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第二章 アリスの楽園
14 アリスのティーパーティー
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◇ Real world ◇
「ごめんなさいね、恵ちゃん。あなたにばかりやらせてしまって」
夏美は恐縮しながら言った。
「仕方ないですよ、バーチャルはまだ怖いんでしょう? 私がやっておきますから。すみれさんと一緒にここで待っていてください」
恵はヒナちゃんと一緒に、アリスとのバーチャルでのお茶会に参加するためにログインするところだった。
まだ、夏美とはぎこちないが。「少しは認めてあげなくもないかな?」っと思い始めてはいた。あくまで少しであったが……。
☆ Virtual ☆
ログイン後、恵たちはお花畑の真ん中にテーブルと椅子を出して、お菓子と飲み物を用意した。
「お花も飾ろうか?」
「うん。そうしよう」
そんな、子供たちの姿を遠くから見ている人影があった。
その人影は、夏美先生のお気に入りの喫煙室にいた。
「緑川。お前には大切な人を殺される苦しみを味わってもらわなければな!」
そう言って振り返った時。
ドアのすき間がバタンと閉まった。
「誰だ!」
死神は急いで仮面をつけ廊下を探す。
しまった! まだ、アリスが病院の中にいたようだ。子供の足音が逃げ去っていった。
「顔を見られたな……。まずは、アリスを先に片付けないとな」
死神は、アリスを追いかけて、保育室のある階に降りていった。
「ごめんなさいね、恵ちゃん。あなたにばかりやらせてしまって」
夏美は恐縮しながら言った。
「仕方ないですよ、バーチャルはまだ怖いんでしょう? 私がやっておきますから。すみれさんと一緒にここで待っていてください」
恵はヒナちゃんと一緒に、アリスとのバーチャルでのお茶会に参加するためにログインするところだった。
まだ、夏美とはぎこちないが。「少しは認めてあげなくもないかな?」っと思い始めてはいた。あくまで少しであったが……。
☆ Virtual ☆
ログイン後、恵たちはお花畑の真ん中にテーブルと椅子を出して、お菓子と飲み物を用意した。
「お花も飾ろうか?」
「うん。そうしよう」
そんな、子供たちの姿を遠くから見ている人影があった。
その人影は、夏美先生のお気に入りの喫煙室にいた。
「緑川。お前には大切な人を殺される苦しみを味わってもらわなければな!」
そう言って振り返った時。
ドアのすき間がバタンと閉まった。
「誰だ!」
死神は急いで仮面をつけ廊下を探す。
しまった! まだ、アリスが病院の中にいたようだ。子供の足音が逃げ去っていった。
「顔を見られたな……。まずは、アリスを先に片付けないとな」
死神は、アリスを追いかけて、保育室のある階に降りていった。
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