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雪華。
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温かい風が吹く春。
どこもかしこもパステルな色合いで溢れる街中で、私は彼氏に呼び出された。
橋本 雪華「・・・呼び出すって・・・なんだろ。今度のデートのときじゃダメなのかな。」
お互いに働いてる私たちは、仕事が休みの日に会うことが多い。
いつも彼から・・・『明後日が休みだからデートしない?』と連絡が来る。
それに対して私の予定を確認して、仕事が休みだったら1日デートをする。
私が仕事があれば、夜にデートをするのが定番だった。
雪華「私から『会いたい』って言ったら『忙しいからあとで連絡する』って言うくせに・・・。」
彼は仕事が忙しいらしくて・・・頻繁に連絡をすることを好まない。
だからデートの時に聞いて欲しいこととかをたくさん話すのも・・定番だ。
雪華「あ、もう来てる。」
待ち合わせの場所にすでに来ていた彼氏の『春樹』。
私は手を振りながら彼のもとに駆けて行った。
雪華「春樹ーっ。」
待ち合わせ場所はよく行く映画館の前。
春樹のもとに駆けて行きながら、彼のバックに映画の告知ポスターが目に入った。
その映画は女の子たちに絶大な人気を誇ってる恋愛映画。
一人の男の人に溺愛される様が・・・憧れを呼んで支持されてる。
雪華「待った?」
ジーンズに黒のTシャツ、赤のチェック柄の長袖を羽織ってる春樹。
仕事を抜け出して来たようだけど、春樹の仕事はスーツ出勤ではない。
ラフな格好でも全然オッケーな職場らしい。
雪華(パソコン関係の仕事って抜け出すことができていいなぁ。)
そんなことを思いながら春樹のバックにあるポスターに目をやった。
この映画は私も観たいと思っていた映画だ。
もしかしたら春樹にそのことを言ったかもしれないけど・・・
雪華(まさか仕事抜け出して映画観よう・・・なんてことはないよね・・?)
だとしたら嬉しいような・・・罪悪感があるような・・・。
そんな複雑な気持ちを抱えながら彼の前に立ち、顔を見上げた。
春樹「せつ、あのさ・・・・」
雪華「うん?」
春樹「俺たち付き合って1年過ぎただろ?」
雪華「?・・・うん、そうだけど・・・・。」
春樹とは付き合って1年と・・・たぶん2カ月だ。
同じ大学出身の同学年。
在学中は学部がちがったこともあってお互いの存在を知らなかったけど、卒業してから友達同士の飲み会で知り合った。
友達期間を2年してから付き合い始めて・・・半年経ったくらいの時に指輪をプレゼントしてもらった。
今日も右手の薬指にある。
春樹「俺・・・せつとこの先一緒にいれる自信ない。」
春樹の言葉に、私は彼を唖然と見つめた。
雪華「・・・・え?」
春樹「別れたいんだ。」
私は彼のために結構頑張ったつもりだ。
束縛なんてしたら怒るかもしれないから、浮気を疑ったりすることもなかった。
連絡したら怒るときがあるから必要最低限にしてた。
一緒にいる時はできるだけ和ませようと・・・お弁当を作ったり、彼のためになるように頑張ったつもりだった。
雪華「・・・どうして・・?」
春樹「それは・・・せつが一番わかってんじゃないのか?」
雪華「・・・・。」
一つだけ・・・たった一つだけ思い当たる節があった。
きっと春樹はそのことを言ってるのだろう。
春樹「俺は十分待ったと思う。努力もした。それでもせつが前に進めないなら・・・もう一緒にいれない。」
雪華「待って・・・!あのことだったらがんばるから・・・!」
春樹「・・・もういい。」
春樹は私の肩をぽんっと叩いて歩き始めた。
私は・・・1年ちょっと付き合った男の人に・・・振られた。
ーーーーーーー
その日の夜、私は親友である『ミヤ』を呼び出した。
二人で行きつけの居酒屋に入り・・・今日のことをミヤに愚痴る。
雪華「ねぇー・・・どうして?私頑張ったのにー・・・。」
空っぽになったジョッキをつんつんと指で押しながらミヤに言う。
ミヤはジョッキに入ったお酒をごくっごくっと飲んでバンッとジョッキをテーブルに置いた。
ミヤ「いや、がんばってる時点でアウトじゃない?そんな相手、別れて正解だよ。」
雪華「でも・・・初めての彼氏だったし、好きだったし・・・。」
テーブルに頭を置いてぐちぐち言ってると、ミヤが私のジョッキを取って店員さんを呼んだ。
ミヤ「すみませーん!おかわりーっ!」
雪華「・・・。」
店員さんはすぐさまおかわりのビールを持って来た。
店員「はい!お待ち!」
ミヤ「ありがとーございまーす。」
テーブルに置かれたビールを手に持ち、私は半分くらいごくごくっと飲んだ。
ぷはっと息を吐いてテーブルにジョッキを置き、おつまみのポテトを口に入れる。
雪華「・・・無理にでもシとけばよかったかなぁ。」
ミヤ「無理にするもんじゃないと思うけど・・・。」
春樹が私に求めていたことは・・・『営み』だ。
キスは何度もしてきたけど・・・そこから先がどうしても怖くていつも断っていた。
春樹は『せつの気持ちが固まるまで待つから。』と言ってくれたからそれに甘えていたのだ。
ミヤ「まぁ、今日は飲もうよ!とことん付き合うからさ!」
雪華「ミヤー・・・持つべきものは親友・・・。」
ミヤ「ま、雪華はどんなに飲んでも酔わないから記憶は失くさないだろうけど(笑)」
私たちはビールをごくごくと飲んだ。
ジョッキが空になってはおかわりし、おつまみをつまむ。
何度も何度もジョッキを空にしていき、お店が閉店するころに私たちは解散することにした。
ミヤ「ちゃんと気をつけて帰るんだよぉー・・・」
雪華「いや、ミヤのほうが気をつけないと・・・。」
お酒を飲みまくったミヤは若干怪しい足取りで歩き始めた。
ミヤは自分で『酔った』と思ったらしく、ケータイでタクシーを呼んで帰っていった。
雪華「今度、付き合ってくれたお礼しないとなー。」
そんなことを思いながら私は歩き始めた。
お腹に溜まったビールがちゃぷちゃぷ音が鳴ってるのがわかる。
雪華「うー・・・お腹が重い・・・。」
真っ暗になった夜空を見上げながらゆっくり足を進める。
ミヤとたくさん話して飲んだからか・・・随分心が軽くなったような気がする。
雪華「心は軽くなったけど・・・体が重い・・・。」
私は歩きながら辺りを見回した。
このお腹のビールを減らしたいと思い、休めるところがないか探した。
雪華「うー・・・あ、あそこにベンチがある・・・。」
ちゃぷちゃぷいうお腹を抱えながら見つけたのは、木でできたベンチ。
近くに外灯が一つあって、ベンチを軽く照らしてる。
雪華「もうちょっとでアパートだけど・・・休憩してから帰りたい・・。」
私はベンチに向かって歩き出した。
木でできたベンチに鞄を置いて、それを枕にして横になる。
足は地面についたまま、上半身だけ横になった。
雪華「はぁー・・・。」
顔を夜空に向けながら、今日のことを思いかえす。
1年ちょっと付き合ってた人に振られた私。
それは私のせいだから仕方のないことだったかもしれないけど、内心納得がいかなかった。
雪華「怖いもんは怖いんだからしかたないじゃん・・・。」
そう思いながら星空を見てると、私の視界に人が入り込んできた。
深田 雄大「・・・大丈夫ですか?」
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