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第十二章
ルシアナのお願い(四)※
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「ま、待ってくれ……!」
腰紐を解いたところで、レオンハルトから制止がかかる。
「どうかされましたか?」
レオンハルトのナイトガウンの前の開きながら問えば、レオンハルトは目尻を赤く染めながらルシアナを見つめた。
「ふ、触れるというのはつまり……」
「いつもレオンハルト様がしてくださるようなことですわ」
厚い彼の胸板に触れれば、ぴくりと胸筋が震えた。
小さく口を開けながら、呆然と自分を見つめるレオンハルトに、ルシアナは嫣然と笑んだ。
「レオンハルト様がしてくださるように、わたくしも優しく大切に触れますわ」
胸に触れていた手を下へと滑らせ、綺麗に割れた腹筋を撫でれば、レオンハルトの口から熱い吐息が漏れた。ゆっくりと両腕を上げ、腰を掴もうとするレオンハルトに、ルシアナは「いけませんわ」と笑みを深める。
「決して触れてはいけないと申しましたでしょう? レオンハルト様」
「っ、すまない、ルシアナ。俺が悪かった。どうか貴女に触れさせてくれ。頼む」
熱に浮かされたように瞳を揺らすレオンハルトに、ルシアナは、うーん、と首を捻る。
指先で腹筋の溝をなぞりながら、ルシアナは鼻先が触れるほど顔を近付けた。
「レオンハルト様。わたくし、ここ数日本当に寂しかったのです。レオンハルト様はもう、わたくしに触れたくなくなってしまったのではないかと不安で……」
「ああ、っ……俺が悪かった、だからっ――」
「だから、」
レオンハルトの言葉に被せるように語気を強めると、ルシアナはにこりと笑んでレオンハルトの唇に吸い付いた。
「わたくしの好きなようにさせてはくださいませんか? お願いいたします、レオンハルト様」
首に腕を回し、甘えるように小首を傾げれば、レオンハルトはきつく眉を寄せた。
「……わかった」
顔を俯かせ、絞り出すようにそう漏らしたレオンハルトは、半端に上げていた腕を下ろすと、強くシーツを掴んだ。
(……少し強引だったかしら)
ルシアナはわずかに眉尻を下げると、脇腹から胸元、首筋へと手を滑らせた。
「わたくしに触れられるのはお嫌ですか?」
以前もこんなことを尋ねたな、と思いながら問えば、顔を俯かせたままレオンハルトが首を横に振る。
その姿がルシアナに何とも言えない高揚感を与え、胸を高鳴らせた。
(……何故かしら。何故だかとってもいけない気分になってくるわ)
レオンハルトの嫌がることがしたいわけではないが、もっと意地悪としたい、という気持ちがむくむくと芽生えてくる。
シルバーグレイの髪から覗く耳が真っ赤になっているのを眺めながら、ルシアナはレオンハルトの頬を両手で包み込んだ。
「こちらを向いてください、レオンハルト様」
少し力を入れれば、レオンハルトは導かれるまま素直に顔を上げる。いつも澄んでいるシアンの瞳が劣情を滾らせているのを見て、小さく喉が鳴った。
ルシアナはわずかに目を細めると、そのまま唇を重ねる。何度か啄むように口付け、そっと舌を挿し入れた。しかし、迎え入れてくれたレオンハルトが舌を動かしたのを察知すると、すぐさま顔を離す。
「動いてはいけませんわ、レオンハルト様」
「……これもだめなのか?」
「はい。レオンハルト様との特別なキスは気持ちがよくて……すぐいっぱいいっぱいになってしまいますもの。今は少々困りますわ」
レオンハルトは眉間の皺を深め、喉奥から、ぐぅ、と声にならない声を漏らしたものの、特に反対の声は上げなかった。ルシアナは宥めるように眉間や頬に口付けを繰り返しながら、レオンハルトの薄い唇を指先でなぞる。
「レオンハルト様のようにはできないかもしれませんが、一生懸命頑張りますので……舌を出してはいただけませんか?」
レオンハルトは何も言わず、薄く唇を開いて舌を差し出した。従順なその姿に、ルシアナは嫣然と笑むと舌を絡めた。いつもレオンハルトがしてくれるように、舌の裏を舐め、唾液を交換するように舌を擦り合わせる。
(わたくしだけが動いているからかしら。いつもより絡めづらい……)
しかしレオンハルトから舌を絡められると腰砕けになってしまう、とルシアナは一生懸命、彼の舌を愛撫した。レオンハルトがするようにちゅうっと舌先に吸い付けば、レオンハルトが、ふ、と笑みのような吐息を漏らす。
「……やっぱり拙いですか?」
唾液に濡れたレオンハルトの唇を舐めながら問えば、レオンハルトはわずかに眉尻を下げた。
「いや、すまない。一生懸命な貴女が愛らしくて」
