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まだ恋人にはなれない。
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直哉side・・・
鈴は食べ始めたご飯を喉に詰まらせた。
鈴「ごほっ・・!ごほっ・・!」
直哉「大丈夫か?」
鈴「大っ・・丈夫っ・・!ごほっ・・!」
鈴の咳が落ち着くまで待ってからもう一度聞いた。
直哉「俺、鈴が好きだよ?兄じゃなくて、一人の男として。」
鈴「お兄ちゃん・・・。私も好きだよ?」
直哉「うん。この前言ってくれたもんな。」
鈴「うん。」
直哉「まぁ・・・フツーならこのまま付き合ったりするんだけど・・・お前、高校生だし・・・」
鈴「?」
直哉「まだ『兄妹』でいたいと思う。」
俺の言葉に鈴の動きが固まった。
鈴「・・・・わかった。」
一瞬固まったのち、すぐに返事をしてくれた鈴。
直哉「・・・ほんとにわかってるのか?」
鈴「わかってるよ。私、16歳になったの。法律上では結婚もできる年だよ。」
直哉「結婚・・・。」
キリッとした目で俺を見てる鈴。
鈴「私と年が離れてるからでしょ?お兄ちゃんたちとも仲がいいし・・・。」
直哉「まぁ・・・。それもあるけど。」
鈴「『も』?」
直哉「・・・一番はお前だよ。」
鈴「私?」
直哉「鈴は賢い高校に通ってる。その高校の卒業者は結構な確率で国を・・・未来を担う仕事に就くことが多い。」
鈴「・・・まぁ。」
直哉「お前の未来を潰したくないんだよ。」
鈴は俺の言葉を真剣に聞いてくれていた。
時々俯いたりもしてたけど・・・。
鈴「・・・ありがとう。」
直哉「え・・?」
鈴「私のことを考えてくれて・・・ありがとう。」
鈴は笑顔を見せながら俺に言った。
直哉「礼を言うのか、この状況で。」
鈴「でもね?」
直哉「うん?」
鈴「私、この1年で結果出すから。」
直哉「・・・・・うん?」
鈴「その結果次第で・・・私と結婚してくれる?」
直哉「!?・・・ごほっ・・!ごほっ・・!」
今度は俺がむせた。
飲んでたコーヒーで。
鈴「大丈夫?」
直哉「大丈・・夫っ・・!ごほっ・・!おまっ・・何言ってんのかわかってんのか?」
鈴「わかってるよ。一生一緒にいるんでしょ?」
直哉「大きくは間違ってないけど・・・。」
鈴「あれ?お兄ちゃん、もしかして私とは遊び?」
直哉「!?・・・どこでそんな言葉を覚えたんだよ・・。遊びなわけないだろ?こんな年の離れた相手・・・本気じゃなきゃ言えないし。」
鈴「ならよかった。たまには遊んでね?」
うさぎプレートのご飯を、また口に運び出した鈴。
俺はその姿をじっと見ていた。
直哉(いつの間にこんなに大人になったんだよ・・。)
しっかりした意見。
先のことまで考えてる。
出会った頃は・・・まだまだ子供だったのに・・・。
直哉(・・・やられっぱなしは好きじゃないんだよな。)
自分の想いを鈴に思い知らせるために、俺は思い付いたことがあった。
それは帰りに実行することにして、ひとまず鈴のご飯が終わるのを待った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
鈴「ごちそうさまでしたっ。」
直哉「美味かった?」
鈴「うんっ。かわいくて美味しくて、最高だねっ。」
直哉「ならよかったよ。」
席を立ち、会計を済ませた。
帰り道はまた森のような空間を抜けていく。
鈴「すごいねぇ、木のトンネルー。」
直哉「だな。」
平日ということもあってか、人がいない。
俺は前を歩く鈴を後ろから抱きしめた。
鈴「!?」
直哉「帰れば・・・こんなことできないしな。」
鈴は抵抗することなく、俺に抱きしめられていた。
俺は鈴の顎をすくい上げ、真上を向かせた。
鈴「へ?」
ちゅ・・・。
鈴「!?」
直哉「仕返し。」
鈴は真っ赤な顔をしながら俺を見上げていた。
直哉「そんな顔するなよ。」
鈴「~~~~っ!?」
直哉「・・・かわいいやつ。」
俺たちは森のような道を抜け、また電車に乗った。
乗り換えを繰り返して・・・家まで送った。
鈴「今日はありがとうっ。」
直哉「どういたしまして。・・・ところでさ、『結果出す』って何するんだ?」
鈴「ナイショー。」
直哉「べつにいいけど・・。」
そんなことを話してると、翔平の車が車庫に入ってきた。
車から下りてきた翔平が俺たちに聞く。
翔平「あれ?二人で出かけてたのか?」
鈴「うんっ。うさぎのご飯食べに連れて行ってもらったのー。」
翔平「う・・うさぎのご飯?」
きっと翔平は違うものを想像したに違いない。
鈴と俺は顔を見合わせてクスクス笑った。
翔平「?」
鈴「うさぎの形をしたご飯だよ?ちゃんと白いご飯っ。」
翔平「あぁ、そういうことか。」
翔平も帰ってきたことだし、俺は帰ることにした。
直哉「じゃな、翔平、鈴。」
鈴「またねー。」
