お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。

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誕生日。

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翌朝・・・・



朝といってももう昼に近かった午前。


一番最初に目が覚めたのは私、鈴。

右を向くと翔平お兄ちゃん。

左を向くと恭吾お兄ちゃんが眠っていた。



鈴「・・・おはよ、お兄ちゃん。」



私の声に目を覚ましたのは翔平お兄ちゃんだった。



翔平「おはよ、鈴。どう?体調は。」

鈴「・・・元気だよ?」




翔平お兄ちゃんと話をしてたら恭吾お兄ちゃんも目が覚めたようだ。



恭吾「おはよ、鈴。」

鈴「おはよ。恭吾お兄ちゃん。朝ご飯作るね?」



体を起こしたとき、恭吾お兄ちゃんに腕を引っ張られ、私は布団に沈んでしまった。



鈴「うわぁ・・!?」

恭吾「お前は寝ときなさい。」

鈴「えー・・。」

翔平「もうちょっと寝ときな?」



恭吾お兄ちゃんに羽交い絞めにされ、私は身動きができなくなってしまった。


鈴「え?え?」

恭吾「ほら、これで起きれない。」

翔平「俺、朝飯?昼飯?作ってくるー。」

鈴「もうっ・・!」




観念して布団でごろごろしてると、お父さんが帰ってきた。




ガチャ・・・




お父さん「ただいまー。ケーキ買ってきたよー。」




リビングに入ってきたお父さん。

私が羽交い絞めにされてても何も言わない・・・。



鈴「おとうさんっ。」

お父さん「うん?調子悪かったのかい?」

鈴「そんなこと・・・・・。」

恭吾「薬の効きが悪くなってる。ちゃんと検査したほうがいい。」




お兄ちゃんの言葉を聞いて、お父さんは私の頭を撫でた。



お父さん「明日、検査入院しような?」

鈴「・・・・・・はい。」

お父さん「ほんとは今すぐがいいけど・・・お祝いしたいもんな?」

鈴「!!・・・うんっ!」

恭吾「?」

翔平「?」





お父さんはダイニングテーブルにケーキを置いた。




お父さん「ほら、翔平と恭吾のバースデーケーキ。みんなで食べよ?」

翔平「誕生日・・・。」

恭吾「すっかり忘れてた・・・。」

鈴「恭吾お兄ちゃんっ、離してぇっ。」




ジタバタともがいてると、私は羽交い絞めにされてる腕からすり抜けれた。



恭吾「鈴!?」

鈴「ちょっとトイレっ。」




私は自分の部屋に戻って鞄の中から3つの箱を取り出した。

それを抱えてリビングに戻る。




ガチャ・・・!




鈴「お兄ちゃんっ。」

恭吾「うん?」

翔平「うん?」


鈴「ハッピーバースディっ!」





一つずつお兄ちゃんに手渡す。




翔平「え・・俺に?」

恭吾「プレゼント・・・?」



お兄ちゃんは私が渡した箱を眺めていた。



翔平「この包装紙・・・一昨日の?」

鈴「・・・開けて?」



ガサガサと包装紙を開けてる間に、私はお父さんにも箱を渡した。



鈴「私を迎えに来てくれてありがとう。」

お父さん「鈴・・・。」




包装紙を開け終わったお兄ちゃんたちが箱を開けた。



翔平「タイピン・・・。」

恭吾「なんか宝石の位置がいびつなんだけど・・・?」

鈴「あ、ごめん。上手くできなくて・・・。」



私の言葉に、お兄ちゃんたちはタイピンをまじまじと見だした。




翔平「・・・作ったのか!?」

鈴「うんっ。」

恭吾「すげぇ・・・。」

鈴「いつも・・・お仕事行くときにネクタイしてるから・・・よかったら使ってください。」





お兄ちゃんたちがタイピンを見つめてるなか、お父さんも包装紙を開け終わり、箱を開けた。




お父さん「お父さんも・・・?」

鈴「うんっ。・・・大好きだよ?お父さんっ。」

お父さん「鈴・・・。お父さんも大好きだよ?もちろんお母さんも・・・。」

鈴「・・・うん。」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










お父さんが買ってきてくれたケーキを切り分けて食べてると、呼び鈴がなった。




ピンポーン・・・





翔平「?・・・誰だ?」

鈴「私、出るね?」





ダイニングを出て、廊下をパタパタと走り、玄関のドアの前で立ち止まった。

さっき2階まで駆けていったからか体が重い。

お父さんやお兄ちゃんの言った通り、ちゃんと病院に行ったほうがいいみたいだ。



呼吸を整えて、ドアを開ける。




ガチャ・・・・



鈴「はーい・・?」

直哉「よっ。鈴。」




玄関ドアの向こうにいたのは直哉お兄ちゃんだった。




鈴「あれ?直哉お兄ちゃん、どうしたの?」




直哉お兄ちゃんは紙袋を二つ下げていた。



直哉「翔平と恭吾、いるだろ?」

鈴「う・・うん。・・・お兄ちゃーんっ!」




玄関からお兄ちゃんを呼ぶと、翔平お兄ちゃんと恭吾お兄ちゃんが玄関まで来てくれた。




翔平「どしたー?」

恭吾「って、直哉さんじゃん。どうしたの?」

直哉「ん。お前らの誕生日プレゼント。26歳の1年間と25歳の1年間、よろしくな。」

翔平「・・毎年サンキュ。」

恭吾「ありがとう。」




プレゼントを受け取ったお兄ちゃんたちはその場で開け始めた。



翔平「・・お、ペーパーナイフ。」

恭吾「俺も。色違いだな。」



翔平お兄ちゃんのは深い紫色。

恭吾お兄ちゃんのは鮮やかな緑色だった。




直哉「へへっ、いいだろ?」

翔平「あぁ、サンキュ。」

恭吾「早速使わせてもらうよ。」





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