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15. 二人の時間
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二人の時間は、離れていた時を埋めるようにしてより一層心温まる時間となっていったわ。
私が、王妃教育で煮詰まってきた時はルドヴィークさまが王族専用の庭園へ連れ出してくれたり、王都へお忍びで一緒に出掛けてくれたりするの。
「だって、本当だったらエミーリエとたくさん一緒にいたかったんだ。これからたくさんしていこう。」
そう、優しい言葉を掛けて下さるの。
「今日は少し遠出をしてみる?」
そう言って、馬に乗せたいけどどうかと聞かれたわ。どうかと言われても…。
「馬には、乗った事が無いのでわかりませんわ。」
小さな頃はあったかもしれないけれど、記憶にないからあてにならないものね。
ルドヴィーク様は厩舎へ連れて行ってくれ、白い馬を見せてくれた。
「この馬は、ブルズィーという名なんだ。怖いなら、馬車にしよう。」
「ブルズィー。…綺麗ね。触ってもいいの?」
「あぁ、喜ぶよ。こうやって、鼻先をゆっくり撫でると…そうそう。上手だ。」
(可愛い…!)
ルドヴィーク様と一緒に撫でさせてもらっていると、ブルズィーが目を細め、気持ち良さそうにしているように見えた。
「ねぇ、ブルズィー?私、馬に乗るの、初めてなの。乗ってもいい?大丈夫?」
そう、ブルズィーに問いかけるとブルルルと鼻を鳴らした。
「いい?ルドヴィーク様と一緒なんだけど…。」
今度は、目をしっかりと開けて私をじっと見て、顔を上下に動かした。
「え?いいって言ってくれたの?」
「ははは。ブルズィーは頭がいいんだよ。良さそうなら、僕が支えるから行こうか。」
ルドヴィーク様がそう笑って言うと、またブルズィーは目を細めた。
初めての乗馬は、とても楽しかった。
鞍にクッションを乗せてくれたからお尻もそこまで痛くなかった。けれど、ルドヴィーク様が後ろから私を包み込むように乗ったから体は落ちないのだけどとても緊張したわ。
「こうやって二人乗りが出来る日が来るなんてな。この日の為に、乗馬の練習をしていたようなものだよ。」
ルドヴィーク様は、初めはゆっくりと進んでくれ、私が慣れたのがわかると少し走らせて進んだ。
風を切って走るのは、とても気持ちがいい。後ろに、ルドヴィーク様がいるから余計にそう思うのかもしれない。支えてくれるから、とても安心して乗る事が出来た。
「ここだよ。さぁ、僕から下りるから待ってね。」
ルドヴィーク様は、王都から草原を駆け抜け、山を少し登り、山が口を開いたような洞窟に着くとそういった。
「ここは?」
下ろしてもらって、私は辺りを見渡しながら言った。
「ここはね、その指輪にもついている、セレンディバイトが採れる採掘場だよ。」
「へー!」
「今日は、休みだからね。人もいないんだ。だから少しだけ、中に入ろう。」
「いいのですか!?」
「あぁ。王族に迎えるからね。知っていて欲しいし。壁にね、埋まっているんだよ、それは夜空に輝く星みたいで綺麗なんだ。だから見せたくてね。」
少し真っ直ぐに進むと、下に下りる階段が見えた。
「明かりはあるし、手すりもあるけど、気をつけて。僕の腕に掴まって。」
そう言ってゆっくりと歩いてくれたルドヴィーク様は、階段の下りた先にまた真っ直ぐ進んで行く。
「もう少しだ。大丈夫か?疲れたなら帰りは抱えてあげるよ。」
「もう!確かに結構歩いたので疲れてきまし…え?あれです!?」
「そうだよ!綺麗だろう?」
「ええ…本当に。淡い明かりに照らされて、とても綺麗…!」
明かりは、手すりの下に等間隔であるのだけれど、上の方の壁には黒っぽいものがその光に反射していて、キラキラと輝いている。
「たくさんあるように見えるけれど、一気に採る事はしないんだ。これはここにしかない貴重なものだから。だからあまり出回らないし、限られた者しか持てない。」
「そうなのですね。でもそのような大切なもの、私が持っていいのでしょうか。」
「だからだよ。僕にとって、君は大切だから。大切な人に大切な物を贈る事は、幼い頃からの夢だったんだ。叶えさせてくれてありがとう。」
「そんな!私だって…幼い頃の夢のような時間が、まるで現実になったみたい。まだずっと夢の中にいるみたいよ。」
「それはいけないなぁ。ここは現実。夢みたいには儚く消えたりしないからね。エミーリエ、これからずっとずっと、一緒に過ごそう。辛い時に傍に居られなくてごめん。これからはいつでも傍にいるよ。」
そう言って、優しく抱きしめてくれたルドヴィーク様。これから、この温もりが、いつも傍にあるのね。
「ありがとう。私も、ずっとずっと一緒にいるわ。大好き!」
私が、王妃教育で煮詰まってきた時はルドヴィークさまが王族専用の庭園へ連れ出してくれたり、王都へお忍びで一緒に出掛けてくれたりするの。
「だって、本当だったらエミーリエとたくさん一緒にいたかったんだ。これからたくさんしていこう。」
そう、優しい言葉を掛けて下さるの。
「今日は少し遠出をしてみる?」
そう言って、馬に乗せたいけどどうかと聞かれたわ。どうかと言われても…。
「馬には、乗った事が無いのでわかりませんわ。」
小さな頃はあったかもしれないけれど、記憶にないからあてにならないものね。
ルドヴィーク様は厩舎へ連れて行ってくれ、白い馬を見せてくれた。
「この馬は、ブルズィーという名なんだ。怖いなら、馬車にしよう。」
「ブルズィー。…綺麗ね。触ってもいいの?」
「あぁ、喜ぶよ。こうやって、鼻先をゆっくり撫でると…そうそう。上手だ。」
(可愛い…!)
