6 / 19
6. 教会学校
しおりを挟む
私は、念願の教会学校に通う事になったの。
まず、変わってると思ったのが制服があるのですって。しかも今まで着ていた素材とは違うの。触り心地が少しザラザラしているのよ。モラリに聞いたら、『洗いやすい生地なのですよ。』って。それに、腰から上と下で別れているの。ワンピースとは違うのね。でも、新鮮でいいわ!思わず、ヴェロニカにも見せてしまったわ!
そうそう、ヴェロニカとは同じ学び舎ではないけれど、大丈夫よね!?ヴェロニカは控えめで、少し気が弱い所があるのよ。あの子友人が出来るのかしら?
ま、私が居なくてもやっていけるようにしてもらわないといけないもの。お互いに経験よね!
…私、今更だけれど距離が遠くてげんなりしているの。今は馬車に乗って教会学校へと向かっているのだけれど、それをモラリに言ったらため息をつかれたわ。
「王都の端に教会学校があるのはお伝えしましたでしょうに…。馬車通学も楽しそう、寄り道したいわとおっしゃっていたではないですか。………そうですね、どうしても大変であれば、宮廷学院に編入すれば宜しいかと。」
「編入?」
「そうです。これから、学校に間に合うように朝早く行き、帰りも同じように時間を掛けて帰ってくるのですから。もし、学ぶ内容が物足りなくなれば、編入もお考えになれば宜しいのではないですか?」
「はー…そうね。通学の時間は盲点だったわ。教会って、孤児院が併設されていたわよね?そこで寝泊まりさせてもらえないかしら。そうしたら、こんなに時間掛けなくて済むでしょう?」
「孤児院はさすがに無理でしょう。ヴァレリア様だって、いつもご自分の愛用の枕がないと寝られないって言われてるではないですか。」
「それは図書館で本を読みながら寝ている人を見た時に言った言葉でしょう?まぁ、でも確かにそうね。自分のベッドで寝たいわ。」
そんな事を話していると、いつの間にか馬車は教会学校に着いた。
「まー、ここが教会ね!?そして、あちらが孤児院?学校かしら?」
「ヴァレリア様、よくいらっしゃいました。粗末な学び舎ではありますけれど、どうぞよろしくお願いいたします。ここは学校ですから、皆が良くも悪くも平等に扱われますので、ご理解をお願い致します。」
「なるほどね。分かったわ!私は王女ではない〝ヴァレリア〟ね!こちらこそよろしく!」
「…はい。では、こちらへどうぞ。ここでお聞き下さいね。はい!皆さん、私の事はシスターと呼んで下さいね。これから学校の説明を致します!授業は基本的に五日、午前中が基本の読み書きや自然学、歴史学、算学で、慣れてきたら午後は選択授業があります。選択科目は、これから社会に出る為の知識を詰め込む内容です。選択授業といいながら一年生は全て挑戦してもらいます。どれが合うかなんて分かりませんからね。料理科、掃除科、洗濯科、兵科、経営科などです。学年が上がればもっと細かく学んだり、科目が増えたりするから楽しみにして下さいね。では皆さん、入学、おめでとうございます。これから、頑張って学んでいきましょうね。優秀な者は、推薦状を書くことが出来るので、早く就職したい人は頑張って下さいね。では。今日は、これで終わりです。明日は、休暇日ですが、午前中に奉仕活動をしてくれるなら、昼ご飯を食べる事が出来ますよ。お待ちしていますね。では、さようなら-。」
「え!?早!もう終わり?待って、これじゃあ友人を作れないじゃない。ちょっと、皆さーん!」
私は、あっけなく終わった初日に、友人を作れなくなると思って大きな声を上げた。
「私は、ヴァレリアと申します。これから、皆さんよろしくお願いします!」
「へー、ヴァレリア。こちらこそよろしく!俺、アントンって言うんだ!よろしく!」
隣にいた、明るい緑色の髪の男の子が返事を返してくれたわ。よかった!初日が肝心って言うものね!
まず、変わってると思ったのが制服があるのですって。しかも今まで着ていた素材とは違うの。触り心地が少しザラザラしているのよ。モラリに聞いたら、『洗いやすい生地なのですよ。』って。それに、腰から上と下で別れているの。ワンピースとは違うのね。でも、新鮮でいいわ!思わず、ヴェロニカにも見せてしまったわ!
そうそう、ヴェロニカとは同じ学び舎ではないけれど、大丈夫よね!?ヴェロニカは控えめで、少し気が弱い所があるのよ。あの子友人が出来るのかしら?
ま、私が居なくてもやっていけるようにしてもらわないといけないもの。お互いに経験よね!
