婚約者の家に行ったら幼馴染がいた。彼と親密すぎて婚約破棄したい。

佐藤 美奈

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第37話

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エリザベスと結婚の前日に前触れなく父のカインに一人で来てほしいと呼び出された。

「ジャックすまないな」
「いえ、話と言うのは?」
「結婚したらもちろんサポートはするつもりだが、うちの娘は色んな事が満足に出来ないし、結婚したら子供も出来るだろう。そのときにちゃんと子育て出来ないかもしれない」
「そんなことですか?それなら何も問題ありません」

今までのことを知っているので、カインが心配する気持ちもわからないでもない。でも、エリザベスにプロポーズした日から心に誓っている。だが、そんなふうに考えてもらえてジャックはありがたいと思えた。

「ジャックにはクロエのことでただでさえ迷惑をかけてきた。私はジャックの事を実の息子の様に思ってる。だからジャックには幸せになってほしいんだ」
「僕はエリザベスと婚約して幸せですよ。これからもずっと彼女を支えていきます」
「うちの娘ではジャックが幸せになれないかもしれない。それが心配なんだ……」
「カイン様、僕はエリザベスなしの人生は考えられません!娘さんを僕にください。お願いします!」
「そこまで娘のことを……ジャックこちらこそ、うちの娘をよろしく頼む。幸せにしてやってくれ」

カインは泣きながら頭を下げて、ジャックも涙を誘われてさめざめと泣いた。二人はしばらく泣くことしかできない状態であった。その後話し合ってこのことは秘密にしようと約束した。


「パパから全部聞いたわ」
「そうなのか……カイン様のほうから二人での秘密だと念を押されたのにな」
「でも詳しくは聞いてないけど、そんなことをジャックに言ってパパは申し訳なく思ったって」
「そう」

ジャックは床にペタンと座り込むエリザベスの横に座り、じっと見つめていると彼女が喋り始める。途端にジャックが悲しそうな顔になり肩を抱きながら言う。

「僕はエリザベスじゃなきゃ駄目なんだ。お前しか考えられない。これからもずっと傍に居てほしい。愛してる」
「うん、私も愛してるジャック、うわああああん」

泣きながら抱きついて来て、その日は眠るまでエリザベスの頭を撫で続けていた。ジャックはとても愛らしく美しい子供みたいな泣き顔に、心があたたかく揺れて好きでたまらない気持ちになる。

二人で泣きながら寝てしまって、朝起きて腫れぼったい目をみて互いに笑い合っていると、これから彼女と幸せになれそうな気がする。そして彼は親が子供を愛する思いは、偉大な力が秘められていると身に染みて知った。
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