それはやっぱり拙いということだろうか、と若干唇を尖らせながら、ルシアナは視線を下げる。ルシアナが足の上に乗ったあたりから元気になり始めたそれは、先ほどより盛り上がりを見せているような気がした。拙い舌戯でもきちんと反応してくれたことが嬉しくて、拗ねた気持ちはどこへやら、ルシアナは柔らかに笑みながら、下衣越しに彼のものに触れる。
「っルシアナ……」
「よかったですわ。多少なりともそういう気持ちになっていただけたようで」
ルシアナはいそいそと下衣と下穿きの紐を緩めると、その両方に手を掛ける。
「レオンハルト様、少し腰を浮かしていただけますか?」
「……」
わくわくした面持ちのルシアナとは対照的に、レオンハルトは再び険しい表情を浮かべたものの、素直に腰を上げた。「ありがとうございます」とお礼を口にしながら、そろそろと穿いているものを下ろせば、緩く立ち上がった彼のものが外に出る。久しぶりに目にする彼のものに、ルシアナは一瞬動きを止めたものの、すぐに彼の下半身から衣服を抜き取った。
中途半端にナイトガウンだけ羽織った姿になったレオンハルトに、ルシアナはほうっと息を吐き出した。
(すべてを脱いで裸になるより……何と言うか、いけないことをしている気分になるわ)
ルシアナは剥き出しになったレオンハルトの太腿を撫で、彼のものにそっと手を添えながら、首筋に口付けを落とす。
「嫌なときは嫌ときちんとお伝えくださいね。それから、快楽には抗わず、身を任せてください。大きな声はいくら出していただいても構いませんわ」
初めてレオンハルトに触れられたときに言われた言葉を、今の状況に合わせた文言に変えて彼に伝える。
ルシアナの言葉に覚えがあったのか、レオンハルトはわずかに目を見張ったものの、一拍置いて小さく頷いた。
ルシアナは、ふふ、と笑みを漏らすと、レオンハルトの頬に口付け、そのまま首筋、鎖骨、と口付ける位置を下げていった。
一方の手は欲芯に添えたまま、もう一方の手を彼の胸に当てる。
(レオンハルト様がされるように揉むことは……できないわけではないわね)
ふにふにと彼の胸筋を揉みつつ、ルシアナの意識は小さな胸の飾りへと向いていた。
(男性は、この部分を愛でられて気持ちがいいと感じる方もいれば、そうでない方もいると本には書いてあったわ。時間をかければ徐々に気持ちよくなることもある、とあったけれど、レオンハルト様はどうかしら)
ルシアナは一瞬の逡巡ののち、手で触れていないほうの胸の飾りに、ちゅう、と吸い付いた。
腰紐を解いたところで、レオンハルトから制止がかかる。
「どうかされましたか?」
レオンハルトのナイトガウンの前の開きながら問えば、レオンハルトは目尻を赤く染めながらルシアナを見つめた。
「ふ、触れるというのはつまり……」
「いつもレオンハルト様がしてくださるようなことですわ」
厚い彼の胸板に触れれば、ぴくりと胸筋が震えた。
小さく口を開けながら、呆然と自分を見つめるレオンハルトに、ルシアナは嫣然と笑んだ。
「レオンハルト様がしてくださるように、わたくしも優しく大切に触れますわ」
胸に触れていた手を下へと滑らせ、綺麗に割れた腹筋を撫でれば、レオンハルトの口から熱い吐息が漏れた。ゆっくりと両腕を上げ、腰を掴もうとするレオンハルトに、ルシアナは「いけませんわ」と笑みを深める。
「決して触れてはいけないと申しましたでしょう? レオンハルト様」
「っ、すまない、ルシアナ。俺が悪かった。どうか貴女に触れさせてくれ。頼む」
熱に浮かされたように瞳を揺らすレオンハルトに、ルシアナは、うーん、と首を捻る。
指先で腹筋の溝をなぞりながら、ルシアナは鼻先が触れるほど顔を近付けた。
「レオンハルト様。わたくし、ここ数日本当に寂しかったのです。レオンハルト様はもう、わたくしに触れたくなくなってしまったのではないかと不安で……」
「ああ、っ……俺が悪かった、だからっ――」
「だから、」
レオンハルトの言葉に被せるように語気を強めると、ルシアナはにこりと笑んでレオンハルトの唇に吸い付いた。
「わたくしの好きなようにさせてはくださいませんか? お願いいたします、レオンハルト様」
首に腕を回し、甘えるように小首を傾げれば、レオンハルトはきつく眉を寄せた。
「……わかった」
顔を俯かせ、絞り出すようにそう漏らしたレオンハルトは、半端に上げていた腕を下ろすと、強くシーツを掴んだ。
(……少し強引だったかしら)
ルシアナはわずかに眉尻を下げると、脇腹から胸元、首筋へと手を滑らせた。
「わたくしに触れられるのはお嫌ですか?」
以前もこんなことを尋ねたな、と思いながら問えば、顔を俯かせたままレオンハルトが首を横に振る。
その姿がルシアナに何とも言えない高揚感を与え、胸を高鳴らせた。
