと、先生のいつも居るタバコを吸う場所に行ったのだが……そこにいたのは先生ではなく死神だった。

 アリスは混乱した。
 なんで? 
 なんで? 
 が死神の格好をしているの?
 混乱しながら必死で保育室の部屋に逃げ込んだ。

 死神は手前の部屋からひとつずつ、開けて確かめていく。

 ついに、アリスの隠れている部屋の前まで来た! 
 ドアノブが回る前にアリスは鍵を掛け、急いで窓まで走って、窓から大きな声で叫んだ。

「ヒナちゃん。恵、お姉ちゃん。助けて!」

 恵はアリスの声に、とっさに駆け出そうとしたが、ヒナちゃんを残すわけにもいかず仕方なく担いで走った。

 ドアに鍵がかかったのを知った死神は、ドアに鎌をぶつけ、徐々にドアを壊していく。
「アリスちゃん! やっと見つけたよ。切り刻んであげるからね。楽しみだね~♪」
 楽しそうに笑い声をあげた。

 恵は銀次郎に連絡したが、なぜか、応援のログインが出来ないと言われた。仕方なくヒナを少し手前で降ろして、アリスちゃんの所に行くように指示する。
 問題ない、一対一で対処すれば大丈夫だ。

「今度こそ叩きのめす!」
 派手にトンボを切って挑発して、死神をドアから遠ざける。
 その隙にヒナちゃんがそっと部屋の中に入って行った。これで大丈夫と思ったその時。
 
 死神は、声高らかに笑ったのであった。

「小娘、ここはバーチャルなんだよ! それを思い知らせてやる」
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