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行方不明?
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そのデートを最後に、俺たちは会わなかった。
正確に言うと『会えなかった』んだ。
俺は仕事が忙しく、家にも帰れない日々が続いた。
メールだけはできるだけしてたけど、鈴から・・・
『ちょっと忙しいのー。鈴』
ってメールがきた。
直哉「・・・あいつ、通信だろ?なにが忙しいんだ?」
とりあえず一方的にメールを送り続けて3カ月が経った。
暑くなり始めたある日・・・。
署に出勤してきた俺は、事務室で署員たちがテレビを見ていた。
直哉「おはよーございまーす・・・って、なにみんなでテレビ見てんだよ。」
署員「・・・この子って、前にバイトに来てくれた子じゃない?」
署員「確か直哉さんの知り合いの子・・・。」
直哉「え?」
署員たちが見てたテレビを、俺も覗いた。
『史上最年少でセキュリティアプリを開発した『朝比奈 鈴』さん。色んなメーカーが彼女との契約を奪い合ってますー!』
記者会見みたいなのに出てるのは・・・どうみても鈴だ。
直哉「え・・・?鈴・・・?」
署員「やっぱり?」
署員「賢い学校だったもんなー。」
『ではここで朝比奈さんにお話を聞いてみましょうっ。メーカーと契約を結んだ後はどうしますか?』
『家で他のアプリやシステムを作っていきたいですー。』
『高校生ということですが、恋・・のほうはどうなんでしょうか。』
『どう・・でしょうね(笑)』
『かわいらしいですし、お申し込みが耐えなさそうですね。今日はありがとうございましたー。』
『ありがとうございましたー。』
署員「すげぇな。」
署員「かわいいーしなー・・、高校生かー・・俺、25だけどどうかなぁ。」
直哉「・・・・・・。」
なんだか鈴が・・・遠い。
この前まで一緒にご飯食べて・・歩いて・・・キスしたのに。
直哉(もう3カ月も会ってないしな。)
こんなおっさん、相手にされなくなっても仕方ない。
直哉「ほら、車両点検行くぞー!」
署員「はいっ。」
署員「はいっ!」
俺は署員を置いて先に外に出た。
直哉「消耗品を補充して・・・それから・・・・・。」
考えながら歩いてると、消防署の敷地の出入り口から一人、走ってくるのが見えた。
あれは・・・・・
直哉「・・・・鈴?走るなっ!」
鈴「はぁっ・・!はぁっ・・!ゴールっ!」
俺の胸に飛び込んできた鈴。
直哉「あっぶな・・!」
鈴「へへっ。」
直哉「どうしたんだ?署まできて・・・。」
鈴は笑顔を振りまきながら言う。
鈴「テレビ、見た!?」
直哉「あぁ。さっき見た。すごいな。やったじゃん。」
鈴「えへへー。」
無邪気に笑ってる鈴。
ほんとに・・・大きくなった。
直哉「・・・やっぱお前は国の未来を担う人間だな。これからもがんばれよ。」
鈴の頭を撫でて、俺は車庫に向かって歩き始めた。
鈴「?・・・お兄ちゃん?」
直哉「ほら、早く帰れよ?」
振り返りながら言うと、鈴は大声で叫んだ。
鈴「・・・約束は!?」
直哉「・・・約束?」
鈴「私、3カ月で結果出したよ!?」
直哉「鈴・・・。他の奴のほうがいいんじゃないか?」
俺の言葉に鈴は押し黙った。
直哉「・・・帰れ。仕事がある。」
俺は車庫に向かって足を進めた。
鈴「・・・お兄ちゃん、私の事嫌いになったの?」
直哉「・・・・・・。」
鈴「・・・わかった。」
鈴は踵を返して帰っていった。
直哉(嫌いなわけないだろう・・・。)
鈴が言ってた『結果を出す』。
その意味が、まさかのセキュリティアプリの開発だったなんて・・・。
直哉(規模がデカすぎんだよ・・・。)
俺が守りたいのに・・・・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
直哉「おつかれしたーっ。」
仕事が終わった午後10時。
署を出る前に、ケータイを開いた。
直哉(鈴から連絡は・・・ないだろうな。)
そう思いながら見たケータイの画面。
直哉「・・・え?」
不在着信が50件を超えている表示が出てた。
直哉「誰?」
そう思いながら眺めてると、ケータイが鳴った。
ピピピッ・・・ピピピッ・・・
直哉「・・・翔平?」
画面にでた『朝比奈 翔平』の文字。
俺は電話に出た。
ピッ・・・
