お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。

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検査が怖い。

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翌日・・



カーテンの隙間から漏れる光に目を覚ます・・・・ことが多かったはずなのに、今朝は夜更かしのせいか起きることができなかった。

いつまで経っても起きない私を、お兄ちゃんが部屋まで起こしに来てくれた。




コンコン・・・ガチャ・・



恭吾「鈴?朝だよ・・・・って、え?」




私はうさぎをベッドに寝かせて、自分は床で眠っていた。

それを見て、あきれた恭吾お兄ちゃんが私を揺さぶって起こす。



恭吾「鈴ー?ほら、起きて。」

鈴「う・・?んー・・・。」

恭吾「今日は病院だろ?早く起きないと朝飯の時間無くなるぞ?」

鈴「んあ?」




目を覚ました私は、重たい瞼を擦って目を開けた。




鈴「おはよう・・ございます・・。」

恭吾「おはよ。・・・なぁ、鈴?」

鈴「ん?」

恭吾「うさぎがベッドで寝て、お前が床って・・・逆じゃね?」




私はベッドで寝てるうさぎを見た。



鈴「だって・・・かわいくて・・。」

恭吾「---っ。俺はお前がかわいいわ・・。」

鈴「?」

恭吾「ほら、朝飯。今日はパンケーキだってよ。」

鈴「パンケーキ!?」



私と恭吾お兄ちゃんは1階のダイニングに向かった。

テーブルに1皿のパンケーキが置かれてる。



恭吾「俺らはもう食べた。朝からそんな甘いもん食えないから違うメニューだけどな。それ、鈴の分。」

鈴「私の・・。」




私は席に座った。



鈴「いただきます・・。」




ぱくっと口の中に入れたパンケーキはふわふわしてて甘かった。

メイプルシロップが超おいしい。



鈴「!!・・・おいしいっ!」

翔平「よかったな。冷凍だけど。」

鈴「冷凍ってすごい!」



パクパクと食べ進め、あっという間に空になったお皿。



鈴「ごちそうさまでしたっ。」

翔平「よく食べました。」




昨日の『お手伝い』のことを忘れてなかった私は、食器をキッチンに下げに行った。

お皿を洗おうと水を出したとき、翔平お兄ちゃんに止められた。



翔平「ストップ、鈴。」

鈴「え?」

翔平「『洗う』って気持ちはわかる。でも今日はもう病院に向かわないといけないから着替えてきてくれる?」

鈴「あっ・・!はい・・。」




私は慌てて2階に上がり、服を着替えた。

病院って言ってたからちょっと大きめのトレーナーにガウチョパンツだ。



ダッシュで顔を洗って歯を磨いたとき、もう翔平お兄ちゃんは玄関で私を待っていた。




鈴「お待たせっ・・!しました・・!」

翔平「じゃ、行こうか。」



私は翔平お兄ちゃんの車に乗せてもらい、勤務先の病院に一緒に向かった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーー






翔平「これ持って待ってて?名前呼ぶまで。」

鈴「はい。」




渡された診察の紙。

待合で待つように言われて、私は待っていた。

午前中だからか、待合は人でごった返してる。



鈴(私、最後でもいいんだけど・・・。)



そんなことを思ってると、スピーカーから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。




『朝比奈 鈴さん、診察室どうぞ。』





私は診察室をノックしてから中に入った。




コンコン・・・ガラガラ・・・



鈴「失礼します・・・?」



中にいたのは翔平お兄ちゃん。

なんか・・・針とか、注射器とかがたくさん用意されていた。




翔平「結果はどうする?ここで待つ?家で聞く?」

鈴「えっと・・・その・・・。」




お兄ちゃんが何か聞いてくれてるのに、私は注射器に目がいってしまって話の内容が頭に入って来ない。




翔平「鈴?」

鈴「・・・・・・・。」




今から針で刺されるのかと思うと、怖くなってしまって、私は俯いた。




翔平「・・・・・怖い?」

鈴「あの・・私、最後に・・・してほしいです。」




心の準備が整いそうになく、精一杯の『逃げ』だった。




翔平「それはいいけど・・・。じゃあ3時間後に待合に戻っておいで?」

鈴「はい・・・ごめんなさい・・・。」




私は診察室を出た。

さっき座ってた待合の椅子には他の誰かが座ってる。





鈴(3時間って言ってた・・。)



鞄に『診察の紙』を入れて、代わりにケータイを取り出した。

今の時間を確認する。



鈴(今が・・9時だから、12時に戻ってくる。)



どうやって心の準備を整えようかとケータイを見つめてると、近くにいた看護師さんが私に声をかけてきた。



看護師「院内はケータイ禁止ですよー?」

鈴「あ・・!ご・・ごめんなさい・・!」



私は急いでその場を離れ、病院の外まで出た。




鈴「はぁー・・緊張のしすぎかな、体が重い・・。」





まだある時間をどうしようか、顔を上げて悩む。





鈴「とりあえず、この辺歩いて見ようかな。」




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