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7. 新しく出来た友人
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「まぁ!アントンね、よろしく!緑色の髪は珍しいわね。モラリもそうなのよ、よろしくね。」
そう言って一歩後ろに控えていたモラリの腕を引っ張り、そう言った。
「…そうか。俺はアントン。君も緑色なのか?でも、見た目焦げ茶だ…あぁ、隠しているのか。けどよ、この髪の色は、ここらじゃあ珍しくないぜ、見て見ろよ。ここは、オルフェイ地区からも結構来るからよ。な、カタン。」
そう言って、アントンは帰ろうとしていた同じく緑色の髪の男の子に声を掛けた。
「あ?なんだアントンか。そっちはさっきでかい声で挨拶していたヴァレリアだって?ぼく、カタン。よろしくね-。」
「オルフェイ地区…?」
「ん?ヴァレリアは知らないのか?まぁ、これから知っていってくれよ、この国の大切な歴史だぜ。オルフェイ地区には、キシデル国から来た人達が住んでいる場所さ。」
「あぁ、あの物語の?でも、オルフェイ地区から来るからって?」
「物語…?」
カタンは首を傾げているわ。それはそうよね、物語のようにいつも話していたのは私の乳母だったのだもの。ここの人達は知らないわよね。でもあの物語は、土地の名前まではなかったから、気づけなかったわ。
「お前本当に何も知らないんだな。これだから地位を鼻に掛けたやつは…!キシデル国は、緑色の髪の奴がほとんどなんだ。だから、緑色の髪色を見ればキシデル国の人間さ。」
そうやって、アントンは両手を腰にあててちょっぴり偉そうに言った。
「あら、じゃあモラリもそうなの?」
「…はい。母がキシデル国から来たと言っておりました。〝いつか再び荒野を共に越えよう〟と。宮廷では隠さないといけませんから髪色は毎日染めております。」
それを聞いたアントンは時が止まったように動かず、とても驚いた顔をしていた。
あぁそう言われてみればそうか。だからあの物語をいつも話してくれたわけね。でも私も驚いたわ。毎日染めていたなんて!
「え!そうだったの…。アントンは物知りね!私、たくさんの知識を学ぶ為にこの学校へ来たのよ。だから、教えていただけると嬉しいわ。」
「あんた、宮廷から来たの?じゃあ、王女ってあんた?」
そうやって後ろから私達に割って入って来たのは緑色の髪を肩で切り揃えた目が少しつり上がった女の子だった。
「そうよ、私はヴァレリア。そしてこちらがモラリ。貴方達と友人になりたくてこの学校に来たのよ。よろしくね!」
「ふーん…私昔あんたによく似た子に会ったわ。でももっと大人しい感じだったからきっとあんたではないわね。私はオリアよ、両親が亡くなってその孤児院に住んでいるわ。あのさ、友人って、本気で言ってんの?」
「当たり前よ!ねぇオリア、友人になってくれる?」
「ば…ばっかじゃないの!?私ひねくれ者って有名なのよ!私みたいな面倒な奴より、もっと普通な奴と、友人になれば?私は、偉そうな奴が嫌いなの!だからどんな奴か声掛けただけよ!」
「残念だわ…でも、私はオリアと友人になりたいわ。本当のひねくれ者は、自分で言わないだろうし。そうだわ!これから一緒にもっとお話しましょう?貴方達の事が知りたいわ!」
「なに言ってんの!?それにもう学校は鍵閉めると思うわよ。」
「じゃーどっか行こうぜ!と言っても、俺ら金があるわけじゃないから、外の芝生でいいんじゃね?」
「お、いいじゃん。外行こうよ!」
鍵を閉められるとオリアが言うと、アントンが言った後にカタンも同意して言ったから、私は少し考えて提案したの。
「そうねぇ…じゃあ、宮廷に行きましょ!それでご飯食べながら話をしましょうよ!帰りはまた馬車で送るわ!」
「馬車ぁー!?なによ、見せつけたいわけ!?」
オリアってさっきから眉間にしわが寄っているのよ。笑えばきっと可愛いのに。
「あら、オリア違うわ。友人と寄り道をしたいだけよ。食事も、使用人や騎士団とかたくさんの分作っているから少し位人が増えても大丈夫よね?モラリ。」
「ヴァレリア様、さすがに急は難しいかもしれません。」
モラリは少し険しい顔でそう言った。けれど、私が言えばきっと大抵の事はまかり通るでしょ。
「そう?とりあえず、行ってみましょ。きっと大丈夫よ。」
モラリは険しいままの顔で、『期待しない方がいいですよ、今日は大人しく帰ってもいいのでは?』とか言っていたけれど、せっかく友人が出来たのだもの。もっとお話してみたいわ。
「ま、まぁ…確かに行ってみたいわね。一生縁の無い場所だもの、馬車も宮廷も。じゃあちょっとシスターに許可もらってくるから待ってなさいよ!」
「分かったわ。私達は外で待ってるわね。」
フフフ、楽しみね!