直哉「もしもし?」
翔平「あ!直哉!鈴、知らない!?帰って来ないんだよ!」
正確に言うと『会えなかった』んだ。
俺は仕事が忙しく、家にも帰れない日々が続いた。
メールだけはできるだけしてたけど、鈴から・・・
『ちょっと忙しいのー。鈴』
ってメールがきた。
直哉「・・・あいつ、通信だろ?なにが忙しいんだ?」
とりあえず一方的にメールを送り続けて3カ月が経った。
暑くなり始めたある日・・・。
署に出勤してきた俺は、事務室で署員たちがテレビを見ていた。
直哉「おはよーございまーす・・・って、なにみんなでテレビ見てんだよ。」
署員「・・・この子って、前にバイトに来てくれた子じゃない?」
署員「確か直哉さんの知り合いの子・・・。」
直哉「え?」
署員たちが見てたテレビを、俺も覗いた。
『史上最年少でセキュリティアプリを開発した『朝比奈 鈴』さん。色んなメーカーが彼女との契約を奪い合ってますー!』
記者会見みたいなのに出てるのは・・・どうみても鈴だ。
直哉「え・・・?鈴・・・?」
署員「やっぱり?」
署員「賢い学校だったもんなー。」
『ではここで朝比奈さんにお話を聞いてみましょうっ。メーカーと契約を結んだ後はどうしますか?』
『家で他のアプリやシステムを作っていきたいですー。』
『高校生ということですが、恋・・のほうはどうなんでしょうか。』
『どう・・でしょうね(笑)』
『かわいらしいですし、お申し込みが耐えなさそうですね。今日はありがとうございましたー。』
『ありがとうございましたー。』
署員「すげぇな。」
署員「かわいいーしなー・・、高校生かー・・俺、25だけどどうかなぁ。」
直哉「・・・・・・。」
なんだか鈴が・・・遠い。
この前まで一緒にご飯食べて・・歩いて・・・キスしたのに。
直哉(もう3カ月も会ってないしな。)
こんなおっさん、相手にされなくなっても仕方ない。
直哉「ほら、車両点検行くぞー!」
署員「はいっ。」
署員「はいっ!」
俺は署員を置いて先に外に出た。
直哉「消耗品を補充して・・・それから・・・・・。」
考えながら歩いてると、消防署の敷地の出入り口から一人、走ってくるのが見えた。
あれは・・・・・
直哉「・・・・鈴?走るなっ!」
鈴「はぁっ・・!はぁっ・・!ゴールっ!」
俺の胸に飛び込んできた鈴。
直哉「あっぶな・・!」
鈴「へへっ。」
直哉「どうしたんだ?署まできて・・・。」
鈴は笑顔を振りまきながら言う。
鈴「テレビ、見た!?」
直哉「あぁ。さっき見た。すごいな。やったじゃん。」
鈴「えへへー。」
無邪気に笑ってる鈴。
ほんとに・・・大きくなった。
直哉「・・・やっぱお前は国の未来を担う人間だな。これからもがんばれよ。」
鈴の頭を撫でて、俺は車庫に向かって歩き始めた。
鈴「?・・・お兄ちゃん?」
直哉「ほら、早く帰れよ?」
振り返りながら言うと、鈴は大声で叫んだ。
鈴「・・・約束は!?」
直哉「・・・約束?」
鈴「私、3カ月で結果出したよ!?」
直哉「鈴・・・。他の奴のほうがいいんじゃないか?」
俺の言葉に鈴は押し黙った。
直哉「・・・帰れ。仕事がある。」
俺は車庫に向かって足を進めた。
鈴「・・・お兄ちゃん、私の事嫌いになったの?」
直哉「・・・・・・。」
鈴「・・・わかった。」
鈴は踵を返して帰っていった。
直哉(嫌いなわけないだろう・・・。)
鈴が言ってた『結果を出す』。
その意味が、まさかのセキュリティアプリの開発だったなんて・・・。
直哉(規模がデカすぎんだよ・・・。)
俺が守りたいのに・・・・・・
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直哉「おつかれしたーっ。」
仕事が終わった午後10時。
署を出る前に、ケータイを開いた。
直哉(鈴から連絡は・・・ないだろうな。)
そう思いながら見たケータイの画面。
直哉「・・・え?」
不在着信が50件を超えている表示が出てた。
直哉「誰?」
そう思いながら眺めてると、ケータイが鳴った。
ピピピッ・・・ピピピッ・・・
直哉「・・・翔平?」
画面にでた『朝比奈 翔平』の文字。
俺は電話に出た。
ピッ・・・
直哉「もしもし?」
翔平「あ!直哉!鈴、知らない!?帰って来ないんだよ!」
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