ルドヴィーク様と一緒に撫でさせてもらっていると、ブルズィーが目を細め、気持ち良さそうにしているように見えた。
「ねぇ、ブルズィー?私、馬に乗るの、初めてなの。乗ってもいい?大丈夫?」
そう、ブルズィーに問いかけるとブルルルと鼻を鳴らした。
「いい?ルドヴィーク様と一緒なんだけど…。」
今度は、目をしっかりと開けて私をじっと見て、顔を上下に動かした。
「え?いいって言ってくれたの?」
「ははは。ブルズィーは頭がいいんだよ。良さそうなら、僕が支えるから行こうか。」
ルドヴィーク様がそう笑って言うと、またブルズィーは目を細めた。
初めての乗馬は、とても楽しかった。
鞍にクッションを乗せてくれたからお尻もそこまで痛くなかった。けれど、ルドヴィーク様が後ろから私を包み込むように乗ったから体は落ちないのだけどとても緊張したわ。
「こうやって二人乗りが出来る日が来るなんてな。この日の為に、乗馬の練習をしていたようなものだよ。」
ルドヴィーク様は、初めはゆっくりと進んでくれ、私が慣れたのがわかると少し走らせて進んだ。
風を切って走るのは、とても気持ちがいい。後ろに、ルドヴィーク様がいるから余計にそう思うのかもしれない。支えてくれるから、とても安心して乗る事が出来た。
「ここだよ。さぁ、僕から下りるから待ってね。」
ルドヴィーク様は、王都から草原を駆け抜け、山を少し登り、山が口を開いたような洞窟に着くとそういった。
「ここは?」
下ろしてもらって、私は辺りを見渡しながら言った。
「ここはね、その指輪にもついている、セレンディバイトが採れる採掘場だよ。」
「へー!」
「今日は、休みだからね。人もいないんだ。だから少しだけ、中に入ろう。」
「いいのですか!?」
「あぁ。王族に迎えるからね。知っていて欲しいし。壁にね、埋まっているんだよ、それは夜空に輝く星みたいで綺麗なんだ。だから見せたくてね。」
少し真っ直ぐに進むと、下に下りる階段が見えた。
「明かりはあるし、手すりもあるけど、気をつけて。僕の腕に掴まって。」
そう言ってゆっくりと歩いてくれたルドヴィーク様は、階段の下りた先にまた真っ直ぐ進んで行く。
「もう少しだ。大丈夫か?疲れたなら帰りは抱えてあげるよ。」
「もう!確かに結構歩いたので疲れてきまし…え?あれです!?」
「そうだよ!綺麗だろう?」
「ええ…本当に。淡い明かりに照らされて、とても綺麗…!」
明かりは、手すりの下に等間隔であるのだけれど、上の方の壁には黒っぽいものがその光に反射していて、キラキラと輝いている。
「たくさんあるように見えるけれど、一気に採る事はしないんだ。これはここにしかない貴重なものだから。だからあまり出回らないし、限られた者しか持てない。」
「そうなのですね。でもそのような大切なもの、私が持っていいのでしょうか。」
「だからだよ。僕にとって、君は大切だから。大切な人に大切な物を贈る事は、幼い頃からの夢だったんだ。叶えさせてくれてありがとう。」
「そんな!私だって…幼い頃の夢のような時間が、まるで現実になったみたい。まだずっと夢の中にいるみたいよ。」
「それはいけないなぁ。ここは現実。夢みたいには儚く消えたりしないからね。エミーリエ、これからずっとずっと、一緒に過ごそう。辛い時に傍に居られなくてごめん。これからはいつでも傍にいるよ。」
そう言って、優しく抱きしめてくれたルドヴィーク様。これから、この温もりが、いつも傍にあるのね。
「ありがとう。私も、ずっとずっと一緒にいるわ。大好き!」
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