翔平「またな。直哉。」
鈴とのデートを思い返しながら、俺は帰路についた。
鈴は食べ始めたご飯を喉に詰まらせた。
鈴「ごほっ・・!ごほっ・・!」
直哉「大丈夫か?」
鈴「大っ・・丈夫っ・・!ごほっ・・!」
鈴の咳が落ち着くまで待ってからもう一度聞いた。
直哉「俺、鈴が好きだよ?兄じゃなくて、一人の男として。」
鈴「お兄ちゃん・・・。私も好きだよ?」
直哉「うん。この前言ってくれたもんな。」
鈴「うん。」
直哉「まぁ・・・フツーならこのまま付き合ったりするんだけど・・・お前、高校生だし・・・」
鈴「?」
直哉「まだ『兄妹』でいたいと思う。」
俺の言葉に鈴の動きが固まった。
鈴「・・・・わかった。」
一瞬固まったのち、すぐに返事をしてくれた鈴。
直哉「・・・ほんとにわかってるのか?」
鈴「わかってるよ。私、16歳になったの。法律上では結婚もできる年だよ。」
直哉「結婚・・・。」
キリッとした目で俺を見てる鈴。
鈴「私と年が離れてるからでしょ?お兄ちゃんたちとも仲がいいし・・・。」
直哉「まぁ・・・。それもあるけど。」
鈴「『も』?」
直哉「・・・一番はお前だよ。」
鈴「私?」
直哉「鈴は賢い高校に通ってる。その高校の卒業者は結構な確率で国を・・・未来を担う仕事に就くことが多い。」
鈴「・・・まぁ。」
直哉「お前の未来を潰したくないんだよ。」
鈴は俺の言葉を真剣に聞いてくれていた。
時々俯いたりもしてたけど・・・。
鈴「・・・ありがとう。」
直哉「え・・?」
鈴「私のことを考えてくれて・・・ありがとう。」
鈴は笑顔を見せながら俺に言った。
直哉「礼を言うのか、この状況で。」
鈴「でもね?」
直哉「うん?」
鈴「私、この1年で結果出すから。」
直哉「・・・・・うん?」
鈴「その結果次第で・・・私と結婚してくれる?」
直哉「!?・・・ごほっ・・!ごほっ・・!」
今度は俺がむせた。
飲んでたコーヒーで。
鈴「大丈夫?」
直哉「大丈・・夫っ・・!ごほっ・・!おまっ・・何言ってんのかわかってんのか?」
鈴「わかってるよ。一生一緒にいるんでしょ?」
直哉「大きくは間違ってないけど・・・。」
鈴「あれ?お兄ちゃん、もしかして私とは遊び?」
直哉「!?・・・どこでそんな言葉を覚えたんだよ・・。遊びなわけないだろ?こんな年の離れた相手・・・本気じゃなきゃ言えないし。」
鈴「ならよかった。たまには遊んでね?」
うさぎプレートのご飯を、また口に運び出した鈴。
俺はその姿をじっと見ていた。
直哉(いつの間にこんなに大人になったんだよ・・。)
しっかりした意見。
先のことまで考えてる。
出会った頃は・・・まだまだ子供だったのに・・・。
直哉(・・・やられっぱなしは好きじゃないんだよな。)
自分の想いを鈴に思い知らせるために、俺は思い付いたことがあった。
それは帰りに実行することにして、ひとまず鈴のご飯が終わるのを待った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
鈴「ごちそうさまでしたっ。」
直哉「美味かった?」
鈴「うんっ。かわいくて美味しくて、最高だねっ。」
直哉「ならよかったよ。」
席を立ち、会計を済ませた。
帰り道はまた森のような空間を抜けていく。
鈴「すごいねぇ、木のトンネルー。」
直哉「だな。」
平日ということもあってか、人がいない。
俺は前を歩く鈴を後ろから抱きしめた。
鈴「!?」
直哉「帰れば・・・こんなことできないしな。」
鈴は抵抗することなく、俺に抱きしめられていた。
俺は鈴の顎をすくい上げ、真上を向かせた。
鈴「へ?」
ちゅ・・・。
鈴「!?」
直哉「仕返し。」
鈴は真っ赤な顔をしながら俺を見上げていた。
直哉「そんな顔するなよ。」
鈴「~~~~っ!?」
直哉「・・・かわいいやつ。」
俺たちは森のような道を抜け、また電車に乗った。
乗り換えを繰り返して・・・家まで送った。
鈴「今日はありがとうっ。」
直哉「どういたしまして。・・・ところでさ、『結果出す』って何するんだ?」
鈴「ナイショー。」
直哉「べつにいいけど・・。」
そんなことを話してると、翔平の車が車庫に入ってきた。
車から下りてきた翔平が俺たちに聞く。
翔平「あれ?二人で出かけてたのか?」
鈴「うんっ。うさぎのご飯食べに連れて行ってもらったのー。」
翔平「う・・うさぎのご飯?」
きっと翔平は違うものを想像したに違いない。
鈴と俺は顔を見合わせてクスクス笑った。
翔平「?」
鈴「うさぎの形をしたご飯だよ?ちゃんと白いご飯っ。」
翔平「あぁ、そういうことか。」
翔平も帰ってきたことだし、俺は帰ることにした。
直哉「じゃな、翔平、鈴。」
鈴「またねー。」
翔平「またな。直哉。」
鈴とのデートを思い返しながら、俺は帰路についた。
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