嫁の奇妙な夢物語

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春の収穫祭

桜の蕾が花開く頃。

陽の光が地面を暖め行く季節。

私の育てた子供達が、土から芽吹き顔を上げ始めた。

春の収穫祭。

私は朝一番に畑の様子を伺った。

「いっぱい収穫出来たら友達におすそ分けしよ！」

畑から赤と黒のカブの様なものが頭を出し、緑のつくしの様なものも立派に伸びていた。

緑のつくしを引っ張ると、それはカマキリで逃す用に育てたやつ。

赤と黒のカブの様なものはタコで黒いタコは食べられないタコ。

私は一人せっせと引っこ抜いて、無事に全て収穫出来た。

「カマキリもちゃんと逃したし、黒いタコもちゃんと隔離したし、うん。これでおすそ分け出来る！」

そう、結局は赤いタコしか収穫する意味はないのだ。

しかし私は全て収穫する。

それが春の収穫祭。

これは絶対的行事なのだ。

私は友達数人にタコをおすそ分けしようと、いくつ欲しいか聞いてまわった。

「君は1つ？ん、じゃあ貴方は3つね。はい、貴女も3つよ！」

そうして順調に数を聞き配っていく。

すると1人の女性がとんでもない事を言い出した。

「私3000匹ほしいの。」

こいつバカか。

私は固まった。

あるならいくらでもあげる。

収穫したタコに目を配る。

タコはどうみても30匹程度だった。