(……何故かしら。何故だかとってもいけない気分になってくるわ)
レオンハルトの嫌がることがしたいわけではないが、もっと意地悪としたい、という気持ちがむくむくと芽生えてくる。
シルバーグレイの髪から覗く耳が真っ赤になっているのを眺めながら、ルシアナはレオンハルトの頬を両手で包み込んだ。
「こちらを向いてください、レオンハルト様」
少し力を入れれば、レオンハルトは導かれるまま素直に顔を上げる。いつも澄んでいるシアンの瞳が劣情を滾らせているのを見て、小さく喉が鳴った。
ルシアナはわずかに目を細めると、そのまま唇を重ねる。何度か啄むように口付け、そっと舌を挿し入れた。しかし、迎え入れてくれたレオンハルトが舌を動かしたのを察知すると、すぐさま顔を離す。
「動いてはいけませんわ、レオンハルト様」
「……これもだめなのか?」
「はい。レオンハルト様との特別なキスは気持ちがよくて……すぐいっぱいいっぱいになってしまいますもの。今は少々困りますわ」
レオンハルトは眉間の皺を深め、喉奥から、ぐぅ、と声にならない声を漏らしたものの、特に反対の声は上げなかった。ルシアナは宥めるように眉間や頬に口付けを繰り返しながら、レオンハルトの薄い唇を指先でなぞる。
「レオンハルト様のようにはできないかもしれませんが、一生懸命頑張りますので……舌を出してはいただけませんか?」
レオンハルトは何も言わず、薄く唇を開いて舌を差し出した。従順なその姿に、ルシアナは嫣然と笑むと舌を絡めた。いつもレオンハルトがしてくれるように、舌の裏を舐め、唾液を交換するように舌を擦り合わせる。
(わたくしだけが動いているからかしら。いつもより絡めづらい……)
しかしレオンハルトから舌を絡められると腰砕けになってしまう、とルシアナは一生懸命、彼の舌を愛撫した。レオンハルトがするようにちゅうっと舌先に吸い付けば、レオンハルトが、ふ、と笑みのような吐息を漏らす。
「……やっぱり拙いですか?」
唾液に濡れたレオンハルトの唇を舐めながら問えば、レオンハルトはわずかに眉尻を下げた。
「いや、すまない。一生懸命な貴女が愛らしくて」
それはやっぱり拙いということだろうか、と若干唇を尖らせながら、ルシアナは視線を下げる。ルシアナが足の上に乗ったあたりから元気になり始めたそれは、先ほどより盛り上がりを見せているような気がした。拙い舌戯でもきちんと反応してくれたことが嬉しくて、拗ねた気持ちはどこへやら、ルシアナは柔らかに笑みながら、下衣越しに彼のものに触れる。
「っルシアナ……」
「よかったですわ。多少なりともそういう気持ちになっていただけたようで」
ルシアナはいそいそと下衣と下穿きの紐を緩めると、その両方に手を掛ける。
「レオンハルト様、少し腰を浮かしていただけますか?」
「……」
わくわくした面持ちのルシアナとは対照的に、レオンハルトは再び険しい表情を浮かべたものの、素直に腰を上げた。「ありがとうございます」とお礼を口にしながら、そろそろと穿いているものを下ろせば、緩く立ち上がった彼のものが外に出る。久しぶりに目にする彼のものに、ルシアナは一瞬動きを止めたものの、すぐに彼の下半身から衣服を抜き取った。
中途半端にナイトガウンだけ羽織った姿になったレオンハルトに、ルシアナはほうっと息を吐き出した。
(すべてを脱いで裸になるより……何と言うか、いけないことをしている気分になるわ)
ルシアナは剥き出しになったレオンハルトの太腿を撫で、彼のものにそっと手を添えながら、首筋に口付けを落とす。
「嫌なときは嫌ときちんとお伝えくださいね。それから、快楽には抗わず、身を任せてください。大きな声はいくら出していただいても構いませんわ」
初めてレオンハルトに触れられたときに言われた言葉を、今の状況に合わせた文言に変えて彼に伝える。
ルシアナの言葉に覚えがあったのか、レオンハルトはわずかに目を見張ったものの、一拍置いて小さく頷いた。
ルシアナは、ふふ、と笑みを漏らすと、レオンハルトの頬に口付け、そのまま首筋、鎖骨、と口付ける位置を下げていった。
一方の手は欲芯に添えたまま、もう一方の手を彼の胸に当てる。
(レオンハルト様がされるように揉むことは……できないわけではないわね)
ふにふにと彼の胸筋を揉みつつ、ルシアナの意識は小さな胸の飾りへと向いていた。
(男性は、この部分を愛でられて気持ちがいいと感じる方もいれば、そうでない方もいると本には書いてあったわ。時間をかければ徐々に気持ちよくなることもある、とあったけれど、レオンハルト様はどうかしら)
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