そう言って一歩後ろに控えていたモラリの腕を引っ張り、そう言った。
「…そうか。俺はアントン。君も緑色なのか?でも、見た目焦げ茶だ…あぁ、隠しているのか。けどよ、この髪の色は、ここらじゃあ珍しくないぜ、見て見ろよ。ここは、オルフェイ地区からも結構来るからよ。な、カタン。」
そう言って、アントンは帰ろうとしていた同じく緑色の髪の男の子に声を掛けた。
「あ?なんだアントンか。そっちはさっきでかい声で挨拶していたヴァレリアだって?ぼく、カタン。よろしくね-。」
「オルフェイ地区…?」
「ん?ヴァレリアは知らないのか?まぁ、これから知っていってくれよ、この国の大切な歴史だぜ。オルフェイ地区には、キシデル国から来た人達が住んでいる場所さ。」
「あぁ、あの物語の?でも、オルフェイ地区から来るからって?」
「物語…?」
カタンは首を傾げているわ。それはそうよね、物語のようにいつも話していたのは私の乳母だったのだもの。ここの人達は知らないわよね。でもあの物語は、土地の名前まではなかったから、気づけなかったわ。
「お前本当に何も知らないんだな。これだから地位を鼻に掛けたやつは…!キシデル国は、緑色の髪の奴がほとんどなんだ。だから、緑色の髪色を見ればキシデル国の人間さ。」
そうやって、アントンは両手を腰にあててちょっぴり偉そうに言った。
「あら、じゃあモラリもそうなの?」
「…はい。母がキシデル国から来たと言っておりました。〝いつか再び荒野を共に越えよう〟と。宮廷では隠さないといけませんから髪色は毎日染めております。」
それを聞いたアントンは時が止まったように動かず、とても驚いた顔をしていた。
あぁそう言われてみればそうか。だからあの物語をいつも話してくれたわけね。でも私も驚いたわ。毎日染めていたなんて!
「え!そうだったの…。アントンは物知りね!私、たくさんの知識を学ぶ為にこの学校へ来たのよ。だから、教えていただけると嬉しいわ。」
「あんた、宮廷から来たの?じゃあ、王女ってあんた?」
そうやって後ろから私達に割って入って来たのは緑色の髪を肩で切り揃えた目が少しつり上がった女の子だった。
「そうよ、私はヴァレリア。そしてこちらがモラリ。貴方達と友人になりたくてこの学校に来たのよ。よろしくね!」
「ふーん…私昔あんたによく似た子に会ったわ。でももっと大人しい感じだったからきっとあんたではないわね。私はオリアよ、両親が亡くなってその孤児院に住んでいるわ。あのさ、友人って、本気で言ってんの?」
「当たり前よ!ねぇオリア、友人になってくれる?」
「ば…ばっかじゃないの!?私ひねくれ者って有名なのよ!私みたいな面倒な奴より、もっと普通な奴と、友人になれば?私は、偉そうな奴が嫌いなの!だからどんな奴か声掛けただけよ!」
「残念だわ…でも、私はオリアと友人になりたいわ。本当のひねくれ者は、自分で言わないだろうし。そうだわ!これから一緒にもっとお話しましょう?貴方達の事が知りたいわ!」
「なに言ってんの!?それにもう学校は鍵閉めると思うわよ。」
「じゃーどっか行こうぜ!と言っても、俺ら金があるわけじゃないから、外の芝生でいいんじゃね?」
「お、いいじゃん。外行こうよ!」
鍵を閉められるとオリアが言うと、アントンが言った後にカタンも同意して言ったから、私は少し考えて提案したの。
「そうねぇ…じゃあ、宮廷に行きましょ!それでご飯食べながら話をしましょうよ!帰りはまた馬車で送るわ!」
「馬車ぁー!?なによ、見せつけたいわけ!?」
オリアってさっきから眉間にしわが寄っているのよ。笑えばきっと可愛いのに。
「あら、オリア違うわ。友人と寄り道をしたいだけよ。食事も、使用人や騎士団とかたくさんの分作っているから少し位人が増えても大丈夫よね?モラリ。」
「ヴァレリア様、さすがに急は難しいかもしれません。」
モラリは少し険しい顔でそう言った。けれど、私が言えばきっと大抵の事はまかり通るでしょ。
「そう?とりあえず、行ってみましょ。きっと大丈夫よ。」
モラリは険しいままの顔で、『期待しない方がいいですよ、今日は大人しく帰ってもいいのでは?』とか言っていたけれど、せっかく友人が出来たのだもの。もっとお話してみたいわ。
「ま、まぁ…確かに行ってみたいわね。一生縁の無い場所だもの、馬車も宮廷も。じゃあちょっとシスターに許可もらってくるから待ってなさいよ!」
「分かったわ。私達は外で待ってるわね。」
フフフ、楽しみね!
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