お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。

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迎え2。

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鈴の向かいに座ってた男。

学生っぽい感じがしたけど、鈴は通信制の高校だ。

こんなところに『同じクラス』の友達がいるとは思えない。




鈴「望くん?施設にいたころの友達だよ?」

直哉「あー、なるほど。」

鈴「この前、お兄ちゃんの病院で会ったの。10年ぶり?ぐらいな。」

直哉「病院で?」

鈴「骨折したんだって。グラススキーしてて。」





スキーでの骨折はよくあることだ。





直哉「そっか。痛かっただろうな。」

鈴「直哉お兄ちゃんって、救急車で助けに行くんだよね?」

直哉「そうだよ?お前も運んだじゃん。」

鈴「うっ・・・もう運ばれませんっ。」




ぷぃっと顔をそむけた鈴。

そのあまりにもかわいい行動に、思わず頭を撫でてしまった。




鈴「?」

直哉「ん?どうした?」

鈴「なんか・・・お兄ちゃんとは違う・・?」

直哉「そうか?・・・あ、ほら、翔平が家の前で待ってる。」





近づいてきた鈴の家。

ふと前を見ると、仁王立ちの翔平の姿が目に入った。



鈴「わぁっ・・!」




俺の背中にさっと隠れた鈴。

堂々と『言って行くの忘れっちゃったー、ごめんー。』って言えばいいのに・・・

できないところがまだ子どもかな?




翔平「鈴ー?」



笑顔で寄ってくる翔平。

俺もちょっと恐怖感を感じた。




直哉「翔平、鈴も悪気があったわけじゃないんだし・・・。」

翔平「はぁ・・・。またどっかに行ったのかと思って心配したんだぞ?」



鈴は俺の背中からちょこっとだけ顔を出した。



鈴「ごめんなさい・・・。」

直哉(かわい・・・。)



翔平は鈴に手を差し出した。

迷うことなく手を取る鈴。



翔平「まぁ、いいよ。で?どこ行ってたんだ?あ、直哉も上がってくか?」

直哉「やめとく。じゃな、鈴。」

鈴「またねー、直哉お兄ちゃんっ。」




玄関のドアが閉まるまで見送り、俺は帰路についた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








ーーーーーーーーーーーーーーーー









ーーーーーーーーーー








それから日々は過ぎ、暑い季節は終わりを告げた。



ある日、私、鈴は学校の勉強が落ち着いたので、お母さんの遺品を漁っていた。





鈴「このパソコン・・・お母さんが亡くなったときのパソコン?」



段ボールの1番上にあった1台のノート型パソコン。

私はアダプターをさしてパソコンの電源を入れた。




ピピッ・・・





鈴「ついたっ。」




デスクトップにあったファイルは全部開けられてる。

私は隠されたものがないか細かいとこを探し始めた。



マウスを動かして、カチカチといろいろ探る。




鈴「んー・・・。」




私はお母さんに似たらしく、機械系が強い。

お父さんが買ってくれたパソコンは、外付けできるものを買い足して増設し、使ってる。





鈴「・・・わかんないや。」




格闘すること数十分。

私は諦めた。




鈴「あるような気がするんだけどなー。」




集中力がなくなり、私は電源を切った。

気晴らしのために外に出ようと玄関に向かう。




鈴「・・・っと、その前に。」




翔平お兄ちゃんと恭吾お兄ちゃんにメールを打つ。




『ちょっとお散歩してきまーす。鈴』



鈴「これでよしっと。」




私は靴を履き、外にでかけた。






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