…私、今更だけれど距離が遠くてげんなりしているの。今は馬車に乗って教会学校へと向かっているのだけれど、それをモラリに言ったらため息をつかれたわ。
「王都の端に教会学校があるのはお伝えしましたでしょうに…。馬車通学も楽しそう、寄り道したいわとおっしゃっていたではないですか。………そうですね、どうしても大変であれば、宮廷学院に編入すれば宜しいかと。」
「編入?」
「そうです。これから、学校に間に合うように朝早く行き、帰りも同じように時間を掛けて帰ってくるのですから。もし、学ぶ内容が物足りなくなれば、編入もお考えになれば宜しいのではないですか?」
「はー…そうね。通学の時間は盲点だったわ。教会って、孤児院が併設されていたわよね?そこで寝泊まりさせてもらえないかしら。そうしたら、こんなに時間掛けなくて済むでしょう?」
「孤児院はさすがに無理でしょう。ヴァレリア様だって、いつもご自分の愛用の枕がないと寝られないって言われてるではないですか。」
「それは図書館で本を読みながら寝ている人を見た時に言った言葉でしょう?まぁ、でも確かにそうね。自分のベッドで寝たいわ。」
そんな事を話していると、いつの間にか馬車は教会学校に着いた。
「まー、ここが教会ね!?そして、あちらが孤児院?学校かしら?」
「ヴァレリア様、よくいらっしゃいました。粗末な学び舎ではありますけれど、どうぞよろしくお願いいたします。ここは学校ですから、皆が良くも悪くも平等に扱われますので、ご理解をお願い致します。」
「なるほどね。分かったわ!私は王女ではない〝ヴァレリア〟ね!こちらこそよろしく!」
「…はい。では、こちらへどうぞ。ここでお聞き下さいね。はい!皆さん、私の事はシスターと呼んで下さいね。これから学校の説明を致します!授業は基本的に五日、午前中が基本の読み書きや自然学、歴史学、算学で、慣れてきたら午後は選択授業があります。選択科目は、これから社会に出る為の知識を詰め込む内容です。選択授業といいながら一年生は全て挑戦してもらいます。どれが合うかなんて分かりませんからね。料理科、掃除科、洗濯科、兵科、経営科などです。学年が上がればもっと細かく学んだり、科目が増えたりするから楽しみにして下さいね。では皆さん、入学、おめでとうございます。これから、頑張って学んでいきましょうね。優秀な者は、推薦状を書くことが出来るので、早く就職したい人は頑張って下さいね。では。今日は、これで終わりです。明日は、休暇日ですが、午前中に奉仕活動をしてくれるなら、昼ご飯を食べる事が出来ますよ。お待ちしていますね。では、さようなら-。」
「え!?早!もう終わり?待って、これじゃあ友人を作れないじゃない。ちょっと、皆さーん!」
私は、あっけなく終わった初日に、友人を作れなくなると思って大きな声を上げた。
「私は、ヴァレリアと申します。これから、皆さんよろしくお願いします!」
「へー、ヴァレリア。こちらこそよろしく!俺、アントンって言うんだ!よろしく!」
隣にいた、明るい緑色の髪の男の子が返事を返してくれたわ。よかった!初日が肝心って言うものね!
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢ってこれでよかったかしら?
砂山一座
恋愛
第二王子の婚約者、テレジアは、悪役令嬢役を任されたようだ。
場に合わせるのが得意な令嬢は、婚約者の王子に、場の流れに、ヒロインの要求に、流されまくっていく。
全11部 完結しました。
サクッと読める悪役令嬢(役)。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
公爵家の赤髪の美姫は隣国王子に溺愛される
佐倉ミズキ
恋愛
レスカルト公爵家の愛人だった母が亡くなり、ミアは二年前にこの家に引き取られて令嬢として過ごすことに。
異母姉、サラサには毎日のように嫌味を言われ、義母には存在などしないかのように無視され過ごしていた。
誰にも愛されず、独りぼっちだったミアは学校の敷地にある湖で過ごすことが唯一の癒しだった。
ある日、その湖に一人の男性クラウが現れる。
隣にある男子学校から生垣を抜けてきたというクラウは隣国からの留学生だった。
初めは警戒していたミアだが、いつしかクラウと意気投合する。クラウはミアの事情を知っても優しかった。ミアもそんなクラウにほのかに思いを寄せる。
しかし、クラウは国へ帰る事となり…。
「学校を卒業したら、隣国の俺を頼ってきてほしい」
「わかりました」
けれど卒業後、ミアが向かったのは……。
※ベリーズカフェにも掲載中(こちらの加筆修正版)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】双子の国の行く末〜妹ヴェロニカの見た景色〜
まりぃべる
恋愛
姉のヴァレリアと、私ヴェロニカは双子の王女。
長子が身分や仕事や財産を継承するが当たり前の思想が浸透していましたから、長女ヴァレリアが国を継ぐと漠然と思われていました。
しかし、それはだんだんと変化し、次の陛下は…?
☆妹が主人公です。
☆現実世界に似たような名前、思想などがありますが、全く関係ありません。
☆設定はふんわりと緩いです。
☆カラーが異なる為にヴァレリアが過ごした日々を別の作品としました。
その作品を読んでいなくても分かると思います。
その作品は、こちらが完結したら投稿します。
☆全39話です。書き上げていますので、随時投稿していきます。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる